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アンドレ・タカシさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2127
性別 男性
自己紹介 2022/3/26に以下のような自己紹介文をアップしました。
ロシアのウクライナ侵攻が始まってひと月経過。
映画は観ていますが、侵略戦争のせいでレビューする気になれません。
私の映画レビューと戦争は直接関係しませんが、
楽しく文章を考える気分じゃない、ってことですね。
ロシアが撤退するか、プーチンがいなくなったら再開します。


そして、
侵略戦争が膠着状態に入り、
いつ終わるか識者にも判断できない状況になりました。
まぁ正直、痺れを切らしたので、レビューを再開します。
ウクライナ、頑張れ!

2024年3月17日更新

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1.  丑三つの村 《ネタバレ》 
山間の村で秀才として持てはやされて、多少いい気になっていた主人公の境遇が、徴兵検査で結核と診断されたことを境に180度転換する。周囲の評価が一変し、役立たず呼ばわりされる。夜這い相手の女性たちからも煙たがられる。自尊心が邪魔をして、事あるごとに村の慣習に抵触して行く。思い通りにならない肉体への焦燥や、やりたい放題だった夜這いがままならない性的不満、その夜這い相手からも馬鹿にされる屈辱などと並行して、いわゆる村社会に於いて主人公が居場所を失ってゆく過程がじわじわと描写されて行く。未来にも絶望した主人公は、彼を蔑ろにした村人を標的に、村を戦場に見立てて出撃して行きます。彼自身も含めた村全体の破壊で閉塞状況を精算しようとした主人公の選択はまさしく狂気です。しかし、村社会が持つ因習への反発や、鬱々としたエネルギーの放出という意味で、当時の自分は主人公の行動に激しく共感してしまった。その共感深度の10点です。性描写と暴力表現が突出しているのでそこに目が行きがちですが、自分にとっては鮮烈な青春映画でした。ちなみに、何名かの方が勘違いされていますが、この映画は成人指定を受けています。性描写ではなく凄惨な殺人シーンが引っかかったと記憶しています。古尾谷さんが亡くなられたときは、この映画のラストシーンが目に浮かびました。
[映画館(邦画)] 10点(2009-03-13 13:26:39)(笑:1票) (良:4票)
2.  宇宙人ポール 《ネタバレ》 
「未知との遭遇」のワンシーンにそっくりなオープニングにワクワクし、最後までそのワクワクが途切れなかった作品でした。随所に散りばめられた過去作品、特にSF系の諸作は、その方面が好きな人には堪らなく楽しめるでしょう。目的地がワイオミングなら、きっと「あそこ」へ行くのだろうと思いました。ラストまで姿を見せない女性上司のオチは、断固として〝エイリアン〞を許さないお姉様の登場でした。そのあたりのツボを外さないファン心理の捕まえ方に感心し、感謝します。 テーマは得体の知れない者との相互理解と友情。ポールは60年も地球で過ごして来たから、初めて自分を見た者がどんな反応を示すのかを良く心得ている。そこからスタートさせるコミュニケーションの描写がとても上手い。良く練られたシナリオです。彼は紳士って柄じゃないけど、人格者である。得体が知れないのは外見だけで、取っ付き易いのがこの宇宙人の特徴です。「偏見」や「先入観」に対する教訓も含まれていると思います。 本作で特筆したいのは、ともすれば高尚でお上品になりかねないテーマをB級臭の漂うテイストの中にまとめたことだと思います。かつて「E.T.」に涙した経験のある者として、同じ内容を気楽に笑いながら観れたことが嬉しかったです。ホビーショップで人形のように固まったポールのこめかみに流れる汗に、いちばん笑いました。 「未知との遭遇」と「E.T.」が作られてすでに30年ですが、自分の中では古くならない映画です。その2作を合わせて、現代の技術とセンスでリメイクした作品だと思います。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2013-01-09 03:59:15)(良:4票)
3.  うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー
高橋留美子が素で持ち合わせている特異な世界観に、押井守が理屈っぽい解釈を試みて、なんとそれが成功したという奇特な作品。本来「うる星」とは注釈を入れずに楽しむ類いの漫画のはずで、原作ファンにとっては余計なネタばらしをされたような微妙な作品とも言える。でも一本の映画としての完成度は相当高い。自分は未だにこれが押井守の代表作だと思っている。当時「アニメージュ」などの誌上でよく押井守と宮崎駿の対談が掲載されていて、創作論的に終始押され気味の押井守が可哀相でした。今作などはそれをエネルギーにして、宮崎アニメと違う方向を目指して頑張ったんだなと思いましたね。
[映画館(邦画)] 9点(2009-11-28 01:55:14)(良:1票)
4.  宇宙戦争(2005) 《ネタバレ》 
奥さんはイケメンに魅かれて結婚し子供を二人産んだけど、旦那の癖が強くて一緒に居られなくなった。至って普通の離婚でしょう。その普通の離婚家庭に全く異常な状況をぶつけてくる。オープニングから最初のトライポッドが動き出すシーンなどは体が硬直したまま動かせない程のスペクタクル。破壊の量感と質感の作り込みが圧倒的な迫力で絶対的な戦闘力を演出する。トライポッド1体の破壊力を見せつけた後に大軍を進軍させて絶望感を深めて行く。従来の作品に類型するなら、その破壊描写との落差を感じる離婚家族の普通さも、物語のリアリティ演出だと考えると納得しやすい。子供たちを愛していてもコミュニケーションが上手く取れない不器用な男が、不器用なりに揺るぎなく子供たちを愛し続ける。だからと言って子供たちのヒーローに昇格する訳でも無く、最後までダメ親父のままで終わる。このままならない悲哀の残酷さが現実味を醸す。オリジナルを踏襲するしか無かったと解釈できるウィルスのオチですが、あれは警告なんじゃないかな。よく考えてくださいよ。1950年代の人たちはウィルスで納得したかも知れないけど、今の時代に納得する人がいますか? 光年でしか測れない距離を征服している奴らがそんなに迂闊なことをしますか? 誰が見ても突っ込みどころ満載のエンディングで、そこだけがリアル描写から大きく逸脱している。つまり、もし現実に征服者が現れたら「絶対にこの映画のように終わらない」って事です。「未知との遭遇」や「ET」で楽観論を展開しすぎたスピルバーグの反省映画ですかね。
[DVD(字幕)] 8点(2011-11-29 00:25:31)(良:1票)
5.  ウォッチメン 《ネタバレ》 
原作も知らず、ほとんど予備知識も無く観賞。冒頭のコメディアン暗殺シーンの描写に驚く。その格闘の様子からコメディアンも相当な手練れであることが伺えるが、それを難なく圧倒する暗殺者。一方的な暴力が高級な調度を破壊しながら進む。高層階の窓から投げ捨てられるコメディアンが硬化ガラスをくだいて放物線を描き、その軌道が目に焼きつく。物語の重さを感じさせるに充分なオープニングだった。米コミックが描いてきたヒーローとはご近所で起こる諍いを収める自警団で、世間はそれで満足するほど呑気で平和だったが、時の流れが事情を変える。ヒーローの存在意義が平和の実現ならば、冷戦構造下の核の脅威にはどのように対応するのか。本作はその回答をテーマに据えた物語。核の抑止力がもたらす脆い平和を憂えた一人のヒーローが密かに筋書きを練り実行に移す。コメディアンの暗殺もその一環。マクロな視点で捉えるとその計画は評価できるが、多くの犠牲を伴うために一概には納得しがたい。その気持ちを死んで代弁するヒーローもいた。自分にとっては、この苦いものが残るエンディングがそのまま映画の見応えでした。いがみ合っている者たちに共通の敵を仕立て、共闘させることで導かれる平和。まぁ80年代までの平和概念だけど、あの不安な世相を実感できる世代としては見るものがありました。自分は鑑賞中、何度も「ダークナイト」が目の前にちらつきました。虚構世界のヒーローの苦悩をリアルに描くことでフィクションに説得力と奥行を持たせた「ダークナイト」と比較し、現実世界の国際平和の探求にヒーローを絡ませた本作の構成は、スタンスとしてはさらに踏み込んでいると言える。この映画はヒーローアクションムービーではない。物語構造が複雑で、エンディング近くまで謎解きがなく、唐突に浮上したテーマに対して回答が飛躍しすぎる感もある。でも、それに追いつかないとこの作品の面白さは理解できない。世界規模での平和の実現はヒーローの落日でもある。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2010-06-07 03:24:27)(良:3票)
6.  宇能鴻一郎の濡れて打つ 《ネタバレ》 
にっかつロマンポルノ版「エースをねらえ!」です。メインキャストの配置もストーリーもオリジナルのエッセンスを遠慮なく導入しています。ロマンポルノ版、と言われても、内容を想像できない方も多いと思いますが、あほらしいネタが盛りだくさんで、めちゃくちゃに笑えます。例えば、鬼コーチが主人公に授けるレッスンも「テニスは腰が大事だ!」とか言って、大真面目にそんなことをやって腰を鍛えたりします。オリジナルのスポ根らしい熱血描写を、ポルノ映画のコードに変換してギャグとして見せる。これは正統なパロディと言えるのでしょう。気になる主人公を山本奈津子が演じています。当時のポルノ系女優の中では、線が細くて可憐なイメージで売っていました。アイドル系ですね。今作も大サービスで、可愛い顔して色んなことをやってくれます。監督は平成ガメラシリーズの金子修介。自分が知る限りは彼の初監督作品だと思います。あのオリジナルをこんなことにしちゃうの、ってくらいに突っ走り、過去に無かったポルノ映画を作ってくれました。徹底したバカらしさに才気を感じます。可愛い主人公がいて、しっかりとそっち方面の興奮があり、パロディとして筋が通っていて、度を越えてバカバカしい笑いがある。にっかつロマンポルノの中でも異色と言えるノリの映画ですが、これにはかなり得した気分にさせてもらいました。おススメです。
[映画館(邦画)] 8点(2009-08-31 20:38:20)(良:1票)
7.  運命じゃない人 《ネタバレ》 
たいへん面白かったです。同じような構成の映画は過去に何作か見ました。同一時間帯に進行する複数のお話を関連付ける面白さという点では、他の作品が単なるニアミスを描いている感が強い中で、今作は宮田編、神田編、浅井編のそれぞれに、すべての登場人物が役割を持って絡んでいることに感心しました。しかも、最後の浅井編まで見た段階で、最初の宮田編での会話や行動が違った意味合いで理解されるような凝りようです。さらに、銃を撃つとか人を殺すと云うようなアクションは皆無なのに、かなり起伏を感じるストーリーになっています。そして、あの詐欺女以外はヤクザを含めて悪人がおらず、札束(と見せかけた紙束)を持ち逃げしたマキちゃんも最後に返しにやって来る爽やかさ。これは脚本段階で相当に知恵を絞っていることが窺えます。この種類の構成の映画では最も良く出来ていると思えるくらいです。構成の面白さは特筆しますが、その先に何らかのテーマ性がメッセージ出来ていればさらに良かったと思います。探偵の神田君の台詞には宮田君の胸にグサグサと刺さるものが多かったけど、結構核心を突いていて語録にしたいくらいでした。「30歳過ぎたら機会なんてねぇんだよ~」は事実ですよ。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2009-01-29 03:23:05)(良:1票)
8.  WOOD JOB! ~神去なあなあ日常~ 《ネタバレ》 
個人的な話ですけど、サラリーマンを辞めた後に自宅のパソコンが壊れて一週間近くネット環境から離れたことがあります。スマホを持たない自分は情報の収集量と収集効率が格段に落ちました。当初は形容しがたい不安感と不自由を覚えましたが、数日を経るとどうってこと無くなりました。ネットワークから得ていた情報の大半が、生活に必須のものでは無かった事に改めて気付かされた出来事でした。 で、本作のテーマは何か? スマホが無くても生活は充実する。コレですねw 高校時代の友人の林業見学は原作に無いエピソードですが有効なアレンジでした。主人公が林業生活に適応して行く過程の省略をリカバーし、「林業=スローライフ」をたしなめ、ラストのヨキの涙への伏線として機能しています。主人公がその後の一生を林業で過ごすかどうかは分かりません。でも、現代的な利便性より優先すべき価値観を持った経験は彼の成長の証です。それが心地よく響く映画でした。 再び個人的な話ですけど、そろそろスマホを持とうと思っておりますw
[CS・衛星(邦画)] 7点(2016-04-10 02:45:57)(良:2票)
9.  うる星やつら 完結篇
この作品のエッセンスがギュッと詰まった完結編だったと思います。ほぼ原作通りの流れでしたが、原作が素晴らしかった分だけ、チラホラと残念な部分も見受けられました。クライマックスの「忘れるもんか!」はもう少し上手く演出して欲しかったです。 地球の命運を担う痴話喧嘩。どんだけアホらしいやら。とんでもない設定の中に日常の機微を持ち込み、そのギャップをギャグにした最初の人が高橋留美子だったと思います。ノーベル文学賞ものだと、個人的には思っております。
[ビデオ(邦画)] 7点(2013-02-06 15:18:40)(良:1票)
10.  ヴィヨンの妻 ~桜桃とタンポポ~ 《ネタバレ》 
旦那と妻の人生哲学を吟味する映画だと思いました。旦那が「体がだるくなるような素直さを持っている」と形容する妻は、決して特別な存在ではない。空気を吸ってご飯を食べて子供の世話を焼く毎日。彼女の素直さとは、そんな生活に一片の疑問も覚えないことであり、実生活に於ける強さでもある。それは思索を繰り返して断続的な絶望に苛まれる旦那の繊細な神経から見ると、信じられないくらい図太い生命力に満ちているのだろう。人類を旦那側と妻側に二分するなら、自分などは間違いなく旦那側に入ってしまうタイプ。なので本作の松たか子は、頭があがらない怖い存在であると同時に憧れでもあります。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2010-09-23 23:24:10)(良:1票)
11.  宇宙ショーへようこそ 《ネタバレ》 
夢に溢れた冒険ファンタジーの世界。少年少女が校庭のジャングルジムごと浮き上がり、地球を見渡す高度まで一気に上って行くシーンには心が震えました。地球からは見えない月の裏側とか、反物質の対消滅とか、銀河団とか超新星爆発とか。理科の勉強のような風情もある。ハッブル宇宙望遠鏡などが撮影した天体画像を参考にしていると思われる宇宙は、ひと昔前の描写に比べると感動的に美しいですね。また、テクノロジーが進んでも土や草の匂いが感じられるポチの故郷の描写も好きです。そのポチが冒頭で唐突に喋り始めるシーンは可笑しかった。徐々に明らかになるポチの性格も面白く、見映えと関係なく優しい方々ばかりのエイリアンも好感です。特にインクちゃん。出番は多くないけど完全に主人公たちを食ってました。全編を通した丁寧な創り込みは見応えタップリで、細かい話で恐縮だけど、私はラスト近くで両親の車に乗って帰宅するシーンの車のヘッドライトの明るさに感激しました。街灯が少ない田舎の道はまさに闇で車のライトがやけに明るく映えるんだけど、それを再現していましたね。難を言うなら、ポチとその古い友人たちとの関係がイマイチ良く見えなかった点で、その為に戦いの動機があやふやで結末も呆気なかった。特にあの女性シンガーはほとんどお馬鹿さんに見えました。でも、巻き込まれ型とはいえ、なんて意義深く楽しい夏休みだろう。子供同士の関係にふさわしい機微も織り込んである。あんな夏休みなら、貯金を全て注ぎ込んでも体験したいです。あっ、中年はNGですか。
[映画館(邦画)] 7点(2010-08-10 22:20:34)(良:2票)
12.  ウォーリー 《ネタバレ》 
ディズニーは昔から動物を擬人化したお話を得意にして来ましたが、そのゴミ回収ロボット版ですね。映画が始まると、あっという間に感情移入してしまった。これはウォーリーの仕草に尽きます。ほとんど喋らないけど、ボディパーツを全て駆使した文字通りのボディランゲージが素晴らしい。脅威を覚えたら亀のように丸く、じゃなかった四角くなるのも愛嬌たっぷり。終盤で一瞬、自我を無くしたロボットになりますが、その無機質ないでたちが本来の見え方であることを考えると、無機物に命を吹き込む魔法を見せられた気分でした。廃棄物の山の高さや住み家にある収集品が、ウォーリーの長時間の孤独を間接的に物語る。初対面のイヴァがやたら破壊光線を撃ちまくるアブナイ奴だったのに、隙を見ては接近して手を握ろうとするウォーリーの愚直さがもうダメ押しでしたね。こんなに純情な奴には滅多にお目にかかれない。個人的には、このあたりまでが最も面白く、宇宙に行ってからのお話は展開に少し雑音が入った気がしています。ツァラトゥストラや赤目のコンピュータから類推する「2001年…」の人類進化をギュッと小ぶりにした人類奮起(?)を、ウォーリーとイヴァが促すことはひとつのテーマだが、前半部でウォーリーの純情を見事に抽出していただけに、ややトーンダウンした印象でした。常々アニメーション表現の長所はピュアなものの抽出であると思っていますが、今作のウォーリーの感情表現はその特性を活かしきっています。ピクサーのテクニックは流石でした。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2009-12-09 22:36:08)(良:2票)
13.  ウンタマギルー
舞台は返還前後の沖縄だから1972年ごろ。この映画は1989年の公開で、返還後17年目に作られた作品ということになる。最初はレンタルビデオで観たんだけど、その時は変わった映画という以上に感想を持てなかった。それから約20年、今回CSで久しぶりに観てやっと少し分かった気がした。たぶん、沖縄の日本への返還を良しとしなかった精神が製作した映画なのだろう。邦画なのに全編日本語字幕。会話のなかに1/10くらい理解できる単語が挟まるくらいで、ほとんど聞き取れない。妖怪や神さまが普通に出てくるし、森の植生が生物の体内にいるように不気味だし、主人公は不思議な力を持っているし…。これは意図的に異境感を演出している。つまり、ここは日本じゃない。本編中にも少し出てくるが、沖縄返還直前には反復帰論も盛り上がったようで、この映画はそんな当時の気風を沖縄風土の描写から訴えたかったのだと思う。とぼけた寓話の形を成しているのは、アジ色の強い映画が意味を持つ時勢ではなかったからだろう。沖縄独自の文化に対するオマージュである。昨年、八重山諸島へ旅したけど言葉や習慣に違和感を覚えなかった。外見的には、随分と日本に同化した。現地の方々の内面はどうなのだろう?
[ビデオ(邦画)] 7点(2009-07-06 04:03:00)
14.  うた魂♪
自意識過剰少女の成長と、学ラン合唱隊のおかしさが両輪となって、程よく楽しくまとまっている青春映画でした。夏帆はいいですね。表情の作り方が秀逸です。彼女の世代の女優は2つに大別できる。早く大人になってシビアな役に挑戦してもらいたいと思う人と、今のまましばらく青春ものをやって欲しいと思う人。彼女は圧倒的に後者です。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2009-04-22 06:59:52)(良:2票)
15.  宇宙兄弟 《ネタバレ》 
兄弟の絆だけで宇宙飛行士になれるとは思いません。なので、本作のテーマは「夢」を共有できる仲間が身近にいることの素晴らしさ、と解釈しました。閉鎖環境で追い込まれた宇宙飛行士候補生たちが兄貴の「宇宙の話をしよう!」で危機を回避するシーンが象徴的です。 私もこの兄弟に劣らず天文少年でしたが、一人でチマチマとやってました。導いてくれる人や一緒に夜空を見上げてくれる人がいたら人生が変わっていたかも知れません(笑)。 原作は斜め読み程度ですが、候補生の紅一点と麻生久美子イメージの被り具合に驚きました。打ち上げシーンの迫力(実物見たい!)や、空気の無い月面、陰影のハイコントラスト表現などはとてもそれらしく映像化されていて感心しました。 それと、登場時にそうじゃないかと思っていたら、やっぱりオルドリン氏でした。月に「二番目」に降り立ち、宇宙開発史の日陰にいる方なんですが、だからこそ彼が語る宇宙開発事業の意義はとても良い言葉だったと思います。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2013-05-12 23:25:04)
16.  雨月物語 《ネタバレ》 
9篇から成る江戸時代の怪談集みたいな「雨月物語」から2編をピックアップして脚色した作品。兄弟とそれぞれの妻の物語。日々の暮らしとその総体としての人生の意味を感じさせる脚本だが、特に説教くさい感じはしない。外国の映画祭で賞を受賞している作品。外国から見ると「とても日本的」なのだろうと思える描写が随所に見られ、その部分の映像の完成度が高いことが評価に繋がっているのだと思いました。霧の湖上で船を進めるシーンの趣きや、あかりが灯った幽霊屋敷の不自然なほど端正な美しさなど。あんな情景を「幽玄」って言うんですかね。宮川一夫氏の撮影技術に恐れ入る。戦国の世で、身近に戦があることが農民・市民に取ってどれほどの災厄だったかを改めて教えられた気がしました。築いてきた「暮らし」が不条理に壊される恐怖みたいなもの。他の作品で何度も観ているようなシーンだけど、本作で殊更そこに意識が留まったのは、陶器の窯焼きシーンを丁寧に描写していたからか、「親子三人が楽しく暮らしていければ…」という台詞が耳に残ったからか…。江戸の「読み物」の映画化として、私には比較的サラッと観られた作品でした。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2012-03-17 00:57:00)
17.  WXIII 機動警察パトレイバー 《ネタバレ》 
公開時は「WXIII」というタイトルが何のことかさっぱり解からなかったです。それもあって興味が湧かなかった。ポスターを観ただけで「パトレイバー」のシリーズと認識できた人は少なかったと思う。特車2課の面々の出番が少なく、パトレイバーシリーズである必要がほとんど無い中身だとしても、興行的に有利なタイトルとは思えない。集客する気、あったんでしょうかね? 内容はバイオハザードと警察小説のミックスでストーリーの進め方やオチの付け方は悪くないんだけど、比較的淡々と進むことが「慣れてる」感じで作品から新味やパワーを感じなかった。それは2001年の作品を今頃になって鑑賞したからかもしれないけど。難点は本作の時代設定が過去なのか近未来なのか分らないこと。公開時はすでに携帯電話がそれなりに浸透していたはずだけど、劇中には出てこない。刑事たちはポケベルと公衆電話を使う。ネット上の掲示板も少し出てくるが、あくまで趣味人だけの領域といった描写だった。でも、現代にも存在しないレイバーと云う人型ロボットは存在する。中年刑事のアナログ趣味を強調する目的があったとしても、レイバーが存在する時点で公開時より過去の設定はあり得ないと思う。シナリオは緻密な密度を持っているが、最も気を遣うべき部分が意味不明のおざなりです。何か意図があったのか? レイバーを扱いながらポケベルは止めてくれ。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2011-11-20 12:46:03)
18.  ウルヴァリン:X-MEN ZERO 《ネタバレ》 
これは予想していたよりずっと良かったです。三部作のシリーズは大味の打ち上げ花火ばかりだけど、こちらは線香花火なんかも混ざっていて手元でも楽しめる感じ。また、シリーズは群像劇的な印象が強いけど、こちらはローガンのストーリーに絞ってあるだけに彼の心情が深く描けていたと思います。確か最後は記憶を失くすはずだよな~と思って観ていたら、そこはかなり都合の良い記憶消去方法でした。あの金属の特殊な効果なのでしょう(笑)。原作は読んでいないが、あの兄弟の系譜がとても気になりました。ローガンは新陳代謝が異常に速い体質だけで、鉤爪は骨格改造時の後付けと思っていたけど、子供の頃から骨が飛び出ていた。しかも170歳と来たもんだ。兄貴の方は狼男。こりゃ、次回作のタイトルは「ウルヴァリン-ご先祖様-」で決まりだろ。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2010-11-15 23:59:44)
19.  ウィッチマウンテン/地図から消された山 《ネタバレ》 
それなりにドンパチやハラハラもあるのだけど、観終わってみると、とてもぽかぽかしたいいお話。サラ役のアンナソフィア・ロブのキラキラした髪や表情が印象的でした。そのキラキラ度合いが確かに宇宙人っぽい(笑)。キラキラに引っ張られるように奮闘する元プロレスラーさんもいつの間にか演技が上手になったような。政府の役人たちの撃退はターミネーターもどきが担当したおかげで、メインキャラは一切汚れず、登場人物の善悪が二元に分類されてとても見易い。ラストの宇宙船でのお別れシーン。それじゃ最後に正体を見せますね、ってな具合に兄妹がどんな姿の宇宙人に変身するのだろうと思っていたらスルーされた。これは、そういう類いの映画じゃないんですね。私だけがキラキラに加わっていなかったようです。「空飛ぶ円盤」を扱ったディズニーらしいSFファンタジーでした。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2010-10-19 22:32:38)(良:1票)
20.  UDON
強いメッセージがある訳では無く、反対に散漫な印象を与えるような構成ですが、私は楽しく付き合いました。登場人物がそれぞれの人生をさほど無理せずに、でもそれなりに考えて、周囲との関係性を保ちながら歩んでいる感じが好きです。悪人が出てこないところも好きです。これは青春映画ではなく、青年映画というジャンルですね。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2009-12-16 01:17:13)
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