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Yuki2Invyさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 1615
性別 男性
自己紹介 基本的に3~8点を付けます。それ以外は、個人的に特別な映画です。

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1.  第七の封印 《ネタバレ》 
死から決して逃れられないのは遍くヒトの宿命であって、十字軍だろうが疫病だろうが・それが世界に降り注ぐ速さに多少の違いが在ろうが無かろうが、根本的なその状況自体にまず大差は無いと思うのです。かつ、今作の主人公・騎士アントニウスは迫り来るその死を前にして、ソコからは逃れられぬという絶対的な人間世界の悲惨と・そして何も語らない神、というシステム全体の在り方に対する疑問を問い続けて居る、そのことはまた確かに、多分にキリスト教的な(or 少なくとも宗教的な)観点からの問いかけだと、私も見做せるとは再び思うのですね。  しかし、今作の登場人物の振舞いを通しては、その「宿命」に対してもっとヴァリエーションに富んだアプローチの数々、というのを見て取れるとも思うのですね。それこそ、誰か一人にその咎を押し付けて生贄に捧げて満足する者、或いは、終末論的なナニかを振り翳して絶望に浸ることで逆に優越感を得る者、なんてのは、今現在に至っても・キリスト教の支配の下に無いこの国においてさえ、探せば幾らでも見つかるって光景だと思うのですよ。しかし重ねて、その一方で例えば、考えても答えの出ない問いに無為に陥ることを拒否して日々を享楽的=ごく前向きに生きること、であるとか、神でも仏でもない己の道理にのみ忠実で在ること、とか、それでもその強大なる運命をちゃんと恐れて・自分自身の無力さを知ることで逆に総てを受け容れること、だとか、そして今作は寧ろそういった後者の諸々の方により大きな価値を見出しているのだろう、ということ自体は、思ったよりも容易く伝わって来る(と感じられる)作品だったとまずは思うのですし、ソコには実は、実に容易に共感もしてゆける…とも思うことが出来たのですよね(⇒とは言え、ゆーて私も2回3回は観た上でこうなったってダケなのですケドね)。  今回、また久し振りに再見しての感想として、やはり難解と言われる作品だとは重々思うのですが、それでもごくシンプルにポジティブなモノを描いている方の作品だったのだな、と思うトコロにまでは至れました。且つその上で、台詞はどれも含蓄に満ちて・そして映画全体としても全く無駄が無い、という類稀な完成度を備える作品だと思うのにも(同様に)至るコトが出来たのですよね。やはり、傑作かと思います。
[DVD(字幕)] 9点(2024-03-25 22:29:47)
2.  ダークナイト(2008) 《ネタバレ》 
まあ、この三部作に関してはキャスティング、およびその役者さんたちの実際の演技のクオリティに関しては(三部作通しても)ほぼほぼナンの文句の欠片も無いというトコロではあるのですが、やはりこの二作目のジョーカーとゆーのは中でも思いっ切り際立ってますよね。ココまで純粋なる恐るべき悪役とゆーのは、あまり他に比肩するモノを(映画のジャンルでは)思いつかない…とゆーのが正直なトコロでして、個人的にはその辺のホラーなんかよりも余程怖くて恐ろしくてそして不快なキャラクターだとも感じています。この部分も、原作におけるゴッサム・シティという特殊な状況設定が大いに効果を発揮してのコトだとは思うのですが、ソレでもこの二作目でコレほど強力なそーいう「悪」を描くその為にこそ、本シリーズはその娯楽映画としての属性を敢えて手放したのだ…とすら思えたと言いましょーか、まずはとにかくその面からも実に非常に優れた見応えを得るコトが出来た…とは思っているのですよね。  そしてそれ以上に私が今作で感じ入った・共感できたのが、モチロンこの「ダークナイト」としてのヒーローの描き方そのものなのですね。本当に本当の強大極まる「悪」と戦うためには、ヒーローは唯ひたすらに「正義」であるダケでは不十分なのであって、そういった悪と戦う為に自分もまた悪と為らざるを得ないコトに如何に耐え抜くか(=ソコに耐えうるダケのメンタリティこそが、極めて重要で本質的なヒーローの素養なのだ)という今作のテーマは、ヒーローだとかって創作の存在に限らず実は結構「普遍的なコト」だとも思えるのですよね。一本の映画としても、また三部作としても、非常に高度に精密にまた完璧につくり込まれた映画だと思っています。ヒーローものとしては間違い無く現時点の最高峰かなと。
[インターネット(字幕)] 9点(2022-09-01 23:28:35)
3.  ダンサー・イン・ザ・ダーク 《ネタバレ》 
「なぜジーンを産んだ」「(病気が)遺伝することは分かっていたのに」  この問いに対するセルマの「赤ちゃんをこの腕に抱きたかったの」という答え。コレとゆーのは、本当に人間のいちばん奥底にあるモノだ、とゆーか、人間からその人間性(善きにせよ悪しきにせよ)を根こそぎ奪い取ったとして、その最後に残っているのがコレだ、という様にも(私には)感じられたのですね。コレこそがヒトのヒトたりし最も美しい部分だ、と言っても好いものか、と(私としては)。私が今まで観た映画のどのシーンよりも美しいシーンだった、とも思います。本当に大好きですね。  今般、4Kデジタルリマスター版が公開されるってその予告編でドンピシャこのシーンが流れて、ついまた観に行ってしまいました。まあ、この肝心なシーンを予告編で流しちゃって好いのか?と思うトコロではありますケド。
[映画館(字幕)] 9点(2022-01-08 19:33:04)(良:1票)
4.  ダントン 《ネタバレ》 
この『ダントン』という映画が在る一方で、どう探しても『ロベスピエール』という映画は無いよーで…とは言え、今作でもそのロベスピエールの苦悩もしっかりと描き込まれては居たり…と、作品としても善悪や敵味方のシンプルな二項対立を描くモノには決してなって居ないですし、当然の如くそれは時代考証としても+普遍的なこの事象の解釈としても正しいのだと思います。今作を観てもやはり、フランス革命とゆーのは私には、その後の歴史の中で同じ様なコトが散々繰り返されたのも含めて「こーなるしかない」歴史的必然だった様に思えるのですよね。だからその意味では、まず総てが「無駄では無かった」とも思うのですし、むしろ我々はその成果に「タダ乗りしている」側だ、ともずっと思っているのです(未だに)。この騒ぎから程無く、ロベスピエール一派もまた滅びて革命は一旦の終わりを迎える…のでしょうが、そこまでは描かずに(極度の不穏さを以て)それを暗示して終わる…とゆーのも、洒落ていて(単体の映画としても)より効果的だったと思いますし、また高度に暗示的であるが故にある種「未来予知的」だという意味でも好い演出だったと思うのですね。非常に見応えの在る、優れた映画だったと思います。  しかし、それでも尚、ワイダ監督がロベスピエールよりもダントンの側に共感を惹き付けられていたコトの理由とゆーのは、繰り返された歴史的既視感に対する共鳴と同義だったのか…とは少し考えてしまいますね。あくまで私の個人的な解釈としては、成就しなかった革命の「普遍的な末路」とゆーのが、この映画の結末=ダントン粛清に凝縮しているのではねーかな、なんて思ったりもします。要は、大きな意味での「味方」を殺し始めたらモ~終いだ…というコトですよね。だから、我々としても、もし敵が同士討ちとか始めたら、喜ばしいと思うよりはちょっとヤバいと思った方が好いのかも知れませんね⇒味方を味方とも思えなくなってるヤツってのは、敵のコトなど人間だとすら(多分)思ってないですよ、と。
[DVD(字幕)] 8点(2023-11-11 11:16:12)
5.  ダークナイト ライジング 《ネタバレ》 
三作目にして完結編な今作は、まあとにかくその「終わり方」でしかないかな、と思いますね。つまり、その意味で個人的にはこの上無く至上に適切・的確な三作目だったと思っています。三部作を通じてココに辿り着くべく組み立てられた精密なシナリオにせよ、細かい部分のテクニカルな伏線の張り方にせよ、どれも実に素晴らしかったと思いますし、重ねてソコがずば抜けて一番に重要だったという作品だとは確信しています。単品としても傑作だったかと。  他、特に言いたいコトも大して残っては居ないのですが、一つだけ言い加えるならこの三作目もまた役者の演技や雰囲気(=キャスティング)とゆーのはまたコレも優れた仕事だったと思いますね。キャットウーマンの妖艶さ・しなやかさ・強かさはどれも出色でしたし、ごく非常に賢明そうでありつつも決して裏が無いなんてコトもなさそーなコティヤールも実にハマってたかと思います。『バック・トゥ・ザ・フューチャー』『ロード・オブ・ザ・リング』に並ぶ三大三部作(=確実に一日を楽しみ尽くすコトが出来る)なんて言っても好いかなと。
[インターネット(字幕)] 8点(2022-09-01 23:28:37)
6.  断絶(1971) 《ネタバレ》 
観終わってのこの虚無感・徒労感と、それでいてどこかで確実に爽快感を感じている自分が居る……確かに、アメリカン・ニューシネマと言われる作品群の中でもある部分で際立った一品かも知れません。登場人物の誰もが(それは主要4キャラ以外のモブも含めて、ですが)とにかく何がしたいのか、何が目的なのかが皆目分からないままダラダラと物語は進みますが、終盤はその儚い関係性すらが雪崩を打って破綻してゆく、その様には何か「滅びの美学」とでも言うべきモノを感じ取りました。それこそが正にアメリカン・ニューシネマのテーマたる「善なるものへのアンチテーゼ」というべき価値観なのだろうと思います。中々の掘り出し物でした。
[DVD(字幕)] 8点(2021-02-11 18:49:33)
7.  大雷雨 《ネタバレ》 
コレは面白いな~豪華キャストが織りなすシンプルな三角関係が描かれますが、三人ともがごく善人で、それぞれが互いを思いやった行動を取ってはゆくものの、しかし愛というものはそういった論理や倫理を超えていってしまう…とでも言いますか。前述どおりキャラがいずれも魅力的なぶん、徐々に不穏さを増してゆく展開にはどんどん引き込まれてハラハラしながら観れましたし、クライマックスなんかはもう釘付けでしたね。”イケメン”ジョージ・ラフトが結局イイ所をかっさらってゆく結末には、この世で唯一絶対の理は「カッコ好いは正義」なのか!と非モテの私などはそこはかとなく不満も覚えましたが、それでもエドワード・G・ロビンソンにも哀愁を纏わせてこちらもカッコ好く送り出してくれる粋なラストはかなり快感でもありました。マレーネ・ディートリッヒの風情も素晴らしかったですし。  でもな~個人的にはハンクに幸せになって欲しかったな~中盤の朝食のシーンなんかスゴイ感じ好かったじゃないですかー(だからこそ、ラストの哀愁が絶品なワケですケド)。
[DVD(字幕)] 8点(2021-01-14 23:59:33)(良:1票)
8.  太陽を盗んだ男 《ネタバレ》 
確かに少し冗長なのは否めませんが、個人的にはそんなに気にならないとゆーか、むしろこのかったるさが本作でもアメリカン・ニューシネマ的と言える様な優れた閉塞感の醸成に一役買っているのは間違いないワケですし(私、こーいう雰囲気大好物なのですよね)。原爆製造という大それたコトを仕出かしておきながら、主人公には動機も目的も何にも無いというのが、どこまでも実に行き詰まっているじゃあないですか。(実際の映画制作場面も含めて)やってはいけないコト&タブーな設定を盛り込みまくった作品ですが、主人公自体は別にそこまで反社会的・反権力的というワケでも無くて、ただ原爆でも造らなければ自分の存在意義すら実感できないという哀れな男なだけに見えます(→だからこそソコに少しだけ共感すらできるのですケドね)。反権力的なのはむしろ池上季実子の方ですよ(まあただバカなだけという風にも見えますが)。極めて荒唐無稽な作品でありながら、描かれる人間の有様は驚くほどに血の通った切実なモノであり、ココに関しては単純にアメリカン・ニューシネマ的とも言い切れない、中々に面白くてかつ独特な質感が醸し出せていると感じます。  一方で、クライム・アクションとしての出来にも随所で非常に優れたモノがあります。デパートに捜査員が殺到する場面や終盤のカーチェイスなど規模の大きい撮影の出来が見事なのと、あとは何と言っても抜群な菅原文太ですね(正に鬼神の如く、というか)。ある種、二度美味しいタイプのお得な映画と言えるのではないでしょーか。今後もますますマニアック扱いになっていく作品だと思いますが、映画好きなら観て損はないかと。
[DVD(邦画)] 8点(2020-12-05 19:44:00)
9.  タッカー 《ネタバレ》 
カネを儲けたい!だから良いモノを創る。至極当然ながら大事なことだと思うし、純粋にそれを夢みるタッカーは、相当に破天荒・エキセントリックかつ少しばかり胡散臭い人物ながらも、今作は彼を全力で応援しながら観れる映画になっていると思う。翻って、ただ自分たちの権力を守ることしか考えない敵方には率直に反吐が出そうな程の不快感を覚えるのだし、結局この映画、最終的にタッカーが勝利する訳では無いのが最初から分かっている(結果的には一太刀浴びせ返すとは言え)、という意味で、最後に笑うだろう敵方がのさばっている描写の感じが少し不快に過ぎる、かも知れないと思ったりする(私は正直、そこら辺りは観ていてかなりテンションが下がってしまった)。  しかし前述どおり、最後は見事に反撃が決まってそのまま終幕、という点では痛快だし、何より更に痛快なのは、トラブルも妨害もものともせず、細かいことも気にせずにひたすら無頓着に目標に向かって猪突猛進突っ走るタッカーの推進力の凄まじさである。彼同様、奥さんも子供も実にあっけらかんと暢気でポジティブ(似たもの夫婦とDNAの為せる業か)、仲間も(ランドー以外は)実に楽しそうだし、映画自体もノリの良い音楽&優れたテンポで観ていて相当に楽しかった。なにかにチャレンジしようと思ってる人には、とてもオススメな良作。
[映画館(字幕)] 8点(2020-06-06 15:14:04)
10.  太陽がいっぱい 《ネタバレ》 
サスペンスとしては、前半の心理的葛藤と後半の丹念な犯行描写がかなり面白い。それ以上に、全体に流れるアンニュイな雰囲気(ドロンの美貌も大いに寄与している)が正に絶品。地味に女優も相当美人。ラストの美しい太陽(とドロン)を背景にした呆気ない幕切れのペーソス感も実に見事。また、これもロータの素晴らしい音楽なくしては成立しない映画。文句無しの傑作。
[DVD(字幕)] 8点(2019-11-19 20:43:39)
11.  ダーティハリー 《ネタバレ》 
イーストウッドはシブいイケメンだし、ハリーのキャラも悪くないのだが、この映画に引き込まれる要因の主要な部分は、とにかく犯人の「許せない度」が非常に高いことのように感じる(それによって終始持続する緊迫感と、ラストの特大のカタルシスが生まれている)。その意味では、ある面でハリーは「喰われて」いるとも言える。もう一点、各登場人物に関する人物の背景描写はやや軽めで、少し物足りなくもある。とは言え、刑事物としては最高レベルに良く出来ており、アクションも中々。重ねて、イーストウッド自体の出来も相当良い。
[DVD(字幕)] 8点(2019-11-19 20:36:57)(良:1票)
12.  ダンジョンズ&ドラゴンズ/アウトローたちの誇り 《ネタバレ》 
世界初のRPGが原作(のリブート映画)てなコトで、ストーリーの感じは超・古典的+オーソドックスと言いますか、でも実にごく親しみ易いモノでもありましたですね(仲間を集めて⇒アイテムを手に入れ⇒敵を倒して娘を救出する…という)。やや長尺ですが、そのメインストーリーは映画の長さにはごく適合したサイズに手堅くまとめられており、比較的テンポ好くダレずに最後まで面白く観てゆけた(+しっかり冒険してウマ~くグッド・エンドにも辿り着いていた)と思いました。ミシェル・ロドリゲスが主役の一方なのですケド、他にあんまり大物が出てないので(あ、ヒュー・グラントは出てますが彼はラスボスではない小物の方の悪役+でクリス・パイン?…うーん…)正直ど~んな感じかな?⇒もしかしたら準A級かも?とよく分からん儘で観に行ったのです、ケド結果的には全然フツーに超・カネ掛かってる方の大作でして、映像とかアクションとかも相当にハイクオリティな方だったと思います。重ねて、テンポ悪くないとは言え少し長めなのが気になる方も居るかと思いますが、子どもとかファミリーとかでも大いに楽しめる質感だと思いますので、是非是非。  ただ、原作は結構「凝った」世界観を擁する長大なシリーズである様なので、観る前に多少その設定もろもろは入れておいた方が好いかとは思いました(=その辺の説明は作中やや不十分・不親切かと)。特に、ハーパーとかサーイのレッド・ウィザードとかエルミンスター・アウマーだとか、その手の「固有名詞・地名・人名」とかをいきなり言われてもピンと来るワケねーだろ!てな感じは正直在りまして、少なくとも映画の公式サイトくらいは確認してから行った方が好いかも知れませんかね。個別の話だともう一つ、個人的にはあの「魔法破りの兜」をナニに使おうとしてたのか(ナンでソレを使おうとしてたのか)辺りもよく分かってない儘観てゆく羽目になってました(ココは私ナンか観落としたのかな?)。  しかし(コレもごく個人的ながら)絶大な高評価ポイントが一つ在りましてですね…4人パーティの一角のドルイド(エルフ?)のドリックちゃんが、とにかくメッチャクチャ可愛いんすよ!!パッと見誰だか分らなかったのですが、演じるソフィア・リリスちゃんはこないだの『イット』に出てたコでしたすね。いや~、彼女が続投するなら次回作も確実に映画館で観ますよ(てゆーか次回作を必ずお願いしやすよ)。
[映画館(字幕)] 7点(2023-04-01 00:47:17)
13.  tarpaulin 《ネタバレ》 
27分のワンカットだが、ソレは明確に3つのパートに分かれる。次第に不穏さを増してゆくひとつの会話⇒ただ歩く男⇒その先に(何故か)訪れるギターの弾き語り(⇒そしていつしか再び繋がれる手と手、と、そのままエンドロール)。  要するに(と言ってしまえば)、どー見ても一番重要なのは「歌」であり、率直にただコレを活かすことが主眼の短編であるとも(個人的には大いに)感じられるのだね。ただ、不自然に唐突に割り込んで来るにも関わらず、その音楽が放つ鮮烈さとそして一気にその世界観に引き込まれてゆく感覚てのは、実に意外なマデに素晴らしかったとも思います。ある種、非常に上質なミュージックビデオの類いだとも言えるかも知れないですかね(勿論、楽曲自体が上質なコトを踏まえたうえで、だケドも)。
[インターネット(邦画)] 7点(2022-05-10 23:22:44)(良:1票)
14.  タミー・フェイの瞳 《ネタバレ》 
キリスト教のテレビ伝道師(の夫婦)という、日本には存在しない謎の職業の方々のお話なので(確かにまあ)根本的には共感も納得も出来ないかな…と言った方が本音には近いのです。で、大バズりして巨万の富を得るも(そもそも宗教+カネ儲けってなった時点で私の中では99.9%クロですケド)ナンだカンだ2人ともに(自分の器の)限界を迎えて間違いを犯し、そしてドン底にまで転落してゆく…という超・典型的なお話でもあるのですよね。まあ率直に、映画としては(その部分に関して)スゴく面白かったとか感動したとかってコトでもなかった、と言ってしまって(コレも)好いかとは思います。  ※まあでも、こーいう自分の力以外のモノ(今回であれば社会的な信仰心、ほかの例で言えばソレこそ運とか、運に近いかも知れませんがいわゆる「一発屋」的なネタとか)を利用して成り上がった人って、殆どほぼ全員結局は身を持ち崩しますよね。「積み上げる」というコトが如何に大切か(結局の結局はソッチの方が「近道」だ)とも思いますし、ある意味そのシンプル極まる「人間の有様」にはソレこそ逆に共感も出来るのです。今作の二人については、その信仰心や活動の(当初の)動機は真なるモノだったよーに見えますし、コレも根本的にはソコまで酷い悪人には決して見えない(=この映画についてはそーいう様に見せようとはしていない)てのもまァそーだとは思いますし。  ただし一点、今作におけるジェシカ・チャステインの出来については、コレはかなり凄かったと言って(間違い無く)好いと思います。だいぶ昔に『ヘルプ』で世に出てきた時は(見た目のワリには)ファニーな役をやってんな…とも思いましたが、最近は(全部追っかけてる訳でもねーですケド)かなり知的でカッコ好い役が多いんだよな…と思っていたら、今作ではまた実にユニークで変わった・変テコな役柄をモノの見事にこなしていて少々ビックリしましたです。20代~50代までを(40過ぎて)自然に演じ抜いちゃうのもスゴいですが、何より「歌」がまたスゴいのですよね。元々高度な音楽教育を受けていた人だとも(今回)知ったのですケド、にしてもアレだけ地声と異なるコテコテにつくり込んだ声であーまで見事に歌い切るってのは、やっぱ並大抵ではねーですよ。彼女が居なかったら(=彼女がやる気にならなかったら)まるで成立しなかった映画なのは確実ですかね。
[インターネット(字幕)] 7点(2022-05-02 10:26:10)
15.  旅のおわり世界のはじまり 《ネタバレ》 
いいねー海外!安直なようだけど、自分の「値踏み」をするのに海外行くってのは、確かに思ったよりも効果的なのですよね(自分がいつも頼ってるものに頼れない、という意味で)。そこも含めて、若い時分のこういうちょっと面倒な経験・仕事てのは、振り返ってみると自分の貴重な財産になっている、と私自身も実感しています。今作のそのメンドくさい感じの絶妙なコト!ちょっと色々あって自分も気分が乗らない、集中できない、チームの質も低くてその意味でも自分の力を出し切れない、中々に歯痒い状況です。  こういうトコロであくまで他人の所為にせず、自分が出来ることをしっかりやって、次に繋げられるか。その「一皮剥ける」様子を、あっちゃんはどのくらい魅せつけられてましたかね?個人的にはちょっと終盤の展開がご都合主義、かつ大仰なよーにも思いますが、序盤からの気分が乗らない(乗らないけどビジネスに明るく振る舞ってる)様子、終盤に炸裂する残念人間ぶり、からの「逆」落差のある爽やかなラスト、には一応の合格点をあげられる様に感じています。『愛の賛歌』も好かったかと。ナニはともあれ、人間まずは「感謝」。そのポジティブな気持ちを持って、日々を一歩一歩前に前に進んでいくに越したコトは無いよーにも思います。  全編ウズベキスタンロケで現地の人もしこたま出てくるのも物珍しいし興味深いしで、その意味でも観る価値のある映画です。日本人が率直にかなり「雑」な人間造形だったのに対し、ウズベクの人たちは割と結構イイ人たちのように描かれてますね(騙されたと思ってちょっとウズベク行ってみたくなっちゃう、とでもいうよーな)。
[インターネット(邦画)] 7点(2020-11-12 23:34:22)(良:1票)
16.  大地の子守歌 《ネタバレ》 
質感としては『はなれ瞽女おりん』なども想起される(原作小説も映画もほぼ同年代だが、いずれも本作が少しだけ先行だが)。やや後発ではあるが『おしん』などにも通じるそのテーマ面は、苦境にもめげず芯のある女性を描いてゆくという部分であろうか。ある種、この頃の日本人の心象風景の中でまだ尊ばれていた人物像が、今作のおりんにも反映されているということだろう。  かなり凄惨な場面もある中、おりんが逆境に屈しない様子に感情移入していく一方で、その外形上の強さ(強さと言うか、他人を拒絶する「壁」の高さ、と言うか)の中に垣間見える弱さ・脆さといった部分に、個人的にはより深く感じ入った。前述のとおり強い女性を描いているようで、他者と共生する術を持ち得なかったおりんには、私は人間と人間の運命の儚さ・残酷さの方をより強く感じ取るのである。  その「強さの中の弱さ」を見事に内包することも含め、原田美枝子の力強い演技は非常に素晴らしかったと思う。今作時点でまだ18歳、栴檀は双葉より芳し、とは斯くの如くか。
[DVD(邦画)] 7点(2020-09-20 01:02:13)
17.  ターミネーター3 《ネタバレ》 
ジョンがノーカリスマなプータロー、ヒロインがクソブス、そしてアホみたいな大オチと、映画としての瑕疵を論えばキリが無い。がしかし、特に序盤のクレーン車シーンは、CGに頼らないアクションとしては確実に映画史に残る素晴らしい出来映え(もはや今後、これを超えるものもあんまり出てこないだろうと思うし)。その他のアクションも全体的に上々だし、ターミ姉ちゃんもセンス良いと思う(表情のつくり方とかの雰囲気もポイし、微かに笑ってる?とかの細かい所の演技も悪くなかったし、電磁砲も単純ながら良いアイデア)。また頗るテンポが良く、総じて意外と結構楽しかった。頭空っぽにして観る前提で、このジャンルでは十分に良作だと思う。
[DVD(字幕)] 7点(2020-01-30 01:09:25)
18.  大地の時代 《ネタバレ》 
ブラジル産・スーパーアヴァンギャルド。ストーリーは皆無で、ブラジルを舞台に展開される異様な映像が、言ってる意味の全く分からない政治的・宗教的(ぽい)主張の繰り返しと共に、雑多なゴタ混ぜだがとにかくソウルビートで躍動的な音楽を背景にして2時間半に渡って繰り広げられる。感じられるのは、政治的秩序・宗教秩序が機能しないが故の絶望的な混沌(カオス)と、カオス故にもたらされる危険なまでの「生そのもののエネルギー」と言うべきか。同じ台詞を意味不明に延々繰り返す様をぶっ通しで撮り続け、それを編集せずにそのまま本編にブチ込むという奇抜な演出を多用するのもあり、前衛映画としてはデンジャラスなまでに長尺だが(とあるミニシアターで鑑賞したものの、周囲の客はほぼ寝てた)、個人的には相当に観入ってしまった。稀代の奇作にして、一級品のアート系。
[映画館(字幕)] 7点(2019-12-24 22:59:11)
19.  TAR/ター 《ネタバレ》 
個々のシーン・個々の演技の質は、言われてるとおりにごく上質な作品だと思います。ただ、コレも前評判どおりにサスペンスだと見做すならば、私が思うにコレってたぶん肝心の主役が出てこない!(ケド勝手に解決する!)て『刑事コロンボ』でしかなくって、だから別にその面での面白みがあったって作品ではねーかな…と。んでそもそも、こ~んな悪人がタダ出てきてタダ自滅してゆくダケの話だって意味でも、少なくとも私としては内容的にも(また)別に好きなヤツでは決してなかったかな…とね。  それ以上に、ナニか終始しっくり来なかったとゆーか期待外れだったとゆーか、途中からずーっとモヤモヤしながら観てた…つーのが、コレってマジで唯々「ケイト・ブランシェットがコレを演ってるから」てダケの映画だな、と。正直こんなん、昨今はもう新型の映画的ステレオタイプの一種だとゆーか、卓越した芸術家=成功者で・んで相応に果断でパーソナリティも強固・またある面では同様に冷酷で欠落してて・かつ当然の如くに同性愛者で・加えて所謂「色を好む英雄」かの様に振舞って⇒でも一方で何よりも「女性=男性ではない」と……私なんかが少し考えてしまうのは、例えばコレを(性別を度外視すりゃあ何とな~く同系統かと思える)カンバーバッチとか・ちょっと奢ってジョニー・デップとか・或いはもっと現実に即して脂切った感じの(現時点の)トム・ハンクス、なんかに演らせてたとして、でもそんなんたぶん誰も観に来ないすよね?(つーか誰も引受けもしないでしょ、と)だから結局、ソレってこの役の「性別を貼り替える」ダケで(一転して)成立する様なモンなの?な~んて⇒コレ、単に私は馬鹿の一つ覚えの様に、映画に描くべき「人間性」てのは、また当然に「普遍的」なモノで在れば在るホド好い…という固定観念に縛られてるってダケなのでしょーケドも。  ラストも、コレもな~んかよー分からんかったすよね…まあ、チラッと名前の出てきたデュトワなんかも日本では今だにフツーに=何事も無かったかの様に振ってたりもするし、だから別に文句がある…なんてコトでは(決して)ねーのですケドも。。
[映画館(字幕)] 6点(2023-05-13 15:17:54)(良:1票)
20.  大頭脳 《ネタバレ》 
ベルモンド繋がりで観に来るとま~平時のベルモンドものでもあるかと思いますが、今作はキャストがなんか妙に豪華ではありますね(ゆーてまァ1・2・3本釣り!て感じですが)。イーライ・ウォラック、ブールヴィルも流石のコミカルな風情が冴え渡ってますケド、ナンと言っても出色はデヴィッド・ニーヴンでしょう(てゆーか普通に「主役」だし)。今作でもまだまだ全開に粋なイケオジでもありますが、それで居ての絶妙なコミカル具合も『カジノ・ロワイヤル』に負けず劣らずなハイ・クオリティです。アクションとしてはコレもまァクラシカルな出来(=今となってはややチープぎみ)ですケド、全編通しての楽しそうな雰囲気は(前述どおり)素晴らしいモノですし、そしてオーラスの大騒ぎは(ばら撒かれる札束の量が凄まじいコトもあって)非常に好いドタバタ・コメディに為ってたと思いますかね。結論、諸々と観る価値自体は今なお全然十ニ分な良作だと思います。
[DVD(字幕)] 6点(2022-05-05 00:16:43)
040.25%
1120.74%
2191.18%
3905.57%
420312.57%
528017.34%
637423.16%
732320.00%
823314.43%
9704.33%
1070.43%

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