1. 逃走迷路
後年のヒッチタッチの原点などは面白く見たが、悪役たちが一杯チャンスがあるというか、ピストルでズドンと主人公たちを撃てばお終いなのに、ずっと生かして置いて、結局最後はやられてしまうのは如何にも間抜けである。また、その一連の場面自体も間延びしたテンポで、せっかくの雰囲気を台無しにしてしまっている。 6点(2005-01-28 19:20:19) |
2. 隣のヒットマン
"いとこのビニー"の監督さんだというので期待して観たら、やっぱり面白かった。マシュー・ペリーは初めて見たが、トム・ハンクスとジャック・レモンを足して2で割ったような顔で、純情な?歯医者を好演しているし、女優も三人三様の魅力が良かった。マフィアの殺し屋の話であるから、人はドンドン死んで行くのであるが、そこはコメディ、みんな笑って死んで行くようで、ラストは生き残った人たちのハッピーエンド、実に後味の良い楽しい映画だった。 8点(2004-04-03 09:02:21) |
3. どら平太
黒澤明ら「四騎の会」の第1回作品として共同執筆された山本周五郎原作の痛快新時代劇というが、使い古された新鮮味のない人物像、事件設定は、何もかもが類型的で漫画チックで、深みも重みもない。過去の黒澤-三船の「椿三十郎」、喜八-仲代の「斬る」のような、見終わった後の痛快・爽快感が全くないのである。浅野ゆう子がミスキャスト云々以前の問題であり、役所広司の孤軍奮闘が虚しく見えかねないのが限りなく惜しい。 5点(2004-02-25 10:53:49) |
4. ドライビング Miss デイジー
生真面目さもユーモアも良い、あの「ショーシャンクの空に」のモーガン・フリーマンがここにもいたという感じ。ラストを見て、俺もああいう人が一人持てたらいいなと思った。 8点(2004-02-19 08:49:39) |
5. 東京物語
親と子、そして死という人間永遠のテーマが淡々と描かれ、実の子よりやさしい戦争未亡人、原節子の再出発を願う義父と義妹の表情を写して映画は終わる。何か、原節子がますます好きになって来た。小津作品には必ずと言っていい程、最初と最後に列車のシーンが出て来るが、この作品でもそれがいい味を出している。また、終盤、去年2回行ったしまなみ海道の起点、尾道の風景が随所に出て来て、とても懐かしかった。 10点(2004-02-01 14:47:31) |
6. 東京暮色
《ネタバレ》 一からやり直したいとウワ言を言いながら死んで行く若い娘、全てを忘れるために東京から北海道へ男と旅立つ母、そんな母を見送らない代わりに子供のために家庭に戻るもう一人の娘、そして、あとに一人残る父。家族がバラバラになる暗い映画という、観る前の評判とは裏腹に、離れても人間としての絆を失わず、それぞれに再出発をする人々を見守る小津さんの視線が温かい。余談であるが、こんなに若い山田五十鈴を見たのは初めてである。 8点(2004-01-28 16:15:29)(良:1票) |