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プロフィール
コメント数 3957
性別 男性
年齢 53歳

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1.  導火線 FLASH POINT
ベースはカンフー映画ですが、飛びつき式腕ひしぎ逆十字やら、三角締めやら、総合格闘技風味が加えられております。新日本プロレスのかつての迷走が、ここにも伝染していたか、と。ジャーマンスープレックスみたいな技も出てくるので、格闘技風プロレス式カンフー映画。 概ね、登場する若い男性はムキムキで、若い女性は美人で、どんな大怪我をしても顔だけはかすり傷で済む、というシステム。安心印ですね。そんなことでいいんだろうか。敵は、タコ殴りにされるとそれなりにヒドイ顔にはなります。 ドニー・イェンが「若い男性」の部類に入るかというと、当然入らないはずなのですが、一番ムキムキしてます。いや、さすが。 で、彼が演じる主人公、日頃は冷静に見えるけれど、「怒りの導火線にいったん火が付いたら大暴走、我を忘れて敵を叩きのめす」という役どころ、らしい。ここの描写がもう一つ弱くって、イマイチ狂気が感じられないんですね・・・というか、本格的なマーシャルアーツに見せようとすればするほど、冷静に見えてしまうんだから、しょうがないのです。中盤で一度は見せた狂気も、だんだん薄まってしまう。 あの、チキン爆弾のくだりも、何だか妙で、もう一つ盛り上がりに欠け、演出にも問題ありかも。いやそれ以上に、音楽がうるさいばかりでどうもセンスが感じられず。劇伴音楽ってのが映画でなぜ流れるかというと、実は、「盛り上げるため」というのはあくまで副次的なもので、「効果音が最小限で済む」というのが一番大きいのでは。 とか何とか言っても、いざアクションが始まれば、いやさすが。銃を手にしても銃撃戦一辺倒にはならず、銃を抱えて走って見せる、追跡劇。これはなかなかにスリリングでした。
[インターネット(字幕)] 5点(2024-11-17 18:46:17)
2.  ドリームキャッチャー
いろいろ盛り込みて過ぎて一見グチャグチャな作品なんですけれども、これ、一言で言えば「ウンコが襲ってくるオハナシ」ということで、いいんじゃないですかねー。 一応、何やら宇宙生物らしきもの、グレイ型なのにやたらデカい宇宙人風のヤツ、なども出てきますが、まあ、どれもこれもウンコみたいなもんです。便器から出てこようとするウンコ、これが一番コワい。 ウンコ騒動が、しまいには軍人の暴走にまで発展する。スティーヴン・キングの本質って、きっと、そんなもんなのでは。いや、キング小説はほとんど読んだことないから知らんけど。 デ・パルマ、キューブリック、クローネンバーグ、カーペンター。特に初期において、錚々たる監督が次々にキング作品を映画の題材に取り上げ、かつ、一度しか取り上げなかったのは(後には何本か撮ってしまう人も現れるけど)、一回やればもう充分、ということなのか。 そしてかのローレンス・カスダンがまた、こうやってキング作品を映画化するのだけど、使い古したネタのオンパレード、といった感じで、それをことさら隠すわけでもなく、ホレ、これを一本見たらもう充分でしょ、と。 キングがこの映画をホメた、という話をどこまで真に受けていいのかわからんけど、何となくありそうな気がする・・・。
[インターネット(字幕)] 7点(2024-09-01 19:10:40)
3.  ドッペルゲンガー 《ネタバレ》 
『ドッペルゲンガー』というタイトルで、実際にドッペルゲンガーが登場する映画。ここまではえらく真っ当。 自分のドッペルゲンガーと出会うと死んじゃうらしい。とは昔からよく聞くけど、本人だけが死ぬのか、分身もともに死ぬのかは、よくわからず。はたまた、自分の分身と出会って、もしもその分身と同性愛関係なんかになってしまったら、自己愛そのまんま自分の肉体に溺れてしまったら、もはや絶対に歯止めが利かないこれこそ真の無間地獄じゃないか、と思ったり。ただし無間地獄ではあってもドラマは生まれ無さそうな気も。 この作品では幸いというか、これはこれで困るというか、登場するドッペルゲンガーは途轍もなくイヤな奴で、その手の無間地獄には陥らない。いわば、自分のイヤな面をそのまんま体現しているような感じですね。ははは。確かにこの状況は、イヤだと思う。これもまた困った状態。霊的な、超自然的な、幻想的なテイストからはどんどん遠ざかり(冒頭の永作博美とその弟とのやり取りにおける、やたら風に揺れるカーテンにだけはそういうテイストがあったけれど)、むしろ現実的に、主人公が追い詰められていく。当初の予想から外れて物語は、よりコミカルに、よりブラックに。ホラー映画らしいタイトルが選ばれたこの映画は、ホラー路線から離れて未知の領域へと。 やがて確かに、自分のドッペルゲンガーとの出会いは、「死」に繋がるけれど、死んだのは分身の方らしい。らしいけれど、実際はどっちがどっちなのか、どうでもよくなってくる。よくわからなくなってくる。はっきりしているのは、もう元には戻れないということ。ただし、元に戻るべきなのかどうか、元に戻って欲しいと誰かが思っているのかどうかも、よくわからない。とすれば、戻る必要も無いのかもしれない。登場人物たちの誰もが我こそ事態を操ろうとして、誰も操ることができず、無制御のロボットのように迷走した先には結局、崖が待っているだけなのだけれど。 この映画、役所広司が主人公とその分身とを一人二役(一役?)で演じていて、両者が一つの画面内に登場するシーンは、巧みな合成で違和感を感じさせません。しかし全部のシーンがそのように撮られている訳ではなく、当然、一方を代役が演じているシーンも多々ある訳で、下世話にも「いや、そうじゃなくて、見たいのは特撮なんだよ」と思っちゃう。いやホント下世話ですみません。さらには画面分割も。いやそうじゃなくてさ、と思っちゃうのですが、ある意味、一人二役を口実に画面分割を映画にちゃっかり取り入れてる訳で、しかもこれはこれで上手く演出しているので、ちょっと、してやられた感が。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2024-05-19 08:54:23)
4.  透明人間現わる
現れないのが透明人間、と、かのピンク・レディーもおっしゃってる訳ですが(いや、阿久悠か)、その「現れないもの」をどうやって表現するか、が映画の見どころ、見せどころ。 そりゃまあ、今の映画がコレと同じことをやっても厳しいものがあって、透明人間が服を脱いでいく場面の、これでもかという合成映像感など、ちょっと目のやり場に困ってしまいます。しかしこれ、昭和24年の作品。映画のクラシカルな雰囲気の中では、こういう手作り感も悪くないもんです。それよりも、戦後早くもこんな特撮映画に取り組んでいることにも驚かされるし、単に「チャチだ」と笑っていられないような、手の込んだ特殊効果にも驚かされます。 透明猫をカメラが追いかける。何もない空間を追いかけてるだけなんですけどね。しかしいかにも、ソレっぽい。姿は見えなくとも、ピアノの鍵盤が押され、モノが倒される。何もいないかと思いきや、足跡だけが点々とついていき、それをカメラが追いかけていく、摩訶不思議な感覚とスピード感。畳みかける演出が、見えないものを見せる。いや、「見せる」以上の、臨場感。 透明人間がタバコを吸えば、周囲に煙が充満し---あれ、そしたら煙が気道の形に浮かび上がるんじゃなかったっけ?(by H.G.ウェルズ)---とにかく、「姿が見えないからこその存在感」みたいなものがあるんですね。 透明人間がモノを持ち上げ、振り回す。ヒモで吊り下げて撮影しているんだろう、とは思うものの、とてもそうは見えない俊敏な動き。いったいどうやって撮影したのか? そういう、見えないものをどうやって表現するか、に対する拘りが、結果的にこの作品を「見せる映画」にしていて、どこかサイレント映画の雰囲気を漂わせています。透明人間が登場していないシーンにすら、そういう雰囲気があって。 どういう訳か、あの隠し戸棚みたいなヤツが、妙に印象的でした。
[インターネット(邦画)] 8点(2024-03-24 07:03:52)
5.  虎影
映画なるものを見ている最中、面白いと思ったりつまらないと思ったり、あるいは驚いたり退屈したり。色々感じはするけれど、エンマ帳みたいなのをつけながら見ている訳で無し、後で感想文書こうとか点数つけようとか思いながら見ている訳でもなし。「良いシーンが多かったから、つまるところ、これは良い映画である」などと思う訳でもなく。結局は、見終わった時に感じる充実感ってのが、あったり無かったりして、基本的にはそれが映画の印象となる。で、この充実感はどこから来ているのだろう、と思い返せば、なるほど、心当たりにぶつかって、ああ、きっとこれなんだ、と。幸い、充実感を感じることが多いからこそ、まだまだ他の映画も見たくなる。 しかしそこで戸惑ってしまうのが、例えばこの『虎影』なる、フザケたおしたニンジャ映画。あきれ返るほどにフザケまくっているにもかかわらず、見終わった瞬間、ああ、90分余りの充実した時間を過ごせたわい!と感じてしまったのは、なぜなんだろうか。 これは困った。 一応、もう一つの尺度として、「人に勧められるか」という視点もあるんだろうけれど、この点では正直、厳しいものが・・・。 無理矢理この充実感の由来を思い起こせば、結局は陳腐な表現になるけれど、この自由さ、ってことになるんでしょうかねえ。 何だか板みたいなのに縛り付けられた人間が、斜面を滑り落ちる、その上に乗っかって繰り広げられる戦い。合成感丸出しで、いかにもチープ、あり得なさ加減が凄まじいのですが、「そんなに斜面が長い訳無いやろ」というくらい、ひたすら斜面を下り続ける、このずうずうしい時間感覚。いやいや、これこそ、映画の基本ではないでしょうか。 はたまた、石垣での人間パチンコ。アホ過ぎ。 だけど一方では、ケレン味たっぷりの長回しチャンバラもあったりして。 うん、おそらく、この「盛り沢山」感にダマされたのかも知れぬ。 という訳で、これ、オススメです。
[インターネット(邦画)] 7点(2023-11-03 07:09:07)
6.  砦のガンベルト 《ネタバレ》 
冒頭、何やら取り調べみたいなことをやっていて、そこから映画の舞台は過去へ。ラストでまた冒頭シーンに戻って物語の輪が閉じる。こういう構成はおおむね、テッパンだと思うんですが、この作品はそれがいささか、あからさまで、ちょっとあざとい、というより何だかドン臭い印象が漂います。この冒頭からの流れで、早くも心配に。 スゴ腕だが、どこか陰のあるガンマンが主人公、というのも王道感がありますが、この作品、どっちかというと、実は周りの人たちの方が、暗い過去がある。砦の嫌われ者(?)の大佐の悲惨な過去が語られ、翌日、大佐が突っ伏した机の上には銃と、倒れたグラス、そして血らしきものが。スワ、一大事か。しかし部下(我らがボーグナイン!)が声をかけるとおもむろに大佐は二日酔いらしき頭を起こし、部下が体を引くとそこには机の上のブランデーの瓶が、という趣向・・・こういう演出って、どういうセンス、どういうノリなんでしょうかね。わからん。昨夜の悲惨な話の口直しに、ちょっとユーモアを挟んでみた、ということなんでしょうが、、、 で、舞台となっている砦は、先住民に取り囲まれ、やがて戦いへ。こういう立て籠もりシチュエーションも、魅力的、なはずなんですけどねー。砦の中が舞台ということで、スタジオ撮影。いや、スタジオで撮るなというつもりは無いですが、やっぱり程度問題、というのもあって、何となく味気ない。砦の中の光景は、もう少し印象的なものであって欲しい。 という訳で、いろいろ物足りないように感じていたのですが、それでも、クライマックスの夜襲シーンになると、炎の照り返しの中で繰り広げられる死闘がやたら雰囲気を盛り上げ、ちょっと「え?」という描写もありますが、なかなか見応えのあるクライマックスとなっております。エピローグに相当するシーンで唐突にThe Endと出てくるのも、悪くない。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2023-10-14 06:03:48)
7.  友だちのうちはどこ? 《ネタバレ》 
冒頭の学校のシーンから、子供たちの活き活きとした自然な日常が描かれていて・・・と言いたいところですが、表情が活き活きとしているかというと必ずしもそうとは言えず、むしろ主人公の少年なんて映画を通じ、ほとんど不安そうな表情ばかり浮かべている。思えば私自身も、今だって充分に不安だらけだけど、幼少時は何から何まで不安だったなあ、と。生きる事の不安をもっとも直截的に感じていたのは、子どもの頃だったかもしれない。。。 この映画を見てると、いい加減なオトナの言うことをいちいち真に受けるからムダに不安になっちゃうんだよ、と言いたくなる訳で、こういう辺りのやりとり、見てる分には実にユーモラス。大人は大人でそれぞれ、いい味出しまくってるのですが、言われる子供の側としちゃたまったもんじゃない。ユーモアの陰に、生きる不安という深刻さが垣間見えます。 少年が間違って級友のノートを持って帰ってきてしまったことに気づく中庭の場面。母親は洗濯に忙しく、息子の言うことに関心を払わない。ジャブジャブという水の音、洗濯物を干す時のバサッという音、こういう効果音が母親の関心事(=家事)を強調していて、いかにも取りつく島がない感じ、さらには赤ん坊の泣き声もそこに加わって。 少年は友人にノートを返すべく家を抜け出し、プチ冒険。まずは斜面を登る、そこにはジグザグの道があって、これも見るからにユーモラス、でありながら、前途の困難さも予感させて不安も感じさせます。 友人の家を探す過程で、少年は何人もの人と出会うけれど、基本的に大人とはまともにコミュニケーションが取れていないんですね。たいてい、話が噛み合わない。ようやく噛み合ったかと思っても、大間違い。結局は不安と絶望しか残らない。 結局、自分で何とかするしかないんですが、ラストがいいですね。お天道様はちゃんと見てるんだよ、じゃないけれど、一輪の花がすべてを見守ってました、みたいな演出に、ホロリときます。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2023-07-15 07:02:36)(良:1票)
8.  遠い太鼓
まるで、アフリカの奥地を探検して原住民と戦う、みたいなノリの映画ですが、舞台はアフリカではなくってフロリダ。秘境感はやや薄いけど、ワニはいるわ、毒蛇はいるわで、一応、冒険チックに盛り上げます。西部劇ならぬ、南部劇、といったところでしょうか。 映画前半、30~40分くらいでほぼ任務は完了。あとは帰るだけ、なんですが、そこに先住民やらワニワニやらが襲い掛かってくる。これがまあ、正直、さほど盛り上がらないんですけどね。ワニワニに襲われる場面の叫び声が、後にさまざまな作品に流用されて、この作品を有名にしているらしい、のですが、むしろこの場面におけるヒロインのおマヌケな叫び声の方にこそ、私は軍配を上げたいなあ。 作品全般にわたって、劇伴の音楽(マックス・スタイナー)が過剰に鳴り響き、これもあまり感心しないのですが、終盤の先住民との戦いで、劇伴が止み、先住民の太鼓の音だけが響いてくるのは、これは効果的でした。 あとは、水中撮影の活用なんかが、目を引きますかねえ。
[CS・衛星(字幕)] 6点(2023-04-16 16:31:18)
9.  遠い空の向こうに
炭鉱の町を舞台に、スプートニク・ショックのさなか、ミニロケット作りに熱中する高校生4人組の物語。次第に改良されていくロケット、だけどすべてが順調という訳ではなく、石炭採掘は斜陽産業、さまざまな紆余曲折が描かれます。映画のテンポの緩急の付け方が、お見事。 ロケット打ち上げの成否をじっと見つめる4人の視線、その姿の描き方は、まさにスピルバーグ的。人知れずロケット打ち上げを繰り返す彼らも、やがて町の人たちから「見つめられる側」となる。我々もまた、彼らを見つめ、そして煙の尾を引いて上空へとひた走るロケットを見つめる。いやもう、これだけで充分に感動的。 ジェイク・ギレンホールの人懐っこい顔が、映画にとてもマッチしています。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2023-03-19 18:24:18)
10.  東京キッド 《ネタバレ》 
それにしてもワルい大人ばかり出て来ます。無人島に置き去りにされかかる美空ひばり。って、ここまでくると、ちょっとオモシロいですけれども。 しかしまあ、いいオハナシです。たぶん。 美空ひばりが身寄りの無い少年の役。のはずなのに女の子の言葉遣い、どうなってるんだよ、と思ってたら案の定、そうなっていたのでした。 あちこちに歌が挿入されるミュージカル仕立て、ドラマの中で突然、歌が始まると、妙な具合になってしまうところ、美空ひばりの場合はドラマの方が何となく妙で、歌が始まると安心してしまいます。いや、演技がヘタな訳じゃないんですけどね。 囚われの身の彼女を捜すため、ギターを爪弾くと、彼女の歌声が返ってきて、居場所が判る、というこのシチュエーション。『知りすぎていた男』はコレを参考にしたとしか思えん。 ラストシーンは向こうに向かって道を歩み去る後ろ姿。堺駿二にチャップリンの霊が乗り移ったようにしか見えないのでした。まだ死んでないってか。
[インターネット(邦画)] 7点(2022-06-28 22:56:11)
11.  東京喰種 トーキョーグール
異様に室内シーンが多くないですか? 屋外のシーンであっても大半は屋内シーンと大差ないような場面ばかりで。ある場面からある場面にかけては、当然、登場人物は何らかの移動手段でもって移動してるんだろうから、そういうシーンをもう少し積極的に取り込むだけでも、映画に動きが出るんじゃないのかなあ。 あまりに見映えがしない場面ばかり続くもんで少々イライラしてきたら、申し訳程度に夜の都会の空撮が挿入されて、ああ一応はそういう事もやるのね、と、ちょっと笑ってしまいました。 クライマックスも、街の片隅のどこだかでひっそりとバトルが繰り広げられるだけ。ここは無人の街なのか? まさか。 ホントにこんなスケール感の無い作りで、良かったんでしょうか。
[インターネット(邦画)] 4点(2022-06-12 16:00:00)
12.  トゥ・ヘル 《ネタバレ》 
ニコラスケイジ映画にハズレ無し。と弁護するのも、そろそろツラくなってきました・・・。 もはや、面白いくらいに、ちっともオモシロくない(笑)。でも、そんな映画を救えるのは、彼を置いて他にいない!のです。さて、無事、救えたかどうか? 「私はスターではありません」オーラ出しまくりの小汚いニコラス・ケイジが、暴漢(?)に襲われてるらしきオバチャンを助けるも、なぜかオバチャンに恨まれ、もっとよく分からないのが、なぜかそのオバチャンと意気投合してしまう。割れ鍋に綴じ蓋、と言えばそうなんですが、というかそれしか言いようがないんですが、とにかく彼は、オバチャンと娘のところに転がり込んでしまう。 オバチャンの身の上には、超常現象チックな設定がなされているのですが、映画に本当の異変が起こるのは後半。ちょっと、遅い。 要するに、社会の底辺で因縁がぐるぐる廻ってるようなオハナシで、今さら「トゥ・ヘル」も無いだろう、という救いの無さ、なんですが、映画自体にも、工夫も救いも無く、ちょっとダレちゃいます。 ニコラス・ケイジは、こう見えても粗大ゴミではなく、「燃えるゴミ」だった、というオチ。
[インターネット(字幕)] 4点(2022-06-11 09:32:55)
13.  トップガン マーヴェリック
いやはや、ここまでやられたら、もう、ぎゃふんです。参りました。終盤はほぼ、バカ映画のノリになっちゃうのですが、そういうサービス精神も含めて、感謝、感謝。 どうかと思う面もあるんですけどね。どうせ戦闘機内の映像は人物のクローズアップ主体になるのだから、ドラマ部分はもう少しクローズアップを減らしても良かったんじゃないの、とか。 出撃前のトム・クルーズがジェニファー・コネリーの元を訪れる場面は、彼女の姿を遠くから見た後、気付かれることなくそっと去って行っても良かったんじゃないの、とも思うのですが、さすがにこんなこと思うのはダサいですかね。モテる男はそっと去る必要なんてないのかも。 バイクはやっぱり、お気に入りのカワサキ。バイクをぶっ飛ばし、飛行機はさらにぶっ飛ばし、しかしそれだけではなく、トム・クルーズ自身がここでもやっぱり、映画の中で走ってみせる。なぜなら彼は、アクションスターだから。 予想以上にスゴい、というか、エゲツない作品でした。いい意味で。たぶん。
[映画館(字幕)] 8点(2022-06-07 23:31:05)
14.  透明人間(1992)
透明人間映画、ですが、「なぜ透明になったのか」「なぜ追われる身となったのか」「なぜ逃げ回るのか」といったことはあまり深入りせず、追われる、逃げる、という過程で、人間が透明になっちゃった場合に起こる不便の数々、繰り広げられる摩訶不思議な光景、といったものをひたすら描く。というのが何ともユニークな作品です。主演がチェビー・チェイスというのも、見れば納得、何とも言えないトボケた味わいがあり、コメディ映画としても上々の出来。 安いカーペンター、ではなく、特殊効果に拘って我々を驚かせるカーペンター、な作品の一本です。
[インターネット(字幕)] 7点(2022-05-15 22:22:56)
15.  ドッグ・イート・ドッグ 《ネタバレ》 
クズみたいな3人組が、クズみたいな誘拐を企むオハナシ。とにかくどうしようもない連中なんです。3人の中ではニコラス・ケイジが一番マシに思えるくらいだから、コレ、ホントにどうしようもない。 極悪で凄みを利かせた連中なんだったら、また別のピカレスクな魅力があるのだけど、ただのクズだからそうもいかない。微妙に可愛げがあったりするから、始末が悪い。でもって、事件は順調とは程遠い方向に向かっていってしまうのですが、この映画において特徴的なのは、ヒトが結構、アッサリ死んでしまうところ。犯罪映画なら普通、ここで、もうちょっと引っ張るんじゃないか、というシーンで、予想外に早く死人が発生する。これは冒頭からそうだし、主人公3人の運命も似たようなもの。 こういう部分で、「この作品、狂ってるな」と思わされる。そして、そう思わせた段階で、おおむね、作品としては成功してるんじゃないでしょうか。ポール・シュレーダー、まだまだ健在。まだまだ狂ってます。
[インターネット(字幕)] 7点(2022-03-12 17:31:10)
16.  トゥルーナイト
こういう歴史活劇みたいなのは、基本的に嫌いじゃない、と思ってたんだけど、なあ。 エピソード諸々が、コレといって印象的な描かれ方もされず、何となくストーリーが進んでいく感じ。どうも捉えどころがない。 主人公がSASUKEみたいな罰ゲームみたいな奴に挑戦する場面ぐらいは、もう少し粘って、ヒヤヒヤさせてくれてもよさそうなもの。開始1時間くらいでようやく王妃が誘拐されたりして、いよいよ物語が動き始めたな、と思いきや、活劇もホドホドに、事件が収束してしまう。 主人公と王妃との不義の恋、みたいなのがテーマなんだろうけど、これすらも踏み込みが浅く、悲恋という感じが全くしないのですが、要するにコレ、もともとリチャード・ギアには向いてない役、なんでしょう。もっと若々しくて一途さを感じさせる俳優は居なかったんでしょうか? それなりにもう若くもないギア様、どっちかというと、チョイ悪オヤジ、といった感じ。 そのギア様でも、クレジットは2番目になってしまって、1番はショーン・コネリーに譲ることに。ギャラもショーン・コネリーの方が高い、って事なんですかねえ。厚切りジェイソンみたいに天を仰いで「Wh~y!?」と叫ぶぐらいしか活躍(?)してなかった気がするけれど。 という訳で、イマイチ盛り上がりに欠いて、印象の乏しい作品なのですが、そういう軽いノリこそが活劇らしさ、とも言えるのでしょうか。 ラストシーンの小舟が流されていく海の光景、実写なのか、それとも特撮なのか? 雲の切れ目から遠くの海面に光が当たって、コレ、もしたまたま撮れたんだったら、もの凄くラッキー♪なのでは。
[インターネット(字幕)] 6点(2021-12-04 13:43:25)
17.  ドリラー・キラー
「ミニシアター系」と「グラインドハウス系」とには、本質的な違いなんてあるんだろうか? どこにその境界があるんだろう? と思ってたら、どうやらこの作品が、両者の境界だったみたいです。ハイ。 いかにもお金がありません、という安っぽさは拭うべくもないのですが、主人公のイライラ感が映画全体に蔓延していく様、壁の絵にニラまれるようなヤな感じ、とにかく執拗さようなものがひたすら作品を貫いていて。 殺戮に用いられる凶器が、ドリルとは行ってもいかにもお手軽なハンディタイプ。チェーンソーを振り回してた誰かさんと比べるといささか迫力不足で、ドリラーキラーと言うよりもDIYキラーと言ったところですが、またそれが不気味さにもなって、凶器が狂気へと変貌する。 ラストの意表をつく演出なども、不気味さ全開です。
[インターネット(字幕)] 7点(2021-11-28 23:03:19)
18.  トランスフォーマー/最後の騎士王
いやはや、これがもう誠に壮大極まるオハナシでして、我々庶民が関心を持ちうる範囲を大幅に逸脱しているもんで、誰もついていけないんです。ははは。 ってか、もうここまで来たら地球は滅びるしかないだろ、という事態に対し、その核心で行われているのが単なる杖1本の争奪戦に過ぎない、という、この途轍もないギャップ。最近、新日本プロレスでYOSHI-HASHI選手とKENTA選手が「棒」を取り合っていましたけど、ネタ的には、まだソチラの方が余程、取っ付き易いです(笑)。 マーク・ウォールバーグの続投はとりあえず歓迎だけど、「娘と離ればなれで、会話をする事も出来ない」という設定に対し、彼の前に、ちょっと小生意気な少女だのムチムチ系の女性学者だのを登場させて、先の設定と何らかの関連を持つのか思いきや、ほぼエピソードがバラバラのまま終わってしまう、という工夫の無さ。 マイケル・ベイは余程、この作品に関心が無かったんだろうか。 だけど、今回も人間のアクションが取り入れられてるのは、魅力的です。屋根をすべり落ちたり、その他何やかんやとよく人間が滑り落ちる。このノリは・・・・・・バッドボーイズの2作目の終盤近くのカーアクションでもポリスストーリーをパクったりしてたけど、もしかしてマイケル・ベイはジャッキー映画に憧れを持ってるんだろうか?
[インターネット(字幕)] 5点(2021-10-16 19:07:32)
19.  Tommy/トミー
ロックオペラというヤツらしいけど、ロックには全く疎いのでよくわからん。正直、印象に残る楽曲はありませんでした、ゴメンナサイ。 しかし、歌詞だけだとよくわからん部分を映像が補っている、という面は確かにあるのだけど、そうは言っても、歌詞以上にわからんのが、どうしてこの歌詞にこんな映像を付けようなどと思うのか。という、発想のぶっ飛び具合。いやちゃんとストーリーには沿ってるから文句は言えんのですが、それにしたって、どうしてこんなコトになってしまうのか。 一本の映画の中にどれだけ脈絡の無い映像を詰め込めるか。という点で、まさにこれぞケン・ラッセル、と言うべきですかね。
[インターネット(字幕)] 6点(2021-09-12 22:55:32)
20.  ドラキュラ'72
時は1872年。映画冒頭いきなりドラキュラとヴァン・ヘルシングとが死闘を繰り広げており、一体どれだけ仲が悪いんだよ、と。 クリストファー・リー(ボケ)とピーター・カッシング(ツッコミ)がやり合う中、ひとまず決着がついて、ここでようやくタイトル。画面が上がっていき、タイトルの背景に空が映し出されると、そこには飛行機が。と言う訳で、100年後の1972年が、本編の舞台。バカそうな若者がワンサカ出てきて、良くも悪くも70年代。こんな時代にドラキュラ爺さんが復活してきたって、さぞかし居心地悪かろう、と思うのですが、弟子筋らしきヤツ(その名もアルカード! ビートルズに対する「ずうとるび」みたいなもんだな、きっと!)に否応なく復活させられてしまい、本人も、ヘルシングの子孫を抹殺できさえすれば、時代の違いなどにはあまり関心が無さそうなので、かくして、変わり映えのしない、ドラキュラ対ヘルシングの一騎打ちへ。 まったりとした展開ながらも、両者が死闘を繰り広げるクライマックスはそれなりに見応えがあり、特にここでC.リーがボケ、P.カッシングがツッコミ、という点を念頭に置いてこの死闘を見ると、数倍楽しめること請け合い。 ・・・というのはマチガった楽しみ方ですが、いずれにせよこういう、近代社会の中にひっそりと古風な怪談が息づいている、ってのは、何だかイイもんです。
[インターネット(字幕)] 7点(2021-08-12 15:03:44)
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