1. ゾディアック(2007)
原作もゾディアック事件の詳細も知らないまま観ました。158分の長丁場、正直集中力が途切れそうになりそうになりました。やはり・・・。これがもし小説ならわからなくなればページを読み返したり前の章に戻ったり出来るわけですが、DVDとはいえ途中巻き戻したりするのも野暮だしね・・・ということでそのまま最後まで鑑賞。ある程度の予備知識を得てから鑑賞すれば非常に面白い映画だと思います。秋の夜長にじっくりと越し落ち着けてね。 この映画のもう一つの見所は1968年から1991年まで変遷するサンフランシスコの風景や人々の風俗の丁寧な再現でしょうか。完全主義者のフィンチャーはさりげなくハイクオリティなVFXと贅沢な大道具小道具によってその時代を再現しています。映画美術に関心のある人にはそう言う面では158分は退屈しないと思います。 [DVD(吹替)] 7点(2007-11-12 09:40:48)(良:1票) |
2. それでもボクはやってない
ひと言で言って非常に恐ろしい、下手なサスペンス、ホラー映画も消し飛ぶほどの恐怖を感じる映画でした。 本作の恐ろしさの理由は、これが荒唐無稽なフィクションではなく、実際に日本で起きている現実であること。さらに痴漢というだけでなく、広く冤罪と言うことで言えば、全ての人にとって無縁ではないという現実感があるからだと思います。 本来悪が裁かれるべき場所、正義の砦とも言うべき司法や警察が不条理にも地獄の一丁目になってしまうというのですから。 皮肉にも、この映画における本当の「悪人」は痴漢の真犯人だけです。その他の人物は皆自分の職務を忠実に、かといってそれ程情熱を持つわけでもなく実行しているだけであり、だれもことさら悪意をもって加瀬亮演じる青年を貶めようなどと画策しているわけではないのです。ただ巨大なシステムのなかでそれぞれの役割を果たしているだけ・・・。 平和な生活を送る善良な市民が、神のいたずらか、全くの偶然から悪夢のような修羅場に巻き込まれていくというサスペンス映画は沢山ありますが、本作は「痴漢の濡れ衣を着せられる」という一見地味な(?)設定でありながら、凡百のサスペンス映画を遙かにしのぐ恐怖、不条理感の中に観るものを叩き込みます。 これみよがしで過剰な音楽も演出もなく、ただただ淡々とした日常がそのトーンを保ったままある時点を境に舞台が「どんでん」するようにがらっと様相を一変させます。 それは現実に起こりえない荒唐無稽な設定や陰謀に巻き込まれる等と言うことではなく、日々日本で行われている普段通りの法の執行であり、我々善良な市民には見ることができなかっただけのもう一つの日常です。 裁判のシーンは(自分は裁判を傍聴したことはありませんが)、よくあるサスペンス劇場の裁判シーンが明らかに嘘であったと感じさせるだけのリアリティを持っています。 それは裁判官の口ぶりから、細かい手続き、ちょっとした仕草まで丁寧に拾って表現し、その積み重ねから生み出されるものだと思います。 その結果、これは現実との比較でそう思うのではなく「現実はおそらくこうなのであろう」と思わせるほどのリアリティ(現実感)を持つに至るということです。 11年ものブランクから起死回生の特大ホームランを放った周防監督。本作に傾けた情熱とたぐいまれな才能に感服いたしました。 [DVD(邦画)] 10点(2007-09-09 18:58:32)(良:2票) |
3. ソウ3
じゃあ観なきゃ良いだろう!と言われればそれまでなのですが、ジグソウが神に成り代わって過ちを犯した人間に肉体的苦痛を与えるというやり方がどうも好きになれないというか、納得できませんでした。口では高尚なことを言っていても、これはただのサディストでしかないでしょう。本当の試練、苦痛というのは肉体を傷つけることだけではないのに、という疑問が抑えきれなくなりました。そんなこと言いながら第1作から観ているのですが(笑)。やはりジグゾウの正体が明らかになればなるほど、彼が小物にみえるというか、与える恐怖も独りよがりに見えてしまうんでしょうか。CUBEもそうですが、黒幕は黒幕で謎のままのほうが良いと思います。 [DVD(吹替)] 5点(2007-03-27 16:56:44)(良:1票) |
4. ソウ2
ホラー映画としては一定の水準に達していると思うが、犯人の動機が僕には引っかかりました。末期ガンを宣告されたというだけではこのような猟奇犯罪を犯すには弱すぎないだろうか。だって同じ宣告されて、それでも前向きに頑張っている人たちが沢山いるのにねえ。彼がこのような猟奇犯罪に走る最後の「スイッチ」にはなっただろうけれど、それ以前に彼の人生にはもっと深い闇があった筈。それが悲惨で哀しくて救いようが無ければないほど、この物語の異常性が際立ってきて、もっと絶望的な気持ちでエンドロールを迎える事が出来るのではないだろうか。 [DVD(吹替)] 7点(2006-04-04 03:47:07) |
5. ソウ
低バジェット、たった18日間の撮影期間というハードな環境でありながら、主演ふたりのすさまじい役者魂を感じました。特にゴードン医師役のケイリー・エルウィズはハリウッドの大型作品にも数々出演している実力派。それなのにここまでの汚れ役を体当たりで見事に演じている。素晴らしい。ワン監督の次回作にも期待します。 [DVD(吹替)] 8点(2005-03-14 08:16:05) |
6. その男、凶暴につき
どうも彼の暴力描写が好きになれません。なんというか、しゃれになってないというか・・・荒んだ気持ちになってしまうので。で、本作、物語もまだ荒削りで未完成なのですが、たけしの狂気じみた暴力だけが売りなのかと思いました。 4点(2003-12-12 17:31:51) |
7. ゾンビ/ダリオ・アルジェント監修版
ゾンビ、トラウマです。どんなホラー映画より恐ろしい。 9点(2003-12-12 13:01:44) |
8. 続・激突!/カージャック
ゴールディ・ホーンの狂った演技が素晴らしい。端役のちょっとした表情を挿入するスピルバーグならではの演出も冴えてる。ハーモニカを使った音楽もいいですね。 9点(2003-12-12 12:59:06) |
9. ソードフィッシュ
これはたまたまWOWOWで放映していたのを観たので、全く予備知識、期待なしでみました。伏線の張り方、構成、アクション、なかなか水準以上で楽しめました。トラボルタはすっかり性格俳優になりましたねえ。ただ致命的なのはトラボルタの行動に至る動機があまりにも浅はかというか・・・まあアメリカ人には受けるのでしょうけど。 7点(2003-12-12 12:57:52) |
10. ソイレント・グリーン
《ネタバレ》 安楽死のシーンが印象に残ってます。美しい自然の映像がスクリーンに映し出されて、その中で死んでいく・・・ 9点(2003-12-12 12:57:25) |