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目隠シストさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2251
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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41.  トータル・リコール(2012) 《ネタバレ》 
欧州と豪州。地球の裏側同士に当たる二つの大陸間を、地核を貫いて直接繋ぐ“フォール”と呼ばれる移動装置。このアイデアは秀逸でした。建造に費やされたであろう金銭・資材・時間・労働力・技術力を想像すると気が遠くなります。地核突入時の重力反転ギミックも申し分なく、SF的スケールは“火星のコロニー”を凌ぐと考えます。空間を立体的に活用することを意識したスピード感溢れるアクションは見応え十分。掌モバイルや、拘束光線銃といった未来テクノロジーも楽しめました。設定・脚本共に大きな欠点は見当たりません。しかし本作のレビューに並ぶのは「薄味」「地味」といった平坦な言葉たち。残念ながら私も同じ印象でした。結局は比較の問題なのだと思います。オリジナルが示した強烈な個性の前では、常識的なセンスでは霞んでしまうということ。比較されるのはリメイクの宿命ですし、上品より下品な方が、繊細より大雑把な方が、インパクトがあるのは仕方のない話。そんな歩の悪いリメイクで、オリジナルへのオマージュを織り交ぜつつ、正々堂々と元祖に勝負した本作の製作姿勢は称賛したいと思います。でも、やっぱり面白いのはシュワちゃん版なんですよね。
[CS・衛星(吹替)] 6点(2013-10-18 18:25:56)
42.  飛べ!ダコタ 《ネタバレ》 
タイトルから容易に想像がつくように、物語の着地点(本作の場合は離陸点かな?)は初めから確定しています。ですから、観客の興味は結末に至るまでのドラマにありました。どんな苦難を乗り越えてダコタを再び飛ばす事が出来たのか。しかしながら、ハードルらしいハードルが見当たりません。英兵も島民も皆物分かり良く協力し、順調に滑走路を造り上げたように見えました。障害と呼べるのは放火未遂事件くらいのもの。厳しい自然環境の抵抗や滑走路造成過程の試行錯誤など、外的要素で盛り込めるハードルは幾らでもあった気がします。それに時は戦争直後の混乱期。ベンガルの言葉「ここ(頭)では分かっていても、ここ(心)がいうことを利かない」という島民の内面にも、もっと踏み込んで欲しいと思いました。戦争で息子を亡くした母(洞口)や戦時中の思いを引きずる青年(窪田)のエピソードにしても、簡易に処理をした感は否めません。心の穴を埋めること、凝り固まった心を解すのは、そう簡単な作業ではないはず。悩み、ぶつかり合い、苦難を乗り越えてこそのカタルシス。残念ながら、優等生の善行より不良の親切が持て囃されるのが世の常です。そういう意味では、登場人物がみな良い人過ぎたと思います。美談を美談のまま映画化することの難しさを感じました。ダコタ不時着時及び離陸時の描写に、予算問題をカバーする工夫が見られなかったこと。島民の善意の結晶であり最大の見どころ、自然石を敷き詰めた500メートル滑走路の全景をきちんと見せなかったこと。演出面、映像面での不満もあります。手放しで称賛できる映画ではありませんでした。本サイトのレビュワーとしての採点は6点です。ただし、一新潟県民としての思いは別。忘れ去られていた誇り高き感動の実話を、このような形で世に知らしめてくれた本作には、心より感謝いたします。油谷監督、比嘉愛美さん、初監督及び初主演に『飛べダコタ』を選んでくださり有難うございました。洞口依子さん、素晴らしい演技でした。この映画製作に関わった全ての方に敬意を込めて+2点を献上させてください。
[映画館(邦画)] 8点(2013-10-06 20:49:39)
43.  トールマン 《ネタバレ》 
(ネタバレあります。ご注意ください。)「衝撃の結末」「意外な真相」この手の煽り文句はミステリー・サスペンスジャンルの常套句。しかしながら経験則では十中八九はハズレです。もはや期待値ゼロ。ところが本作は僅か1,2発に該当したようです。貴重な当たりサスペンスですので、存分に楽しむためにも予備知識なしで鑑賞することをお勧めします。 ≫≫≫≫≫ 横転したトラックから這い出た男の子。拉致犯人が抱き抱えようとした時、子は協力的に手を差し出したように見えました。ともすれば見逃してしまいそうな些細な描写。しかし小さな違和感は確かに心に突き刺さりました。棘はやがて疑惑の核となり、ついには大きな疑念となって物語の進む方向を見失わせました。たった一本の包丁から喚起されたのは、死体の山と血の海。イメージ映像さえ、全く無かったのに。ほんの小さな、でも丁寧な仕掛けが、迷宮の入り口となっている巧みな脚本でした。既定事実が覆り、善と悪が入れ替わる快感。それが一度ならず二度まで味わえるのです。こうも先入観と想像力を手玉に取られるとは、恐れ入りました。バッドエンドとも、ハッピーエンドとも取れる極めて不安定な着地点も素晴らしいです。何故主人公にジェシカ・ビールが選ばれたのかも納得です。惜しむらくは、二段のオチのうち一回目と二回目が間延びしてしまったこと。この間をコンパクトに纏められたなら、傑作になったこと間違いなしです。
[DVD(字幕)] 8点(2013-09-03 18:27:45)
44.  トリハダ -劇場版- 《ネタバレ》 
幽霊や超常現象なし。音楽で恐怖を煽らない。過度な演出をしない。日常から逸脱しない。このコンセプトは強く支持したいところ。事実、雰囲気は抜群でした。それだけに細部の粗が悔やまれる出来でした。如何にスクリーンの日常を自身のそれと置き換えて物語に飛び込めるか。本作を楽しむためにリアリティは絶対条件。その点で大いに不満が残ります。コールセンターや宅配便の業務については、リサーチ不足を感じさせます。固まらない血も現実的ではありません。最終2話についてはリアリティ云々の前にアンフェア。これはいけません。ティーン向けのライトホラーと割り切って楽しめば問題ないかもしれませんが、自分はもうワンランク上の完成度を狙える設定と考えます。改良版の続編を期待します。追伸。宅配便の話の女優さんが絶品でした。笹野鈴々音さん。TV版でも評判を呼んだ模様。この存在感は圧倒的です。前田敦子の物真似でブレイク中のキンタロー。もお笑いの仕事が無くなったら是非ともホラー映画の世界で活躍されては如何でしょう。笹野、キンタロー。の悪夢の?競演が観たいような、観たくないような。
[DVD(邦画)] 5点(2013-03-05 18:53:54)
45.  トト・ザ・ヒーロー 《ネタバレ》 
トマの姉への愛情は、異性に対するそれと同じでした。赤子の自分が、病院の火事で取り違えられたとの妄想も、姉弟の血の繋がりを拒絶する願望の表れ。いわゆるシスターコンプレックス。いわば風邪のようなもので、心と体の成長(自我の確立)により治癒するのが一般的かと。ですから、少年トマがあのとき姉を失わずに済んだら、彼の人生は全く違ったものになっていたでしょう。一瞬にして、それも自分の言葉が引き金となって、姉を死なせてしまった衝撃は、彼の心を凍てつかせました。姉への思いで縛られた一生。決して手に入らぬものを思い続け、前に進めなくなってしまった少年は、そのまま老いさらばえた。彼の「これと言う事が何一つ起こらない人生だった」という言葉が胸に突き刺さります。本当は“何も起こらなかった”のではなく“何も起こさなかった”のだから。そんな彼が選んだ人生の最終回は、妄想を現実に変えること。せめてもの帳尻合わせです。それは彼のささやかな自己肯定でした。エンドロール。ブラックバックとクレジットが織り成す模様がまるで人生の道程のように思えます。幾つもの分岐点を介し、真っ直ぐに進む一本の道。自身の人生をトマの人生に重ね合わせて、観客は安堵するのでしょうか、戦慄するのでしょうか。輪廻転生を思わせるエンディングと陽気な歌が、この映画の救い。そして希望です。
[DVD(字幕)] 9点(2013-02-24 20:24:05)(良:2票)
46.  トロール・ハンター 《ネタバレ》 
本作を観て、『クローバーフィールド』で私が抱いた違和感の正体が判明しました。それは“モキュメンタリーは、リアリティを増す手法である”との“勘違い”です。例え話をします。金色の仏像があったとしましょう。一人は金で出来ていると主張し、もう一人は真鍮製だと白状しました。どちらの話が信用できるでしょうか。答えは後者。だって私は仏像が真鍮である事を知っているのですから。ニセモノを本物だと主張する行為には“嘘”がありますが、ニセモノをニセモノと白状するのは“真”ということ。つまり『クローバーフィールド』は真剣に嘘をつき過ぎたのだと考えます。結果、かえって嘘が協調されたと。ところが本作はどうでしょう。着ぐるみ感タップリの熊に、即死と思しき攻撃を受けてもピンピンしているハンター。嘘がモロバレなのです。最初からバレている嘘は、もはや嘘ではありません。観客が騙されていないから、素直にエンターテイメントを受け入れられる不思議。というワケで、『クローバー』よりも高い評価をつけさせていただきます。モキュメンタリーにこそ、茶目っ気が必要なのだと思いました。そういう意味では、ダチョウの上島を主役に据えた嘘ドキュメンタリーシリーズは、正しいモキュメンタリーの在り方なのかもしれません。
[DVD(吹替)] 8点(2013-02-09 19:58:22)
47.  トライアングル(2009) 《ネタバレ》 
(他のレビュワー様もご指摘のように、予備知識なく鑑賞する事をお勧めします。ネタバレありますので未見の方はご注意ください。)主人公たちが乗り込んだ客船は、ギリシア神話の風神の名『アイオロス』を冠していました。劇中紹介されているこの神に纏わるエピソード、“死神を騙してこの世に居座った罰として、岩を山に押し上げる苦行を永遠に課された”が、主人公の身の上にも起きていると考えてよさそうです。彼女はシングルマザー。自閉症の息子と向き合う生活。其処に逃げ場はありません。だから逃げたかった。ほんの少しだけでも、楽しいクルージングで厳しい現実から目を逸らしたかった。それが自動車事故で命を失う寸前に、彼女が抱いていた願い。そこを死神(タクシー運転手)に付け込まれた。彼女は“死”という現実から、逃げ続ける誘いに乗ってしまいました。息子を取り戻す挑戦を、彼女は続けるのでしょう。永遠に。TRI・ANGLEはTRY・ANGLEでもありました。なんと哀れな事でしょう。それほど重い罰を受けなければならない程、彼女は罪人だったのでしょうか…。物語は、その構造上同じ場面が幾度も繰り返されますが、主人公の視点が複数存在するため、飽くことがなく緊張感を維持できたと思います。何も知らずにアイオロスに乗り込んできた私。奇妙な繰り返しを阻止しようと足掻く私。自分の役割を理解(思い出した)私。文字通りアングルが変われば、物事の受け取り方も変わります。それが物語の奥行。技ありの脚本でありました。
[DVD(吹替)] 7点(2013-01-04 18:52:45)(良:4票)
48.  ドクターズ・ハイ 《ネタバレ》 
ゲームに参加したのは誘われたから。殺めたのも末期の患者。言わば安楽死。僕は悪くない。殺人に加担したのは彼女の境遇に同情したから。女が僕の良心を利用したのだ。僕は悪くない。そうだ僕には約束された人生がある。秘密を知る同僚たちは邪魔だから死んでもらおう。悪人だから殺しても問題ないだろう。僕は悪くない。悪くない。悪くない…。原因を外に求める事で、彼は罪悪感から逃れています。主人公は自分が悪人だとは思っていません。でも違います。彼は本物の悪人。それも最低最悪の部類。恩師にも、恋人にも、眉一つ動かさず嘘がつける男。検死には知的好奇心が湧いても、本当に苦しんでいる病人には興味がない研修医。そんな主人公に復讐の機会を与えたことに驚きました。そんな馬鹿な。最期のゲームに正答を出し、復讐を成し遂げた事で、心は晴れた事でしょう。彼は何事もなかったように、表の人生を歩いていく。そして優秀な医師として皆から尊敬されるのでしょう。無能な善人より、有能な悪人が尊ばれる社会。この映画は絶望を描いていました。『SAW』や『ファイナルデスティネーション』シリーズとも通じる、殺人方法展覧会。アイデア面でも、グロテスク描写でも、これら人気ロングシリーズにひけを取らないのは凄いです。そういう意味では、極めて悪趣味な映画でもあります。
[DVD(字幕)] 6点(2012-12-19 18:56:21)
49.  DOCUMENTARY of AKB48 Show must go on 少女たちは傷つきながら、夢を見る
前作より遥かに見応えがありました。ただ、皆様のように熱く語る言葉を持ち合わせません。ですから一言だけ。河西智美さん、元気そうで何よりです。
[CS・衛星(邦画)] 6点(2012-11-18 20:29:48)
50.  ドライブ・アングリー3D 《ネタバレ》 
(ネタバレあります。未見の方はご注意ください)←本サイトで感想を投稿する際、いきなり核心に触れる内容を記述する場合は、念のためこのように注意喚起をしています(一応ネ)。本作の場合も“地獄を脱獄してきた男が、娘の復讐と孫救出のためにカルト教団と対決するバイオレンスカーアクション”と書きたかったため、冒頭の定型文を挿入した次第ですが、実はそこまで気を使う必要は無いのかもしれません。というのも、物語の肝である“地獄から脱獄”の部分を、クライマックスまで隠しておこうという意図が脚本からは感じ取れないからです。目玉を銃で撃たれたら、そりゃ死にます。死にますとも。言い訳なんか出来ません。“インパクトのある画”が欲しかったのでしょうが、中盤で設定の肝をネタ晴らしするような真似は如何なものかと。ラストで種明かしされても、『でしょうね』という感想しか出てきませんもの。アイデア自体はすごく面白いと思うので、雑なつくりが勿体無いと感じました。もっとも、このくらい大雑把な方がバカ映画には相応しいとも言えます。なんだかんだ言っても、憎めない映画ではあります。
[DVD(吹替)] 5点(2012-08-31 18:18:26)(良:1票)
51.  DRAGONBALL EVOLUTION 《ネタバレ》 
原作云々ではなく、一般のアクション娯楽作品として物足りないです。まずウリとなるはずのアクションのボリュームが全然足りていません。悟飯と悟空の綱渡り修行、パーティでの悟空の立ち回りくらいしか見所がありません。一番盛り上がらなくてはならないクライマックスの決戦のつまらなさといったら。それに大切な描写が抜けています。恐怖の大魔王ピッコロの凄さが描かれていない。最低限、街の一つも吹き飛ばさないといけないでしょう。悟空も恋愛にうつつを抜かす暇があるなら、修行に精を出せと言いたい。設定が頭に入っているからいいようなものの、原作を知らない人が観たら何が何だか分からないのではないかと。魔封波って?ドラゴンボールをピッコロが集める理由は?説明不足は否めません。アクションのアイデア自体は悪くなかったので残念です。
[DVD(字幕)] 3点(2012-05-07 22:08:52)
52.  DOCUMENTARY of AKB48 to be continued 10年後、少女たちは今の自分に何を思うのだろう?
アイドル映画とは、ファン向けのプレゼントであると考えます。喩えるなら、父兄に送る園児・小学生の学芸会。仮にそれが稚拙なものだったとしても、文句を言う親はいません。大切なのは子供が一生懸命やっているかどうか。あと、いい役をもらっているかどうか(苦笑)。我が子を映したホームビデオを見返して、つくづく思います。これは親以外にとっては、全く興味の無い代物だろうと。アイドル映画の本質とは、こういうことかと。ファン以外が楽しもうとする事に無理がある。ただし商業映画でもある訳ですから、一般観客からの批評を回避する術はありません。学芸会だとしても、最低限のクオリティは必要です。そこで本作。ドラマではなく、ドキュメンタリー。いやインタビュー集でしょうか。親にとっては、普段の様子が窺え子の本音が聞ける分、学芸会より興味深いかもしれません。でもだからといって、アイドル映画の主流がドキュメンタリーになったら寂しい気がします。製作はドラマよりコスト安。それでいてファンのニーズは高い。イイコトずくめです。しかし、効率を追い求めると文化は廃れてしまいます。オモシロ・トンデモなアイドル映画の火を消さないで欲しいのです。『青春グラフティ スニーカーぶるーす』『プルメリアの伝説 天国のキッス』『CHECKERS IN TAN TAN たぬき』。どうです?これら錚々たるアイドル映画が世に出なかったらと思うと…別に構いませんか。先代の国民的女性アイドルグループの映画はサッパリでしたが、その志は本作よりも高いと考えます。今やAKB48は押しも押されもせぬ国民的アイドルグループ。是非とも王道のアイドル映画にも挑戦して欲しいと思います。何なら『ピンチランナー』のリメイクでも。点数は映画の出来というより、大島優子の可愛いさに対して。
[DVD(邦画)] 5点(2012-01-11 20:46:08)(良:1票)
53.  鈍獣 《ネタバレ》 
凸やんは何者なのか?凸やんは何故死なないのか?作中の謎に明確な回答が得られぬまま、物語は幕を閉じます。本作の楽しみ方は、解釈を求めぬスタンスで正しいと思います。不思議な余韻を楽しむ映画。これから記載する内容は、私個人の勝手解釈。裏付けはありません。それを承知でお読みいただければ幸いです。 凸やんの正体について。浅野の胸に第3の乳首が在った事から、彼は凸やんで間違いありません。『鈍獣』の作者も鉄橋で本人が認めたとおり。しかし浅野は当初、小説家ではないと言い張りました。数々の思い出も忘れたといいます。嘘でしょうか?なら、何故嘘をつく必要があったのでしょう。彼は、本当に何も知らなかったのだと感じました。あの時の凸やんは、凸やんではなかった。別の人格。江田の指摘どおり、鉄橋で亡くなった凸川君(子供相撲の西の横綱)ではないかと。江田と岡本の証言によれば、凸やんと凸川君はよく似ていたといいます。浅野が凸やんの人格でも、凸川君の人格でも、江田らに区別はつかないでしょう。そしておそらく凸やん自身も、自覚をしていません。小説家としてのペンネームも凸川。凸川君を死なせてしまった後悔の念が、小説『鈍獣』を生み、凸やんの中に凸川君という別人格を作り出した。凸の反対は凹です。両方合わさって正方形。凸やんにとって凸川君という人格は、正気を保つための凹だったのではないか。鈍獣のキャラクター(角のある獣)も図案化すれば“凹”。凸やんが死ななかったのは、凸川君が既に死んでいるから。人は二度死ねません。あるいは“凸川君を死なせたくない”という思いが、浅野を不死身にしていたのかもしれません。「もうお終い?」そう問い続ける凸やん。「まだ終わってないよ、ウルフ」と江田。この会話に隠された本当の意味に、心が沁みました。 いろんな想像や解釈が出来る映画は自分にとって良い映画です。ただ、コメディ要素が豊富なワリには、笑うに笑えぬもどかしさを覚えました。凸やんと江田、岡本の友情を示すエピソードがイジメに思えてしまったのが、乗り切れぬ原因だったかと。役者陣はみなお見事でした。
[CS・衛星(邦画)] 7点(2012-01-01 00:01:16)(良:1票)
54.  ドゥームズデイ 《ネタバレ》 
無法地帯で女が拘束されました。目の前には上半身裸のモヒカン男。普通、このシチュエーションなら貞操の危機です。でも主人公からはそんな悲壮感が微塵も感じられない。それが観客にも伝わるから、彼女を心配しなくて済む。きっと襲われる前に相手を殺すだろうな、仮に犯されても傷つかないだろうな、そんなオーラを彼女は纏っています。彼女曰く“心を無くした”状態。無機質な操り人形です。多分人形に魂を吹き込んだのは中世の城主ケインでしょう。「生き残った者が強者なのだ」その言葉に従い、彼女は自分を試したのではないか。自分は何者なのか。生き残れる人間なのか。バスの横っ腹向かって、アクセルを踏み込めるのは、そういう事だと思う。結果、彼女は新たに生きるための指針を得ました。己が力で生きればいい。猿山のボスを倒した者が次のボスになるのが道理ということ。めでたし、めでたし。ご指摘の方もおられるように、確かに『ニューヨーク1997(又はエスケープ・フロム・LA)』と『マッドマックス2』を足して2で割った、パクリ映画です。主義主張もオリジナリティもありません。正直言って出来は良くない。でもね、自分は結構気に入ったんです。孤高の女エージェント、エデン・シンクレアが。あのツカミどころの無さにビンビンきます。目玉の親父機能もカッコイイしね。と言う訳で若干甘めの採点であることをご容赦ください。ちなみに、原題そのままの『ドゥームズデイ』では判りにくいので、邦題は『ゲゲゲの姉さん』を提案しておきます。
[DVD(字幕)] 6点(2010-10-10 23:25:32)(笑:1票)
55.  特攻野郎Aチーム THE MOVIE 《ネタバレ》 
子供心が感じられるド派手なアクションと凝った仕掛けがオリジナルシリーズの魅力。その精神は受け継がれていたと判断しました。ただし、子供は子供でも時代が違えば趣向も異なる。手作り感溢れるオリジナルのギミックと比べると、本作は随分とスケールがでかい。空飛ぶ戦車のシューティング。貨物コンテナを使ったブロック崩し。主に車の改造に精を出していた印象のあるオリジナルとは随分違います。家内制手工業から工場制機械工業へ。元ネタを知る世代にとっては、手作りの味が懐かしいのは当たり前です。でも中途半端に似せた「ニセモノ」を作るくらいなら、イチから「本物」を創る方がいい。新世紀のAチームを創造しようとした本作の方向性を自分は支持します。ただ、リメイク作品である以上変えてほしくない部分もある。それはキャラクター設定です。作戦立案と指揮を取るハンニバル、資材調達役のフェイス、メカニックのコング、そして何だかよく分からないクレイジーモンキー。仲良く喧嘩しながら、でも絶妙なチームワークを発揮するAチームが好きでした。その部分で本作は物足りないと感じます。BAバラカスとマードックはもっと犬猿の仲じゃないとつまらないし、フェイスはその名に恥じぬプレイボーイぶりを発揮してくれなくちゃ。みんな大人しかった。TVスポットCMで使われていた印象的なフレーズ『連中はバカをやらせたらピカイチよ』にふさわしい、ブッ飛んだ4人組を観たいです。
[映画館(字幕)] 6点(2010-09-07 18:18:07)
56.  トイ・ストーリー3 《ネタバレ》 
お子様向け優良CGアニメーションという看板を掲げているものの、その実、本当のターゲットは大人です。日本のアニメ映画でいえば『ドラえもん』ではなく原恵一監督作の『クレしん』。1作目からその傾向は窺えたものの、3作目にして政治的イデオロギーまで垣間見えるようになりました。支配された楽園と自治権のある小国、どちらが幸せですか。コレをアメリカ映画でやるのだから、もう何というか皮肉たっぷり。大枠となるエピソードも『大脱走』や『アルカトラズからの脱出』ばりの脱獄もの。完全に大人向けです。ただ、そうだとしても、本作の正しい楽しみ方はさにあらず。表層の子供向けアクションを素直に楽しむのが正解だと思う。それはもう極上です。メロンパンや北京ダッグを味わうように。こんなに美味い薄皮もない。3部作としてのケジメをつけつつ、未来へバトンを繋ぐラストの余韻も秀逸。全世代対応型のパーフェクトな娯楽作品です。そうそう、日本語吹替え声優陣もみな上手かった! お疲れ様でした。
[映画館(吹替)] 9点(2010-08-29 21:11:17)(良:2票)
57.  トランスポーター3 アンリミテッド 《ネタバレ》 
フランクのシリアスフェイスの裏のお茶目な素顔、郷ひろみも真っ青の“ジャケット”アクション、タルコニ警部とのナイスコンビネーション等、シリーズのお約束は全て踏まえていました。車から離れたら爆発するというブレスレットのアイデアは面白く(車を乗っ取られて自転車で追走する件など緊張感満点!)、クライマックスのハチャメチャぶりも上々でした。人気シリーズの続編として正しいつくり。だけど、いつものように楽しくない。不思議とワクワクしません。何故かと考えてみましたが、これはどうもヒロインに問題がありそうです。そばかすだらけのダルそうな表情は、失礼ながら魅力的とは言えず、性格のほうもイマイチ掴み所がない。「正体不明の陰気なロシア女」という当初のキャラ設定が強過ぎて、折角のコメディ要素が打ち消されている気がします。これなら「うので~す」とか「パリスだじょー」みたいな能天気お馬鹿娘の方が、ムカつくけど愛せたかなと。やってる事は派手なのに、地味な印象の3作目でした。次回作での軌道修正を希望します。
[CS・衛星(字幕)] 5点(2010-08-05 18:31:30)
58.  ドラゴンヘッド
(原作読了後、映画を再鑑賞したので当初の感想を書き直します。)原作の主要エピソードやディテールはそれなりに再現出来ているものの、“恐怖に駆られた人間はどうなってしまうのか?”“感情は人間にとって必要なのか?”等の原作の核心部には迫れていないと感じました。例えば冒頭の列車事故。ノブオは何故狂ったのでしょう。彼は再三再四「闇」という言葉を口にします。本作のテーマに通じるキーワード。漆黒の闇の世界が心の闇と同化していく恐怖を描くためには、どうしても物理的な「闇」が必要だったと思います。日常生活では得られない。どんなに目を凝らしても、全く見えない本物の闇。希望を見失った人間にとっては、どんなに恐ろしいものか。非常灯なんて問題外。薄暗闇で人は狂ったりしません。大切なのは役者の顔を映す事より、狂気を描く事だったと思います。キャラクター設定もヌルいです。主人公は泣き言ばかりのボンボン。アコも同じく今時の女の子。そんな2人の恋物語に興味はありません。原作の憧子は瀕死のテルを救うために命を賭けました。神経疾患(ナルコレプシー)を抱えながら懸命に戦った。もちろんテルも彼女を守るために必死でした。主役2人の芯の強さを描かないなんて在り得ない。もし妻夫木くん&SAYAKAのアイドル映画を作りたかったのなら、この原作は選択ミスです。同じヤンマガなら『稲中』の方がまだマシでした。妻夫木が「前野」で、山田が「井沢ひろみ」。SAYAKAは…「サンチェ」でいいや。それならみんな役者として一皮も二皮も剥けたでしょうに。本人は剥けたくないでしょうが。ただ『ドラゴンヘッド』(竜頭)の意味は映画の方が判り易かったので、その分当初の採点にプラスします。(2点→3点へ変更)
[CS・衛星(邦画)] 3点(2010-04-04 01:40:52)
59.  トウキョウソナタ 《ネタバレ》 
母親はオープンカーを「屋根がなくなっちゃった車」と称しました。それはこの家族の状態に似ている気がする。父親はリストラで職を失った。家計を支える収入が途絶えるのは、家屋で言えば屋根が無いのと同じ。雨ざらし、風さらし。大切な家財を守れない。でもそんな事実に家族はみな目を背けてしまう。屋根が無いのを認識するのは怖いから。でも容赦ない風雨に心と体は荒んでいく。限界を迎えた黒須家は悲惨な最期を遂げました。佐々木家も危うく同じ轍を踏むところ。でも彼らはその前に逃げた。散り散りになって。母が漆黒の海の彼方に見つけた光は何だったのでしょう。この先にある希望の象徴?でも目を離した隙に消えてしまう。何とあやふやなものを頼りに、私たちは今まで生きてきたのか。全てを諦めた彼女が口にしたのは「今までの人生が全て夢だったらそんなにいいだろう」。期せずして同じ頃、夫も同じく「やり直したい」と。長い歳月と、膨大な労力を払ってきた大人にとっては、これまでの生き方を否定するのは耐え難いこと。絶対に口にしたくない“本心”を吐露したとき、2人の心は一度死んだのだと思う。黒須よりも彼らは弱かったのかもしれない。でも弱さを認めたからこそ再生できた。バラバラになったから、また集うことが出来た。生き様を肯定したまま命を絶った黒須、人生を否定して生き延びた佐々木。その差は僅か。もし強盗が入らなかったら、大金を手にしなかったら、彼らは走り出していただろうか。この物語は少しも他人事とは思えませんでした。父に自身を重ね、体を硬くして観入りました。もちろん自分もかつての子供。息子たちの戸惑いも判ったし、母の想いも想像できました。痛くて、苦しくて、ずっと泣きそうでした。終始この調子だったら、最後まで観られなかったかもしれない。ですから、役所教官の運転教習に笑わせてもらったのが救い。重苦しい物語ほどユーモアが欠かせません。ソナタは、2つの主題を対比的に用い、主題の提示・展開・再現の3部で構成される器楽形式。コンダクター黒沢清の、家族再生のソナタが心に響きました。
[DVD(邦画)] 9点(2010-01-26 00:36:41)(良:4票)
60.  T.R.Y. 《ネタバレ》 
これは…厳しい。観終えて思わず絶句しました。何がマズかったのか考えてみましたが、なかなか考えが纏まりません。暗殺者赤眉VS主人公のアクション関係は全部要らなかったと思うし、たどたどしい日本語が多いのも作品の質を下げている気がする。肝心の詐欺プランも切れ味を欠きます。そして織田裕二。けっして彼を嫌いではないのですが、いつも同じ『織田裕二』なのが気になります。具体的に言うと“格好つけている”。主人公は詐欺で命を賭けるのは馬鹿だと言います。ヤバくなったら逃げると言う。でもそれが本心でないのは明らかです。だから彼がどんなに頑張っても驚きがない。軽くて情けない奴が、ポリシーに反して命を賭けるから感動するのだと思います。渡辺謙の演技は流石の迫力ですが、一人浮きまくっていたので結果的に好演とは言えないのかな?新作映画『アマルフィ』宣伝のため、しきりに織田主演の映画をTV放映していますが、どれもパッとしません。これで誘客効果があるのか心配です。
[CS・衛星(邦画)] 3点(2009-08-24 21:39:19)
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