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1.  トランスフォーマー
一言で言えば、「特殊戦隊トランスフォーマー 2時間24分の夏休み拡大スパシャル」。それ以下でも、それ以上でもない。ちょっと期待していただけに、ガッカリ度アップ。お話そのものは、「超時空要塞マクロス」にすら及ばない。ハリウッドのネタ枯れを、つくづく実感しました。
[DVD(字幕)] 4点(2007-12-20 00:42:54)
2.  トーチソング・トリロジー
珠玉の一作というけれど、これは、ほんとに珠玉の一作だった。ゲイを扱った映画は数々あれど、本作は、差別されるゲイの悲惨さを取り立てて感傷的に描くわけでもなく、ことさら感動的に盛り上げようという意図もなく、愛とは何か、家族とは何かということを、主人公を中心に淡々と描いていくだけである。にも関わらず、見終わった後は、ジーンとする。ただただ、ジーンとする。ファイアスティン=アーノルドとバンクラフト==母の対決シーンは、どこをとってのいいが、特に最後のやり取りは素晴らしい。「死者は失敗しないからね」というアーノルドの科白は、ありがちだけど、アラン=ブロデリックの残してくれた「忘れ形見」を守る為にも、現実の中で前向きに生きようとする姿勢を示している。でも、アランの亡くなり方は、気の毒だったなァ。それにしても、綺麗で可愛い若手の男優にとっては、こういう役は、やっぱり通過儀礼なんだろうか。マシューってば、とってもキュートだ。
10点(2004-07-11 23:24:49)
3.  トロイ(2004) 《ネタバレ》 
ピーター・オトゥールの目は青い。オトゥールの目は、青かったんですよね。でも、本作のオトゥールの目の青さは、歴史を呑み込んできたエーゲ海のように、深く澄んで、憂いや悲しみを帯びて、それは綺麗な青だったなぁ。作品自体は、あの原作を、どう仕上げているかが一番の興味だったけど、当時の戦術を再現した(?)戦闘シーンは、よかったな。アキレスの黒部隊が陣形取るとことか、掛け声と一緒に1歩づつ踏み出してくとことか、火の玉転がすとことか。兵士の何げに惨い殺され方が、凄い。お話としては、アキレスというよりは、「トロイ」というだけあって、ヘクトルとパリスの兄弟物って感じ。特にエリック・バナのヘクトルは、実にいい味を出してた。オーランド・ブルームも、かの海賊物での妙な気負いも消えて、情けなくも憎めないお兄ちゃんっ子を演じて、バナのヘクトルと見事に呼応してた。この時点で、ヘレンはもはや蚊帳の外。逆に、アキレスのブラピは、ちょっとガッカリ。確かに見事な肉体美なんだけど、別に筋肉マニアではないし、あそこまで鍛えられちゃうと、なんか正しく彫像=置き物って感じで、むしろ白々しい。まあ、当時の戦士は、こんな感じなのかもしれないけど。それに、ブラッドって、こんな固い演技してたっけ?なんだか妙に力んでいるようで、一人浮いた存在って気がしたなぁ。確かに、一人浮いたキャラではあるからかもしれないけど。なんだか変に違和感を感じた。ブライアン・コックスは、さすがのアクの強さだけど、最終的に、アガメムノーンの一人悪に収めちゃう辺りに、ハリウッド大作の限界を感じたというか、いかにもな竜頭蛇尾で、オデュッセウスのナレーションで終わられても、「だから、何なの?」という感想しか持てない。まるで1ヶ月そこそこで終わっているような戦争だけど、「イーリアス」と「オデュッセイア」では、10年掛かっている。
7点(2004-05-30 23:49:39)
4.  ドライビング Miss デイジー 《ネタバレ》 
M・フリーマンの出世作だし、ずっと見たかったけど、なんとなく手がでなくて、やっと見たって感じだけど、ある意味、正解。10年前、もしかしたら5年前でも、「何これ。淡々とし過ぎてるし、せっかく出した社会問題も流してるし、つまんない映画」で、片付けてたかも。でも、普通に暮らしてる人の視点って、こんなものですね。社会問題を無視してるわけじゃないけど、でも、先ず自分の生活と価値基準があって、それが安定して初めて、社会問題にも目が行く。本作は、淡々と流れながら、凄い科白が一杯ある。一杯あり過ぎて、短く纏めるのはとても無理なくらい。なのに、物語は無理なく淡々と流れていく。素晴らしい構成です。けど、途中で世代格差を現す息子の嫁が消えてしまうのよね。まあ、極端な嫁だったし、介護をするしないで揉めても、後味が悪くなるだけだろうけど・・。「恐ろしいのは善良な人々の恐怖と無関心です」というキング牧師のスピーチを聞いていた時のデイジーの表情が印象的でした。
8点(2004-02-15 01:25:20)
5.  ドラキュラ(1992)
F・F・コッポラの名声がどれほどのものかは知らないけど、何回見ても、どうしても、ドラキュラをコンセプトにしたコスチューム・プレイの「金妻」にしか見えない。何回見ても、「このカマトト、何とかしろよ」としか思えない。いっそ、もっとエロティックを強調すれば、こんな中途半端な映画にならずに済んだのでは? ホプキンスが、そういうキャラではあるけど、一人で気を吐いて浮き捲っていたのも、笑える。逆に言うと、ドラキュラに全く迫力がないのよね。レンフィールドの方が、なんぼか熱演してるし。キアヌは、「あの映画の僕は全然駄目だった」と言ってるけど、今更ながらに、あれでいいと思うなぁ。ああいう内気で消極的なハーカーでさえ、「あんな清純ぶった妄想女の首なんか早くちょん切れ!!」と思ってたくらいだから、これでハーカーが凛々しかったら、ミナが許せなくなる。キアヌ・ファンとしては、キアヌを起用した監督は、やたらとキアヌのアップを撮りたがるけど、本作は、キアヌのアップが意外に少ない稀有な映画だったな。
5点(2003-08-19 00:00:07)
6.  トラフィック(2000)
アクション映画ではない。基本はアメリカの社会問題のひとつである麻薬問題で、それに絡む人々の、それぞれの立場での悪戦苦闘であり、まったく違った事件が同時進行して物語を形成していくわけだが、どうしても相互に作用しているとは思えない。それぞれの物語としては面白いのだが、いかにも詰め込み過ぎで、2時間半で全てを消化するのは辛過ぎる。アメリカとメキシコの舞台転換の為だろうが、ブルー・トーンとセピア・トーンの多用も頻繁だと癇に障る。マイケル・ダグラスは、さすがベテランの味を堪能させてくれた。家庭の事は妻の責任と逃げていた男が次第に父の顔のなり、娘の行方を追うシーンでは鬼気迫っている。逆に、思わず「マラドーナさんですか?」と思ってしまったデル・トロは、殺し屋を捕まえろと言われて、「慣れない土地で追撃戦か」思えば、次のシーンには連行してるし、密告者と化して、「さあ、身の危険が」と思えば次にはもう逮捕してるし、「何だったんだ、いったい」という肩透かしの感が免れない。そもそも、メキシコのシーンがどうしても必要だったとも思えない。「家族を敵として戦うには残酷過ぎる」というダグラスの科白が集約なのだとすれば、無理に2時間半使うより、2時間枠で、麻薬と戦う家族の葛藤を描いた方が、まだ作品に厚みが出たような気がする。
6点(2002-11-17 23:11:42)
7.  12モンキーズ
ブルース・ウィルスにとっては端迷惑な作品。ブラッド・ピットにとっては新たなチャレンジの作品。でも、作品の主旨が掴めない。結局、動物愛護だったの? それとも、人類は破滅した方が地球の為だという話? 徹底出来なかった辺りが、賛否両論になるんだろうなぁ。いっそ、「人類は地球環境の癌だ」で徹底した方が、まだ主旨が見える。適当に御茶を濁す作品の中で、光っていたのはブラッド・ピットのパラノイアぶり。終盤になるまでマジで、今回のブラッドは、無邪気に人類を滅亡させる役か? と、信じていた。そのくらいには、マジでブチ切れたパラノイアぶりだった。すると主旨は、目に見える犯人よりも、潜在しする狂信者こそが危険、ということか? ウィルスのファンは「1度見ればいいや」だが、ピットのファンはDVDまで購入する作品、かな。
6点(2002-10-12 02:32:46)
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