1. 女衒 ZEGEN
《ネタバレ》 今村昌平らしい映画。 海外での日本人女性の売春あっせんの話だが、今村昌平の手にかかれば、 暗いイメージはなく、むしろ笑いすら出てくる感じがそう。 当時の映画界は、翌年に日活ロマンポルノが終焉となり、 映画人口も少なくなってきてる世相の中で、本作は、今村監督の、裸のはなしで 盛り上がろうぜという気炎すら感じられる力作だ。 監督が二十年あっためてた企画らしい。 東南アジアでのロケ敢行と、映画界の期待も相当だったろう。 実在の人物を、緒形拳が怪演してる。 [DVD(邦画)] 7点(2025-04-06 20:10:53)《新規》 |
2. 青春残酷物語
《ネタバレ》 学生運動のなか、何が正しいか分からなくなった時代。 どうあがいても、現状は変わらない。 そんな若者の焦りが、痛々しい結末になる。 アメリカ映画では、「追憶」に当たるのかなぁ バーブラストライザンドと、桑野みゆき。この二人の違いが、 アメリカ人女性と日本人女性の違いと言えるのか・・ 何かそんなこと考えた・・ 桑野みゆきは可哀そうとしか言えない。 でも久我美子にも、妹と恋人の生き方を見て、昔の恋人に会いに行かせるところが大島渚らしい。 やらしいんだね。 [ビデオ(邦画)] 7点(2025-03-17 23:47:20) |
3. セックス・チェック 第二の性
《ネタバレ》 総理大臣すら女性になりかねない、この時代、この作品がお叱りを受けずに済むだろうか? セックスチェックで両性具有の人間が、セックスしまくって、晴れて完璧な女性になる、とか こんな話、海外の変態作家の作品でもお目にかかったことない展開。 やっぱり、海外メディアが言うように、日本の女性は軽視されているのか? 結構、皆さま、大きな顔をされてますが・・ まあね、これが封切りされた頃は、今とかなり違うんだと納得してしまおう。 [DVD(邦画)] 7点(2024-09-27 23:18:31) |
4. 聖なる犯罪者
《ネタバレ》 犯罪者が悔い改めて、新天地で神父になる。 善良な町人たちの教会。 しかし、そこにはある事件を経て、痛みのある町だった。 神父は、その事件への深入りすることで、自らの改心を行う。 ある事件の真相は? そして、町がその痛みを乗り越えようとしたとき、 神父の犯罪の、まだ未解決の落とし前が降りかかってくる。 事態は、意外な展開に・・ 最後まで目をそらすことのできない展開だ。 [DVD(字幕)] 7点(2024-07-29 21:53:25) |
5. せかいのおきく
《ネタバレ》 どんな職業にも、それを見ている女性がいる。 そんな阪本監督の祈りが感じられた。 江戸は上下水道の整備された街だった。 これは欧米と違うとこだったようだ。 上水は、川から水を引いて、井戸を作る。 下水は、糞尿を集めて、田畑の肥料にする人たちがいた。 そんな糞尿を集める人たちの物語だ。 もともと阪本監督は地味な素材を傑作にする名手である。 このような素材も、一本の映画に仕立ててる。 安政の大獄で弾圧を受けた父と、その娘。 そんな、世界に日本が拓かれようとしている時代の女性を黒木華が好演している。 [DVD(邦画)] 7点(2024-04-28 22:35:52) |
6. 戦火のナージャ
《ネタバレ》 まず初めにロシアが今回のようなことを起こしたことを残念に思います。こんな素晴らしい映画を創る国なのに・・ このレビューは、本作だけのレビューではありません。 「太陽に灼かれて」から本作、そしてこのサイトには登録されてませんが、 「遥かなる勝利」へと続く3部作、まとめての評価です。 この3本全部観ないと、本当の良さが分からないと思います。 是非、大型連休にでも、全作観ることをおススメします。 世に3部作なる映画多かれど、自分のベストは、ミハルコフのこのシリーズが一番です。 戦争とは?夫婦とは?父娘とは?それを描いた見応えある3部作です。、 1作目だけでも名作と名の高い作品ですが、本当の良さは、全作観終わった後に来る余韻です。 ミハルコフは、手練れの演出も良いのですが、全作に連なる骨太なテーマに、思わず酒が進みます。 広い大地の国らしい、壮大な話でした。感無量!!!!! [DVD(字幕)] 10点(2024-04-21 23:15:16) |
7. 青春の門 自立篇(1982)
《ネタバレ》 信介と織江のコンビが、東京で色んな人間関係を見守る体の映画。 筑豊カップルは、揺るがない。 できれば、この後も、シリーズもので二人をずっと見続けていたかったが、 本作で終わりなのが、残念。 この映画が映画館で公開された後、小生、本作でもお馴染みのキャンパスに通ったが(但し夜間)、 「なんで早稲田に来たの?」という質問を多数投げつけられた。 「青春の門」をみて、やっと理由が分かった(笑)、 当時、このシリーズに感化されて、この大学に来たものが多かったのだ。 [DVD(邦画)] 7点(2023-06-03 23:07:36) |
8. 青春の門(1981)
《ネタバレ》 佐藤浩市、初お披露目! なんともフレッシュな記念作である。 小生も福岡ながら、この有名すぎる福岡作品をやっと初めて観た。 放映当時は、杉田かおるが脱いだと話題だったが、やっと鑑賞(泣) いや~色んな作品観てますけど、炭鉱で働いてる映像がある映画って この原作ものくらいじゃないですかね? 世界遺産の山本作兵衛の絵くらいでしか見たことないです。 地元のローカルのニュースで、炭鉱で働いてるニュース映像をたまに見るくらいです。 貴重なシーンですね。 次の自立編は、東京の大学、しかも早稲田に行く話らしいですね。 人生劇場もそうですが、何かと義侠モノと早稲田は相性がいいのですかね? [DVD(邦画)] 7点(2023-06-01 00:07:52) |
9. 戦争と女の顔
《ネタバレ》 戦争中の二人の女性。 ドラマが進むにつれ、二人の戦時下で置かれた、厳しい境遇がはっきりしてくる。 静かなテンポで進む骨太な話。 空虚な男を描く映画は多いが、ここでは空っぽな女性を描く。 話題になった漫画「戦争は女の顔をしていない」の原案が元らしい。 漫画も読んでみたくなった。 [DVD(字幕)] 8点(2023-05-27 23:54:58) |
10. 線は、僕を描く
《ネタバレ》 主人公の成長と、芸がそれに伴い、向上する映画は多い。 特に近年、成長後の芸を、観客に披露する映画も増えてきた。 絵で言えば「酔画仙」「燃ゆる女の肖像」などなど・・ こういう映画は、その国の文化の成熟を感じる。 何と言っても、江口洋介の描くライブドローイングのシーンが圧巻。 見事です。 [DVD(邦画)] 7点(2023-04-09 19:28:28) |
11. 戦場のメリークリスマス
《ネタバレ》 巨匠と言われると、誰しもが文明論映画に挑戦したくなる。 かくして、異才大島渚の放った文明論が、本作である。 「戦場にかける橋」のアレックギネスをデビッドボウイに仕立てた快作と思った。 なるほど、外国賞狙いだったか、欧米の兵士の方が人間的で共感できる。 日本兵の方が狂気的に描かれてる。 が、ここで、ちらりと日本らしさを出したのが、 クリスマスの夜、たけし演じるハラ軍曹が、酔って、今夜は 俺がサンタクロース、お前らは特赦だ、と英国兵に告げる場面である。 そこがラスト、効いてくる。 ロレンスがハラの処刑される前日、神のご加護を、と告げると、 ハラのどアップで「メリークリスマス」と言って、映画は閉じる。 どういう解釈か?は人によって違うだろうが、 僕は、日本人は、みんなが神なのだ、ということで、最後のどアップに 繋がるのだろうと、そう思った。 今夜はクリスマスイブ。 メリークリスマス♪ [ビデオ(邦画)] 7点(2022-12-24 21:26:44) |
12. 潜水服は蝶の夢を見る
《ネタバレ》 マチューアマルリックは、アルノーデプレッシャン作品でよく見かける俳優さん。 ここでは目力だけで力演してる。 植物状態の人間が、まばたきだけで自分を表現する。 表現し終わったら、その10日後に他界する。 ラストは、崩れゆく氷河が元通りになっていくという映像。 僕がここをもう少し演出すれば面白くなるのではと思ったのは、 歴史ある病院で、時空を超えて、歴史上の女性や人物が彼を看護したら良かったのでは、 と思いました。 それがイマジネーションという蝶なのかもしれませんね。 でも奥さんの前で、愛人から電話がかかってきて、 奥さんに言葉を伝えさせるというのは、この看護されてる主人公の人物像を よく表してて、なんともいえない。 奥さん、泣いてたよ・・ [DVD(字幕)] 7点(2020-10-18 15:28:47) |
13. セブン・イヤーズ・イン・チベット
《ネタバレ》 有名な登山家とダライラマの友情の話である。 この友情は事実らしい。 この登山家との出会いがなければ、中国のチベット事件のときに ダライラマは亡命しただろうか? そして、チベット文化は残り続けたろうか? 中国は恐ろしい。 戦後すぐで気が立っていたからだろうか? でも今の香港を見ても、中国のホントのところは分からない。 中国映画を観ても、人情もあり、魅力ある人たちの国だとは思う。 でも政治が国を動かしているからなぁ・・ スコセッシの「クンドゥン」も似た話である。 こちらはダライラマを主人公にして、チベット事件を描いてる。 [DVD(字幕)] 7点(2020-06-06 22:54:12) |
14. 世界の終わりという名の雑貨店
《ネタバレ》 平成の今、台頭する女性監督たちの瑞々しい女性映画を多く鑑賞した後では 本作は凡庸な作品としか感じられない。 しかし3.11を経験する前の、不況で騒然としていた日本を思い出した。 まだSNSもない頃、自分も将来の見えぬ自分を客観視してたような頃である。 自分探しのフリーターが多かった。 本作の若者は、今どこで何をしているのだろうか? ミニスカートに寄り過ぎのカメラの前では、不自然な表情になっても仕方がなかろうとは 思うが、彼女らの硬い表情に、ふとそんなことを考えた。 [ビデオ(邦画)] 5点(2018-05-24 23:01:32) |
15. 関ヶ原
《ネタバレ》 甲冑をしての合戦映画でこれほどリアルなものははじめてだ。 常日頃、あんな重そうな甲冑をして、戦などとはと思っていたので、勉強になった。 政争劇に終わりそうなところを、三成と初芽のロマンスを入れて、 非常に観やすい時代劇となっている。 原田監督の手腕である。 実際、広い原野での合戦をイメージしやすいが、野をかけ、山をかけ、本当の合戦とはこんなもんだったんだろうと思う。 とてもリアルで、見応えがあった。 [DVD(邦画)] 7点(2018-05-12 11:08:32) |
16. セレステ∞ジェシー
《ネタバレ》 ちょっと辛口なラブストーリー。 夫婦で友だちみたいなら最高だよねって感じで話が始まるが、中盤一気に このカップルに大波がくる。 結局、どうなるかって興味があったが、別れて終わり。 もうちょっと新しい展開が見たかった。 男の方に非があるか、友達のような彼を夫と認めない意地悪をしてた女性に非があるか、って微妙な 問題ではあるが、別の女性と家庭を持つ男もこれから色々あるだろうな~って感じで、 一人になった女性もかろうじてさわやかになって、話はジ・エンド。 む~、なんとも言えぬ後味のお酒みたいな感じです、ハイ。 [DVD(字幕)] 7点(2018-04-20 03:21:12)(良:1票) |
17. ゼイリブ
《ネタバレ》 ほらね~、こんなアイデア勝負の作品があるから、旧作あさりも捨てたもんじゃない! 特にカーペンターB級は面白そうなのが多そうだよね。 魂を失った人間への風刺を効かせたSFアクションもの。 カーペンターのは古き良き力で勝負のアメリカ人が出てくるものが多いよね。 「ニューヨーク1997」のスネークとかね。 このB級SFの雰囲気がとにかく好き。 絶体絶命で孤立しても、アメリカ人スピリッツを失わない。 この真っ直ぐなたくましさに惚れ惚れしてしまう。 暗い夜のシーンが多いんだよね。 この調子でカーペンターSFを漁ろう♪ [ビデオ(字幕)] 8点(2018-03-05 01:23:37) |
18. 1984(1984)
《ネタバレ》 1984年以降は、あまり振り向かれない映画だろうけど、これはSF社会派には、見逃せない古典ですよね。 タイトルに年数がつけられると、損しますね。 「2001年宇宙の旅」だって、あれだけの作品なのに、あまり観られなくなるんじゃないかな。 勿体ないね。 全体主義の恐ろしさ。 この映画の後の91年にソ連がなくなっちゃうんだよね。 何かそこら辺をついた、「1984」論を読んでみたい。 徹底した全体主義のなかでのラブストーリー。 結局、愛は負けたかのような描かれ方ですが、その愛の格闘を描いたのが「ブラジル」でしょうか? もう一度、「ブラジル」を観なおせねばと思うに至りました。 [DVD(字幕)] 7点(2018-02-03 17:23:44) |
19. 1999年の夏休み
《ネタバレ》 う~ん、これが団塊世代のオタクたちを魅了した萩尾望都の世界かぁ。 (でも原作の漫画を読まずにこう言っちゃうのはいかんですね(笑)) まぁこんな映画もあっていいでしょうけど、やはり異質な感じがしますね。 鑑賞中、こんな男の子いないよと思いながら、こりゃ女の子の映画なのだと思うと、多少観やすくなりました。 深津絵里が別の名前で出てることに驚き! [ビデオ(邦画)] 5点(2018-01-08 00:18:58) |
20. セトウツミ
《ネタバレ》 二人の高校生のいつもの場所でのいつもの会話という、それだけの話で映画を一本創っちゃうなんて、面白い。会話のテンポも二人のやり取りも絶妙!Hシーンの多い映画に起用されているイメージが自分の中で強い池松壮亮くんが、この映画では根拠のない自信で満ち溢れたユニークなキャラクターをいい味出して演じてる。この映画での妙に落ち着いてるお坊ちゃん高校生から発する独特のオーラが、池松くんにピッタリだった。 [DVD(邦画)] 7点(2017-05-20 17:40:55) |