1. ナイトクローラー
《ネタバレ》 ダッジ・チャレンジャーに乗り込み、夜のLAを跋扈する不気味なダークヒーローの物語。これは紛れもない傑作だ。 ナイトクローラーという知られざる職業にフォーカスすることで、退屈さとは無縁のエンターテイメント作品として仕上がっているのが面白い。役者の演技が光るサスペンスフルな展開から、素晴らしい出来のカーチェイスを経て、再三言い続けていたメッセージを突きつける。脚本もよく練られており、全ての要素が高いレベルでまとまっている。 ジェイクが演じるルーは疑う余地のない強烈キャラだが、負けず劣らず、ストーリーやメッセージ性もかなりキツイ。成功、成果、数字のためにどこまでやれるか。要はどこまで倫理から外れられるか。 僕はやはり倫理観という範囲の中で行動しているので、ずれ気味なルーが異様な行動力で成りあがっていく様はどこか痛快に映る。ネットで覚えた受け売りで相手を煙に巻き、ライバルは排除、衝撃映像を捏造するなど八面六臂の大活躍。「勝つためにはチケットを買え」ともっともらしいことを口にしておきながら、そもそも彼の成功のチケット(カメラ)は犯罪で得たものだ。コイツは最初からズレているのだ。 そういった中で描かれる雇用主と労働者の関係もかなりエグく描写されており、この辺は経営者や就活生にはかなり刺さるハズだ。薄給で酷使され、悲惨な最期を迎えたリックも決して他人事ではない。大企業のインターンという名目で無給で働かされ、正規雇用でないゆえ簡単に切られる若者は実際多い。 面白いのはこういった点が非難などもなく、中立の視点で描かれていることだ。これはOPとEDの映像を観れば合点がいく。この映画の主役の一人は街であり、ここで起きる事件も、ナイトクローラーもインターンも、全てが粛々と流れるLAの日常なのだ。 ふとテレビを点けると、ショッキングな「バナー」が踊っていた。生放送中に銃撃事件が起きたというのだ。 その内容はまさに善良な市民を襲うマイノリティの凶弾、大都市に潜む身近な狂気。 この事件にもやはりナイトクローラーやテレビ屋の奔走(または暗躍か)があったのだろうか。 無論、この映画はフィクションであるが、そう思わせるようなリアリティを十分すぎるほど持ち合わせている。膨大な時間をかけた取材と、LAの街を主役とした撮影の賜物である。 [映画館(字幕)] 9点(2015-09-29 13:59:44)(良:3票) |
2. ナイトメアー・ビフォア・クリスマス
《ネタバレ》 DVDで一度鑑賞した作品。映画館で観る機会があり再鑑賞。素敵なおとぎ話だね。素直に楽しいなって思える。歌もいいけど何より、にぎやかな楽しさ、悲しさやせつなさをダイナミックに表現しているキャラクターが凄い。もちろんそれを可能にした映像のクオリティもね。余談ですが、映画館での鑑賞の機会もあり、ディズニーショップでハロウィン用の、ガラスに貼るジャックやサリーのシールを購入して、単車のヘルメットにきれいに貼りました。僕のバイクにはシート下トランクなど、収納スペースがないのでハンドルにメットを引っ掛けておくのが常で、乗り始めてからずーっとそのスタイルだったんですが、シール貼って一週間たたないうちに盗まれました。とても気に入っていたので残念でしたが、むしろこのキャラクター達のいまだ根強い人気の高さを痛感し、関心しました。心当たりのある方、僕もサリーが大好きなんで、頼むから返してください。 [映画館(吹替)] 8点(2008-10-25 23:42:35) |
3. ナルニア国物語/第2章:カスピアン王子の角笛
《ネタバレ》 正直前作は子供向けな感じがして楽しめなかったので本作は「どんなバカ映画になってんだろな」とか思いながら鑑賞した。そしたら「これナルニア??」って感じで楽しかった。子供4人にも魅力が出てきたと思う。今回は敵として人間が大量に出てくるので合戦シーンにCGだけでは描けない迫力が加わった。前半の見せ場のテルマール奇襲でナルニアの民が犠牲になるなど戦いの残酷な面を見せたのも良かったと思う。ナルニア国王とテルマール国王の一騎討ちも面白い。ただ残念な点もいくつかある。アスランの行動や考えには疑問がのこる。ディズニー(アスラン)的には信じることの大切さを教えたかったのだろうが、アスランが来た瞬間ナルニア勝利なので余計にアスランが分からん。メインキャラが死なないというのはやはり緊張感にかける。原作がそうだからしょうがないのかもしれないが、ちっちゃい人とネズミが両方とも瀕死状態から薬のんで全快はやり過ぎた気もする。 [映画館(字幕)] 7点(2008-06-06 14:59:38) |
4. ナンバー23
《ネタバレ》 ジム・キャリーのシリアス演技はスパロウ役ではややオーバーな気がする。が、故にフィクションである小説内の主人公フィンガリングを演じる場合には見事にハマリ絶妙の演技だった。いったい何で小説の主人公が僕にそっくりなの?というミステリーの答えがその小説をかいたのが自分自身だからというお決まりのパターンだったのでオチは弱い。そしてラストもこの雰囲気には沿わないと感じる。スパロウが23に執着し家族との絆も壊れ精神を病んでいくといった展開の方がダークで楽しめると思う。全体的にみて物足りない印象だが独創的な発想を視覚化したヴィジュアルは雰囲気があってよい。 [映画館(字幕)] 5点(2008-02-03 00:26:07) |
5. ナショナル・トレジャー/リンカーン暗殺者の日記
《ネタバレ》 前作はテンポが良かったが今作は良すぎて色々な国を回っているのにスケールの大きさを感じなかったし、コメディ要素が強くなりすぎているとも感じた。それとミッチがどんなヤツなのか掴めなかった。ミッチが犠牲になり、ベンたちを助けるシーンでは、そこだけ見れば犠牲となり叫びながら扉を開けるエド・ハリスの演技、そして表情が真に迫っていたいい場面なのだが今までのミッチを考えると何故今頃名誉に目覚めたんだと思い違和感があった。黄金都市を見つけた時、ミッチがベンに謝るがそれではミッチを説明するには不十分だし遅すぎる気がする。この点は残念だった。しかし相変わらず警察や悪者に追われながらのスリリングな謎解き冒険は楽しかった。キャストもエド・ハリス、ヘレン・ミレン、ブルース・グリーンウッド参戦とすごい事になっているが何よりもあの愛すべきキャラクターたち(ベン、ライリー、アビー、パトリックなど)にまた会えたのが個人的に嬉しかった。余談だが前作ではダイアン・クルーガーとニコラス・ケイジは歳があわないんじゃないか(見た目もだけど)と思っていたが、今作でのアビーのボーイフレンドのコナーをみると、なるほどアビーの趣味ってそっちなんだ、と納得した。 [映画館(字幕)] 6点(2008-01-19 21:09:07)(良:1票) |
6. ナショナル・トレジャー
《ネタバレ》 子供の頃、祖父から聞いた話を信じ、ひたむきに夢を追い続けてきたベンをニコラス・ケイジが好演している。ベンの歴史への尊敬、夢への情熱が感じられた。作品の方はテンポが非常によくそれでいて謎や知的なパズルを解いていくのが気持ちよい冒険映画。イアン一味とベンたちの駆け引きもスリリングで面白い。ベンの情熱、壮大な歴史を表現したスコアも世界観とマッチしていて良い。個人的には宝が既に誰かに持ち去られたと思いパトリックがベンを励ますシーンが気に入っている。自分の父を心から信じ、夢に敗れてしまった自分の跡を継ぎ、ついには宝の存在を証明した息子を誇りに思ったのだろう。夢を持ちそれを追い続ける事が大事なんだという事を言っている気がした。そしてこの流れを受けての宝との対面は、ベンのそしてゲイツ家の夢がついにかない、走っていく火に少しづつ照らされ宝が姿を現していくのが感動的だった。 [映画館(字幕)] 8点(2008-01-19 20:39:21)(良:1票) |