1. 幕末太陽傳
《ネタバレ》 サゲは観る者を虚構から現実へ引き戻す。そして、活き活きと動いていた登場人物たちは一人の噺家へと戻る。彼らは彼となり、高座から消える。語ることを終えた噺家はその場を去るしかない、何かを付け加えることは蛇足だ。この映画のラストで佐平次は「お見立て」のサゲを言い放ったあと、逃走する。監督の考えていた、逃走した佐平次が「現代」の品川へと流れ込んでいくという案は、マクラとしての冒頭のナレーションとセットとして考えれば、現実→虚構→現実という落語の流れをうまく踏襲している。「現代」のシーンをいくつか加えるというのは蛇足だと思えるが、お話が終わった後に「現代」に戻るという案は悪くないと思う。まぁ『幕末太陽傳』はあくまで映画であって、落語ではないので落語のものさしで測れるものではありませんけどね。生きるために逃走した佐平次の背中と、同じく生きるために高座に上がり、そして下りていく噺家の背中が重なる、清々しくて気持ちがよい。 [DVD(邦画)] 8点(2006-08-12 23:40:25) |
2. バリー・リンドン
とても哀しい映画である。物語と観る者の距離があまりにも遠いがために哀しい。 9点(2004-11-11 23:51:41) |
3. パルプ・フィクション
『レザボア・ドッグス』に続いて二回目のタランティーノ体験。『レザボア~』と同じく飲食店での会話から始まるオープニングは無駄がなく、キレがあり、期待が膨らむ。しかし、中盤は面白いシーンはあるものの中弛みの印象。マーセルスがあんなことされてるのとかはおもろいね。そして、後半また持ち直す。キャストはトラボルタがとても良い、なめてました。タランティーノは「ファック!」言うてるだけのおっさんやがな。会話と時間の使い方に色のある映画だが、その色は良くも悪くも観る者に刺激を与えるものですね。 7点(2004-09-05 01:34:43) |
4. バグダッド・カフェ
偉大なる画家・コックス氏よ、あんたは超一流のエンターテイナーだ。あんたのやったことは、他のどのマジックよりも鮮やかで衝撃的だった。度肝抜かれたました。まっ、ええもん見してもらいましたわ((笑))げふっ。 8点(2004-08-12 22:30:28) |
5. パリ、テキサス
《ネタバレ》 ロードムービー、寡黙な主人公、親子愛、荒野、音楽、その全てがツボにはまった。マジックミラーを用いた間接的且つ一方通行的な再会という手法には思わず唸らされてしまう。うっ、うまい!うまいぞよー、てな感じ。あとはとにかくキンスキーが綺麗!綺麗ぞよー、てな感じでもある。良い映画ぞよー。 10点(2004-07-02 21:01:22) |
6. 灰の記憶
こういうことがあった、こういうことが起こり得る、そのような事実証明として、実話を基にした映画というものは撮られる意味があると思う。この映画に救いはなく、見ていてつらい。ただ、このようなことがあったということを知っておくことに意味はあると思う。 5点(2004-06-20 09:07:58) |
7. バニラ・スカイ
『オープン・ユア・アイズ』よりこちらを先に。グルーン、グルーン振り回されて、思考停止に陥りそうになりましたが、そんな危機から救ってくれたのはキュートなペネロペ・クルスでした。いや男って単純です。彼女はこの映画以外ではイマイチですが。しかし、この映画、見ていると良い意味での精神不安定(そんな状態があるのか知らんが)に襲われる。 ジクソーパズルをテキトーにはめ込みまくったら、不可思議かつ滑稽な絵が出来た、てな感じです。 8点(2004-06-13 03:04:49) |
8. はつ恋(2000)
話の筋自体はそれほど異質なものではなく平凡なストーリーだと思う。けれども退屈はしない。キャストがはまってるからだろう。この話、このキャスト以外に考えられない… 7点(2004-06-05 00:51:44) |