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1.  ジョジョ・ラビット 《ネタバレ》 
ユーモアとシリアスを巧みに織り交ぜた、素敵な寓話的映画だった。子役たちのキュートな演技もさることながら、美人で肝っ玉なお母さんを演じたスカーレット・ヨハンソンの好演が光る。少年と母親との愛情あふれる、ユーモラスなやり取りを経た上での(だが一方で母親は息子のナチスへの熱狂ぶりを警戒しているというのがいい塩梅になっている)、後半の靴のシーンは大変衝撃的で、まさに肺腑を抉られるようだった。ぶら下がる母親の足に縋りながら、涙する少年の悲壮な表情は痛ましく、涙が出そうになった。  少年と年上の少女との交流も微笑ましい。感受性が強く、純粋ゆえに残酷でもある少年が、少女との交流でそれまでの偏見を捨て去っていく過程は印象的だ。特にゲシュタポが憎悪と偏見に溢れた少年の日記を朗読したときの、少年と少女の視線のやり取りが秀逸。ゲシュタポの醜悪な笑い声、かすかに涙ぐむ少女、少年の痛切なまなざし。少年はここにおいて、自分の行いがいかに少女を傷つけたのかを知ったはずだ。少女の身元が割れてしまうかもしれないという緊迫感ある場面だが、同時に少年の残酷な仕打ちが明らかになって、少年が反省と成長を見せるという、非常に高度な展開がここではなされている。  完成度の高い本作だが、ケチをつけるとしたら、主に二点。他の方も指摘されているが、BGMの使い方がややあざといところがある。I wanna hold your handのドイツ語ver、ラストのデイビッドボウイ(しかもベルリン三部作からの選曲)など、選曲があまりに安直過ぎるのはいかがなものか。また、重要なシーンや戦争の悲惨さを感じさせるシーンではお決まりのように映像がスローになり、マイナー調のバラードを流す演出も一本調子でどうかとは思う。ここも音楽の使い方があざといと感じた。  さらに違和感を感じたのが、ヒトラーの細かい描写だ。少年の妄想だから、どれだけ奇天烈でも荒唐無稽でもいいとは思うのだが、この時代のヒトラーは喫煙をしないはずだ(むしろ嫌煙家であり、周囲に禁煙を勧めていた)。本作は寓話的ストーリーなので、リアリティは二の次というのは理解できる。ただ、悲惨な時代を背景に、ナチスの蛮行を描いた作品であるからこそ、悪役を担う存在にも丁寧な考証に基づく描写があってもよかったのではないか。  全体的には伏線が非常に巧みに張られた映画で、ユーモラスな世界観に、過酷な時代情勢を盛り込み、伏線も素晴らしい、という傑作と呼ぶべき作品だった。
[ブルーレイ(字幕)] 8点(2020-07-06 10:46:59)
2.  シング・ストリート 未来へのうた
主役2人のカップルがなんと可愛らしいことか。たぶんあの二人は、海を渡って夢を叶えたのだ、と思うことにしている。 気が付いたのはルーシー・ボーイントンは声が異様に若い。顔はどう見ても20歳過ぎだが、声は10代で全然通用すると思った。あれでイギリス英語全開で喋られると、確かにモテるだろうな。ヒロインがモデル志望のませた女の子ということを考えると、意外に良い人選だったのではないか。  物語も良い。劇中曲も良い。不満点はといえば、ラストの貧相なCG、あとお兄ちゃんの描き方をもう少し深くできなかったのだろうかと思う。確かにいい兄ちゃんなのだが、どうもこの手の物語にありがちな人物像な気がして、あまり惹かれなかった。  ラストに表記される「すべての兄弟たちへ」の一言は、とにかく粋である。
[ブルーレイ(字幕)] 8点(2019-01-21 22:02:58)
3.  ショーン・オブ・ザ・デッド 《ネタバレ》 
ラストのえげつなさに、英国のブラックユーモアが爆発していて、表情が凍った。 いや、ほんとお前ら鬼だよ。  あと、なんでグロシーンはやけにはっちゃけているのか・・・(苦笑) 唐突なグロに逆に爆笑してしまった。  にしてもショーンたちの自堕落な生活、楽しそうだな。 鑑賞しながら途中でビールを手にしていた。
[ブルーレイ(字幕)] 8点(2018-11-23 13:06:36)
4.  JFK
JFK暗殺事件の真相を追うジム・ギャリソン地方検事を描いた現代史ミステリー。大統領暗殺という一大事件を取り扱うだけに、登場人物は膨大、上映時間も長大である。だが、カットバックを多用した飽きのこない映像と、オリバーストーンの巧みな脚本構成によって、観客をぐいぐい引っ張っていく。正直、凡庸な脚本家なら、この題材を3時間半で収められたかどうか極めて怪しいものだ。それだけストーンの脚本力と編集力が光っている一作。こと退屈になりがちな登場人物のモノローグにカットバックを大量に挿し込むことで、事件の背後にあった怪しげな人間関係や陰謀を、活き活きと浮かび上がらせる手腕は特筆すべき点だろう。  全体的な編集力や脚本力、また裁判シーンでのコスナーの名演技など、高評価できる部分は多いのだが、物語のクライマックスが個人的に弱く感じた。というのも、劇中で指摘した証拠のみでクレー・ショーをJFK暗殺の犯人とするにはさすがに無理がある。決定的な証拠に欠けていて、論理の緻密さが足りないのだ。映画はその後、コスナーの感動的な名演説を入れることで、映画的な見せ場を作っているのだが、その前の展開が腑に落ちていないせいで、素直に感動することができなかった。真実を知りたいと言うわりには、細かなディテールの積み上げを疎かにしてもよいのだろうか、と疑問に思ってしまった。  事件を追うギャリソン検事の姿に、オリバーストーンの真実追究への思いが仮託されているのは否めないだろう。現代的な観点で見れば、真実を探し求めて周囲の人間と軋轢を生む姿は、典型的な陰謀論者のそれでもある。自分が追い求めたい真実については熱く語る一方で、細かなディテールの積み上げは疎かにする、あるいは目を向けない姿勢というのは、妙に示唆的である。自分の見たい真実を追い求めたオリバーストーンは、その後、アメリカとは別の真実を提供すると謳うロシアのプロパガンダに見事に引っかかることになる。ある意味で本作は、のちのち陰謀論者となってしまうストーン監督の萌芽が見られる映画ともいえよう。言葉を返せば、鑑賞時にはある程度の真贋を見分けるリテラシーが観客にも求められる映画にもなっている。
[ブルーレイ(字幕)] 7点(2023-08-13 14:37:05)
5.  女王陛下のお気に入り
イギリス史を少し齧った者から見ると、なかなかどうして本作は、史実の取捨選択が巧みだと感じた。マールバラ侯爵夫人は確かに女王アンと極端に親密であったのは史実であり、同性愛関係についても、その真偽はともかくとして、同時代の人たちが書簡等で彼女たちの関係性を噂する程度には有名だった。アン女王の夫、王配ジョージの存在がまるまるオミットされているのは、彼は政治的野心が皆無で、作中の設定年代ですでに彼が晩年にさしかかっていたため、女同士の政治劇・権力闘争を主題とする本作においては、省略しても構わないという判断があったのだろう。他にも史実との相違を挙げればきりがないが、本作は極端な違和感を抱かせない程度で、史実に緩やかに基づき、女たちの政治的コンゲームを描くことができていたのではないだろうか。  コメディではあるが、ところどころグロテスクで底意地の悪い演出が盛り込まれる、非常に癖がある作風のランティモス監督。本作は英米資本が入っているために、グロテスク要素は抑え気味だときく。確かにぞっとする演出は多いが、ほどほどに手加減が効いていたように思う。  しかし本作の白眉は、女優三人の演技合戦だろう。まさに三位一体となって、映画を盛り上げている(ただし観ていてどんよりとするような方向性で。なんて意地の悪い映画だ笑)。三人の中でオリヴィア・コールマンがオスカーを獲得したが、個人的には三人の協働でオスカーをもぎ取ったようにも思う。エマ・ストーンはアメリカ出身だが、けっこうイギリス英語も似合うと感じた。キャストがイギリス人ばかりで、エマ・ストーンだけアメリカ出身。これは物語登場時におけるアビゲイルの異質感、ある意味でのエイリアンであることを強調するキャスティングだったのだろうか。
[ブルーレイ(字幕)] 7点(2020-02-05 19:13:46)
6.  新聞記者 《ネタバレ》 
映像の撮り方、カット割り、スピーディで切れのあるカメラ回しはなかなかの完成度だが、いかんせん脚本が弱い。リアリズムが皆無で、人物造形や展開する人間ドラマも非常に薄っぺらく、ついに作品に共感することができなかった。ときの政権が密接に関与する新設大学で、生物兵器研究が行われようとしている…。映画の核となるこのストーリー展開は、いかにも陰謀論的かつ妄想的で、リアリティが欠如しており、ついていくことができない。映画がモチーフにしている現実の某大学問題で、生物兵器研究を裏付ける証拠も証言も現状はないため、なおさら映画内での展開の突飛さに違和感を覚える。あと主人公の取材過程の描写も雑。専門家や関係者へ聞き取りをしたり、文献を調べたりする過程が少な過ぎて、この主人公はまともに裏付けを取ろうとしないのかと不安さえ覚えた。ちなみに英単語を書き込んだ付箋に注目するシーンがあるが、ただの英単語を書き込んだだけのメモになんの意味があるのやら(笑)。あれで取材していますという風景を描きたかったのなら笑止千万だ。悪役となる内調・政府の描き方も、非常に一方的な描き方で、私の好みではなかった。最も違和感を覚えたのは、内調のあまりに暗過ぎるオフィス風景(笑)。あんな照明の暗さで仕事に集中できるのか甚だ疑問。そのような描写にもリアルを感じられず、またそれによって政府や権力側を都合の良く脚色しているなと感じた次第。不偏不党たるべきジャーナリズムをテーマとするこの映画が、こうした偏りを盛り込むというのはいかがなものか。  現実世界の事象をモチーフにし、ときの政府や権力を批判して風刺してやる!という意気込みが強く伺える本作。だが、その意気込みが強過ぎて、政府や権力は過度に悪役化されているし、現実から乖離した妄想的展開も目立つ。若干(…というかかなり)新聞記者たちも美化して描かれている。すべてが中途半端に脚色され、都合の良い物語に堕している。これで高評価を与えることは私にはできない。  追記:鑑賞後にもやもやが残ったため、原案本も読んでみた。他の方も指摘されているが、原案本には当然ながら生物兵器研究の記載はなく、やはり映画は想像が飛躍し過ぎだ。原案本と映画で共通しているのは、事象への裏取り作業が不十分である点だ。政府の陰謀や圧力はどこまで存在するのか、ある人物の醜聞の真偽はどこまでが事実でどこまでが虚飾なのか、事実を客観的かつ中立的に検証し、分析する行為が映画にも原案本にも不足している。本作のモデルになった記者も、事実の検討が不十分なままで、犯罪被害者”とされる”女性や、醜聞をでっち上げられた”とされる”元官僚に肩入れしている節がある。自分はこう思う、こうあってほしいという願望や思い入れ、思い込みに対して真摯で客観的な検討もせず、陰謀や圧力があったと騒ぎ散らし、権力や政権を一方的に非難するというのは、正しいジャーナリズムなのだろうか。結局のところ、本作は実際の事案をベースにした真面目な映画を装ってはいるが、肝心の部分では根拠や裏付けが曖昧な情報や主張を訴える不誠実な映画になってしまっている。  既存メディアの衰退とSNSの発展で、都合のよい情報、根拠が曖昧な情報、陰謀論が飛び交う世の中で、本作はそうした時流や風潮に立ち向かう映画なのかと思いきや、むしろ陰謀論や論拠曖昧な情報を拡散する映画になってしまっているとは、なんとも皮肉なものだ。
[DVD(邦画)] 5点(2019-11-25 21:14:27)(良:2票)
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