1. チャップリンの独裁者
チャップリンの素晴らしさは、笑いと仕草で、人生の深みを表現出来る点だと思います。本作でも、その表情や滑稽さで、独裁主義の馬鹿馬鹿しさや、人間は等しくひとりひとりが貴重であるというメッセージは、充分に伝わってくる。だから最期の演説は、勿論文面は素晴らしいのだけれど、蛇足と感じてしまった。あとこの内容にしては時間が長い。中だるみの感が拭えなかった。だが後世に残さなければならない名作の一本ではあると思う。 5点(2004-01-19 21:00:20) |
2. チャイナタウン
美学が随所に感じられる映画。まずタイトル。シンプルでいて、この映画の大きなテーマを含んでいる。ギデスの視点を中心としたストーリー運びは、ごちゃごちゃしがちな関係を、観客に順序立てさせるのに最適。ラストが、ありがちなハッピーエンドではない所に、余韻が残る。そして上手いなと思ったのが色使い。乾いた空気感の中に、時折鮮烈な色。ギデスの血、イブリンの朱の口紅、鼻の横の真っ白な絆創膏。無駄なシーンが皆無で、世界観の構築がしっかり成された、洒脱な秀作だと思う。また、くせ者をやらせたら天下一品のジャック・ニコルソンが、フェロモン漂うセクシー男優でもあるのだという事を発見してしまった一本でもある。 8点(2004-01-13 13:05:07)(良:1票) |
3. 菊豆/チュイトウ
見ていて脳みそが溶けそうでした。素晴らしい作品であるとは思いますが、繰り返しみたい作品ではありません。これって日本と中国の合作だったんですね! 意外。 6点(2003-10-15 14:55:25) |
4. チャーリーズ・エンジェル(2000)
好おいおいいちいちポーズつけるなよ、とか、ボブルビー背負って潜るなよ、とか、つっこみ所は沢山あるけど、こういうどうでもいい娯楽映画にそういうことを言うのはナンセンスかな、と思う映画。確かに面白いけど、周囲に「最近の映画では最高」とか言っている人がけっこういて、気がしれない。暇つぶし以外の何者でもないじゃん。だいたいキャメロンとルーシーはセクシーで可愛いけど、ドリューはエンジェルって柄じゃないでしょう。 5点(2003-08-05 16:06:50) |
5. チェンジング・レーン
最初は「どうなるんだ~!」とひたすらハラハラ。でもそれが長く続き過ぎて中だるみ。ベンがいきなり良い人になるのもかな~り違和感。妙に丸く収まった最後も「何だかな~」。あと、所々カメラが微妙に手ブレしていて酔った。見ている間はそれなりに楽しめたが、ひと月たったら見た事も忘れそうな映画。サミュエルさんは、今回もいい味出していました。 5点(2003-07-08 22:41:36) |
6. チョコレート(2001)
アカデミー! という前評判のせいか、過度の期待を抱いて見てしまいましたが、小品佳作でした。期待しないで見たらすごく感動したかも。ビリー・ボブの、不完全すぎる人間性が、真に迫っていて、ハル・ベリー以上に良かった。愛することが苦手な人間の不器用さがよく出ていて。レティシアが、最後までちゃんと母親の部分を残していたことも印象深かった。死刑囚の妻と看守という登場人物だから、「禁じられた愛」なのかと思ったら、周囲から取り残された寂しい二人のラブ・ストーリーでした。悲しすぎるけど。 8点(2003-05-09 12:33:17) |
7. 父の祈りを
さあ感動しろ! ではなく、むしろ淡々と描いている所が、余計に胸に滲みました。最初はキモチワルイちんぴらだったジェリーが、ラストの方では精悍な顔つきにかわっていて、ダニエル様の演技力の素晴らしさを再確認させられました。体重変えて役づくりっていうのはよく聞くけど、この人の場合、顔が変わるからすごい。眺めのいい部屋のシシルだと知った時は衝撃でした。皆さん書いているとおり、あのヤな奴ぶり(でもとんでもない極悪人ではなく、学年に1人はいそうなヤな奴ぶり)が、主人公に感情移入しやすくさせてくれました。ジュゼッペ役の人は、アクが強いイメージだったけど、こういう役もハマっていました。演技力ある役者さんなんですね。ジェリーとの身長差があまりにもありすぎて、親子に見えなかったけど。 こういう映画を、高校の社会科の授業とかで使えばいいのに。 9点(2003-04-23 14:00:34) |