1. SUPPINぶるうす ザ・ムービー
銀行強盗ものの隠れた秀作『遊びの時間は終わらない』で、見せ場をもらえず主人公に嫉妬する男を演じた今井雅之が、「今度は俺が目立ってやる!」と思ったのか思わなかったかは不明だが、初メガホンをとった人情コメディ。アル・パチーノの『狼たちの午後』を底本に、男と女とホモとニューハーフが繰り広げる銀行籠城中の恋愛バトル。そして、行き着く先は犯人・人質ともにアイデンティティーの確認。このあたりテーマは面白いのだが、どうにも脚本が練り込み不足で、最後まで盛り上がらず。音楽の使い方も今ひとつ堂に入っておらず、PVの延長のようなものになってしまっている。役者・今井雅之の個性は好きなだけに、残念な仕上がり。唯一の収穫は、新山千春のニューハーフぶり。 3点(2004-10-13 18:56:25) |
2. スクール・オブ・ロック
《ネタバレ》 ジャック・ブラックによるロック版『いまを生きる』。だが、当然のごとくコメディに比重が置かれ、深さはない。プロットも大雑把で、決して出来はよくない。なのに……なぜなんだろう。クライマックスのコンテストシーンで鳥肌が立ち、全身が小刻みに震えだし、急に目頭があつくなってきた。そう、やっぱり映画って理屈じゃない。脚本の理屈では「そこそこ」でしかなくても、そこに「魂」が吹き込まれると、映画の奇跡が起きる。ブラック&ホワイト万歳! 9点(2004-05-28 23:10:07)(良:3票) |
3. スワロウテイル
金が人間性を狂わす現代社会にメスを入れた作品。しかしながら、欲張りすぎのまとまりのないプロットに、一つ覚えのセピアがかった映像処理で、全てが中途半端に終わってしまった失敗作。ごった煮ムービーもノリがよければ観られるが、気取りまくった映像美にはうんざりしてくる。チャラの歌がよかったので、甘めに採点。 2点(2003-12-02 17:59:56) |
4. スリー・リバーズ
《ネタバレ》 公開直前にコメディアン(公開版で真犯人役だった男)が生放送で真犯人をばらしてしまい、急遽テスト試写で不評だった別バージョンのラストが採用されたという話を聞いたことがある。真偽のほどは確かではないが、あながちデマではなさそうなほど本編のラストはお粗末である。サスペンスもアクションも中途半端で、今となっては『Sex and the City』のS・J・パーカーのベッドシーンが拝めるのだけが本作の見所となってしまっている。 4点(2003-12-02 17:54:45) |
5. スリーメン&ベビー
《ネタバレ》 赤ん坊にふりまわされながらも、次第に愛情をもって、というよりももちすぎてしまう3人の男達が愛らしくとても楽しいコメディ。珍しく、オリジナルにも負けない出来に仕上がっている。噂の「少年」は、見学に来ていたスタッフの子供が映りこんでしまったという説明をかなり前に聞いた気がするが、そうは思えぬ怖さが漂っていて、『リング』より怖い。 8点(2003-12-02 17:34:50) |
6. スリーピー・ホロウ
《ネタバレ》 いつもながらのT・バートンワールドを堪能できる点では、とりたてて文句を言うべきではないかもしれないが、やはりバートンとA・K・ウォーカーの組み合わせは今ひとつ相性が悪かったように思う。謎解きの面白さが全く味わえないのは、バートンにはその資質がないからだろう。それにしても、C・ウォーケンは首がなくても存在感抜群なんだなぁ(笑)。 6点(2003-12-02 17:29:34) |
7. スリーパーズ
重いテーマを扱っているため、観賞後どっと疲れが出てしまう。もう少しプロットを練り省略をうまく使っていけば、よりストレートに彼らの苦しみが自分のもののように感じられたかもしれない。役者ではベーコンはもちろん、パトリックが好演。彼には『スピード2』ではなく、このようなドラマこそ似合う。逆にデニーロは場の雰囲気にそぐわない演技で浮いてしまっている。素晴らしい役者だが、度々このようなミステイクを犯してしまうの残念。 6点(2003-12-02 17:25:15) |
8. スリー・キングス
《ネタバレ》 戦場を舞台にルパン的な泥棒コメディが展開されなかなか面白い。全編に漂う皮肉も効いていてよいが、後半ちょっとシリアスに流れすぎたか。もっと軽く描写できていたら傑作になりえたかもしれない。また、デビッド・O・ラッセルの演出は奇をてらいすぎていてあまり好感はもてない。それにしても、現実の舞台でも似たようなことが行われていそうな気がするのは俺だけか? もちろん、前半のお宝略取の部分だけだが。 7点(2003-12-02 17:17:42) |
9. スライディング・ドア
《ネタバレ》 ロマンティック版『if ~もしも~』(『世にも奇妙な物語』の後番組)。ちょっとした実験作で楽しめることは確かだが、どちらの場合でも同じカップル成立というのは、ちょっと乙女の発想のようで汚れた俺にはなじめなかった。やはり、選択によっては別の男と幸せに暮らしたり、もしくはヒロインがぼろぼろになってしまったりというのも現実的だと思うのだが・・・。まぁ、後者では本当にタモリが登場しちゃいそうだからダメか。 6点(2003-12-02 17:10:01) |
10. スモール・ソルジャーズ
当時娯楽大作から手をひいていた・・・というよりも手をひかされていたJ・ダンテが思いっきり趣味に走った作品。『グレムリン』となんら変わらぬ設定ながら悪ノリ度はUP。大人の俺にはブラックコメディとして楽しめなくはないが、将来子供ができてもこちらではなく、『トイ・ストーリー』を観せるだろう。 5点(2003-12-02 17:01:54) |
11. スモーク(1995)
ラストに使われた短編小説が好評を博したことから、ポール・オースター自身がさらに世界を広げていった作品。全体的には散漫な印象もあるのだが、やはりH・カイテルが語る最後は味わい深い。今年に入ってから禁煙をしようと考え始めたのだが、本作を見返すとその意もすぐに煙のごとく消えていってしまう・・・って、こりゃただの言い訳か。本サイトを見ている若者たちよ、タバコはこんなに素晴らしいものじゃない。手をつけないように! 8点(2003-12-02 16:56:55) |
12. スポーン
最新のSFXに『デビルマン』を彷彿とさせるキャラクター設定。これはひょっとするのでは、と期待したのが大間違い。隠し芸大会かと見間違うようなだらけたプロットにゆるい演出で観ていて眠気しか起きない。まぁ、スポーンのマントのCGが秀逸だったことだけ評価して、2点。 2点(2003-12-01 20:18:53) |
13. スペシャリスト(1994)
『山猫は眠らない』のルイス・ロッサが、所々スタイリッシュな映像で魅せる。しかし、全体のバランスなど全く取れていない。爆弾のスペシャリストと謎の女のミステリアスな出会いと愛の過程は盛り上がりそうなモチーフなのに、ロッサの無制御ぶりと主演二人の大仰な芝居で雰囲気をぶちこわしている。特にシャワールームの濡れ場はボディビルのよう。スタローン好きだが、脚本を練り直して、別のキャスト・スタッフでリメイクしてほしい。 3点(2003-12-01 20:14:04) |
14. スペースボール
実はあまり本家が好きになれない俺だが、この作品はツボに入った。R・モラニス、J・キャンディを出されれば、まぁどんな作品でも面白くはなるのだが、ブルックスは特に活かし方を心得ている。ブルックスの中では大傑作という訳ではないが、元ネタが超メジャー作なだけに、ブルックス入門作としてはおすすめの一本。まぁ、門に足を踏み入れた途端に引き返しちゃう人もいるだろうが・・・。 7点(2003-12-01 20:07:20) |
15. スペーストラベラーズ
大した事件を起こさずにも味わいあるドラマを紡ぐ岡田脚本と、事件で物語を動かしていかないと収まりのつかない本広演出。この二人の資質の違いが仕上がりに悪く影響してしまった。人質が犯人に協力していく過程も悪くはないが、そもそも犯人3人のキャラ設定がwetで今ひとつ弾けていない。深津絵里と安藤政信のロマンスもとってつけたようで浮いてしまっている。プロットの一貫性について再考を促したい。 2点(2003-12-01 20:00:04) |
16. スピード2
《ネタバレ》 前作で今一つ魅力を感じなかったキアヌの魅力を理解させてくれた本作。J・パトリックはいい役者だと思うが、ドラマでこそ活きる資質の持ち主だと思う。前作の魅力的な台詞である「異常な状況で出会ったカップルは長続きしない」の真意を自ら覆してしまうプロットも戴けない。むしろ、パトリックにはJ・トラビス役として出演してもらったほうがよかったのでは? またデ・ボンの演出も大味すぎてことごとくツボを外している。 3点(2003-12-01 19:49:35) |
17. スピード(1994)
《ネタバレ》 『ダイ・ハード』ではウィリスがユーモアを付け加えたらしいが、本作では逆にキアヌが脚本のユーモアを削ったとのこと。本作の舞台はビル・バス・地下鉄と移行していくが、特に最後の地下鉄パートはユーモア抜きではエグい気がする。また、ラストの脱出で助かるのも、シリアスにやられては腹が立つ。笑いがあるからこそ、荒唐無稽なハッピーエンドが活きると思うのだが。 6点(2003-12-01 19:41:38) |
18. スピーシーズ2
《ネタバレ》 前作ラストのねずみの伏線はあっさりと無視され、新たに男エイリアンの登場で話が進むことに。そして、今度は男女の発情したエイリアンがお互いを求めるラブ・ストーリー?! やっちゃったかと思えば、子供はどんどん急成長ともう笑うしかないほどのバカ話に発展。まぁ、エロとグロとバカが好きな方ならどうぞ。 3点(2003-12-01 19:34:21) |
19. スピーシーズ/種の起源
『エイリアン』meetsエロスといった形容で全てを語れるB級SF。しかし、M・マドセン、B・キングズレー、F・ウィテッカーといった豪華キャストのおかげでそれなりにまとまりのいい作品となっている。N・ヘンストリッジも官能的でいいが、女エイリアンの造型は、ギーガーだというのに少々手抜きなのが残念。 6点(2003-12-01 19:29:42) |
20. 素晴らしき日
興味のない俳優の組み合わせに、あまり好きではなさそうな話。でも時間が丁度いいから観たというだけの、期待値0,いやマイナスで観たのがよかったのか、ホフマン監督のあたたかな視点に、古き良き時代のハリウッドの影を見いだし、心地よい気分で堪能。ありきたりのストーリーだが、そもそもラブストーリーなんてそんなにパターンがあるわけではない。プロセスを如何に楽しませてくれるかこそが大切なのだ。 7点(2003-12-01 18:35:46)(良:1票) |