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1.  ちいさな英雄―カニとタマゴと透明人間―
1話15分ほどの短編3本で構成されたスタジオポノックのオムニバス映画。米林宏昌監督の「カニーニとカニーノ」。行方不明になった父親を捜しに行くカニの兄弟を描いているが、セリフが全編カニ語という本作オリジナルの言語というのがユニークで面白いし、それでいながらもちろんストーリーもきちんと理解できるつくり。「メアリと魔女の花」で感じたようなジブリっぽさも本作ではあまり感じなかったのも良かった。それに映像も美しい。ただ、主な登場人物だけが擬人化されたふうで、その他大勢のカニは普通のカニなのは気にならないでもなかった。でも、「メアリと魔女の花」よりはぜんぜん面白かったと思う。百瀬義行監督の「サムライエッグ」。卵アレルギーの小学生男子と母親を描いているが、三本の中ではいちばん身近に感じられる。アレルギーの怖さがリアルに描かれていて、アレルギーを持つ子供を持つ家庭の日常がよく伝わってくる内容になっているためか、アレルギーとは無縁の自分が見ても胸にくるものはあった。確かに無防備な部分もあるのだが、学校での食物アレルギーの授業などにも使えそうな作品にもなっていると思う。山下明彦監督の「透明人間」。透明人間を題材にした作品だとSFを思い浮べるが、この作品は誰にも相手にされず、周囲から孤立しているような男を透明人間に例えているようで、主人公のデザインもそのまま透明人間に描かれている。そんな男の孤独が描かれているのだが、これまでの2本と違って大人向けな感じで雰囲気も良く、三本の中ではこの話がいちばん良かった。全体的に3本とももう少し長く(30分くらい)しても良かった気はしないでもないが、ポノックはいきなり下手に長編を作るよりも、まずはこういった短編をいくつか作っていって期が熟したあたりでまた長編を出せばいいと思う。「ポノック短編劇場」と銘打っているので、シリーズ化もあり得るかもしれない。
[DVD(邦画)] 6点(2019-09-21 23:32:59)(良:1票)
2.  超高速!参勤交代 リターンズ 《ネタバレ》 
シリーズ第2作。前作で無事に参勤を済ませた湯長谷藩一行が、今度は藩で一揆が起こったことにより、参勤の倍のスピードで交代をしなければならなくなるという出だしで、物語は前作のラストシーンから始まっている。前作を見たのが三年ほど前でうる覚えな部分もあったことからちょっと心配になってしまったのだが、そこは大丈夫だった。今回も娯楽時代劇としてよくできた映画になっていて、続編としての水準はじゅうぶんに保っている。殿様(佐々木蔵之介)をはじめ家老(西村雅彦)や家臣たちも相変わらず本当に気持ちの良い連中で、演じる俳優たちもよくハマっていて安心して見ていられるところに続編映画としての強みを感じる。(深田恭子だけなんか違う気がするのも相変わらずだが、それもまた良い。)少し不満を言えば前作はいかに五日間で参勤交代で江戸へ行くかに面白さがあったわけだが、今回は前半で湯長谷まで到着してしまい、後半は黒幕である松平(陣内孝則)との対決になだれ込むというのは、わかってはいるがもう少し湯長谷までの道中を見たかったという気がしないでもない。シリアスな部分も前作に続きあるのだが、2作目ともなれば、このシリーズはこういうものというイメージが出来上がっているせいか、たいして気にはならなかった。二部作の後編のような位置づけなので、このシリーズはこれで完結なのだろうけど、シリーズ2作ともちょっと昭和のプログラムピクチャー時代劇を思わせるような単純明快な内容で、現代の時代劇映画ではちょっと貴重な存在かも知れない。前作のレビューでも書いているが、やはりこのシリーズのような作風はけっこう好きだ。
[DVD(邦画)] 6点(2018-03-18 01:57:51)
3.  懲役十八年 《ネタバレ》 
加藤泰監督作で脚本が笠原和夫というのがまず珍しい。終戦直後に遺族を救うために仲間とともに非合法行為に手を出し、その仲間に後を託して服役した男 川田(安藤昇)と、彼が服役している間に考えが変わってしまったその仲間 塚田(小池朝雄)という構図はいかにも笠原和夫らしいプロットで、ドラマとしても骨太で、加藤監督の演出もリアリズムにあふれていて良く、見ごたえがあるものになっていてなかなか面白かった。「懲役十八年」というタイトルの割りには刑務所の中でのエピソードが本筋にあまり関係ないのだが、そこがやたら濃く、ここに登場する人物たちがみんなイキイキとしていて、加藤監督の演出もここにいちばん力が入っていて、刑務所映画としての面白さも損なっていないあたりはさすがといったところ。(ひょっとしたら本筋の二人の男の話よりもこの刑務所の中の話のほうが面白かったかも。)安藤昇の主演映画を見たのはこれが初めてのような気がするが、演技力はちょっと微妙かもと思うものの、主役としての存在感は抜群で、一方の小池朝雄も前半の主人公の仲間としての姿と、後半の豹変した悪役ぶりがうまく、やはり小池朝雄はこういう役をやっているとうまくハマる人だと改めて思う。本作の川田と塚田を見ているとこういう話は当時実際にあったのではと思えてくるようなリアリティーを感じることができ、そのあたりも笠原和夫や加藤監督らしく、またこの頃の東映作品としては任侠映画とは違った印象があるアクション映画でもあり、そんなところも本作の見どころの一つだ。
[DVD(邦画)] 7点(2017-09-03 00:33:14)
4.  血と骨 《ネタバレ》 
崔洋一監督が「御法度」で俳優として共演したたけしを主演に起用して手掛けた映画。大阪へ渡ってきたたけし演じる在日朝鮮人の男の一代記を描いているが、とにかくこの男 金俊平の横暴で狂暴なキャラが終始際立っていて、演出やストーリー云々言う前にこのパワフルな主人公の存在に圧倒されっぱなしの2時間半で最後まで目が離せなかった。たけしは自身の監督作以外では久しぶりの主演だったそうだが、まさしくこの役はたけししか考えられないと思うほどにハマっていて、たけしなしにはこの映画は成り立たなかったのではと思う。ただ、やはり全体としては長い原作(未読)をがんばって映画にまとめているといった印象で、重厚で見ごたえある内容にも関わらずダイジェスト感が強くなってしまっているのは仕方がないと分かっていてもちょっと残念。とはいえ、連作でこの物語を見たいかと言われてもなにか微妙な感じ。絶対に感情移入できないような主人公なのだが、彼に振り回されるほかの登場人物たちには思わず同情に近い感情を抱いた。とくに、父親である俊平の暴行から逃れるために結婚し、その夫からも暴行を受け、自殺してしまう花子(田畑智子)が哀れすぎる。その通夜にふらりと現れた俊平が娘を出せと暴れるシーンは唯一、この映画の中で主人公の子供に対する愛情を感じさせていて良かった。(ちょっと笑ってしまったシーンでもあるけど。)ほかの出演者に目をやるとのちに「アウトレイジ」シリーズに出演する國村準や塩見三省が出演しているのが今になって見るとなんだかにやにやしてしまった。
[DVD(邦画)] 6点(2017-08-15 17:44:51)(良:1票)
5.  忠臣蔵(1958) 《ネタバレ》 
大映オールスターによる忠臣蔵映画。これで忠臣蔵映画見るの三本目だけど、大映だけあって出演者はもちろん、セットも豪華で凝っていてこれぞ大映!という感じの映画になっていて数ある忠臣蔵映画の中でも特に名作とされているのもうなずける。次から次に出てくる豪華な俳優陣の中でもやはりのちにNHK大河ドラマ「赤穂浪士」でも同じ役を演じる長谷川一夫の大石と滝沢修の吉良が見事なはまりぶり。それに群像劇のようにエピソードてんこ盛りで描いているが、166分間、決してだれることなく見せきっているのはうまい。そのエピソード群は泣かせるものが多いが、とくに時間を割かれている鶴田浩二演じる岡野と若尾文子演じる大工の娘との恋のエピソードがやっぱり印象に残り、吉良邸の絵図面を手に入れるために最初から自分に近づいたのかと問う若尾文子に対し、鶴田浩二が本気で惚れていると告げるシーンは良いし、ふたりの別れのシーンも良かった。川崎敬三と志村喬のエピソードも泣ける。すべてのエピソードが史実とは限らないのだが、忠臣蔵はこのように浪士ひとりひとりの物語として見ても面白いものなのだとあらためて気づかされたし、これがこの物語の人気の理由のひとつなんだなと思う。男優陣だけではなく、先ほど書いた若尾文子をはじめ、京マチ子や山本富士子など女優陣も魅力的に描かれていてその点でも満足できた。冒頭に登場する浅野役の雷蔵もうまく、むしろこういう出番の少ない役なのは勿体ない気がするが、それもオールスター映画の贅沢なところ。それにもし、雷蔵がもっと長生きしていれば彼の大石役が見られたかもとつい思った。勝新演じる赤垣源蔵の別れのエピソードもいいのだが、やはり勝新はもっと後年のほうが好きだな。なにはともあれ、大映時代劇自体をかなり久しぶりに見た気がするのだが、じゅうぶんに大映らしさを堪能できる娯楽大作で、最後まで楽しめた。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2016-02-18 00:21:01)(良:1票)
6.  超高速!参勤交代 《ネタバレ》 
参勤交代から帰ったばかりの小さな藩が、その直後に再び5日以内の参勤交代を命じられ、ないないづくしの中、知恵を駆使してそれを切り抜けるという昔からよくあるような娯楽時代劇。タイトルのインパクトに駆られて見たのだが、けっこう楽しめた。主演の佐々木蔵之介演じる殿様や西村雅彦演じる家老もコミカルにいい味を出しているし、伏線の回収の仕方も違和感がなく、よく出来ている。今まで竹光のために刺客に襲われても満足に戦えなかった一行がクライマックスでは真剣を持って戦うというカタルシスもありがちかもしれないが、時代劇として心地の良い展開で、見ていて気持ちがよく、全体的に予定調和な映画かもしれないが、逆にそこがよく、安心して見ていられる。ラストシーンもすっきり晴れ晴れとしていて、さわやかな気持ちで見終われるのもいい。ただ、少し難点をあげれば本筋としてはシリアスな部分も多く、それはいいのだが、本木克英監督はどちらかといえば喜劇映画の監督というイメージが強いだけにもう少しコメディーにてっしていても良かった気はするし、いちいち回想シーンを入れてくるのも少し気になった。深田恭子が女郎を演じているというのもちょっと違う気がする。でも、気軽に楽しめて安心して人に薦められる時代劇映画で、好きな作風の映画だった。もっとこういう時代劇は作られてほしいと思う。
[DVD(邦画)] 6点(2015-04-23 23:44:08)(良:1票)
7.  小さいおうち 《ネタバレ》 
山田洋次監督が戦前、戦中、そして現代を舞台に何十年も秘められた恋を描いた映画。見る前はかなり不安な面もあったのだが、実際見てみると安心して最後まで見ていられたし、ところどころ難はあるものの良い映画だった。丘の上に立つ赤い屋根の小さいおうちのモダンさが印象的で、主演のふたり、奥様・時子を演じる松たか子は気品のある演技でとても良いし、タキ役の黒木華もまるで本当にその時代の人のような存在感と抑えた演技も印象的でこのふたりはまさにハマリ役。奥様と板倉(吉岡秀隆)の不倫関係を描くというのは山田監督の映画では異色のような気がするが、決していやらしくならずに描いているところが山田監督らしく、あまり不倫の映画を見ているという気にはならないし、ミステリータッチの展開も山田監督の映画では「霧の旗」以来だと思うが、この要素もうまく機能している。「母べえ」とほぼ同じ時代を舞台にしていながら、映画から受ける印象が違うのも良かった。(出てる役者のせいもあるのかもしれないが。)舞台となった小さいおうちが空襲で焼けるシーンをミニチュア特撮で表現したのも山田監督の映画としてはずいぶん思い切っている気がする。全体としては「東京家族」より本作のほうが好みなのだが、いちばんの不満としては登場人物たちの悲しみを号泣で表現する演出が多いのにはストレートすぎてひいてしまうし、せっかく出来ていた感情移入も途切れてしまうのは残念。(中でも倍賞千恵子演じる晩年のタキがモノローグで感極まって泣き出すところは唖然としてしまった。)原作がどうなっているのか知らないのだが、もっと抑えた演出のほうが効果的だと思うし、山田監督ならそれができるはずだ。あともう少し、「東京家族」の主要キャストが出演しているが、撮影の延期で降板した室井滋も過去パートに出演していて、黒木華演じるタキと一緒のシーンを見ていると、演じているキャラはちがうのだが、描かれている時代背景が同じせいかこの前までやっていた朝ドラ「花子とアン」をつい思い浮かべてしまった。終盤に出演している米倉斉加年(「男はつらいよ」シリーズ常連俳優)が最近亡くなってしまったのは惜しい。
[DVD(邦画)] 7点(2014-11-28 01:39:32)
8.  血染の代紋 《ネタバレ》 
深作欣二監督が「仁義なき戦い」以前に菅原文太と梅宮辰夫を主演に起用して手がけたヤクザ映画。冒頭のナレーション(小松方正)とテロップは「仁義なき戦い」を思わせていて、いよいよ実録ものの前夜という雰囲気。でも印象としてはやっぱりまだ義理人情の世界を描いた任侠映画で、菅原文太も梅宮辰夫も「仁義なき戦い」ほどの凄みはなく、インパクトも感じなかった。でも、映画はなかなか面白く、スラムをつぶしてのコンビナート建設をめぐる二つの組織の利権争いが描かれるが、本作は主人公ふたりをそのスラム出身としているところが新鮮で、これがよく利いていてドラマ性を出すのに成功していると思う。スラムの描写もリアルでうまく、メッセージ性も社会性も時代性もあり、ただのヤクザ映画にしたくないという深作監督の思いも感じられる映画になっている。ラストは東映任侠映画ではお決まりの殴り込みなのだが、このシーンが激しく、敵である渡辺文雄だけでなく、主人公ふたりも死んでしまうという壮絶な結末が深作監督らしい。いちばん最後に出るナレーションとテロップは東映任侠映画にしては異質な感じがして、後味はあまりよくないように思うのだが、こういうのも新鮮で良かった。「仁義なき戦い」シリーズに比べれば物足りないのも事実なのだが、深作監督の権力に対する怒りというものも感じられ、彼の作風はちゃんと出ている。ところで菅原文太の兄貴分役で鶴田浩二が出演しているが、ちょっと本作では浮き気味だし、それにやはり鶴田浩二は東映任侠映画では菅原文太より高倉健の兄貴分を演じているほうがしっくりしている気がする。少し甘めだが7点を。
[DVD(邦画)] 7点(2014-08-30 21:41:01)
9.  超電子バイオマン 《ネタバレ》 
二人の少年が持っていた夏休みの宝探しの地図がバイオマンの秘密基地の位置を示していたことから、地図がバイオマンの敵である新帝国ギアに狙われるストーリーで、戦隊シリーズの劇場版は映画といえどもテレビシリーズと同じ30分ほどの短編であることが多いが、これは45分ほどと時間も少し長め。ギアに捕えられた少年の一人を救出したと思ったらにせものだったという展開が捻ってあって面白いし、バイオマンと戦うギアの側の戦闘要員もヒーローのように名乗りを行うのにはつい笑ってしまう。これもテレビシリーズはよく知らないのだが、怪人が倒されて巨大化するというパターンでなく、ギアも最初から自前の巨大ロボットを使って戦うというのは考えたらこっちのほうが効率的のように思う。ギアの首領役の幸田宗丸がいかにもマッドサイエンティストな悪役という雰囲気をうまく出していて存在感がある。バイオマンのサポートロボットのピーボはCー3POにデザインがそっくりで、声の担当は太田淑子だが、思わず野沢那智の声でしゃべり出すのではと思うくらい似ているが、このテレビシリーズは「ジェダイの復讐(帰還)」の翌年の放送か。
[DVD(邦画)] 5点(2013-03-03 14:07:45)
10.  超人機メタルダー 《ネタバレ》 
戦隊ヒーローシリーズと並ぶ東映のヒーロー番組シリーズであるメタルヒーローシリーズのうちの一つ「超人機メタルダー」。小さい頃に母親と見ていた番組だが、ひょっとしたら親の方がハマッて見ていたのかもしれない。(第一話から見ていたので今から思えば上原謙をリアルタイムで見たことになるのかと少々驚いてしまうが。)ほかのヒーロー番組と比べてけっこう内容が重かったように記憶しているが、この劇場版は(高校の頃に家に残ってた録画ビデオで鑑賞。)とくに重さはなく、東映まんがまつりで上映される映画としては妥当な作品に仕上がっている。ネロス帝国のタグスキーとタグスロン兄弟がメタルダーに挑むのだが、弟タグスロンが死ぬ間際にメタルダーの足に剣を突き刺してそのまま絶命したのは敵に対する執念を感じさせていて印象的。病に倒れたとウソをついて軍団員を逸らせる帝王ゴッドネロスがある意味すごい。
[ビデオ(邦画)] 5点(2010-07-18 01:42:42)
11.  小さき勇者たち ガメラ
ガメラシリーズの原点に立ち返るという意味合いを込めて作られた映画ということで、よもや昭和ガメラのようなチープな作品になっているのではと思ったが、さすがにあそこまでチープな印象はなく、前半は普通に少年とカメの交流を描いたジュブナイル映画としてそこそこ面白い。敵怪獣のジダース(「ウルトラマン」に出た「ジラース」のもじりだろうか。)が登場する後半以降の特撮描写はジダースが人間を食べるシーンなど金子修介監督の平成三部作のようなリアルさがあり、ストーリー設定は昭和ガメラを意識しているが、特撮部分は平成三部作を意識していてなにか二つの異なるガメラシリーズが融合しているかのような印象を受ける。平成三部作に出ていた田口トモロヲと石丸謙二郎が本作にも出ているのは偶然ではないだろう。映画としてはまあこんなもんだろうレベルを超えることはないものの、やはり特撮面では敵怪獣ジーダスにイマイチ魅力が感じられず、なにか東宝のバランと似たような印象が。ガメラも鳴き声がオリジナルでなかったのが少し残念。怪獣から逃げる群衆が時折CGっぽく見えるのは気のせいか。ドラマ部分も最後の石をリレーで運ぶシーンは確かに感動的ではあるがもうちょっと説得力が欲しかったなあ。今回も平成三部作に続いて日本テレビが出資してるんだけど製作が徳間から角川になったからか、劇中でテレビ東京でアニメが放送されてる「ケロロ軍曹」のコミックスが登場するのがなんか笑える。
[CS・衛星(邦画)] 5点(2010-05-28 02:12:04)
12.  ちいさこべ 《ネタバレ》 
田坂具隆監督が山本周五郎の小説を錦之助の主演で映画化した人情時代劇。火事により無一文となり、独力での再興を決意した大工の若棟梁がやがて情に目覚め、焼け出された孤児たちを引き取るという物語。田坂監督の映画を見るのは「乳母車」以来、かなり久しぶりだったのだが、実に人間味あふれるドラマになっていてやや冗長に感じる部分もなくはないがとても感動的ないい映画だった。どことなく山田洋次監督が手がけていてもおかしくないような感じもして以前、山田監督が田坂監督のファンであると聞いたことがあるけど、やはり、受けた影響が大きいのかなとちょっと思う。出演者に関しては個人的には剣豪を描いた「宮本武蔵」シリーズや「瞼の母」、「沓掛時次郎 遊侠一匹」のような股旅映画の印象が強い錦之助にこの若棟梁の役はちょっと最初はイメージ的にどうかなあと思っていたが、独力で家業の再興をすることに躍起になっていた前半から、孤児たちを引き取る決意をする中盤以降の主人公の心の変化をとてもうまく表現していて、こういう殺陣シーンの一切ないような人情ドラマでもさすがにうまさを感じさせており、刀を持った役とは違う一面を見せている。主人公の幼馴染を演じる江利チエミは出演作をあまり見ていなかったのだが、子供たちに見せる母性愛や、健気な中にある儚さといったものを見事に表現していてこちらも素晴らしく、今までどちらかといえばアイドルのようなイメージが強かったが、(ちなみに「三人娘」シリーズはすべて未見。)初めて良い女優だと思った。 8点でもいいと思う映画なのだけど、やはりちょっと長すぎるので7点。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2010-03-20 21:23:38)
13.  チェブラーシカ(1969)
子供向けかもと思いながら見始めたのだが、チェブラーシカのあまりの可愛さに思わず目を奪われてしまい、とても癒される気持ちになった。日本語版で見たのだが、吹き替えの大谷育江の声がなんとも絶妙で、より可愛さに拍車がかかっていて思わずはまってしまいそう。パペットアニメの手作り感も素晴らしく、ピクサーが作るようなCGアニメも嫌いではないが、こういうアナログ感ただようアニメはなにかCGにはない魅力があって好きだ。またこの映画は、オムニバス3話(特典映像として収録されているエピソードも含めると4話。)とも人間誰しもが持つであろう寂しさや悲しさといった孤独感や切なさというものを描き、登場するキャラクターたちに癒されながらも見終わって深く考えさせられる作品になっていて、ただのキャラクターものに終わらない奥深さがあり内容的にもじゅうぶん見ごたえのある映画だったと思う。それから、もう一度いうけど、やはりチェブラーシカがたまらなく可愛い。映画の評価は8点というところだけど、このたまらない可愛さにもう1点プラスの9点。
[DVD(吹替)] 9点(2009-03-29 02:56:15)
14.  超新星フラッシュマン 大逆転!タイタンボーイ!!
「超新星フラッシュマン」の劇場版第2作だが、どうもオリジナル脚本ではなく、テレビシリーズの2号ロボ登場篇のダイジェスト版らしく、毎週30分のテレビシリーズで1ヶ月ほどかけてやった内容を30分にまとめている印象。60年代~70年代の頃の作品なら特撮ヒーローやアニメのテレビシリーズの1エピソードを劇場公開するのは分からないでもないが、80年代の終わりと言えばビデオデッキが既に普及していたと思うけど、まだこういう形式での劇場公開作ってあったんだなあ。
[DVD(邦画)] 3点(2009-03-16 17:54:45)
15.  超新星フラッシュマン
これもテレビシリーズは4~5歳の頃に見ていた記憶があり、この劇場版もその頃に見た記憶があるのだが、今回DVDにて約20年以上ぶりくらいに再見。今見ると突っ込みどころがけっこう目についてしまい、子供の頃に見た面白さは感じられなかったが、これも「チェンジマン」に続いて懐かしさは充分感じることが出来た。悪役メンバーの一人を演じているのが清水鉱治なのだが、出番が少ないながらも独特の存在感を放っていて印象に残る。ところで戦隊ヒーローの黄色といえば、ゴレンジャーのキレンジャーというイメージが今は強いが、(「ゴレンジャー」は小学校の頃だったかに再放送で見てた。)初めて見た戦隊シリーズの黄色の戦士がイエローフラッシュだったため、子供の頃はしばらく黄色イコール女性戦士というイメージが強かったことを覚えてる。
[DVD(邦画)] 5点(2009-03-16 17:52:50)
16.  血槍富士 《ネタバレ》 
内田吐夢監督の映画ってそういや「宮本武蔵」シリーズと「真剣勝負」しか見ていなかったなあなどと思いつつ本作を見たのだが、スタートからゆったりほのぼのしていて笑えるユーモラスなシーンも多く、すんなりと入っていけたし、作品自体も痛快な娯楽時代劇という感じで面白かった。片岡千恵蔵といえばなにかとっつきにくいというイメージがあるのだが、この映画では今まで見た出演作とは印象が少し違っていて、子供とのやりとりなどで実に温かみのある演技を見せていてかなり良かった。加東大介の相変わらず人懐っこいキャラクターはこの映画でも親しみやすいし、片岡栄二郎の酒癖のよくない主人もなかなかいい味を出してる。それだけにそんな三人の道中を描いた人情時代劇という雰囲気が一変するラストには驚かされた。「東映時代劇」の殺陣といえば「華麗で、舞うような」という印象で、ましてこれは1955年というまだ東映設立後数年しか経ってない時代の作品のハズなのに迫力あるリアリズム重視の殺陣シーンとなっていて、千恵蔵の演技も鬼気迫っており、規模は違うが工藤栄一監督の「十三人の刺客」のような感じを受けた。(そういえば、あれも主演は千恵蔵だったっけ。)それにこの映画、娯楽的な部分だけでなく社会的な要素も盛り込まれた作品になっていて見ごたえのじゅうぶんある傑作時代劇だと思う。内田監督のほかの映画にもちょっと興味がわいた。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2009-03-06 02:35:40)
17.  痴人の愛(1967) 《ネタバレ》 
「卍」、「刺青」に続く増村保造監督による谷崎潤一郎の原作作品。とにかく凄すぎで本当に怖かった。安田道代が「巨人と玩具」の野添ひとみを思わせる下品さを放つナオミを演じていてとても強烈。物語はこのナオミと彼女と結婚した譲治という男の凄まじい恋愛を描いた作品。「ナオミの日記」のシーンや譲治が風呂でナオミの体を洗うシーン、そしてナオミが譲治の体に馬乗りになるシーンはものすごく変態的ではあるものの、それだけではない深さがこの映画にはある。既に青観さんが書かれているが、ナオミを追い出した後の譲治のあのさびしそうな表情(大量のナオミの写真に顔をうずめてキスをする譲治の姿がなんとも切ない。)や耐え切れなくなって暴れるシーンには思わず感情移入せずにはおれず、切なくてつらい。このシーンの小沢昭一の演技も凄いが、増村監督のストレートな演出のうまさが際立った良いシーンだと思う。互いに本当に愛し合っていても互いに不器用で口に出せない男と女の関係、それをここまで徹底して描く増村監督の力量には脱帽である。また、それがしっかり描けているからこそラストの馬乗りのシーンはものすごく感動してしまった。間違いなくこの映画は純愛映画の傑作と言えるだろう。
[DVD(邦画)] 8点(2008-12-19 00:53:33)(良:1票)
18.  血煙高田の馬場(1937) 《ネタバレ》 
マキノ正博監督の映画を見るのは初めてだったのだが、ものすごく面白かった。特にラストのバンツマが高田馬場まで走りぬけるシーンから決闘にいたるまでのくだりの盛り上がり方が尋常ではないすごさ。まさにこれがマキノ正博かという感じでこのシーンには本当に圧倒されてしまった。後の堀部安兵衛である中山安兵衛を演じるバンツマが飲兵衛だが、やる時はやるという威勢のいいキャラクターを魅力たっぷりに演じていてとてもかっこいいし、先ほど書いた高田馬場へと走りぬけるシーンをはじめ、やはりサイレント時代からのスターだけあって動きがとくに素晴らしい。志村喬も黒澤映画などで見せる重厚な演技とは全く違うコミカルな演技を見せており、新鮮なおかつ楽しい。全体的に見ても明るくこれぞ娯楽映画と呼ぶに相応しい作品で、戦前の日本映画はあまり見ていないのだが、こんなに楽しい作品があったとは驚き。また、これは間違いなく日本の娯楽映画の最高傑作の一本に入る映画ではと思う。やっぱり10点以外ないだろう。
[CS・衛星(邦画)] 10点(2008-08-28 13:44:11)(良:3票)
19.  青島要塞爆撃命令 《ネタバレ》 
第一次大戦を背景にした古澤憲吾監督の戦争映画。岡本喜八監督の「独立愚連隊西へ」に出演していた加山雄三と佐藤允が共演しており、内容も「独立愚連隊」に更に娯楽性を加えたようなアクション映画となっていてとても面白かった。ストーリーはちょっと「ナバロンの要塞」っぽいのだが、円谷英二特技監督によるラストのスペクタクルシーンや、古澤監督が「ホラ吹き太閤記」の合戦シーンで見せた空撮によって映像に迫力を出す演出などもされていて見ごたえじゅうぶん。展開もスピーディーで、途中からダレ気味だった「ナバロンの要塞」よりも面白かったと思う。飛行機の重量を軽くするために捨てられた煉瓦などの荷物を攻撃と勘違いして慌てふためくドイツ兵たちが驚いて大声をあげるシーン(このシーンが笑える。)で字幕が異様に大きくなるところはいかにも古澤監督という感じがした。
[DVD(邦画)] 8点(2008-03-03 23:06:27)
20.  チャップリンの放浪者
初期の頃のチャップリン映画なのでたっぷり笑える映画かと思いきや、そうではなく、「キッド」や「街の灯」にも通じるような内容だったのがちょっとこの頃のチャップリン映画では意外に感じた。ほかの短編作品と比べて笑いどころが少なく、笑う気まんまんで見始めた(でもところどころ笑えるシーンはもちろんあったが。)のでそのあたりがちょっと期待外れだったが、初期の1910年代のチャップリンの短編にこんなのがあったなんて正直驚いた。完成度ではさっき挙げた「キッド」や「街の灯」に到底及ばないが、この作品が後年の傑作郡につながっていくのかもしれない。少々、言い方が大袈裟かもしれないが。
[DVD(字幕)] 7点(2007-09-07 02:47:43)(良:1票)
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