1. G.I.ジョー(2009)
実写映画版G.I.ジョー。「どうせオモチャ会社の販促映画なんでしょ?」と舐めてかかったらこれは一体どういう事だ!中学生くらいの頃に頭の中で思い描いていた「ぼくのかんがえたさいきょうのとくしゅぶたい」が完全に映像化されているではないか!無駄に高度なVFX!無駄に壮大なスケール!無駄に既視感あふれるストーリー!すべてが完璧だ!こんなラジー賞6部門ノミネート作品に心踊らされてしまうとはなんという屈辱! [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-12-03 16:33:15) |
2. じゃりン子チエ
つい幼き日の郷愁に誘われて観賞。劇場版という事でテレビ版の総集編なのかと思ってたら、こちらの公開の方が先みたいなのでプロトタイプ的な作品なのね。ガキの頃は何の気なしに再放送を観てたもんだが、今見返してみるとまず関西弁のクオリティの高さに驚かされる。声優のほとんどがネイティブ上方芸人なので当然っちゃ当然なのだが、いちいち気の利いたガラの悪い台詞回しにはニヤニヤさせられっぱなしだった。チエの飲酒やヤクザの描写(や猫のキ○タマ)など今なら問題視されそうなシーンも結構多いが、破天荒さと哀愁とが入り混じったこの空気感はなかなか今のアニメには出せない“匂い”があると思う。どんな環境であっても子は育つし、人々(や猫)はしたたかに生きていく。巷で言われているほど人間は弱くないという事を気付かせてくれる良いアニメだなぁと改めて思った。監督は高畑勲氏。どうしても「ジブリの二番手」という印象が拭えない人だが新作も公開される事だし、パヤオ亡きジブリの暗黒面を担う存在としてぜひ再びの暗躍を望みたい所だ。あと、本作では流れないがテレビ版のオープニングテーマ『バケツのおひさんつかまえた』は後世に残すべき名曲だと思う。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2013-10-16 17:05:38) |
3. JUNO/ジュノ
《ネタバレ》 予期せぬ妊娠をしてしまった主人公の少女(エレン・ペイジ)が、子供を生むために里親を探すというハートフルコメディ。もし日本で同じ様なティーンエイジャーの妊娠という題材を扱えば、おそらく十中八九は背筋が凍る様なお涙頂戴DQN劇場になると思うが、そこはさすがアメリカ(カナダ)映画。とても牧歌的かつウィットに富んだ作風なので安心して観る事ができる(軽々しく扱い過ぎているという批判は当然あるだろうが)。ただし本作における私的ハイライトは、里親の旦那の方(元バンドマン)と口論になった際に主人公が言い放った捨て台詞。「ソニックユースなんてあんなのただの雑音よ!」なんてことを言いやがるんだこのアマ!オルタナファンでも薄々感じている事をそんなにストレートに言うな!その瞬間「これだからゆとりは…」という言葉が私の脳裏をよぎったのは言うまでもない。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2013-07-31 21:29:05) |
4. 主人公は僕だった
《ネタバレ》 12年間同じルーティンの生活を繰り返してきた男が、ある日聞こえてきたナレーションの声から自分が悲劇の小説の主人公だという事に気付き、自身の死の運命を回避する為に奔走するというコメディ映画。ここでの評価は余り高くない様だが良い映画だと思う。なんか普通に感動してしまった。何と言っても結末で主人公が死ねば傑作となっていた小説を、主人公を生かす為に駄作に書きかえる部分がミソだと思う。深刻ぶった創作の悲劇なんかより何気ない現実の日常の方がずっと尊い、そんな当たり前の事に気付かせてくれる映画である。ともすれば悲壮的な物語の中に逃げ込んで、酔いしれてしまいがちな人達(私も含めてだが)へのアンチテーゼ…と言うほど大袈裟なものではないが、チクリと気の利いた皮肉で上手くやり込められた様な憎めない爽やかな余韻の残る良作である。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2013-02-22 00:16:45) |
5. 実録・連合赤軍 あさま山荘への道程
思想家気取りのガキ共による、革命ゴッコの果ての幼稚な殺し合い。 それ以上でもそれ以下でも無く、また他に語るべき言葉も無い。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2013-02-13 01:02:53) |
6. ジェネラル・ルージュの凱旋
堺雅人のエドワード・ノートン感は異常。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2013-01-04 18:55:50) |
7. ジョニー・マッド・ドッグ
《ネタバレ》 「死にたくなければ生まれてくるな!」、アフリカ怖えええええ!!頭にビーンボールの直撃を喰らった様な久々の衝撃を受けた映画。反政府軍の少年部隊長ジョニー・マッド・ドッグとその部下達が行く先々で殺戮やレイプや略奪をしながら行軍していく姿と、彼らに弟を殺された少女ラオコレが撃たれた父親(戦争で両足を失っている)を連れて戦禍から逃げ回る姿が、対比されながらやがて交錯していく様子が描かれる。それ以外にこれといった話らしい話は無いのだが、略奪した衣服や装飾品を身につけた色とりどりの少年兵が、自動小銃を担いで無軌道に暴れ回る描写がとにかく強烈で、無秩序な環境で分別の無い子供が武器を持つという事の恐ろしさが全編に渡って描かれる。互いを妙なコードネーム(ノー・グッド・アドバイスやらチキン・ヘアーやら)で呼び合い、戦闘前には呪術めいた儀式と鬨の声による集団トランス状態で士気を高め、上官であるネバー・ダイの命令あらば忠実にそれを遂行する。タチが悪いのは彼らは純粋に戦争というゲームに興じている子供なのであって、その無邪気さ故に罪悪感を感じておらず死をも恐れていない点。だからこそウェディングドレスやカツラでふざけた仮装をして、仲間が死んだ時には下ネタまじりの追悼歌で見送るのである。反政府軍の大人達は彼らのその子供らしさに付け入り、恐怖による洗脳と薬物による陶酔で即興の兵士へと仕立て上げ、後退すら許さぬ状況で使い捨ての駒として前線に立たせる。しかし最後には反政府軍のクーデターが成功するやいなやジョニー達は用済みとなり、常備軍に入ったネバー・ダイにあっさりと見捨てられてしまう。何とも救い様の無い話だが、この映画で少年兵を演じているのは実際に内戦を戦った本物の元少年兵であるらしく、これは完全なフィクションではなく世界のどこかで今も起きている現実なのである。劇中で流れるキング牧師の演説やエンディングの「奇妙な果実」は、アメリカとリベリアの関係性を示唆するだけにとどまらず、ひいては地域紛争の多くが先進国との歴史的・商業的な関係性に起因する事を告発している様にも思える。残念ながら日本における本作の興行はさほど振るわなかったそうだが、これは先進国の国民すべてが観るべき映画であると感じる。少なくともジョニー達の境遇に照らし合わせれば、何気なく享受している平和がどれだけ重いものなのかはっきりするはずだ。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2013-01-03 13:30:17) |
8. ジョゼと虎と魚たち(2003)
《ネタバレ》 恋愛ものは途中で眠くなることが多いのだが、これは最後まで飽きずに観られた。妻夫木君はいつも通りといった感じだが、池脇さん演じるジョゼのキャラクターには引き込まれる。ただし、身も蓋もない言い方をすれば、イケメンリア充の男が身障者の女をヤリ捨てるだけの話。最後まで誰にも感情移入はできなかった。綺麗事で終わらない部分は評価するべきなのだろうが、かと言って手放しで称賛する気にもなれない。昔、女癖の悪い友人がやたらとこの映画を絶賛してたのを覚えているが、これを甘酸っぱい青春ラブストーリーとして脳天気に受け取れる人達は、たぶん自由恋愛とやらを簡単に謳歌できるタイプなんでしょうねぇ。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2012-12-08 12:05:42)(良:1票) |