1. 達磨よ、遊ぼう!
《ネタバレ》 ヤクザの5人組が逃げ込んだところが山奥の寺院で、さあどうなる、というお話。ほとんど出オチになりそうな予感もするのだが、意外にいろいろとネタをつないで、飽きさせない。しかも、当初設定のシチュエーションからぶれずに、最後までその枠組を使い切っている。個人的には、3・6・9のところがツボでした。ただ、小ネタは満載なんですけど、今ひとつそれが有機的につながっていないというか、小噴火が爆発に至らないという感じなんですよね。双方のトップが反目から変化していく過程なんかは、もっと組み立ててほしかったと思います。あと、尼僧の彼女も、せっかく魅力的な上に美人なのに、ほとんど使いこなされていません。 [DVD(字幕)] 5点(2023-11-18 00:28:28) |
2. 大河の一滴
とにかく薄い、浅い、色がない。「何となくこんな感じ」だけで台詞が考えられ、撮影がなされている。すべてが制作者の駒のごとく(それも適当に)動いているだけなので、キャラクターにも魅力がありませんし、物語もありません。 [CS・衛星(邦画)] 2点(2023-10-27 00:20:51) |
3. 007/慰めの報酬
肝心の主人公が、ひたすら行き当たりばったりに行動して、困ったときには肉弾戦か銃撃戦で切り抜けているだけにしか見えないのですが・・・あれだけノーガードな人がするすると目標に到達していると、逆に敵のレベルが低く見えてしまいます。 [ブルーレイ(字幕)] 4点(2023-08-07 00:15:49) |
4. 007/カジノ・ロワイヤル(2006)
肝心のポーカーシーンに、心理戦のやりとりがまったくないのが難点。日本の麻雀漫画を見習え。 [ブルーレイ(字幕)] 5点(2023-08-04 00:14:24) |
5. たった一人のあなたのために
《ネタバレ》 シングルマザーとその2人の息子が、突然旅に出て、昔の男と会ったり、変な男と会ったり・・・という枠組なのですが、一番の問題は、主人公にも息子たちにも、キャラとしての魅力がまったくないこと。ダメ母親ならダメ母親でいいんですけど、ダメなりのこだわりなり一貫性は見せてくれないといけません。結果、作中でも、ただ表層的に出会いと別れを繰り返すだけになっています。あと、ケヴィン・ベーコンをこれだけ有効活用できてない作品というのも、珍しいんじゃないのかなあ。 [DVD(字幕)] 3点(2023-03-12 22:08:43) |
6. タレンタイム~優しい歌
何かね・・・最初のコンクール(これがやたら長いのも難点)で、「いろんな国籍の生徒が出てきます」「それがそれぞれ芸を披露します」「その生徒たちがそれぞれストーリーを発展させます」という構成になっている時点で、すでにものすごく人工的であり、設定ありきなのです。だから、いくら感動系やホノボノ系のエピソードを放り込まれても、ぐらつきや揺さぶりが発生しません。そして、登場人物も、与えられたシーンの中でそのとおりに存在しているだけであって、生きていません。マレーシアの映画を見る機会はあまりないので、期待したんですけどね。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2022-06-18 01:27:25) |
7. 魂萌え!
《ネタバレ》 アホっぽいタイトルとは裏腹に、真面目な地道なホームドラマでした。まず、主人公に降りかかってくる試練の前提として、寺尾聰というキャスティングが利いている(見る側にも「まさかそんなことはないだろう」と思わせるほどの力がある)。で、その後に主人公に発生してくる変化や視野転換、というテーマはおそらく表向きで、本当の制作動機は、「ひたすら風吹ジュンの熟年の生活色気を引き出す」ではなかったのではないかと思う。それくらい主人公がいい感じにじわじわと絡め取られている。ただそのためのネタとして、カプセルホテルからトヨエツ関係への流れとか、3人の同級生(由紀・藤田・今というキャスティングが絶妙)とかは効果的に機能しているが、息子の描写がステレオタイプなのは残念だし、映画がどうこうというのはかなり唐突。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2022-05-12 21:53:06) |
8. 堕天使のパスポート
主人公2人の生活もいろいろ重いのですが、そこに腎臓云々という別ベクトルからの重さがやってきて、しかもその両者があまり上手く融合していません。よって、何かバランスの悪い空気が漂っています。テーマソングがデヴィッド・バーンというチョイスは、作品の多国籍状態となかなかフィットしていてセンスが良いので+1点。 [DVD(字幕)] 4点(2020-08-06 01:04:56) |
9. ダークナイト(2008)
《ネタバレ》 ヒース・レジャーのジョーカーが作品のイメージを何倍も強烈なものにしていることはいうまでもない。ただ冷酷で残忍なだけではなくて、その中に常に「人の心を操作する」という明確なコンセプト(?)が存在する。そして確かに、彼の手法は、手法としては成功している、というか、「そうされたらそうなっちゃうよなあ」というところを的確に突いてきている。しかし、彼を破ったのは、警察でもなければバットマンでもなく、顔も見えない向こうの船の人々を信じる「人の心」であった。そこで彼は自らの敗北を悟る(おお、これはあのメフィラス星人と同じパターンではないか。道理で彼が格好良く見えるはずだ)。人心の良識が復活すればバットマンは社会に必要がない。だから、主人公は最後に甘んじて悪役を引き受け、その決断に説得力が出る。単にキャラクターの造形に頼ることなく、そこまで突っ込んだ世界を作品として作りあげたというところを評価したい。 [映画館(字幕)] 8点(2020-07-12 21:58:15)(良:2票) |
10. 誰にでも秘密がある
《ネタバレ》 最初見たときはつまらないと思っていたのですが、再見したらなぜか面白かった。ビョンホンのやることなすことが都合よくホイホイ決まっていくのが楽しい(まあ、それもラストの伏線なのですが)。三女がギャルっぽくて魅力なしなのはマイナスですが、チェ・ジウ姐さんの真面目っぽい雰囲気はいい感じですし、長女の人妻の色香と戸惑いもなかなか。あと、弟はまだしも弟の彼女はいらなかったんじゃないかと思いますが、ラストの一言をどうしても入れたかったんですかね。ただそれでも、弟パートはもう少し短くできたと思います。 [DVD(字幕)] 6点(2020-04-13 00:23:38) |
11. ダウト ~あるカトリック学校で~
重厚堅実な演技の応酬を見ているだけで十分楽しめる作品。ただし、ストリープについては、設定上やむを得ないとはいえ、黒フードと黒コートで表情や所作の多くが隠れてしまっているのが惜しい。ホフマンは、善でも悪でもどっちでも成り立ちそうな微妙なラインを繊細に表現している。しかし、MVPはやはりエイミー・アダムスだろう、むしろストリープもホフマンもそれに刺激されて芝居が前進しているのが分かる。僅かな登場で役柄の存在意義を残しているヴィオラ・デイヴィスも忘れがたい。 [ブルーレイ(字幕)] 7点(2018-11-11 00:47:44) |
12. たとえ明日が来なくても
インドの大作の場合、話がちっとも前に進まないというのは一つの美徳なのだが、この作品はこれが裏目に出ちゃってるなあ。ほとんどは主要登場人物3人の間だけで、結局締めの部分まで延々とほとんど前に進まなくなってますから。父親がどうのこうのというのも中途半端であまり機能してないし、いっそそれなら、医師プリヤが絡む綾とか、少女ジアの出番を増やすとか(この子が登場すると、割と画面が面白くなっている)でもっと脱線していった方がよかったかも。 [DVD(字幕)] 5点(2018-08-25 23:43:03) |
13. ターミナル
《ネタバレ》 主人公が背負った状況を考えると、すごく重いものがあるはずなのに、ベタにも軽快にもせずに普通に流しているのがいい。ラストの部分も、たかが30分前後のためにそれまでの数か月間があったという一筋のまとまりを見せていて、良い。ただ、根本的な問題として、トム・ハンクスにこういう役をやらせると、あまりにも安定感がありすぎて、何をやっていても危機感に乏しいのですね。だから、作品のドラマ性は減殺された気がします。中盤も、少しだれていたと思います。 [映画館(字幕)] 6点(2018-04-01 02:36:46) |
14. ダレン・シャン
冒険感もなければ危機感もなく、チマチマと同じようなところで同じようなことをしているだけ。そうすると、一気に作り物感が押し寄せてきて、視覚効果面で何を頑張っても、やればやるほど逆効果になるのです。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2016-08-31 01:45:53) |
15. 丹下左膳 百万両の壺
《ネタバレ》 オリジナルの方も大して好きなわけではないのだが、こっちのリメイク版は、オリジナルと比較してどうこうという以前のひどい内容。脚本も演技も映像も、突貫工事感がありありなくらい、とにかく安っぽい。特に気になったのは3点。(1)台詞の間が悪すぎ、役者間の呼吸が最初の読み合わせレベル。(2)いろんなシーンで、影の位置や方向が明らかに不自然。人工光の存在が丸わかり。(3)「一番最初に」とか、道場にとっては外部の左膳が「当道場の」とか、日本語がすでに雑なんだけど、脚本は誰かチェックしなかったのか? [CS・衛星(邦画)] 2点(2016-02-12 00:53:03) |
16. タイムマシン(2002)
確かに途中からまったく別の話になってしまって面食らうのですが、そういった中でも、段々と元に戻れなくなってしまうタイムトラベラーの悲哀みたいな雰囲気が漂っていて、なかなか悪くないのです。視覚効果関係と美術関係の頑張りもほめてあげたい。それと、エマ役の人って、ラブ・アクチュアリーでコリン・ファースの弟と浮気する彼女だったんですね・・・。 [DVD(字幕)] 7点(2015-10-14 20:42:37) |
17. 単騎、千里を走る。
肝心の親子関係の描写(義親子関係含む)があまりにも凡庸で浅薄なので、いくら主人公が中国の奥地に行って頑張っても、「脚本にそう書かれているから行っている」だけであって、感動を呼び起こすものになっていません。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2015-03-01 13:16:58) |
18. ダブルタップ
前半のいちいち丁寧な銃関係の描写は、よくあるガンアクションとひと味違うところを見せてくれるのだが、後半に入っていくにつれ、誰が何をしたいのかという輪郭がだんだん崩れていくのです。同じような撮り方をしている同じようなシーンが多いのも難点。 [DVD(字幕)] 5点(2014-10-25 02:29:31) |
19. ダ・ヴィンチ・コード
専門用語の応酬はなかなか心地よいし、別に全部の意味が見ている方に分からなくてもよいと思うのだが、その割に筋立てが単純すぎる。逆に、宗教性をウリにするのであれば、そこをもっと徹底してほしいところでした。その辺が中途半端なので、例えばオドレイ・トトゥの役柄なんてのはまったく生きていません。というか、ハンクスの後をくっついているだけですね。 [DVD(字幕)] 5点(2014-01-26 23:49:36) |
20. ダイヤモンド・イン・パラダイス
肝心のダイヤ奪取のところがものすごく適当なので、作品の骨子が成り立っていない。主人公も、引退したいのかどうしたいのか分かりません。セクシー・ショット満載のサルマ・ハエックに+1点。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2012-11-12 00:12:32) |