Menu
 > レビュワー
 > イニシャルK さんの口コミ一覧
イニシャルKさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1490
性別
ブログのURL https://www.jtnews.jp/blog/22718/

表示切替メニュー
レビュー関連 レビュー表示
レビュー表示(投票数)
その他レビュー表示
その他投稿関連 名セリフ・名シーン・小ネタ表示
キャスト・スタッフ名言表示
あらすじ・プロフィール表示
統計関連 製作国別レビュー統計
年代別レビュー統計
好みチェック 好みが近いレビュワー一覧
好みが近いレビュワーより抜粋したお勧め作品一覧
要望関連 作品新規登録 / 変更 要望表示
人物新規登録 / 変更 要望表示
(登録済)作品新規登録表示
(登録済)人物新規登録表示
予約データ 表示
【製作年 : 1960年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
評価順1
投稿日付順1
変更日付順1
>> カレンダー表示
>> 通常表示
1.  ゼロの焦点(1961) 《ネタバレ》 
先月久しぶりに見た「砂の器」に続いて本作も15年ぶりくらいの再見。(以前も見たのは「砂の器」の後だった。)本作は野村芳太郎監督にとって2作目の松本清張原作映画になるのだが、脚本に「砂の器」と同じ橋本忍と山田洋次監督を起用しており、「砂の器」を見た後だとどうしても期待してしまう部分があり、以前に見た時はその期待が大きすぎたのか、イマイチに感じたのをよく覚えている。それを今回はそういう期待を抱かずに見た。主要人物となる女性三人の人間ドラマは魅力的だし、本作でも印象に残る海の美しさはやはり野村監督らしいと思うし、三人を演じる久我美子、高千穂ひづる、有馬稲子の演技もそれぞれ良いし、白黒の映像も良い雰囲気を醸し出しているものの、脚本的にはあらすじを追っているだけというような印象があり、ややダイジェスト的になっていてドラマとして深みが感じられず物足りない。展開もスピーディーで、もっとじっくりとドラマを描いてほしかったところ。クライマックスの断崖での推理シーンは今では同じシチュエーションが2時間ドラマでもおなじみになっていて、本作がその先駆けというのは有名な話だが、けっこう歴史的なことだと思う。(テレビドラマではなく映画が先駆というのが意外な気もするが。)この推理シーンはさすがに緊迫感もあり、引き込まれる部分でもあるのだが、少し間延びしてしまった感もなくはなかった。事件の発端となる禎子(久我美子)の夫である憲一(南原宏治)の行動にもいささか納得しかねる部分があり、ここの部分をもっとしっかりと描かなければいけなかったのではないだろうか。また、「砂の器」同様に暗い過去を持つ犯人だが、彼女を通して元パンパン(米兵相手の売春婦)だった女性の悲劇も描きたかったようで、むしろそれが本作のテーマでもあると思うのだが、やはりこれらのドラマを丁寧に描くにはとても95分では足りずにあとせめて一時間くらいは必要だったと思う。やっぱり今見ても全体的な印象は薄く、物足りなさの残る映画だったが、それでも以前見た時よりは楽しめたし、けっしてつまらない映画でもないと思う。田沼久子を演じる有馬稲子は明るい顔立ちをしているが、「東京暮色」しかりこういう悲劇的な役柄が意外に合っているような気がする。犬童一心監督版も見てみよう。(2018年9月15日更新)
[DVD(邦画)] 6点(2023-05-18 18:46:13)
2.  青春残酷物語 《ネタバレ》 
松竹映画とは思えぬ展開が新鮮だった。ラストシーンがいちど見たら忘れられないくらい衝撃的。でも、さすがに今の時代に見るとちょっと古めかしく感じてしまうのも事実。個人的に名作映画にはいつまでも語り継がれるような不朽の名作と呼ばれるものと公開当時の世の中の状況を知らないとあまり感動することができないものの2種類に分かれると思うのだが、これは明らかに後者に属する映画だと思う。でも、思っていたよりは面白かったし、完成度も高い映画だと思う。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2022-07-20 22:21:50)
3.  零戦黒雲一家 《ネタバレ》 
舛田利雄監督が初めて手掛けた戦争映画。舛田監督は最初に名前を知ったのが「トラ・トラ・トラ!」の日本側監督としてで、最初はそれで興味がいったことを覚えていて、監督作をまだ一本も見ていないころから戦争映画の監督というイメージが勝手に出来上がっていた。(実際「トラ・トラ・トラ!」を見たのはそれから数年後のことだった。)本作を初めて見たのはその頃から少ししてからだったと記憶している。それを今回、約20年ぶりに再見した。主演が裕次郎ということもあってか、悲壮感はそれほどなく、娯楽アクション映画としての色が強く出ているが、それなりに楽しめるものになっているし、特撮もミニチュアだけでなく改造された実機も投入されていてそこそこ迫力もあり、見ごたえもある。島に孤立している一部隊に裕次郎扮する新隊長が着任してくるところからはじまっていて、彼と部隊の連中との間でドラマは展開するのだが、「独立愚連隊」のような雰囲気もあり、悲惨な戦争というテーマをその暗さを表に出さずに描いているところがやっぱりいい。出演者の中でも裕次郎のアクション映画では悪役というイメージの強い二谷英明が本作では最初は新隊長に反発しながらも、やがて理解し最後には一緒に零戦で敵機に突っ込んでいく副隊長格を演じていたりするのは意外だし、ヒロイン役が浅丘ルリ子や芦川いづみではなく渡辺美佐子というのも日活の裕次郎映画を見るのが久しぶり(本作を見るのは二回目だけど。)ながら新鮮だった。でも、本作ではやっぱり日活では吉永小百合の相手役というイメージしかない浜田光夫が裕次郎と共演しているのはかなり珍しく、そこがいちばん印象に残る。(2018年5月12日更新)
[DVD(邦画)] 6点(2022-04-19 19:49:58)
4.  切腹 《ネタバレ》 
十数年ぶりに見たが、まず冒頭からもう一気に見る者を引き込む橋本忍の脚本のうまさによってグイグイと物語に引き込まれるし、主人公 津雲半四郎(仲代達矢)の口から語られる身の上話が仲代の熱演により相当な説得力を持っていて、飽きさせず、緊張感が最初から最後までずっと持続するので全くだれることがなく見入ることができる。半四郎が武士の面目が上辺だけのものとなったと批判するのは今の世の中に当てはめてもじゅうぶんに通用する。クライマックスの大立ち回りにより出た死傷者に対する勘解由(三國連太郎)の対応はおそらく現代であれば批判の矢面に立たされるであろう。このシーンこそ小林正樹監督がこの映画で言いたかったメッセージがもっともストレートに出ていると感じる。実は初めて見た時はそれまで静かに進行していた物語がこのクライマックスの半四郎の大立ち回りによって分断されてしまったような印象があったが、このシーンを見せるためには必要な展開だと今回見て思った。後半の半四郎と彦九郎(丹波哲郎)との決闘も迫力があり、見ごたえじゅうぶん。(クライマックスの大立ち回りよりこの決闘のほうが印象に残る。)求女(石浜朗)の竹光による切腹シーンは初めて見たときも強烈に印象に残ったが、久しぶりに見てもそのリアルな痛々しさが見ているこちらにも伝わってくる。あまたの時代劇映画の中でも歴史に残る名シーンだ。こんなところも本作が評価される所以かもしれないが、もちろんそれだけではなく、権力組織の慢心や傲慢さを鋭くついている内容で、ドラマとしても完成度が高く、名作とされている理由がよく分かるし、個人的にもそう思う。無論、仲代達矢、三國連太郎、丹波哲郎といった出演俳優の熱演もこの映画の完成度を高めるのに貢献しているのは言うまでもない。(2013年1月10日更新)
[CS・衛星(邦画)] 9点(2020-05-16 11:57:32)
5.  世界大戦争 《ネタバレ》 
小学生の頃に読んでいた東宝特撮映画を紹介した本の中で紹介されていたのでタイトルだけはその頃から知っていたが、実際に見るのは今回が初めて。見る前は軽い娯楽作という印象が強かったのに大シリアスな映画だったのは驚き。フランキー堺は喜劇映画以外ではあまり馴染みがなかったが、喜劇とは違うとてもいい演技を見せていて素晴らしい。前半の人々の慎ましい日常生活の描写が丁寧である分、主人公が物干しで夕日に向かって家族の未来を思いながら叫ぶシーン、星由里子と宝田明の「コウフクダッタネ」「アリガトウ」の無線でのやりとり、パニックの中、娘の所に駆けつけようとする母親(中北千枝子)の姿、町中のみんなが逃げ去った後、ささやかに食卓を囲む主人公一家の姿など後半は涙が止まらないシーンばかりで今これを書いていても思わず泣きそうだ。子供たちが歌うお正月の歌も物悲しい歌として見終わったあといつまでも耳に残る。(たぶんしばらくは聴く度にこの映画思い出すだろうなあ。)ラストの笠智衆のセリフも言っているのが笠智衆なだけに説得力があり、よけいに胸をうってまた泣けてくる。21世紀の今見るとラストのテロップに異様なリアリティーを感じずにはいられない。この映画は一応はSFという形をとってはいるが、これ以上の反戦・反核映画は今後出ないのではではないかと思う。もちろん文句なしの満点をつけたい。
[DVD(邦画)] 10点(2019-04-09 21:46:16)(良:1票)
6.  戦後最大の賭場 《ネタバレ》 
鶴田浩二と高倉健の共演する山下耕作監督による任侠映画の一本。ついこの間、山下監督の「博奕打ち外伝」を見たばかりで、一週間ほど間を開けて見たのだが、タイトルに「戦後」とあるように製作当時の近現代(昭和37年)が舞台で、この頃の東映任侠映画といえば明治時代あたりが舞台というイメージが強いので少し異質に感じてしまうのだが、面白かった。山下監督の演出はやはり重厚感があり、話としてはよくある任侠映画のパターンのように思うのだが、それをドラマとして飽きさせずに見せていく手腕はやはり見事だ。東映の悪役俳優の一人である山本麟一が主人公に子供のためにこの世界から足を洗えと説得される仲間を演じているのが珍しく、とくに彼が岩佐(安部徹)のところへ殴り込みに行くシーンで堅気の親子とすれ違うシーンは何とも言えない哀愁が漂い、本当は妻や子供と平穏に暮らしたいと思っているであろう彼の悲しみがたまらなく印象に残る。裏切られ、虫けらのように殺されてしまう高倉健の最後の言葉が兄弟分である鶴田浩二を思っての言葉なのがグッとくる。ついに殴り込みをかけることになった鶴田浩二に離縁を切り出された妊娠中の妻(小山明子=大島渚監督の映画以外で見るのはけっこう新鮮。)が言う「女は嫁いだらその家が死に場所なんです。」というセリフがいつまでも耳に残る。岩佐と菊池(金子信雄)を倒してエンドではなく、主人公もまた無残に殺されてしまうという結末はやりきれないものがあり、切なさが残る。そのシーンの鏡を使った演出も良かった。ところで、金子信雄は「博奕打ち外伝」ではコミカルな医者を演じていたが、やはりヤクザ映画ではこういう憎たらしい悪役のほうがハマっている。
[DVD(邦画)] 7点(2015-11-30 00:02:43)
7.  関の彌太ッぺ(1963) 《ネタバレ》 
「瞼の母」や「沓掛時次郎 遊侠一匹」と同じく長谷川伸の原作を錦之助主演で映画化した股旅もの。以前見た加藤泰監督による二作も良かったが、山下耕作監督である本作はとにかく泣ける。冒頭の川に落ちたお小夜を弥太郎(中村錦之助)が救いだすシーンから既にヤバかったし、殺されて帰ってくるはずのない父親をきっと帰ってくると信じて待ち続けるお小夜の姿も切なくて泣けてくる。はっきり言って序盤でこんなに泣けてこの先は大丈夫なのかと心配になってしまうほどだが、後半は10年後、成長したお小夜(十朱幸代)が名も知らぬ恩人に会いたがっているという話から、新たな展開を見せる。山下監督は、花を使った演出がうまいと定評のある監督だが、クライマックスのムクゲの花を挟んだ弥太郎とお小夜の再会シーン、弥太郎が子供時代のお小夜に言った言葉がきっかけで、お小夜に恩人だと分かるシーンも泣けるのだが、このシーンでは、二人をはさんだムクゲの花もすべてを知っているかのようにそこに咲いていて、まさしく立派に「演技」している。これはもう名シーンとしかいいようがない素晴らしさだ。ラストカットの彼岸花の使い方も、弥太郎の運命を暗示しているようで印象的だった。山下監督の映画はこれまでも何本か見ているが、間違いなく本作は山下監督の代表作であるとともに、日本映画としても屈指の名作と言っていい作品だと思う。もちろん、主演の錦之助もよく、最近見た出演作が脇役での出演が多かっただけに、やっぱり主役のほうが光る俳優なのだと再認識できた。とくにこういう股旅ものの人情時代劇の主役はハマリ役だ。
[CS・衛星(邦画)] 9点(2013-02-09 15:58:28)
8.  戦国野郎
最初の脚本はもっとシリアスな雰囲気だったらしいが、全体的にポジティブで明るい雰囲気の娯楽作でとても面白かった。岡本喜八監督の映画で加山雄三や佐藤允が出ているというとつい「独立愚連隊」みたいな雰囲気を期待してしまうのだが、やはり雰囲気的に似たところも感じられる。それだけではなく、黒澤明監督の「隠し砦の三悪人」のような雰囲気もあり、星由里子が雪姫を思わせる気の強いヒロインを演じているのが面白い。この映画の星由里子は「若大将」シリーズで演じているヒロイン・澄子よりも可愛かったし、下の方が既に書かれているけど、雪姫を演じる上原美佐よりも魅力的だったと思う。映画は「隠し砦の三悪人」にくらべると確かに殺陣の迫力や緊張感がイマイチで、完成度では及ばないと思うものの喜八監督の軽快な演出と加山雄三の陽性なキャラクターのおかげか「隠し砦の三悪人」よりも見やすい映画で痛快さも増しているような気がして、こちらのほうが個人的には好みかもしれないなあ。ラスト近くで馬借の一人が背中の出血を確認した後、悲鳴をあげて倒れるシーンは笑えるが、ひょっとしたらこのシーン、「太陽にほえろ!」の松田優作の殉職シーンの元ネタかもしれないと一瞬思ったけどさすがにそれはないだろう。
[DVD(邦画)] 9点(2009-11-29 12:13:59)(良:1票)
9.  ゼロ・ファイター 大空戦
のちに「日本沈没」や「八甲田山」などの大作映画を次々と手がけることになる森谷司郎監督のデビュー作。森谷監督の大作映画は「八甲田山」にしろ「海峡」にしろ遺作となった「小説吉田学校」にしろ男くさいイメージが強いが、本作は男しか出てこない戦争映画で、当たり前だが非常に男くさく、前年公開の「赤ひげ」まで黒澤明監督についていた助監督の監督デビュー作らしい映画だと思う。(森谷監督の大作映画の男臭さは黒澤監督の影響がたぶんにあると感じる。)先週見た「戦国野郎」と同じく加山雄三と佐藤允が共演していて脚本も関沢新一。どうしても岡本喜八監督の作品のような雰囲気を期待してしまうのだが、森谷監督の演出はあくまで直球。しかし、喜八監督の作品のような陽気さはないものの、それでも重さをあまり感じることなく娯楽作として単純に楽しめる作品になっているのはやはりこの主演コンビによるところも大きいだろう。それから忘れてはいけない、この映画最大の見所である空中戦シーンは飛行機に思い入れの深い円谷英二監督の手によるものだけあって見ごたえ充分だった。
[DVD(邦画)] 7点(2009-04-14 14:16:55)
10.  清作の妻(1965) 《ネタバレ》 
戦前に作られたサイレント映画を増村保造監督が若尾文子主演でリメイクした作品。最初から最後まで重い展開で、とくに後半、清作(田村高廣)が盲目になってからの清作に対するそれまでとは人が変わったような村人たちの仕打ちは見ていてものすごく怖いものを感じずにはいられない。ここでも増村監督は若尾文子に愛する人を思うがゆえに大胆な行動に出る女を演じさせていて演出にも相変わらず力が入っている。中でもお兼(若尾文子)が清作の目を潰す直前のシーンは緊張感にあふれていてすごかった。そんな増村監督の演出に応える若尾文子も「妻は告白する」を凌ぐほどの名演技を見せており、この作品でも素晴らしい。田村高廣も妻によって視力を奪われながらもそれを許してともに生きていくという難しい役柄を見事に演じていてこれも素晴らしい演技を見せていてとても良かった。増村・若尾コンビ作としては個人的には「妻は告白する」のほうが好みだが、久しぶりに純愛映画の傑作を見た気がした。
[DVD(邦画)] 8点(2009-02-17 10:59:37)
11.  セックス・チェック 第二の性
緒形拳演じるコーチと安田道代演じるヒロインの特訓シーンがひたすら熱く、ここだけ見れば典型的なスポ根映画なのだが、実はヒロインが半陰陽の両性具有だったという設定がいかにも増村保造監督らしい話で、なかなか面白かった。まだ新国劇にいた頃の緒形拳が誰がどう見ても変人・変態の鬼コーチを演じていて、小川真由美をレイプするシーンは怖く安田道代とセックスをするシーンはかなりいやらしく、存在感のある濃い演技を見せていて、若い頃からいい俳優だったんだと感じ、あらためて先日亡くなってしまったことは本当に残念に思う。安田道代も個人的には山本薩夫監督「氷点」の陽子役のイメージが強く、清純派という印象があったが、この映画では増村監督の演出に応えて半陰陽という難しい役どころを清純派イメージとは全く違う体当たりの演技で見事に演じていて素晴らしく、増村監督の相変わらずの女優に対する演出のうまさを感じる。しかし、それにしても本当に変態的な映画だった。今まで見た増村監督の映画の中では自分も特に傑作とは思わないものの、これは増村監督だからこそできる増村監督ならではの映画だと思う。
[DVD(邦画)] 7点(2008-10-22 21:04:35)
全部

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS