1. エミリー・ローズ
《ネタバレ》 TVCMを見て、ただのオカルト・ホラーのつもりでレンタルしたが、こんなに素晴らしい映画とは思わなかった。実話に基づいた見事な法廷ドラマである。悪魔を信じるか信じないかの議論ではなく、悪魔で苦しんでいる人(エミリー)とそれを救いたい人(神父)の間で起きた出来事を法廷でどう裁くか?なにが正義なのか?陪審員の判断は賢明であったと思う。無罪にすると超常現象=悪魔の存在を認めることになってしまう、あくまで科学的根拠というよりは良識・常識に基づけば有罪なのであろう。ただし、神父は良心の固まりであり、これまで苦しみ続けたことを検察以外の誰もが認めていた。「刑期は今日まで」。女性裁判官が同意し実質無罪になった瞬間は感動してしまった。日本でこの結論は考えられないであろう、さすがアメリカである。個人的には、ホラー的な描写を一切取っ払っても、良い映画になったのではないかと思う。 [DVD(字幕)] 8点(2006-08-29 00:04:55)(良:1票) |
2. エンパイア・オブ・ザ・ウルフ
《ネタバレ》 トルコの歴史背景、仏との関係の知識がないため、リアリティを持って見れなかったのが残念であったが、ジャン・レノは(いい意味で)「(クセのある)いいオヤジ」になったと感じた。個人的には、悪役のままエンディングしてほしかった。結局、「最後は万歳、ヒーロー物」で終わってしまい、イントロからのドロドロした感じが色あせて軽いイメージになってしまったと思う。 [DVD(字幕)] 5点(2006-08-07 03:20:19) |
3. エコーズ
《ネタバレ》 とりつかれた男(=『未知との遭遇』)と霊を感じる坊や(=『シックスセンス』)を描いたこの映画は、確かに新鮮味はないが、ベーコンを初めとした役者陣の演技がしっかりしており、突然の音や映像で脅かされることもなく安定して見れる上質・上品なホラーに仕上がっていた。しかし、ケビン演じる父親が能力に目覚める過程は一工夫ほしかった気がする。いい加減そうなお姉さんの催眠術がきっかけってのはちょっと無理がある。あとは、最後の死体の見つけ方。やったらとDIG=掘っていたのはなかなか徹底してておもしろかったが、なぜ地下室か?壁の裏か?という点にもう少し謎解き的要素があれば良かった。ラストに解放された少女の霊が、笑顔でコートを着て街中を去っていくシーンが象徴するように、ゆっくりと考えながら見れるホラーでした。 [DVD(字幕)] 5点(2006-04-26 01:22:51) |
4. エクスペリメント<TVM>
《ネタバレ》 青春映画ですね。監獄の中ではあるが、心の葛藤の中でプログラム=訓練を完遂していく過程が描かれてる点は、「愛と青春の旅立ち」っぽい作り。主人公が最後に教官に「ありがとう」と言っちゃうあたり、アマアマの友情&家族愛の映画と言えるでしょう。ま、可もなく不可もなく・・・ [DVD(字幕)] 5点(2006-04-20 01:30:03) |
5. エム・バタフライ
《ネタバレ》 クローネンバーグ作品は好んで見ているが、描写はちょっとらしくない感じがした、実話がベースならしょうがないが・・・。生理的に合わないカテゴリーであるため、ジョン・ローンを男と知って見るとどうも気持ち悪さは抜けない。ただし、後半、特に裁判所シーンあたりからはおもしろい、ジョン・ローンは護送車の中で主人公に何を求めたのであろう?愛情?同情?からかった?本当に好きになっていた?ゲイか?主人公は本当に男だとわかってなかったのか?男でも女でも、どうでもいいと思っていたのではないか?そうじゃないと、子供ができたことを納得できないのでは?思い込もうとしていたのでは?出会いでは、女装した中国スパイと騙された仏大使館員であったが、その関係は大きく変わっていたのであろう・・・。クローネンバーグらしいグロテスク感はないが、映画全般を包む雰囲気や破滅的でタブーな根本的テーマは、この監督ならでは、と言えるのかもしれない。 [ビデオ(字幕)] 5点(2006-04-14 00:21:36) |
6. エクソシスト ビギニング
《ネタバレ》 大作ホラーは苦手だし怖い。B級ホラーは軽い気持ちで見れるが、大作はテーマがでかいだけにどうしても身構えてしまう。全体的プロットや主人公を含めた配役の精神・思考・行動は、合理性・論理性に欠けるところあり(あんなに不可思議なことが起きてるのに落ち着きすぎ)、現実的にはあわてるはずなのに、ゆっくり進められても困る感はある。そして、悪魔に取りつかれた人間も、もうあんな顔になることはないと思う、オリジナルからの流れでしょうがないのであろうが・・・(首は回らなかったが、壁をクモのように動くシーンは、仰向けになってカサカサ動くオリジナルを思い出させた)。また、ダーシー君扮する若い神父は簡単に殺されたのに、聖職から身を引いていたメリンはなかなか殺されず(殺そうともせず)、ただ念ずるだけで悪魔が祓われてしまったのは、結局なんで?なんだったの?という気もする。結局は、悪魔サイドも、善と悪はこれからも永遠に争い(したがって、永遠のライバルであるメリン神父を殺してはいけない、また戦うために)、悪は善(ヒーロー=メリン神父)に負けるものというルールを認識している、それを周期的に歴史的に繰り返すことを水戸黄門的パターンとしていると思えてしまう。このシリーズで悪が勝つことはありえないのは皆が了解しているのであろうが。 と、いろいろ文句はいったが、スプラッター的要素は少なく、突然の映像や音でビックリ脅かすシーンも少なく、映像は雰囲気もあり、個人的には充分に怖かったから6点。 [DVD(字幕)] 6点(2005-05-15 13:20:55) |