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1.  浮草 《ネタバレ》 
小津安二郎監督が蒲田時代に手がけた「浮草物語」を「彼岸花」で山本富士子を起用したお返しに大映でセルフリメイクした作品。実は初めて見た小津監督の映画が本作だったのだが、松竹での作品を何本か見た後になってあらためて見ると確かにいつもの小津作品とは何か違う印象を受ける。旅役者の一座を描いているが、リメイクだけあって座長(中村鴈治郎)が実の息子(川口浩)に父親と名乗り出ないで伯父さんとして接しているとか、ラストの展開などは松竹的と感じる部分もあるものの、話が妙にドロドロしているのをはじめ、主人公である座長がドスの利いた関西弁でまくし立てるのも上品すぎるほど上品な印象がある小津監督の映画では異色な感じ。そして冒頭からロングショットがあるのも毛色が違う印象で、中でも座長とすみ子(京マチ子)が大雨の中、道一本隔てて向かい合って口論するシーンの激しさは小津監督よりも撮影の宮川一夫や大映自体のカラーが出ているような気がしたし、宮川一夫撮影作品での大雨のシーンということもあってか、「羅生門」を思い起こさせるものがある。京マチ子、若尾文子、野添ひとみといった大映の女優陣がそれぞれ良く、ここは松竹の小津監督の手腕のせいもあるのだろうと感じられた。この時期の大映で川口浩の相手役といえば野添ひとみというイメージがあるのだが、(増村保造監督の「くちづけ」の印象が強いのかも。)本作では一座の若手女優役の若尾文子が相手役。この数年後に増村監督の「妻は告白する」で共演しているのを先に見ていて、そのイメージが強いからか、本作のこの二人はイメージがかなり違って見える。ラストは少々強引にキレイにまとめた感がなくはないが、見終わってみればちゃんと小津監督らしい映画になっていたと思うし、せっかくよそでやるんだから、いつもと違うことをしようという小津監督の思いもあったのかもと感じられる。ところで、本作は最初にも書いたように「彼岸花」で山本富士子を起用したお返しに小津監督が大映に出向いて手掛けた作品。でも、その「彼岸花」に出ていた山本富士子が本作に出ていないのはなぜだろう。どうでもいいことかもしれないが少し気になる。(2024年2月25日更新)
[DVD(邦画)] 7点(2024-03-22 12:23:13)
2.  宇宙大怪獣ギララ
松竹が唯一作った怪獣映画。見た当時は小学生だったが、怪獣の造形が間抜けすぎてカッコ悪く、ストーリーも大して面白くないし、特撮もしょぼかった。だいぶあとになって気づいたのだが、まだ「仮面ライダー」に主演する前の藤岡弘が出演していたり、倍賞千恵子が主題歌を歌っていたりしたのか。
[ビデオ(邦画)] 3点(2024-01-14 18:53:10)
3.  うなぎ 《ネタバレ》 
以前見た時は期待しすぎたせいかイマイチな感じがしたのだが、15年ぶりに改めて見てみるとそこまで悪くなかった。妻を殺した過去を持ち、仮出所後も刑務所で服役中に飼っていたうなぎにしか心を開かなくなった人間不信の男と、彼が偶然助けた自殺未遂の女の「人生の再生」を淡々と描いているのだが、やはり昔見たときはこのテーマが少々わかりづらかったのかもしれない。シリアスなストーリー展開だが、ところどころにあざとくない程度に笑えるシーンが盛り込まれていて見やすくなっているのもよかった。(人間不信の男が客商売の床屋を開くという矛盾も考えてみれば笑える発想だ。)今村昌平監督のカンヌでの最高賞受賞作といえば本作と「楢山節考」だが、個人的には本作のほうが「楢山節考」よりも好み。とはいえ「復讐するは我にあり」のようなギトギト感はなく、これはやはり今村監督の演出が丸くなっているのだろうなあと感じられる。(直球勝負の映画だった「黒い雨」よりはギトギト粘りのある映画だとは思うが。)冒頭の主人公が妻を刺殺するシーンは緊迫感とインパクトがあり、このシーンは印象に残った。今村監督の映画はあまり見ていないのだが、また機会があれば日活時代の若い頃の監督作も見てみたい。(2013年10月8日更新)
[DVD(邦画)] 6点(2023-10-17 17:58:39)
4.  宇宙大怪獣ドゴラ
怪獣が今までに無い実験的な感じで良かった。しかし見たのが怪獣映画大好きな小学生の頃だったので、やや退屈だった。今見ると面白いかもしれないが、なかなか見る機会がないのが残念。
[ビデオ(邦画)] 5点(2023-07-15 19:48:40)
5.  ウォレスとグルミット/ベーカリー街の悪夢<TVM>
「ウォレスとグルミット」シリーズの最新作。今回はパン屋を開業したウォレスとグルミットの前に現れた女性が実は・・・というサスペンス要素も盛り込んだ内容で、もちろん笑いもたくさんあって面白かった。相変わらずクレイアニメでここまで出来るというのにも凄さを感じる。しかし、シリーズとしてはここまで来るとややマンネリ傾向があるのも事実か。でも、今回新しく登場した犬のフラフルスがかわいい。ウォレスの日本語版声優が萩本欽一から津川雅彦に変更されていて、最初は「なんで変えたんよー」と思っていたが、実際見てみるとそんなに悪くなかったかな。でも、なにか妙に落ち着いた印象になってしまっていてちょっと違和感が。オリジナルである英語版は見ていないのでひょっとしたら津川雅彦の方がオリジナルに近いのかもしれないが、出来れば萩本欽一のままがよかったなあ。
[CS・衛星(吹替)] 6点(2023-03-15 07:58:59)
6.  ウォーターボーイズ 《ネタバレ》 
矢口史靖監督の出世作となった大ヒット作。久しぶりに見たが、やはりスポコン映画としての面白さよりも肩の力を抜いて気楽に見るコメディー映画としての側面が勝っていて、その辺が評価の分かれるところかもしれないが、笑える映画が見たいという気分だったこともあり、素直に楽しめた。メインの五人が揃いも揃ってバカなのだが、同時にどこか憎めないのが良く、見ていて微笑ましくなってくるし、矢口監督もオーディオコメンタリーでスポコンらしいところをあえて入れなかったと語っていたが、確かにこのノリでスポコンらしい熱さを加えてしまうと失敗していたようになんとなく感じるので、これで良かったと思う。昔、見返す度に玉木宏のアフロが燃えるシーンで大笑いしていたのだっが、久しぶりに見ても同じところでいちばん笑ってしまった。バックにかかる「伊勢佐木町ブルース」も妙に合っているのがまた笑える。バカっぽい映画かもしれないが、クライマックスの競技のシーンはやっぱりちょっと感動。その競技が終わると同時にエンドロールが流れ始めるのが「スウィングガールズ」でもそうだけど、エピローグなどを一切描かずにスパッと終わるのが潔くて好きだ。(2022年12月11日更新)
[DVD(邦画)] 8点(2023-01-16 18:24:53)
7.  ウルトラマン物語 《ネタバレ》 
子供の頃にいちばんよく見ていたウルトラマン映画。ウン10年ぶりに見たが、やはり懐かしく見れた。タロウを主人公に少年時代から若きウルトラ戦士のタロウがウルトラの父との特訓を経て一人前の戦士になるまでを描いたシリーズ初のオリジナルストーリーの劇場版だが、父との師弟関係やタロウの焦りや悩みなどがちゃんと描かれ、普通にタロウの成長物語としてよく出来ていて、そのドラマとして見ごたえがあるし、子供だけではなく大人が見ても何か感じるものがあるのではないかと思う。それにもちろんテレビシリーズ「ウルトラマンタロウ」のエピソードゼロ的な見方も出来る映画になっていて今見てもじゅうぶん面白かった。ところどころで挿入される各テレビシリーズのウルトラヒーローたちと怪獣たちとの戦いの映像の本編への絡ませ方もうまいのだが、中でもジュダの配下として登場するヒッポリト星人は登場シーンはすべて「ウルトラマンA」での登場回の流用なのに中ボス的な存在感を放っていて、初めて見た時は「A」を見ていなかったのもあって、「A」を見た後になってもこの映画でのほうが印象強かったのだが、それは今でも変わらないかな。メインの声優陣に目をやると、少年タロウの声が野沢雅子、ウルトラの母の声が池田昌子で「銀河鉄道999」の鉄郎とメーテルというのもそうなのだが、主人公がタロウでウルトラの父の声をやっているのが石田「太郎」というダブルミーニング的なキャスティングも楽しい。また、成長したタロウの声が石丸博也で、主題歌を歌っているのが水木一郎というのも「マジンガーZ」を思い起こさせる。その水木一郎が先ごろ亡くなってしまったのは幼い頃から聴いて育っただけに非常に残念で惜しい。(2022年12月26日更新)
[DVD(邦画)] 8点(2022-12-27 17:13:09)
8.  乳母車
裕次郎初期の文芸もの。それまで映画スターだった頃の裕次郎に対しては不良っぽい印象が強くてあんまりいいとは思ってなかったが、この映画で初めて良い俳優だと思った。芦川いづみも顔を覚えたのがこの映画で、非常に可愛らしかった。新珠三千代や宇野重吉もさすがにうまく、手堅くまとまったこの時代らしい邦画で安心して見られる映画だと思う。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2021-12-16 22:21:22)(良:1票)
9.  ウルトラセブン 《ネタバレ》 
高畑勲監督のデビュー作である「太陽の王子ホルスの大冒険」などと同時上映で劇場公開された「ウルトラセブン」の第18話。「ウルトラセブン」といえばシリーズの中でも特に名作とされ、今も人気が高いのだが、このエピソードは印象としては平均的で、まあいつも通りな感じで、どうせ劇場で上映するなら「ウルトラ警備隊西へ」とかでも良かったような気もするが、面白くないかと言われれば、そうでもないというのが正直なところで、ベル星人の作り出す疑似空間の森は閉じ込められたソガとアマギに感情移入しながら見るとそれなりの怖さは感じることができるし、ベル星人の出す鈴虫の鳴き声のような怪音波もちょっと不気味に感じる。(基地でこの音が流れたとき、ダンは即座に反応して耳を塞いでいたが、やはりセブンは地球人と違って敏感なのだろうか。)登場する敵はベル星人のほかに、操演による巨大なクモやスフラン(吸血植物)などが出てくるものの、やはり「ウルトラマン」の第8話「怪獣無法地帯」と比べても予算不足なのか、似たようなシチュエーションながらこちらのほうが地味に感じられる。それにしても脚本の都合とはいえ、ダンの言う通り彼に後を任してウルトラホークに退避するキリヤマたち、見ていてもうちょっと気遣おうよと思ってしまう。でも、それだけに疑似空間が消滅しかけたときに一人ダンを助けに行こうとするアンヌが印象に残る。このあとのエピソードでもアンヌ一人がダンを気にかけている描写(「セブン暗殺計画」など。)があるので、こういうのが積み重なってあの最終回につながっていくのだなと思う。やはりこの「ウルトラセブン」というはダンとアンヌの物語でもあるのだ。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2021-11-10 23:21:30)
10.  ウルトラマンメビウス&ウルトラ兄弟 《ネタバレ》 
「ウルトラマンメビウス」のテレビシリーズは金子修介監督が参加していたということで見ていた「ウルトラマンマックス」からの流れで見ていたのだが、この映画版だけは見ていなく、今回初めて見た。さすがにテレビシリーズ終了から2年近く経っているんで、少し懐かしさを覚えるも、テレビシリーズの1エピソード的な感覚で作られているので、やっぱり映画として見た場合には物足りなさがある。昭和のウルトラ兄弟六人が揃うのが一つの目玉になっていて、人間体も登場する初代ウルトラマン、セブン、ジャック(新マン)、エースの四人は当時の各シリーズの主演俳優が当時と同じ役を演じているわけだが、テレビシリーズに登場した時から思ってたけどやはりみんな老けてる。とくに郷秀樹なんか「帰ってきたウルトラマン」当時の面影がなくなってるし。(ハヤタも。)この四人のウルトラマンの変身シーンは見所の一つだが、なんか変身してから異様に長いし、最後の怪獣を倒す技も「ウルトラマン物語」の焼き直しっぽいのがちょっと気になった。でも、ウルトラマンタロウの声が石丸博也(ジャッキー・チェン)なのは「ウルトラマン物語」好きだったんで素直に嬉しく思う。ところでナックル星人の声は中尾隆聖なのだが、ほかの宇宙人たちの仕切り役というキャラ的な立場もあってか、フリーザが喋っているようにしか聞こえなかった。
[DVD(邦画)] 5点(2021-07-18 16:30:11)
11.  ウルトラ6兄弟VS怪獣軍団 《ネタバレ》 
これは円谷プロがタイの映画会社と提携して製作したウルトラマン映画。しかし、ウルトラマンはあくまで脇役で、主人公はハヌマーンとかいう猿に変身するコチャンという少年。コチャンがハヌマーンになる経緯が冒頭に描かれるのだが、開始早々コチャンは仏像泥棒に銃殺されてしまい、それを見ていたウルトラの母が空から手を伸ばし、コチャンの死体をつかんで消える。まずこのシーンがこわい。さらにウルトラの国でハヌマーンになったコチャンは自分を殺した仏像泥棒に報復。「仏様を大切にしない奴は死ぬべきなんだ!」とか言いながら踏み潰す様は絶対にトラウマを生む。そして、渇水のため太陽を説得しに行く。「そう言えばそうだ。」とあっさりひき下がる太陽が情けない。そして最後はウルトラ兄弟と協力して怪獣軍団をリンチするという暴挙に出る。最後のゴモラが哀れ。個人的にウルトラマン映画と認めたくない作品である。
[ビデオ(吹替)] 1点(2021-05-12 19:51:48)
12.  ウルトラマンゼアス 《ネタバレ》 
「ウルトラマン」の放送開始30周年を記念して作られた劇場オリジナル作品。監督に今年「矢島美容室」が公開されたばかりの中島信也(どうでもいいが、「下妻物語」が出た頃、その監督の中島哲也と混同してた。)、防衛隊の隊長と副隊長役にとんねるずを起用し、コメディタッチに仕上げている。主役のウルトラマンがヒーローとしても人間体でいる時も半人前という設定は新鮮で面白かったし、初代「ウルトラマン」で科学特捜隊を演じていた役者たち全員がチョイ役で出てるのもなんだかうれしかったりする。主役のウルトラマンゼアスに変身する防衛隊の準隊員を演じるのがとんねるずの当時のマネージャー・関口正晴(当然、俳優ではない。)というのがかなり冒険的(というか、このマネージャーはとんねるずのバラエティー番組に出演していたらしいので話題作りのためのキャスティングだったのかも。)だが、思ったほど演技は酷くなかった。(歯磨きをした後、その歯ブラシをかざして変身するのは笑ってしまった。)一方で敵であるベンゼン星人の人間体を演じる鹿賀丈史はノリノリで演じている感じが見ていて楽しそう。出光興産(「アポロマークの出光興産がお送りします。」という「題名のない音楽会」の提供読みフレーズが頭に浮かんでくる。)とのタイアップ色がやや強いような気がしないでもない映画であるが、まあいいか。ところで、直接一緒に出てるシーンはないものの、とんねるずと小林昭二がひとつの作品に出ていると「仮面ノリダー」が懐かしくなってしまう。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2020-08-11 14:39:34)
13.  浮雲(1955)
成瀬巳喜男監督の映画はまだそんな見てなくて、高峰秀子とのコンビ作を見るのが初めてならば、林芙美子原作の成瀬作品を見るのもこの「浮雲」が初めて。腐れ縁の男女を見事に描ききっていて、主演の高峰秀子と森雅之のうまさもあって暗い内容ながらもなぜか引きつけられた。特に森雅之が川島雄三監督の「風船」で演じた役柄からは想像もできないダメ男をうまく演じていて、実に憎たらしい。本来、彼はこういうダメ人間の役の方が多いのは知っているが、思わず「風船」とのギャップに少し驚いてしまった。俳優の演技もそうだが、味のある渋いモノクロの映像(撮影 玉井正夫)や斎藤一郎による音楽、そしてなにより成瀬監督の演出力の高さを証明するような質の高い作品になっていて、名作と言われる理由も分かるのだが、やっぱりちょっと全体的な雰囲気が暗すぎて、また見たくなるかは微妙なところ。個人的には同じく男女の腐れ縁を描いた作品ならば川島監督の「洲崎パラダイス 赤信号」のほうが好み。
[DVD(邦画)] 7点(2020-02-20 18:29:58)
14.  うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー
確かコレ、最初見たときは「うる星やつら」自体を全く見たことがなく、内容以前に登場人物たちの関係がよく分からなかったのだが、その後、BSでテレビシリーズの再放送が始まり、それをある程度まで見たあとに見直すと、ちょっと分かりやすくなった。でも、作風はおもいっきり押井守の世界なのでそれでも何回見てもよく分からない部分はある。そんな作品だけど、好きな映画の一つなので9点。(ちょっとよく分からないレビューですいません。この映画って好きなんだけど感想述べにくいんだよなあ。)
[CS・衛星(邦画)] 9点(2019-08-14 11:26:14)(良:1票)
15.  海がきこえる<TVM> 《ネタバレ》 
映画専門な感のあるスタジオジブリには珍しいテレビ用単発アニメ。ヒロインがこれまで見てきたジブリアニメのヒロインと比べてかなりイライラする性格(ひょっとしたらジブリアニメのヒロイン史上最悪かも。)だったり、未成年の飲酒シーンがあったりして、(冒頭のお断りテロップにビックリ。)これ、本当にジブリなのかと一瞬思ってしまったが、同時にそこがちょっと新鮮に感じられたりもした。高校生の青春を描いたアニメとしてはむしろよく出来ていて、友情や恋など「耳をすませば」のような青臭さを感じてもおかしくないのにそれをあまり気にせずに見られたのが不思議。同窓会前夜に昔殴ってしまったことを謝る松野には自分にもそういうところがあるかも知れないと思い、つい感情移入してしまった。同窓会のシーンも印象的で、とくに「私たち、狭い世界に生きてたんだね。」というセリフに昔の自分を思い出してしまい、当時の自分の価値観というものがいかにどうでもいいものであったかを思い知らされるときがあるのでなんだか共感できたし、すごくリアリティーを感じ、ちょっぴり切なくなった。いつも欠席している同窓会だけど、今年はちょっと行ってみようかという気にも少しなったかな。全体的に見てジブリっぽさはあまり感じられない作品で、実質若手スタッフ育成のための企画だったようだが、最近のジブリアニメにはないよさ(本職の声優使ってる以外で。)は確かにある作品に仕上がっている。
[地上波(邦画)] 7点(2019-04-02 23:09:46)
16.  ウホッホ探険隊 《ネタバレ》 
森田芳光監督が脚本を担当した離婚がテーマのホームドラマ。コミカルな雰囲気のタイトルとは裏腹にネタとしてはシリアス。でも、見ていてそこまで深刻な感じはなく、どこかコミカルでからっとした印象が残るのはやはり森田監督の脚本によるものなのだろう。しかし、森田監督と根岸吉太郎監督の作風の違いか同じく家族を描いた森田監督の「家族ゲーム」と比べてしまうと、あくまで正統派な感じで毒気がなく、そこが物足りなく感じてしまい、本作への森田監督の脚本での参加は根岸監督からの依頼だったそうなんだけど、もしも森田監督が自ら監督も手掛けていたらまったく違う映画になっていたかもと思わずにはいられない。でも、根岸監督の演出は丁寧で、傑作・名作とまではいかないもののドラマとしてはそこそこよく出来ていて、森田監督の脚本に多くを求めなければ普通に見られる映画ではある。十朱幸代演じる妻が悩んで疲れていくくだりはなかなかにリアルだし、彼女が小学生の息子たちに向かって「私はあなたたちの悩みを聞いて解決することができるのは自分も経験したことだから。あなたたちが私の悩みを聞いても解決できないのはまだ経験がないから。だから一人で悩んで一人で解決するしかないの。」という言葉を放つのは一見八つ当たりのようにも聞こえるが、思わず同情してしまう部分もあり、印象に残る。それにすべてを描くのではなく、離婚後に愛人と別れたことを夫が「元」家族に告げるところでパッと終わらせるのはそのあとのことを見る側がいろいろ想像できる余地を残しているのがいい。(今どきの映画であればたぶんこうはいかないだろう。)しかし、藤真利子演じる愛人の人物設定はよく分からず、相手の妻に嫌がらせもしておきながら、いざ離婚したとなると途端に別れてしまう神経は意味不明だった。ここをもうちょっと何とかしてほしかったな。夫役の田中邦衛は「北の国から」の五郎とはキャラ的にまったく違う役柄なのだが、「北の国から」とは逆に自らの不倫が原因で離婚をする役柄というのが面白い。
[DVD(邦画)] 6点(2017-12-17 00:09:36)(良:1票)
17.  ウルトラマンゼロ THE MOVIE 超決戦!ベリアル銀河帝国 《ネタバレ》 
前作「大怪獣バトル ウルトラ銀河伝説 THE MOVIE」の続編の体裁を採り、ウルトラマンゼロを主人公に彼の別次元宇宙での冒険を描いている。ウルトラ戦士が総登場し、つくりとしてもかなり力が入ったお祭り騒ぎ的映画だった前作とはうってかわって、ルーキーヒーローであるゼロの本格的デビュー作として製作されているという印象で、前作から比べればウルトラシリーズの劇場版としてはいつもの感じだが、登場したばかりの新キャラが主人公として活躍する内容としてはこれでいいのだろう。ゼロの仲間となる新ヒーローたちは円谷プロのウルトラシリーズ以外のヒーローのリファインになっていて、小ネタも多く、前作ほどではないが、少しでも好きであればそれなりに楽しめる。石坂浩二がナレーションを担当しているのもオールドファンを意識してのことだろうけど、まさに小学生時代に夢中になってこのシリーズを見ていた者としてはやっぱり嬉しいものがある。(出番もけっこう多い。)ゼロと一体化するのはラン(小柳友)という青年だが、一体化している間は完全にゼロの意思だけで動いていたり、変身の回数に制限があるというのが面白かった。でも、今回はいわゆる怪獣らしい怪獣はあまり出てこなかったのでそこがちょっと残念だったかな。音楽は川井憲次が担当しており、とくにベリアル軍のテーマは不安を煽るような曲調が彼らしく、印象に残る劇伴だった。(川井憲次はこういう曲、うまいと思う。)それから一言ほどしかセリフの無い80とユリアンの声優に長谷川初範と萩原佐代子を起用しているあたりもなんか良い。
[DVD(邦画)] 5点(2017-06-22 17:08:41)
18.  WOOD JOB! ~神去なあなあ日常~ 《ネタバレ》 
これまでオリジナル脚本で個性的な映画を次々と世に送り出してきた矢口史靖監督が初めて手掛けた原作モノということで若干の不安はあったが、最後まで明るく楽しめる映画という矢口監督らしさを損なうことなく、青春ドラマとして締める部分はしっかりと押さえてあって面白かった。主人公の平野(今回は主人公の名字が鈴木ではないのね。)勇気(染谷将太)が最初はいかにも現代的な若者(ゆとり世代と言うのか。)に描かれていて、最初は好感が持ちづらいのだが、そんな彼が新しい環境の中で次第に林業という未知の世界を知っていく過程を見ていくうちにだんだんとこちらも引き込まれた。目隠シストさんが仰るように新しいことを知った人が周囲にひとりもいないという状況の中ではじめるのは相当に勇気のいることで、新しい場所でうまく信頼関係が築けるかが本当に重要になってくる。本作は勇気とヨキ(伊藤英明)の関係を通してそれをうまく描いていたと思うし、これがあるから見ているうちに勇気に対する印象が変わり、ぐっと好感度も増すのだと思う。勇気とヒロイン・直紀(長澤まさみ)とのロマンスもあざとさを感じさせず自然なさわやかさがあり、良かった。(「愛羅武勇」と書かれたタオルを使った告白シーンは強烈。)ラストの別れのシーンは勇気とヨキの抱擁もそうだが、やはり電車に乗った勇気とバイクに乗った直紀がお互いに向かって「さようなら。」「さよなら。」と連呼するところには思わず感動してしまった。でも、この後、勇気が再び村へ向かうというエピローグが存在していたのは「ウォーターボーイズ」や「スウィングガールズ」でラストにエピローグを描かずにパッと終わらせていた矢口監督だけにこの別れのシーンで終わってほしかったと少々残念な気がする。クライマックスの祭りの躍動感がものすごくここだけでも映画館で見ておけば良かった。ヨキ役の伊藤英明は(「海猿」は見たことがないので比べられないが。)いかにも野性的な感じで山男役が見事にハマっている。
[DVD(邦画)] 8点(2015-06-13 16:18:33)(良:1票)
19.  運命じゃない人 《ネタバレ》 
序盤は普通にラブロマンスが展開するのかと思いきや、そうではなく一つの出来事をさまざまな視点から語ることによってその裏には実はとんでもないことが隠されているという展開になっているのは意表をついている。下手をすれば複雑になりがちなストーリーを実にテンポよく快活に描いていて、最後まで飽きさせない脚本の構成力がまず素晴らしいし、それに低予算でネームバリューのある俳優が出ていなくても脚本が面白ければ面白い映画は作れるという見本のような映画になっていることも好感が持てて良く、これが初の劇場公開作という内田けんじ監督の才能の高さをじゅうぶんに感じられる映画だ。主人公を演じる中村靖日は「ウルトラマンギンガS」のゲスト出演で冴えないサラリーマンを演じていたのが印象に残っている程度なのだが、本作でもサラリーマンを演じていて、こういう普通の役どころがハマる俳優なのだろう。そのとぼけた演技も良い。彼がレストランで知り合った女と別れるときに携帯の番号を聞き出そうと走り出すシーンは自分に重なるところがあり、思わず感情移入してしまった。聞き出した番号が偽物だったにもかかわらず、書き間違いだと言って電話をかけ続ける姿がなんだか切なかった。その女が部屋にあったヤクザの金をくすねる展開は意外。じゅうぶん面白い映画なのだが、唯一、ラストがあまりスッキリしていないのはちょっと残念だった。でも、内田監督の映画には今後も期待したい。
[DVD(邦画)] 7点(2015-01-29 18:00:43)(良:1票)
20.  上を向いて歩こう 《ネタバレ》 
坂本九の世界的名曲「上を向いて歩こう」をモチーフにした舛田利雄監督による青春映画で、主演はもちろん坂本九。しかし、彼の明るい印象とは対象的に、若者たちのすれ違いや誤解から生ずる対立が描かれ、坂本九の恋人になる女性(渡辺友子)が障害者であるなどどことなく暗い内容。舛田監督といえばこういった青春映画よりもアクション映画の印象が強い監督だが、この映画でもクライマックスのケンカのシーンに力が入っており、およそ爽やかな青春映画とはかけ離れているが、その壮絶なケンカが吉永小百合演じる娘の一言によって終息するというのが、多少強引で甘いような気もしないでもないが、映画自体は思っていたよりは面白かった。劇中ずっと「上を向いて歩こう」のメロディーが流れるのだが、歌は最後だけ、という焦らしがうまく、これによって主題歌が流れまくるくどさは感じないし、逆に最後の合唱シーンで、今まで暗めの物語の中にあって、最後に流れるからこそ、明るく見終わることができるという構成がにくいし、思わず待ってましたという気にさせられる。歌われる「上を向いて歩こう」に四番歌詞が歌われているが、「手をつなぎ歌おう、若いぼくらの歌」でしめる歌詞が希望があってよく、のちにこの映画のために加筆されたものなのか、好きな歌だけにリリース盤に収録されていないのが惜しい気がする。
[DVD(邦画)] 6点(2013-01-23 20:32:16)(良:1票)
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