1. しあわせな孤独
《ネタバレ》 なんだかなぁ。主要人物がみんな自分勝手で、どこか後ろめたくて満たされない。 でも、恋人を邪険にしておいて心が離れたら取り戻そうとするウザ男や、全方位的に愛情を注ぐんだけど結果的に「他人の家庭を壊しても平気」なユル美、不倫してる癖に妻に疑われると罵倒しまくるダメ吉、瀕死の交通事故の加害者のくせに加害意識の低いバカ代がウダウダと不幸になるための選択をし続けるという苦痛な内容。(この中の誰を一番許せないかで性格判断や人生観判断が出来そう…) 唯一の救いはヨアヒムが「この女といても幸せにはなれない」と悟ってくれたことと、ニルスが「この女といても(略」と悟ってくれたこと。 他人を思いやれない人間と一緒にいても、傷つく順番がいずれ自分に回ってくるよな…と過去の実体験とともに改めて実感した。 セシリは自分以外の全ての人を傷つけ続けた。いや、自身さえも傷つけたのかも。 結局、男ふたりが選んだ結論が結果的に「しあわせな孤独」だったというオチか。 [CS・衛星(吹替)] 6点(2010-01-19 23:06:32) |
2. シッコ
《ネタバレ》 全てにおいて洗練されて格好よくて優れていると思っていたアメリカへの憧れが音を立てて崩れ去る、そんな事実を突きつけてくれた作品。超金持ちは超貧乏と一緒にされたくない。だから皆保険制度なんてもんは超金持ちにとってはくだらない理想論でしかない。確かに、毎月一億円も税金を払う人と毎月10万円の生活保護をもらう人が同じ条件で手術させられたらたまったもんじゃない。でも英仏やカナダやキューバはそうなんだよね。すごいね。オバマさんは真剣にこの問題に取り組むらしいけど、もしそれが叶えられたらこの映画はきっとアメリカ史に残る偉業を達成した(映画が政治を動かした)ことになるのかな。 でもうちの故郷にIターンしてるフランス人は「自国では若い人は税金が高すぎて(起業の)チャンスがない」と言っていた。きっとどっちが優れていたかは後世の歴史家が判断するんだろうけど、やっぱり自分は日本にも英仏加を目指してもらいたいと思いつつ、税金あがるのはヤダなとヘタレてみたり・・・。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2009-09-20 00:32:21) |
3. シティ・オブ・ゴッド
《ネタバレ》 一時期ハマって秀作のドラマ版も観た。自分の価値観の狭さをこれでもかと打ち砕いてくれる哀しい作品。子供が子供らしくいられる社会は「世界が百人の村~」で例えるとどれぐらいなのだろうか。いや、そもそも子供らしい子供とは一体何かというところまで辿る必要があるのかも。閉塞感がいっぱいの街で軽すぎる人命の前になすすべもなく、私はただただ平和で退屈な街に生まれた幸運をかみしめる。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2009-09-20 00:11:46) |
4. ショーン・オブ・ザ・デッド
《ネタバレ》 ゾンビにも人間にも緊張感なし。逃げているはずの人間たちが庭先ですれ違いざまに「ごきげんよう」「ごきげんよう」とご挨拶したところで大爆笑。しかしラストのバトルは一気に盛り上がり、緊張感も怖さも十分に堪能できた。ハッピーエンドなところもまたGOOD! [CS・衛星(字幕)] 6点(2007-01-22 23:53:51) |
5. ジョゼと虎と魚たち(2003)
《ネタバレ》 久しぶりに邦画でガツーンと来た。主人公の奔放すぎるセックスライフには「なんだなんだ?イマドキの大学生はみんなあぁなのか?」と腹立たしさと戸惑いを感じつつも、『障害者と健常者の恋愛』じゃなくて普通の恋愛映画を観たという感じ。面倒な恋愛から逃げる気持ちもそういう自分を許せない気持ちもよく理解できた。相手の親が厳しすぎたり、相手の気持ちが重すぎたり、家が遠すぎたり・・・「障害者」もそういう面倒の中の一つに過ぎなかったんじゃなかろうか。でも愛する人がいつか離れていくことを肌で感じ、諦観しながら一緒にいるのは切ない。「これからのジョゼの幸せ」ってなんだろうか?それをずっと考えながらこの世界の余韻にひたりたい。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2006-12-21 20:16:38)(良:1票) |