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anemoneさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 646
性別 女性
自己紹介 2006年のレビュー本数4本ってあんまりですわね。
2005年には「姑獲鳥の夏」まで見ていたクセに。
ってこういう使い方やっぱ邪道ですよね。来年こそは。

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1.  電車男
そもそもベタでヒネリもへったくれもないストーリーがウケたのがこの作品なんだと思うが、だからこそ主人公を魅力的に演じることの出来る俳優の存在は必須だったし、電車男のいじらしさやカワイさを体現し切った山田孝之の力量にはただもう脱帽するばかり。実際に彼女いない歴37年のアニオタを弟に持つ身としてはっきり言わせてもらうが、山田孝之の見せる怯えた眼差しにはシャレにならないほどのリアリティがあり、その無限の感性には畏怖心すら感じさせられた。この人の存在感だけに支えられる形でこの稀に見る単純素直なストーリーを飽きさせずに展開させて行くわけだが、2ちゃんねるというコミュニティ自体が本来持っているいかがわしさの本質を失うことなく、キレイごと過ぎる物語をキレイにまとめた卒の無さは驚嘆に値する。エルメスを演じた中谷美紀は大画面にはちょっとキツいような気がしたが、半分偶像という難しいポジションをうまく分担出来たと思う。全体にテレビっぽいチャチな作りではあると思うが、ネット文化を映画に置き換えるという作業の中で当然意識されるべきキッチュさとの釣り合いを取るために留まり切れるギリギリの場所に着地出来ている。そういう意味では非常にバランスの取れた作品だと思うし、「電車男」を敢えて映画に置き換える必然性まで立ち返ってしまうと言い訳の苦しいところではあるが、実際にやれるとしたらこれ以外に無いだろうというレベルには達していると思う。ピュアであることに人々が過剰な期待を寄せている時代だからこそこういう作品がウケるんだろうというウンザリ感を凌駕して、何しろ山田孝之の存在感は圧巻。わたしはこの人をこの映画で初めて知ったのだが、日本人の若者でここまで演技というモノを理解出来た人材ってそう多くは出て来ないと思う。どうせこれを見るのは1回だけだし、と決めつけて足を運んだ劇場だったが、まさかこんな映画をもう1度見たくなるなんて、我ながらかなり驚き。公開4週目にして土曜の深夜に邦画がほぼ満席というのも初めてなら、エンドクレジット終了まで、誰一人客席を立とうとしなかったというのも初めて。前半は吹き出すのがコワくてお茶も飲めないほど笑い続け、後半はイヤッてほど泣けました。しかもそれが全部、山田孝之の仕業です。これは凄いことだと思う。
[映画館(字幕)] 9点(2005-07-10 13:40:11)(良:3票)
2.  デンバーに死す時
すごいなあ。これ、どう考えても配給元の勘違いですよね。いきなりこんな大仰な邦題つけちゃって、これが確信犯だったら相当スゴいと思うんですけど。うっかり間違えちゃう人が多いと思うんでハッキリ言わせてもらいますけど、これはコメディです。そこがわかるのとわからないのでは大違いだと思います。たぶん一番の大失敗はガブリエル・アンウォーを引っ張って来ちゃったことだと思うんですけど、彼女はちょっとシャレになるキャラじゃないんで、そこで必要以上に真剣味がクローズアップされてしまった。よくよく落ち着いて見れば、舞台がデンバーだってところで既に笑いが取れてるはずなんですけど。これは田舎のなりそこないチンピラたちがポカをやらかして右往左往する、微妙にハズしたコメディなんです。ケチな田舎町の小金持ちに、「世界の果てまで追い詰める」なんて力があるワケないでしょう。ウォーケンが本気でやるから笑えるの。たぶんタランティーノみたいにやりたかったんですよ。バカつよいブシェミとか、ツボれば爆笑できるところかなりあったんですけど、何しろ邦題が「デンバーに死す時」なんで・・・こりゃあ絶対わかりっこないですよね。私はツボッてしまったんで大いに笑いました。惜しいところでコケてますけど、見方を間違えなければ笑える映画だと思います。私はこういうの大好き。
8点(2004-10-06 02:24:12)
3.  デモンズ
ゾンビもののバリエとしてはちょっと詰めが甘い感じ。もちろん最初にこっちを出されていればそれなりに利はあったはずなんだけど、どうしても二番煎じ、三番煎じというか煎じ尽くされて出がらしっぽいイメージは払拭できない。突然目の前で起こった超常現象に対して動揺しながらも人々が一瞬にして「デモンズ」という固有名詞を用いたり、きわめて冷静に原因を特定したり展開的に無理な場面が非常に多かったという印象を受ける。特殊メイクについてはある意味円熟期に入っており、それなりに堪能できる仕掛けは多い。もうちょっとストーリーがちゃんとしていればなあ、と個人的にはやや残念な感じ。でもヒロイン役の女の子はめっちゃ可愛い。やっぱりイタリアン・ホラーにはこれがお約束よね。上手いなあ、惜しいなあ、と思う場面は随所にあるが、あともう一つ突き抜けた感じがないというか決め手に欠ける感じ。ホラーを舐めたらあかん。
5点(2004-09-27 18:28:09)
4.  デアボリカ
極めつけのB、という感じですがわたしはけっこう好きです。こういう臆面もないB品って、かえって開き直ってて可愛い気がします。なんというか、半端にAマイナスを狙ったコケBよりは、確信犯のBが好き。って、これは単に好みの問題なんですけど。まあ見てからン十年経ってますし、コケBだったかも知れないですね。ちょっと自信なし。でも記憶の中での印象は不思議なほど良いです。ミドリも嫌だけどクロも嫌~(謎)
7点(2004-08-12 01:31:08)
5.  デイ・アフター・トゥモロー 《ネタバレ》 
いやーおもしろかったー。おもしろかったー。おもしろかったー。もちろん「おもしろい」以外のなーんにもないんだけど、さすがローランド・エメリッヒ、迫力に特化した映像づくりにかけては目下、トップブランドと言えますね。何はなくてもこのテの作品ならローランド・エメリッヒ。もちろんローランド・エメリッヒと言えばこのテの作品。とにかくもうお家芸的なド迫力のドデカスケール、しかも今回は宇宙人が来たとか隕石が来たとかいう言い訳を省いて、「こうなってしまった」でゴリ押ししているところが潔いです。さらにこのテの作品にありがちな「アメリカが世界を救う」パターンが一掃されたというか、完全にそれどころじゃなくなってしまってアメリカが助かるだけでいっぱいいっぱいなところに好感度大です。しかもこの監督、ドイツ人の癖にアメリカでは絶対に爆笑の嵐を生んだであろう相当にキツめなギャグも山ほど盛り込むことを忘れませんでした。笑えます。さりげなく、というレベルじゃなく完全にアメリカの移民対策を嘲笑った国境線ギャグを筆頭に、全編に散りばめられた黒めなギャグにお腹いっぱい笑いました。よくよく考えたらID4で地球を救ってたのはデニス・クエイドの実兄じゃん。というのもひそかにネタなのかと思い感心しました。関係ないけどデニス・クエイドって離婚してから当たりが多いですね。ジェイク・ギレンホールはオイシすぎです。イアン・ホルムは老けました。花を一人で背負って立つエミー・ロッサムも輝いています。何故か犬を連れたホームレスが重要なアイテムなのはエメリッヒ監督のNY像なんでしょうか。迫力以外なーんもない完全無欠の娯楽作品ですが、こういうの大好きな私はうっかり2回観て来て大満足です。観るなら劇場で、が鉄則ですね。 難を言えば音楽が少し暗かったかな。(コメディにしては。)>【放浪紳士チャーリー】様、いかにもアタシは70年代パニックスペクタクル世代でございます。
9点(2004-05-30 03:24:54)(笑:3票)
6.  ディボース・ショウ 《ネタバレ》 
コーエン兄弟がセレブの離婚劇?しかもキャサリン・ゼタ・ジョーンズ主演?まさかの組み合わせが予想外にピタリとハマッた、コーエン兄弟初のメジャー作品(笑)これまで微妙に引きずって来た、これが持ち味とも言えるマイナーの影は一挙にナリを潜めたが、だからと言って決して薄っぺらなライト・コメディに走るでもなく、腹黒い笑いはもちろん健在。普通の二枚目に落ち着くことを断固拒否するジョージ・クルーニーのほどよい抜け具合と、したたかなのにどこか憎めない悪女をやらせたら目下ハリウッドに敵なしのキャサリン・ゼタ・ジョーンズの駆け引きが楽しい、大人のための洒落たハリウッド映画。「未来は今」であの「ブルーレターーーー!」に爆笑できた人ならきっとノレると思います。安っぽい仕掛けやありがちなサスペンスを一切排除し、人生の目的をまさに「リッチな暮らし」と定めたシンプルな悪女の憎み切れない可愛さ、対する敏腕弁護士の物質的に恵まれながらも成功した独身中年ならではの寂しさをさらけ出す率直さ、世の中どう考えたって男は女に勝ち目ないのよ、とさりげなく人類永遠の真理を突いたコーエン兄弟ならではの悟りの境地はさすがです。始めから終わりまで、終始一貫「楽しいなあ~」と気分良く見られる作品でした。「未来は今」を見てない方は、予習しておく方が良いでしょう。でもこの作品は「未来は今」を超えたと思います。 ジェフリー・ラッシュやビリー・ボブ・ソーントンなど脇役陣も楽しいけど、主役はあくまでもキャサリン・ゼタ・ジョーンズです。最高です。
10点(2004-04-18 02:52:29)(良:1票)
7.  天才マックスの世界
先のmalvinasさんの意見に著しく同意。これはハートフル・コメディに属する物であって、おバカとかスラップスティックとはほど遠い作品ですね。ただしそのへんの先入観を払って見れば、個人的にはかなり楽しめましたしこういうのけっこう好きです。細かいところではちゃんとコメディになっているのですが、ドタバタ系のとんでもおバカな作風をイメージするとちょっとコケると思います。ジェイソン・シュワルツマンも若手ながらなかなかいい味出していると思いますが、やっぱりこれはビル・マーレーの映画じゃないでしょうか。彼のちょっとアイロニカルなキャラがわかっていれば、うまくノレるんじゃないかなぁと思います。たまに「ぷぷっ」と笑うぐらいがちょうどいい、どちらかと言えば大人向けのコメディではないかと。売り方を大間違いしているコメディって多いですが、これじゃあ私なんかタイトルだけでパスですよね。おバカコメディにしたっていかにも語呂が悪いし、もうちょっとどうにかならなかったんでしょうか。困ったもんだ。 BGMセンスいいんで1点プラスしちゃいます。
8点(2004-03-30 00:05:51)
8.  テキサス・チェーンソー 《ネタバレ》 
ちょっとヤバ目ぐらいを期待して行ったせいか、まあまあ合格点というかこれでも十分恐ろしいと私は思うんですけど、比較の対象がどうしてもアレなわけで、異常な辛口になってしまうのはやむを得ないかと。で、その異常な辛口の部分を多少水増しして、冷静に普通に考えてどのぐらい?と聞かれたらやっぱり私としてはものすごく怖かったです。程度としては、脳に膨張感を感じる程度の怖さでした。具体的な敗因としては、本作の方がちゃんと出来すぎているというのが最大のポイント。呪われた家族がなんとなく人間としてのコミュニケーション能力を維持出来ちゃっていたり、彼らなりに筋道立った家族愛で結束していたり、確かにちょっとマトモじゃない感じはするんだけどこの作品的にはマトモすぎるでしょ。獲物を見つけてからの連携プレーとか妙に知的だったり、シナリオも意外というかこの映画にここまで期待しちゃいけないぐらいキチンとよく練れてますよね。こういうある種の倫理観とか、秩序めいたものが皆無な前作の問答無用な恐ろしさははっきり半減していると思います。作り手の緻密さがアダになった珍しい例だと思いますが、やはり前作で観られたトビー・フーパーの、本当に地獄にでも取材して来たんじゃないかと思うようなバカの一念みたいな破天荒さ、映画史上類を見ない突き抜け方といったものは、あれはやっぱり瞬発的なエネルギーの爆発だったからこそ出来たものであって、思考が働いてたら出来ない仕事。そういう前提条件を全て踏まえた上で、私のようにバカにしきってかかると劇場の椅子でドタバタひきつけ起こして周りの通っぽい兄ちゃん達から白い眼で見られる羽目になります。クドいようですが十分怖いです。好きでお金を払って観るんだから、このぐらいの怖さでいいじゃん、と正直私は思います。この年になって、寝られないほど怖いもの観てどうする。逃げ惑う主人公が逃げながら扉にカギ閉めるのを忘れなかったり、おとりのブタをロッカーに隠してレザーフェイスを出し抜いたりとやたら知的なわりには、肝心なところでわざわざ狭いところに逃げ込んだり、千載一遇のチャンスだった冷凍庫の扉を閉め忘れたりとツッコミどころは満載なのですが、さすがに劇場に足を運ぶことはもうないと思いますけどレンタルが出たら借りてみたりするかも知れません。重ねて言うけど、そのぐらいの怖さで十分です。
8点(2004-03-21 01:10:21)(良:2票)
9.  デュラス/愛の最終章
愛に生き、愛を描き続けた作家マルグリット・デュラスと、その最後の愛人であった38歳年下のヤン・アンドレアの16年間をドキュメンタリータッチで描いた異色作。生前のデュラスとも親交のあったジャンヌ・モローが、過激なまでの自我を貫く晩年のデュラスを鬼気迫る迫力で演じている。対するヤン・アンドレアを演じたのは新人のエーメリック・ドゥマリニー。生きながらにして既に伝説的存在ですらある大女優を相手に、力まず、怯まずの好演は若手ながらなかなかの芸達者ぶりを伺わせる。「名声も知性も美貌も、全部自分が持っている。男はただ、若さだけをくれればいい」というのはジャンヌ・モローの伝説的名台詞だが、5年に渡って熱心なファンレターを送り続け、ついに訪ねて来た青年をそのまま自宅に軟禁してしまうデュラスの姿にモローの影が重なる。デュラスの死後、沈黙を守り続けていたヤン・アンドレアが初めて自ら筆を取り、その日々を綴った手記が原作。はっきりと覗き見趣味ではあるが、本人監修の下、やんわりとではあるが彼自身の同性愛的傾向も告白されており、極端に美化されたものではないある程度事実に近い形で描かれているのではないかという想像もできる。私自身はデュラスの作品を1つも読んだことがなく、デュラスという女性よりむしろジャンヌ・モローの演技が目当てで劇場に足を運んだことをここに告白しておくが、デュラスにさほどの思い入れのない私でもそれなりに楽しめる作品にはなっていたように思う。老境にあって愛への情熱を失わずにこの世への別れを告げるデュラスの死に様には清々しささえ感じるし、特に露骨な泣かせどころのツボもないあたり、ともすれば三文昼メロレベルの物語でさえプライドを失わないフランス映画の心意気を見せられるようで心地よい。カロリー高めのハリウッド映画に疲れた時には、こういう作品がたまに良かったりする。
7点(2004-01-25 02:24:16)(良:1票)
10.  ディープ・インパクト(1998)
今頃になってこんな映画を観ている私も私だが、公開当時の著しくアタマ悪そうな宣伝と評判に全く食指が湧かなかったのは事実。実際手に取ってみたらたかだか5年でこうまで古臭くなってしまうものかと驚き、使い捨てられて行く娯楽作品の運命を見た気がした。仕掛けとしては既に目新しさはまったくないのだが、空前絶後のスケール感の中で、異常とも思える豪華スターキャストを揃えた上、個々の家族関係を丁寧に描き出したことで正統派たらんとする作り手の信念が感じられて快かった。あまりにも人間関係を丁寧に描きすぎたため、ところどころでSF超大作を見ているのか「ペイ・フォワード」を見ているのかよくわからなくなったりしたが、それはそれで一つのノリが形成されており大きな違和感にはつながらないのが凄い。子役出身のイライジャ・ウッドがこういう風に要所要所でタイミング良くおもしろい役に当たっているのも異常な幸運だと感心。やはりリーリー・ソヴィエスキーの存在感は絶妙で、既に大物ぶりを発揮していますね。ニュースキャスター役のテア・レオーニの衣装が徹頭徹尾ダサかったのがやたら気になりましたが、女性監督が硬派を気どりすぎた結果でしょうか。あのダサさが微妙にリアルではあるんですが、せっかく彩りとして登場する以上はもうちょっとマシなファッションで楽しませて戴きたかったです。特に後半で着たきり雀になっているあの凄いサイズの合わないシャツとワイドパンツ、あの衣装の前にはどんな感動もふっ飛んでしまいます。あれだけでも一見の価値はあると思います。
8点(2004-01-14 07:27:08)(笑:1票)
11.  デッド・カーム/戦慄の航海
何がコワイって、サム・ニールをどこまで信用していいのか?ってところが最後まで読み切れないところがストーリーと無関係にコワかったです。そういう意味では、キャスティングで非常に成功しているレアな例だと思います。23歳のニコール・キッドマンはこの世のものとは思えないほど美しいですし、これじゃあオーストラリアにおさまり切れないのも無理ないなあ、と素直に驚嘆できます。海上を舞台とした密室劇ですが、やや狙いすぎの感はあるものの仕掛けもきっちり作ってあって悪くないですし、サスペンスとして秀作の域には余裕で達していると思います。個人的には非常に好きな作品です。ちなみに5.1CHのサラウンドスピーカーを入れた時にこれを観たら心臓バクバクするほど怖かったので試運転にはもって来いだと思います。音作りがけっこう凝ってました。
9点(2004-01-11 13:06:52)
12.  デーヴ
いかにもハリウッド的な胸キュン系のコメディって感じ。普通にそこそこ楽しめるんだけど、アイヴァン・ライトマンの強烈な笑いみたいなものを期待するとちょっとコケるかも。お約束通りのストーリーで、お約束通りの展開なのにそれなりに飽きずに見せてくれるところは職人芸と言って良い。リプリーとはまるで違った一面を見せてくれるシガニー・ウィーバーも、ヘンに「もう私はリプリーじゃないのよ」オーラを発してなくて素直にハマッた感じ。ラストはちゃんと胸キュンできるし、子供を使わずに胸キュンさせられるっていうのはやっぱり上手いんだと思います。なかなか良い映画でした。
9点(2004-01-01 12:07:11)
13.  ディスクロージャー
意外な掘り出しモノでした。マイケル・ダグラスって究極のダメ男俳優だと常々思っているんですが、この映画の彼はまさに板につきすぎてしまったダメ男でしたね。そういう彼だからこそ、どれだけ泥沼にハマッて行っても、観ていてあんまり辛くならないです。そういう意味では、ヘンに安心して観ていられるダメ男映画というか・・・。対するデミ・ムーアも、凶悪な美女ぶりが非常に良く似合っていて、キャスティングで勝ってる映画だと思いました。テンポも悪くないですし、けっこうハラハラ素直に観られます。ダメ男役者と凶悪女優の正しい使い方としては、まさにお手本のような作品だと思います。
8点(2003-12-30 15:46:45)
14.  デンジャラス・ビューティー
意外な拾いモノ、という感想がまさにぴったり来る感じ。まさか面白いはずがないだろう、と思わせるあまりにもバカバカしい邦題に逆に助けられたような気がする。普通に映画を観て来た人なら、「デンジャラス・ビューティー」というタイトルの映画が面白そうだとは滅多に思わないだろうが、もちろん私も思わなかった。このように限りなく低いイメージからスタートすると、普通に面白いぐらいの映画がえらく拾いモノに思えたりする。冷静になって思い出すと普通に面白かったぐらいだと思うのだが。いつもながらサンドラ・ブロックは役の選び方がバカ上手い。ダサくておしゃれに興味のない捜査官から、ミスコンデビューまでの変身ぶりが楽しい映画。ハリウッドセレブとしては決してスタイルの良い方ではない彼女だからこそ出せるヘンなリアリティがありました。
8点(2003-12-29 12:04:17)
15.  ディープ・ブルー(1999)
「マトリックス」と同系列、同時公開だったこの作品、実は本当ならこっちがメインだったはずが、フタを開けてみたら「マトリックス」のあまりの人気にすっかりB面扱いになってしまったのは不運としか言いようがない。対抗馬が「マトリックス」でなく、地道に長く公開していれば、口コミでそれなりにお客が呼べたんじゃないのかな、と。単なる海洋パニック物しか期待していなかった私はかなりの衝撃を受けた。とにかく笑いのツボがブラックで良い。遺伝子操作でバカ強くなったサメと闘うのが、あろうことかL.L.クールJ演じるコックさん。フライパン持ってスーパー鮫と対決する姿には泣かされるものがありました。全体的に「ジョーズ」へのオマージュと受け取れないこともないわりに、真剣さを装ったシュールな笑いがツボにはまったというか、コメディとはまたちょっと異質な、腹黒い作品ではありましたよね。で、レニー・ハーリン節炸裂のドンパチも予想以上に派手。何のために出て来たんだか誰にもわからずじまいのアイーダ・タトゥーロとか、これをおバカと受け止められるかどうかで印象はかなり違って来るはず。思うに腹黒く、目線がナナメで、ちょっとシニカルでイジワルな物の見方が出来る人には、最高に楽しい映画なんじゃないかと思います。イエもちろん私のことなんですけどね。
9点(2003-12-21 04:18:36)(笑:1票)
16.  ディーバ
主人公の男の子が乗ってるスクーターとか、壁いちめんに映画を投影できるアパルトマンとか、そういうものがスタイリッシュに感じられる年頃に観たもので、これはカッコいい!と雰囲気に酔える作品でした。ストーリーそのものは、当時それほどマジメに理解してたわけではなかったと思うんですが・・・音楽と映像が気に入って、しょっちゅう環境ビデオ代わりに流してました。タマネギを刻むのに水中メガネとシュノーケル着けていたりね、そういうのがカッコよく見える年頃だったんですよ。これも雰囲気一発モノだと思いますけど、フランス映画のタルさっていいなあ、と思うきっかけになったというか、私はこの作品から英語圏以外の作品に入って行ったので、個人的にわりと重要な作品だったりします。フランス映画ってちょっとなあ、と抵抗を感じてる人には、手始めとしてちょうどいいかも、という感じです。
7点(2003-12-21 04:06:15)
17.  天井桟敷のみだらな人々
日本公開時期が例の「ライフ・イズ・ビューティフル」と重なってしまったために、あまり日の目を見ることが出来なかったことが心の底から惜しまれる。一足遅れて登場したティム・ロビンスの「クレイドル・ウィル・ロック」は明らかにこの作品のパクりなのであるが、もちろんオリジナリティの面でも、無駄なメッセージ性の無さから言っても、圧倒的にこちらの方を私は支持する。結局、タトゥーロが妻のキャサリン・ボロウィッツにベタ惚れだということがよ~くわかるにすぎないんだけど、今世紀初頭のNYという比較的珍しい背景に加えて、各国語を話す有象無象の移民たち、しかも芸人という身分がいかに卑しく怪しかったか、など、物珍しさも加わって飽きずに最後まで観られる。加えて天下無敵のバカ女優に扮したスーザン・サランドンと、女装癖の演劇評論家クリストファー・ウォーケン、この2人はもう確信犯的な友情出演で広告塔を買って出た感じ。思いがけない拾いモノであることは間違いないので、是非もっと注目を集めてもらいたい作品である。
9点(2003-11-30 02:08:11)
18.  ディック・トレイシー
特に原作またはウォーレン・ビーティの大ファンでもない限り、観ても観なくても誰の人生にも大した影響を与えない、良くある普通の映画。たまたまタイトルを見かけなければ、観たことさえ滅多に思いだすことはない。完全に忘れてしまっても特に困ることはこれから先もないだろうし、思い出したからといって不愉快になるほどでもない。ここまでどっちでもいい作品というのもむしろ珍しいような気がするのでなんか評価してあげたい気持ちにはなる。そういう意味ではスゴイ。
2点(2003-11-29 17:33:16)(良:1票)
19.  テルマ&ルイーズ 《ネタバレ》 
20世紀の「俺たちに明日はない」として語り継がれるにふさわしい作品。アメリカン・ニューシネマの心意気を今なお持ち続ける最後の1人がイギリス出身のリドリー・スコットだというのは実に不思議なところだが、「青春をモチーフとしたアンハッピー・エンドのロードムービー」をニューシネマの定義付けと見るならば彼ほどその流れの中心に居続ける作家は珍しいであろう。「エイリアン」など一見してそれとわかりにくい作品も多い中、これはベタベタに真正面からニューシネマの再現を目指した異質な作品。加えて女に本当の友情はあるか、という人類永遠の命題にも取り組み、いくらかファンタジックすぎるきらいはあれど女性にとってはある種のカタルシスを感じられる仕上がりとなっている。男に依存して生きることしかして来なかったテルマが、逃避行の中で女を取り戻し、やがては予想外の方向に羽ばたいて行く様子など、絶望的な負のベクトルに突き進みながらもネガティブな「解放」を描いて小気味良い。ハーヴェイ・カイテルの報われない善良さ、心に傷を負いながらもひたむきに生きていたはずのルイーズの失墜ぶり、実にドラマティックに、不条理そのものを正攻法で描いた作品として、長く心に残る映画である。おそらく映画史上どこを見回しても、オンナがカッコよく死んで行く映画はなかった。だから私はこの映画を、永遠に支持する。
10点(2003-11-29 14:14:03)(良:1票)
20.  デッドマン・ウォーキング
風潮として、スーザン・サランドンにはいずれオスカーを獲らせなければいけないみたいな空気が盛り上がって来たところにこの作品では、もうあげなきゃいけないムードはどうしようもないところまで来ていたような気がするが、長年彼女のファンをやって来て、どうしてこの役じゃなきゃいけなかったのかという失望は否定できない。脚線美と、年齢を超えた脱ぎっぷりでセクシー系ゴッドマザーとして君臨して来た彼女を、よりによって修道女にしてしまうなんて言語道断。ここまでやらなきゃオスカーって獲れないものなのかと、正直がっかりしてしまった。それに迎合した彼女にも失望したし、事実受賞後はそれまでの個性を全面的に否定した「ステキなおばさん」路線を走り続けている。みんな50歳目前にしてもガンガン脱いでくれるアナタに憧れていたのですよ。オスカーぐらい、「たかが銅像じゃないの。フン」とハナもひっかけない素振りを貫いてもらいたかったですね。まあ作品自体はスゴいなあと思いましたけど、あくまでもショーン・ペンと扱われたテーマがスゴかったにすぎないわけで、これでオスカーウィナーに加わったスーザン・サランドンははっきり言って格を下げた。差し引き普通止まりになってしまったが、これはオスカーが悪い方向に作用した典型的な例ではないかと思う。先入観って意外と大切。
5点(2003-11-29 13:00:42)(良:1票)
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3264.02%
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