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1.  デッドマン・ウォーキング 《ネタバレ》 
ショーン・ペンは真犯人か冤罪か、死刑判決は覆るか否か、というよくあるサスペンスかと思っていたら、神の教えとか罪の意識とか、加害者と被害者家族の魂の救済とか、けっこう重たいテーマで驚き。両論併記的な感じで、けっこう見応えがありました。 しかしこれ、もし死刑廃止とか減刑で無期懲役とかになっていたら、ショーン・ペンはあそこまで改心していたでしょうか。牢名主みたいになってニヤけながらタバコをスバスバ吸ってそう。被害者家族はそれで納得したでしょうか。死を眼前に突きつけられたからこそのラストシーンだったように思います。 かの国で死刑は減少傾向にあるようですが、その分、警官が現場で銃殺というケースが増えているような。ここに因果関係があるとすれば、それはそれで恐ろしいですね。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2024-10-18 23:47:56)
2.  TINA ティナ 《ネタバレ》 
ティナ・ターナーを歌手として初めて知ったのは、遠い昔、アメリカのドラマ「アリー my Love」に本人が本人役でゲスト出演したときです。レギュラー出演者たちの憧憬と尊敬に満ちた演出を見て、かの国ではこういう存在なんだなと認識したものです。それはおそらく、ステージ上での圧倒的なパフォーマンスもさることながら、そこに至るまでの過酷な道のりも広く知られていたからでしょう。この作品は、その顛末を克明に表現していたように思います。痛々しくて見ちゃおれんシーンも多々ありましたが。 それから本人が憑依したようなアンジェラ・バセットもいい。おそらくご本人よりずっと細身なので、余計に痛々しく見えます。そしてラスト、本人のライブ映像にすり替わるシーンではついゾゾゾっと来てしまいました。 実はこの方、たしかイェール大学院卒のたいへんなエリートなんですよね。やはりアメリカのドラマ「ER」の最終盤のシーズンで、ER部長を凛として演じられていた姿が印象に残っています。まあ余談ですが。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2024-08-04 03:39:41)(良:1票)
3.  デイ・アフター・トゥモロー 《ネタバレ》 
今さらながら初見。自然の脅威に対する人間や文明の無力感が伝わってきます。しかし、氷河期ってこんなに急速かつ極端に訪れて、なおかつ急速に緩和していくものなんですかねぇ。それに時流に乗るように人為的なものだと決めつけていましたが、だとしたら太古の時代から周期的に訪れていた氷河期の説明がつかないんじゃないでしょうかねぇ。まあ映画的には急速かつ人為的でなければお話にならないわけですが。 それはともかく、専門家として対処の陣頭指揮を執るべき主人公が、その職務を放り出し、仲間を犠牲にしてまで息子に会いに行くってどうよと。しかも会ったところで救える手立てはないはずだし。まあ「何よりファミリーが大事」なアメリカ映画によくあるパターンですが、もし主人公が高倉健や三船敏郎だったら、絶対こんな行動はとらないだろうという気がします。どちらがいいという話ではありませんが。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2024-06-26 23:19:44)
4.  天国の日々
すいませんただただ退屈でした。景色は美しいけれど、物語としてはひと昔前の昼ドラレベル。いや昼ドラのほうがもっと複雑でドロドロで興味をつないでくれたように思います。 しかも淡々と、きわめて少ないセリフとナレーションで、ほとんど抑揚なく進行するだけ。リチャード・ギアも策士なのか粗暴なのか単に無神経なのかキャラが定まっていないし、サム・シェパードも超イケメンながら農場主として優秀なのか単なるお人好しなのか判別できず。いずれにしても魅力的には見えません。いっそ人間ではなくイナゴを主役にしてくれたほうが、ヒッチコック映画のように楽しめたかも。
[CS・衛星(字幕)] 2点(2024-05-27 23:03:40)
5.  天国の駅 HEAVEN STATION
吉永小百合と三浦友和の汚れ役が珍しい。とはいえけっしてハマっているわけではなく、ものすごく無理してる感が漂ってきます。どう考えても、吉永小百合に死刑囚役は似合いません。またけっこう〝濡れ場〟が多いわけですが、いかにも「演技してます」という感じ。当然ながら肌の露出も最小限。終盤のほうで「私は人形みたい」「愛が欲しかった」みたいなセリフがありましたが、結局この女優さん自体、幸か不幸かその容姿のため、世間のイメージは清廉で人畜無害な人形として定着している気がします。それを脱却すべく、無理したくなる気持ちもわからなくはありませんが。 ただお話としてはけっこう面白い。津川雅彦と西田敏行のコンビは、家康・秀忠の前哨のように輝いています。丹波哲郎はやはり刑事役がよく似合います。田舎の温泉街の閉鎖的でジメッとした雰囲気も、いかにも日本的。やはり主役2人を適役の役者が演じていたら、もっと没入できたんじゃないかと思うといささか残念です。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2024-05-02 04:44:00)
6.  テルマ&ルイーズ 《ネタバレ》 
今さらながら予備知識なしで初見。軽い感じで始まりながら、またときどき笑えるシーンも挟みながら、物語はとんでもなく理不尽な方向に進んでいくんですね。この救いのなさは映画としてどうなんだろうと思う反面、現実として見れば大なり小なりよくある話のような気もします。というわけで、せっかく世事を忘れて異世界へ飛ぶために映画を見ているのに、無理やり現実世界へ引き戻されるような感じがして、なんだかザラついた印象だけが残りました。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2024-03-23 22:21:57)
7.  デュエリスト/決闘者
高評価の方が多いですが、すいません私はダメでした。とにかく「決闘」というワン・イシューで100分も引っ張るのはかなり無理があるというか、正直言って飽きるというか。それにスポーツやゲームのライバル関係ならともかく、端的に言えば殺し合いですからねぇ。いささか時代が違いすぎて、現代人としてまったく感情移入できず。ナポレオンの全盛期から没落期を背景にして、たぶん「時代にとり残された男」を描こうとしたのでしょうが、うまくリンクしているようには見えません。しかも親の仇とか赤穂浪士のような大義名分もなし。些細なことでインネンをつけて追い回すという、絡まれた側にとっては迷惑千万なお話でした。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2024-02-25 22:50:30)
8.  ディファイアンス 《ネタバレ》 
恥ずかしながら、こういう史実があったことを知りませんでした。アンネ・フランクもシンドラーも『夜と霧』もいいですが、これももっと歴史に刻まれるべき話じゃないかと。ただこのタイトルで損をしているというか、少なくとも日本人にはあまりピンと来ない気がします。ダニエル・クレイグが出ていなければ、たぶん私は見なかったと思います。 とにかくリーダーとしての苦悩ぶりがいい。ジェームズ・ボンドとは違ってなかなかうまく行きません。どんな集団でも人間関係のゴタゴタはあるわけで、規律と情、重圧と理性と弱気の間で常に揺れ動いている感じ。しかも強烈な外敵にも備える必要があり、頼られるわりに称賛されるわけでもなく、特別な報酬を得られるわけでもなく。世の中間管理職者は、彼の姿を見て「自分のほうがマシ」と勇気づけられるのではないでしょうか。ただし、どれほど敵に囲まれても弾がまったく当たらない点はボンドと共通しています。 それからもう1つ気になったのは、最大1200人もの大集団の食糧をどうやって賄っていたのか。村からの略奪には限界があるし、リスクも大きいはず。森の中で採集狩猟生活でもしていたのでしょうか。ドラマチックなドンパチもいいですが、そのあたりのリアリティをもう少し見たかった気がします。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2024-02-24 03:01:50)
9.  テリー・ギリアムのドン・キホーテ
最初の挫折から十数年の時を経て、やっと完成に漕ぎ着けたわけですね。そう思って見るとなかなか感慨深いものがあります。すでにジョニー・デップはいませんが、変わりにオルガ・キュリレンコを拝めたのでよしとしましょう。 原作どおりではなく、キャラだけ借りて現代に置き換え、映画製作の現場や国際情勢なんかを皮肉っているところがミソですかね。かくしてドン・キホーテのDNAは現代に受け継がれましたと。 しかし原作自体、そんなに面白いですかねぇ。日本で言えば「恍惚の人」みたいなものかなと。テリー・ギリアムがドン・キホーテに寄せる不屈の熱量を、今ひとつ理解できないのが残念。
[インターネット(字幕)] 7点(2023-08-15 22:46:50)
10.  天使の涙
要するに映像の妙を楽しむ映画ということで。ずっと夜のシーンが続いた後、最後の最後に明け方の空が見えるところは、大昔に飲み明かした感覚をふと思い出して、ちょっとノスタルジーに浸れました。しかし香港の街というのは、こんなに暗殺需要が旺盛なんですかね。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2023-08-03 02:13:08)
11.  デス・レース(2008)
いかにもB級の香り漂う本作、たしかに文句なくB級映画でした。ジェイソン・ステイサムが収監された経緯も復讐も途中であっさり描かれるし。とはいえ、なんとなく勢いに呑まれて最後まで見てしまいました。B級だからとってつまらないとはかぎらないわけで。 興味深いのは、本当にこういう民間刑務所の事業が成り立つか。モラルの問題は差し置くとしても、まあイメージの問題でスポンサーは付かないでしょう。おそらくネット配信による課金が主な収益源になると思いますが、どれくらい客が集まるのか。本編では「○千万人」とか景気のいいことを言っていましたが、少なくとも私は見たいとは思わないですねぇ。フィクションだから(ときどき目を背けながらも)見るのであって、現実に、しかもリアルタイムで人が事故死するとなると話は別です。 しかし考えてみれば、ローマ帝国時代のコロッセオではこういうショーが行われて盛況を博したわけで、人間の業の深さはよくわかりません。
[インターネット(字幕)] 6点(2023-03-13 23:32:01)
12.  デイズ・オブ・サンダー 《ネタバレ》 
要するにド定番なアイドル映画ということで。『トップガン』に続き、極めつきにカッコいい男を描こうとしたのでしょうが、国防の担い手とモータースポーツの担い手とではそもそも格が違うような気が。それにトム・クルーズがカッコよかったかといえばそうでもなく、なぜか抜群のテクニックを持つヤンチャな若者というだけで、それ以上でも以下でもありません。大きな事故も困難もヌルっと克服してしまうあたり、やっぱりアイドル映画だなと。こんなに簡単に勝ててしまうと、佐藤琢磨の凄さも霞んでしまう気がします。まあ少なくとも、『デイズ・オブ・サンダー コール』が作られることはなさそう。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2022-10-19 03:12:00)
13.  テロ,ライブ 《ネタバレ》 
これは面白い。とにかく冒頭、やさぐれた感じの主人公が、にわかに欲望をたぎらせ、そしてテレビカメラの前で急に生真面目風なキャスターを演じるまでの三変化が見事。これが役者の演技力というものかと、この時点ですっかり魅了されました。 いろいろ「how?」と突っ込まれたら説明できないシーンが多々あったように思いますが、そんなことはどうでもいいと突っぱねる緊張感とスピード感がありました。政府やら警察やら局やら他局やら、いろいろな思惑や疵が絡み合うカオスな状況は、もはやコントのようでもあります。で、いったいどうやってオトシマエをつけるのかと思っていたら、これ以上ないほどのカタストロフィーでした。いろいろ裏切ってくれます。このあたりも見事。
[インターネット(字幕)] 9点(2021-12-02 02:07:11)
14.  T-34 レジェンド・オブ・ウォー
痛快娯楽映画という感じ。独ソ戦という過酷な戦場が舞台でありながら、陰惨とか死と隣合わせといった印象はほぼなし。戦車戦という、ある種のスポーツを見ているような錯覚に囚われます。内部の構造はこうなっていて、こういうふうに操縦するのかと勉強になりました。砲弾が鋼板をかすめると耳に来るというのも面白い。 しかしジョン・ウー監督ばりにスローモーションばかりで、緊張感よりエンタメ感が増しています。そしてもう1点、湖に飛び込んで「自由だ!」と叫ぶシーンがありましたが、これから10年近くスターリンの時代が続のかと思うと少々気の毒に見えてきました。
[インターネット(字幕)] 7点(2021-11-19 02:33:39)
15.  テキサス
なんともユルい作品。あのアラン・ドロンがアメリカに来て西部劇風のコメディをやるという、ただその1点だけを売りにして企画された感じ。しかし開拓民も先住民も騎兵隊も仲良くケンカしているようで、きっとこれがアメリカの理想像なのでしょう。バイデンに票が集まったのも、こんな世界にしてくれという思いがあるのかもしれません。 ただしテレビ版「スパイ大作戦」の大ファンの私にとって、マヌケなフェルプス君を見るのはなかなか辛いものがあります。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2020-11-10 01:57:12)
16.  ティアーズ・オブ・ザ・サン
アメリカさん、これからも世界平和がんばってね!
[CS・衛星(字幕)] 3点(2020-09-26 22:41:35)
17.  デビル(1997)
冒頭のドンパチはその後の展開にけっこう期待を持たせてくれたのですが、渡米後は期待はずれ。B級映画としてはそこそこ面白かったと思いますが、なまじA級役者が2人も出てしまったために、期待値が余計に上がってしまった感があります。得体の知れないB級役者が演じていたら、もっと評価は高かったかもしれません。しかしそれでは客を呼べないし、そもそも企画が通らないか。ショービジネスは難しいですね。
[CS・衛星(吹替)] 4点(2018-09-15 01:57:53)
18.  天使と悪魔 《ネタバレ》 
バラエティ番組の企画、もしくは地方都市の町おこしイベントとして催せばそれなりに人気を博しそうな話です。やたら権威づけたり格調高く見せたり、一方でおどろおどろしい粛清の場面を描いたりしていますが、いずれも滑稽に見えて仕方がありません。不幸にして現実のテロ事件の報道を目の当たりにしている昨今、こんな〝謎解きゲーム〟のようなテロ行為が非現実的であることは、誰の目にも明らかでしょう。 〝ゲーム〟のプレーヤーとして優秀すぎるトム・ハンクスにも、容姿も存在理由も微妙なヒロインにも、何ら魅力を感じられません。ユアン・マクレガーに対しては、久しぶりに仲間由紀恵に「どこまでも手間のかかることを」とツッコミを入れてもらいたいなと。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2017-06-13 01:35:58)
19.  デンジャラス・ラン 《ネタバレ》 
なんだろうこのデジャヴ感。遠い異国を舞台にしながら、結局は内輪のゴタゴタに終始。似たような筋立てを今までに何作となく見てきましたが、きっとこれからも何作となく作られていくのでしょう。“ドメスティク・バイオレンスもの”とでも名付けられそうです。それと、他の方も指摘していますが、邦題がひどい。「デンジャラス」って、この手の作品の禁句じゃないですかねぇ。その昔、NHKのバラエティ番組にやたらと「おもしろ」と付いていたような、見ている側が恥ずかしくなるような安っぽさがあります。
[インターネット(字幕)] 5点(2015-03-15 02:18:03)
20.  ディパーテッド
一歩踏み外せば即抹殺というぐらい、神経をすり減らすようなシチュエーションのはずですが、その緊張感が今ひとつ。お互い、本当のボスと頻繁に電話やメールでやりとりしたり、屋外で堂々と会ったり。すぐ足がつきそうなものですが、そこを簡単にスルーしているので、ご都合主義的なユルさが漂います。 それに、ヒロインも今ひとつ。顔も中身も、現代のハリウッドを代表する2大スターから愛されるほどの女性にはとても見えません。2大スターにギャラを注ぎ込みすぎて、安く上げたんでしょうか。シナリオは緩くても、せめてここは妥協してほしくなかったかなと。
[DVD(字幕)] 5点(2014-09-14 00:10:01)
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