1. タップ
《ネタバレ》 とにかくタップを見せる!あらゆるシチュエーションで見せる!主人公以外も見せる!という統一された意識が何とも美しい。またその中で、ただタップをさせるというだけではなくて、主人公のタップの作り方とか(工事現場の勢揃いタップは名シーンだと思います)、ストリートタップとブロードウェイタップの違いとかにも食い込んでいて、制作者のタップへの愛情を感じます。それと比較すると、昔の仲間とどうこうはいらないんじゃないか?と思っていましたが、オーディションで恥をかかされた反動でそっちに走ってしまうくだりで、上手くつながりました。あと、暗めのところに光が差して溜まっているようなスタジオの撮り方も巧いと思います。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2022-09-18 00:36:12) |
2. ダウンタウンヒーローズ
山田監督は、中年とか壮年とか老年の人たちとか、あるいはせめてこれらと絡む立場の若者だと描写が生き生きするのに、対象が中高生以下になると途端にダメになるということがとてもよく分かる作品。役者としての力の差はあるだろうが、石田えりがその場に存在しているだけで他の全員を食ってしまっているというのが、すべてを物語っているのではないか。肝心の薬師丸ひろ子なんか、ほとんど空気だし。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2022-04-29 01:14:28) |
3. タッカー
《ネタバレ》 これって監督がコッポラだったんですね~。道理で、何か全体がもっさりしていますし、頭で考えた設定が先行しているようなシーンが妙に多いのです。登場人物は何とか突き抜けようとしているんですけど、全体に箱庭の中感があるというか・・・。本来、むしろもっと軽薄なノリで作るべき作品だったように思います。●というかこれ、最後のオリジナル車勢揃いが撮りたかっただけという気も・・・。 [DVD(字幕)] 5点(2020-12-05 01:08:55) |
4. ダーティハリー4
《ネタバレ》 今度はイーストウッド自ら監督に乗り出した上に、共演は気心知れたソンドラということで、全体としては要所要所でほどよく引き締まっています。1ほどではないにしても、2や3よりはずっと上ですね。ただちょっと、人がえらく死にすぎなのは、かえって途中から緊張感を削いでいますが。あと、80's前半丸出しの(というより「昭和50年代丸出しの」と言いたくなる)ロバータ・フラックのテーマ曲が良い感じです。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2016-05-08 03:22:59) |
5. 竹取物語(1987)
もう、とにかく脚本がひどくて・・・「そんなこと、この役者だったら目の動き1つで表現できるだろう」というようなことまで、わざわざ口にさせないと気がすまない。しかも、言い回しや単語に近代以降のものが頻発していて、時代設定の意味がまったくない。台詞を聞いているだけで苦痛でした。当然、俳優陣も、魂のこもった演技などできようはずがありません。見るべきところは衣装くらいでしょうか。 [CS・衛星(邦画)] 2点(2016-03-29 01:22:36) |
6. ダーティハリー5
出だしの80'sまるだしのBGMからして、これはハリーではないと強く感じさせてしまうわけですが、はたして中身についても、何のテーマ性もないただのポリスアクションでした。しかし、ニーソンにもクラークソンにもジム・キャリーにも、こんな超B級の役を演じていた頃があったんですね。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2013-12-05 00:52:12) |
7. ダウン・バイ・ロー
《ネタバレ》 脱獄が一瞬で終わってしまうというのにあっけにとられるのだが、それ以降も、あの小舟と同じように、当事者の感情が行ったり来たりするのが何ともおかしい。レストランでの展開などは、トリッキーですらある。それと比べると、投獄までの導入部がちょっと切れ味が弱いのが難点。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2012-12-30 02:58:50) |
8. タンポポ
《ネタバレ》 どうですいろんな食に関するお話もとりまぜて、単なるラーメン屋成功譚ではないでしょ?という入れ込み方が作為的すぎて、かえって発想の底が透けて見えてしまうのが難点。ただ、エンディングの授乳シーンがもたらす原始的な破壊力は、作品本体のメッセージときちんとつながっており、これがなかったらつまらなくなっていたと思う。あと、個人的には、あまりにピカピカに綺麗で上品すぎるラーメン屋って、美味しかったことないんだけどな。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2012-08-27 00:14:40) |
9. 誰かがあなたを愛してる
《ネタバレ》 もう、ラスト30分、パーティーのシーン以降の悶え苦しみっぷりがたまらないわけですよ。いや、見ている方の。すれ違いの切なさをここまで引っ張りまくった作品は、ほかにあまり記憶がありません。その辺のホラーやグロ作品など飛んで消えるほどの残虐非道ぶりです。欲をいえば、ラストはメイクか服装で時の経過を表してほしかったですね。ヒロインの彼女は、若いころの中田喜子にそっくり。 [ブルーレイ(字幕)] 9点(2012-01-02 01:05:17)(良:1票) |
10. ダントン
《ネタバレ》 豪華な色彩は見ていて楽しいのだが、ほとんどの演技が、舞台演劇のように大声出しっぱなしなので、そのうち疲れてくる。終盤の裁判から処刑に至るシーンは、これぞヨーロッパというような粘着質な描き方で、ここでインパクトを稼いでいるような気がする。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2011-11-14 02:28:19) |
11. Wの悲劇
《ネタバレ》 あの原作を二重構造にするなんて収拾つかなくなるだけじゃないのかと思っていたのだが、意外に手際よく整理されていて見やすかったので驚いた。演劇のクライマックスに向けて映画自体もクライマックスを迎えていく高揚感もなかなかでした。しかし、本筋のミステリーはたったあれだけで全部が説明されるだなんて、夏樹静子はよく了承したなあ・・・。●ただ、今から考えると、あの原作は戯曲的な要素があって、そもそも映画よりも舞台向きという気もするので、それを考えると、この構成を考えついた制作者の発想は、慧眼であったといえましょう。●再見して、大事なところで炸裂する長回しとか、劇場の最上席までぎっちり詰まったエキストラとか、暗めの色調で統一されたトーンとか、制作者の気合があちこちにみなぎっているのがよく分かりました。何より、舞台劇を(独立しても成り立ちそうなくらい)きっちり撮っているのが良い。それに先立つオーディションとか配役発表とか読み合わせとか立ち稽古のシーンも入れられているし、本番では舞台裏のメイク替えとかカーテンコールまでしっかり入れているし、また、舞台任せにするのではなくて、その中できちんとカメラが動いている。●ただ、最初の方で静香がオーディションに落ちたとかいって悔しがりますけど、あれだけの応募者から上位2名に入ったんだったら、結果としては大成功の部類ではない?同じ舞台に乗れれば、次の足がかりにもなるわけだし(それすらないのとは全然違う)。ここは、主人公の役者魂という作品のテーマにも関わるところなので、ちょっと気になりました。 [映画館(邦画)] 7点(2011-01-30 03:02:59) |
12. ターミネーター
《ネタバレ》 今見るとこの作品って、最初から最後まで「追いかけられるだけ」なんですよね。途中で各登場キャラクターが別方向にぶれたりはしない。背景だの何だのの説明は必要最低限。その焦点の絞られ方、見る側の想像力に委ねる信頼感こそが、作品のインパクトを高め、写真やベッドシーンに至るまでの周辺部分の説得力を強めています。●(追記)今頃になって気づいたのですが、あの写真の使い方って、もろに「ある日どこかで」じゃないですか。「タイタニック」があちこちであの作品を下敷にしているのは知られていますが、キャメロンはよほどあの作品が好きだったのか? [映画館(字幕)] 8点(2010-03-14 12:11:51) |
13. ダイアモンドは傷つかない
ストーリーはあってないようなもので、何となく流れて何となく終わってしまう。田中美佐子の初々しさと若々しさ、そして清冽な存在感を味わうために見るような作品。もちろん、それだけでも十分に価値がある。あと、普通に喋っているだけでも山崎努は十分に格好良い。無為に流れそうなシナリオを引き止め、作品を引き締めている。 [DVD(邦画)] 6点(2009-05-13 02:08:00) |
14. 旅立ちの時
《ネタバレ》 元テロリストの両親という青春映画においては飛び道具ともいえる設定なのだが、その過去を称賛もしなければ卑下もせず、淡々と家族の日常生活に密着しているのが良い。また、リバー・フェニックスも、その複雑な内心を抱えた少年を、特殊性を誇張することなく抑えた演技で巧く表現しています。ただし、母親が病院での一瞬の出来事から即座に父親に通報するような、そういう過去の経験からつい出てしまう習慣のような部分はもう少し入れてほしかった。それでこそ父親の悩みが現実性と切迫性を持つというものです。それまでの丁寧さの割に、ラストがあっけなかったのも残念。 [DVD(字幕)] 7点(2008-03-16 02:06:52) |
15. 黄昏に燃えて
《ネタバレ》 実はたった2日間の出来事のお話だったんですね。派手な展開というものはほとんどなく、カメラはじっと息をひそめるように二人の主人公を追い続けます。特に、ニコルソンが元の家に戻ったときに、いきなり感情が湧き上がるのではなく、ごく普通に迎え入れられるのが良い。主演の2人は気合入りまくりで、140分の時間をきっちり見せてくれます。ラストシーンの後で、ニコルソンははたして何を選んだのか?ということを考えるのも楽しいですね。ただ、亡霊云々の部分は邪魔なだけで、カットした方がよかったんじゃないかな・・・。 [DVD(字幕)] 7点(2008-01-27 01:48:28) |
16. 台風クラブ
台風の接近と青春の衝動の爆発やねじれを重ね合わせるというコンセプトはとても面白く、また描写のインパクトも強いので、低い点はつけられないのですが、作品として普通に楽しめたかと言われたら、ノーです。特に、やたら暗い映像と、役者の表情などどうでもいいと思っているかもしれないロングショットばかりのカメラに参りました。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2008-01-08 01:57:31)(良:1票) |
17. ダンス・ウィズ・ア・ストレンジャー
《ネタバレ》 ほとんどが夫もしくは浮気相手とのどろどろしたやりとりを延々と描いているだけで、実に単調な内容です。せっかく「イギリス最後の死刑囚」という題材を得ていながら、メロドラマにしかなってません。もっと、日常の交友範囲、子供とのやりとり、裁判手続や判決後の部分など、描写の対象はいろいろあったはず。などと文句を言いつつも、作品全体にみなぎる静かな気迫と迫力はなかなか印象的だったので、一応この点数。 [DVD(字幕)] 6点(2007-04-17 00:25:04) |
18. 黄昏(1981)
《ネタバレ》 わざとらしく盛り上げるだけのドラマだったらどうしよう、と逆に少々警戒しつつ見ていたので、意外にコテコテではなくポイントを突いた運びに十分楽しめました。冒頭のフォンダが道に迷い、その不安をキャサリンに訴える場面が、一気にこの老夫婦の象徴的な特色を示し、後のストーリーをしっかり支えています。ただし、途中でジェーン・フォンダがいなくなるのは何とも残念。頑固老人と素直じゃない少年が大自然の中でふれ合って変化する、みたいなありがちな部分よりも、より複雑な背景があってしかるべき娘との関係がもっと見たかった。作中の家族同様、老妻の巧みな立ち回りによって救われている気がします。 [DVD(字幕)] 8点(2006-11-04 23:51:46)(良:3票) |
19. 探偵物語(1983)
薬師丸ひろ子って、演技はアイドル組の中ではまだ見られる方なんですが、表情がどうにも固くて、全然動いてないんですね・・・。特に、こういうノリノリお嬢様みたいな役をすると、その弱点がてきめんに出てしまいます。作品のテンポまで落ちてしまっています。演出も中途半端にシリアスタッチで、乗り切れていない感じ。ただし、奥行きと左右幅を使ったカメラワークはなかなか面白かった。 [CS・衛星(邦画)] 4点(2006-09-26 02:14:55) |
20. 大災難P.T.A.
一緒になっていらいらさせられるシーンばかりで、ほとんど笑えるところがなかった。最後のところがちょっとほろりとしてよかったので+1点。 [DVD(字幕)] 4点(2005-05-08 00:49:42) |