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六本木ソルジャーさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

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コメント数 823
性別 男性

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21.  パンチドランク・ラブ 《ネタバレ》 
何を伝えたいのか趣旨がよく分からないところもあるが、「狂っているのはオマエだけじゃない。世の中どこか狂っている。キレたくなる衝動は分かるけれども、どうせキレるのならば、いい方向にキレてみよう」というメッセージとして本作を受け取った。 恋愛にキレて、恋愛に狂ってみたら、ドンヨリと曇った世界も、虹色のような世界(ハワイ)になるということか。 彼が愛用している青いスーツも、ブルーの気持ちを代弁しているのかもしれない。  事故を起こす車、壊れかけのピアノ、マイレージのルールの歪み、応援しているのか苛立たせているのか分からない家族、H系の電話なども、世の中が狂っていることを言い表しているようにも感じるが、個人的にはそのどれも上手くはハマれず、共感するには至らなかった。 頭で理解しようとするのではなく、まさに感じる映画なのだろう。 個人的な率直な感想としては、共感しにくいので、あまり好きなタイプの映画ではなかった。 また、ストーリーを楽しむよりも、映像の面白さを楽しむのも手だろうか。 好き嫌いが大きく別れそうな映画だ。
[DVD(字幕)] 5点(2004-06-25 15:29:52)
22.  バーン・アフター・リーディング 《ネタバレ》 
他のコーエン作品のレビューでも同じ事を書いているが、面白い設定の割には、あまり面白さを感じさせない不思議な作品になっている。騒々しさだけは伝わってくるが、基本的にはあまり中身がないためと思われる。徹底的に自己中心的でアホな連中を登場させたり、徹底的なブラックさでグロく攻めてくれれば、多少は評価できるが、評価できる部分が見当たらない。本作のラストにおいて自己評価しているが、「何の教訓も得られない作品」としか言いようがない。コーエン兄弟はアカデミー賞を受賞したので、あえて“中身がない作品”を作ろうとしたのだろうか。 この手の作品は、“単純な複雑さ”が求められるものだ。本作は、単純なことを回りくどく描いているだけのような気がする。 Aの行動をBが疑い、Bのその行動をCが疑い、Cのその行動をDが疑い、Dのその行動をAが疑うようなものが“単純な複雑さ”といえるケースになるだろう。 「全身美容整形手術費用をフランシス・マクドーマンドが欲しい」という基礎となる根っこがあり、「マルコヴィッチから金をふんだくる」というところまでは悪くはないが、そこから話が上手く転がっていない。CIAやロシアといった面白いファクターもあるのに、有効利用されていない。マルコヴィッチは、マクドーマンドのことをギャングかロシアのスパイと勘違いして、動揺して金を準備して、そのマルコヴィッチの不審な行動を、妻のスウィントンは離婚のための資産隠しと誤解するというように上手く転がせないものか。“データ”も“金”というアイテムも上手く活かせていないので、面白くなりようがない。 それ以外にも、執筆者であるマルコヴィッチは気づいていないが、ブラッド・ピットが手に知れたネタが実は重要機密が書かれており、CIAとロシアをも巻き込んだ騒動になるという王道ネタにすれば、まだ面白くなったのではないか。 オチに関しても、上手くオチているようには思えない。 「実はAが○○だった」というどんでん返しもなく、バタバタした挙句に訳の分からない拍子抜けのオチで逃げてしまった感が強い。CIAがマクドーマンドの主張を飲む理由も分からず、最低な“オチ”といえる。「実はマルコヴィッチはロシアのスパイであり、マクドーマンドの行動がロシアの利益に合致した」でも、「実はブラッド・ピットが○○○でいなかった」でもいいので、“オチ”をマジメに考えて欲しかった。
[映画館(字幕)] 4点(2009-05-06 21:37:31)(良:1票)
23.  パイレーツ・オブ・カリビアン/デッドマンズ・チェスト 《ネタバレ》 
ラスト1分間だけは面白いが、残りの2時間余りは面白くもつまらなくもない可も不可もない映画。一言でいえば、冒険映画だけれども全く冒険しない無難な仕上りとなっている(既存の映画のごった煮的な作り)。 問題はディズニーとかブラッカイマーではなく、監督のゴアヴァービンスキーでしょう。彼の作品は何本か観たけどリズムやテンポが致命的に悪すぎるし、盛り上げ方や緊張感の出し方など全く考えていないような気もしてしまう。まだ、マイケルベイの方が数倍マシではないか。いいドル箱シリーズだけに他の監督の演出だったら、もっといい作品になっただろうと悔やまれてしかたない。 監督の演出だけが悪いとは言えないにしても、今回は悪役も含めてそれぞれのキャラクターが全く輝きを欠いている。ジャックスパロウも今回も頑張っていたけど、前回よりもやや存在感を欠いた印象。前回のようなサプライズアカデミーノミネートは今回はないだろう。 ウィルターナーは今回は主役ともいっていいはずなのに、ビックリするくらい全く存在感が感じられない。むしろノリントンの方が存在感あったような気がした。 エリザベスは今回最重要の役柄だったけど、あまり苦悩というか、行動の理由付けが感じられなかった。伏線は張ってあるので脚本は問題ないはず。 <ネタバレ注意>演出の何が問題なのか具体例をあげると、ターナー親子がデイビージョーンズと賭けをする際のやり取りなどは、自分の命を賭けているのだから最大に盛りあがってしかるべきである。しかし、緊張感も感じられず、「この三人さっきから何やってんだ」っていう風にしか自分には見えなかった。ただ単に鍵の在りかを探るだけにせよ、その後も鍵の強奪も簡単に事が運びすぎる。「これで観客がドキドキするだろうか」と観客を意識して本気で創っているのかと疑いたくなる。ただ単に脚本をスケジュール通りに撮っているだけじゃないか。 また、最大のラストのエリザベスとジャックスパロウのやり取りも淡々としすぎている。これはキーラの演技もやや足りないと感じたが、あまり観客に訴えてくるものがなさすぎる。あのシーンには色々な感情(キーラのジャックとウィル両者への想いなど)が混ざり合ってしかるべきだ。  脚本の問題としては、宝箱の中身は大した事ないけどラストまで明かすべきではなかっただろう。途中で明かさなければ、観客の緊張感がちょっとは違ってくるはず。
[映画館(字幕)] 4点(2006-07-16 16:39:50)(良:3票)
24.  パール・ハーバー
鑑賞前は、観るに耐えないほど凄まじい駄作という期待感を持っていたのだが、観終った第一印象としては、怒りで手が震えるほどというものでもないかなという感じがする。0点を付けようと思っていたのに、やや期待ハズレだった。 もっとも、観終わった後に「結局何がやりたかったんだ」という印象は確かに持ったが。 史実がどうのこうのとか知識がないため自分には分からないが、ブラッカイマーとマイケルベイの映画に対して史実と違うと怒るというのは、彼らの今まで創ってきた映画を見れば、ちょっと筋が違うかなという気もする。例えが悪くて申し訳ないが、プロレスを八百長だと文句をつけるのと同じような感じがする。 史実云々よりも、この映画の最大の欠点は「長さ」ではないだろうか。決して「長い」映画を否定するつもりは全くないが、「長さ」に見合う「質」が問われるべきだろう。 この映画には残念ながら、「長さ」に見合う「質」が圧倒的に足りない。 真珠湾攻撃をテーマにしているにも関わらず、レイフとダニーとイブリンの三角関係や、レイフとダニーの友情などを描くというのは、なかなかのチャレンジャー精神が感じられ、それほど悪い設定でもないと思う。しかし、描き方が非常に甘すぎる。もっと重厚かつシリアスに彼らの関係を描くことができれば、真珠湾攻撃の悲劇との相乗効果があったのかもしれない。 残念ながら、彼らの関係が中途半端に軽い感じに描かれてしまっているため、「空虚さ」が二乗三乗され、映画が虚しく感じられるようになってしまっている。せっかく爆撃シーンがよく撮れているのに相当勿体無いと思う。そのため結局、何を伝えたいのか分からなくなってしまっている。戦争の悲劇も何も伝わらずに、単なるアメリカ万歳の映画で、普通の感覚の日本人を怒らせるだけの結果となってしまっているのではないか。 マイケルベイの映画というのは本当に難しいと思う。 看板だけ見ると「バッドボーイズ」は刑事モノと思うし、「アルマゲドン」は宇宙モノ、「パールハーバー」は戦争モノと思うのだが、中身が想像とは全く違う別モノを観させてくれる。看板と中身のギャップが、ある意味では観た人の失望に繋がっている気もする。
[DVD(字幕)] 4点(2005-07-16 19:40:24)
25.  バレエ・カンパニー 《ネタバレ》 
途中まではそこそこ面白いかなと思ってたけど、話が膨らみかけた所で終わってしまった感じ。 結局アルトマンは何がしたかったのか?という疑問だけが残る。 バレエの美しさを描きたかったのか、それともバレエカンパニーという集団内における特異な人間関係を描きたかったのか。 どちらも確かに描かれてはいた、嵐の中のダンスは確かに素晴らしかったが、はっきり言って人間関係の方は中途半端という印象を拭えない。 主役を取るための争いもなければ、演者と演出家との確執も中途半端、バレエをどうしても踊りたいという情熱もなければ、プレッシャーや食事制限に負けそうな人物もいない、かなりぬるい世界が描かれてはいたが、そんな中途半端な映画の中にも一人だけ目に付いた人物はいた。 ミスターAである。彼だけは一人バレエに情熱を燃やしていた人ではないだろうか。 金策に頭を悩ませながら、市長には頭を下げに行き、ダンサーが怪我をしないように舞台には絶えず注意を払い、雨が降ればダンサーが足を滑らせないかを心配する、自分とダンサーの意見が激突してもダンサーの才能を認めてかフォローはちゃんとする、ベテランダンサーがわがままを言っても演出家との関係でそそくさと帰ってしまう姿、恐らくスポンサーの関係でねじ込んだと思われるヘタクソなダンサーがいるのも金に困ってのことだろう。 そしてダンスが終わった瞬間、一人大声で「BRAVO!」と叫ぶ続ける彼の姿にはバレエに対する大きな愛を感じる。 良かったのは彼一人であとははっきり言って主役を含めて印象が薄い。 別にドキュメンタリーを取りたいわけではないのなら、やはり一本のバレエを仕上げていく過程や苦労を描く方が面白かったと思われる。 演者になれるかどうかの激しい競争をし、勝ち残っても脱落していく者、才能があっても怪我をする者をきちんと描き、死ぬほどの努力と押しつぶされそうなプレッシャーそしてようやく一本の作品が出来あがる。 そして出来あがった作品中での怪我で苦労して勝ち取った役を降りざるを得ない、そういう過酷ともいえる試練を描いてこそ夢を掴むまでの大変な世界を我々が感じ取れるのではないだろうか。 そういうきつい世界だとすれば支えてくれる恋人の存在も重要になってくる。二人とも怪我しちゃったねって笑ってられるほど楽な世界なのか、あそこは。
4点(2004-09-05 02:54:08)(良:1票)
26.  ハルク
正直言ってそれほど面白くはないと感じたが、画面分割を多用したり、演出についてはアンリー監督は相当頑張ったなあという感想。 ブルースの父親役の人も良かったと思われる。欠点は脚本かなあ、ハルク誕生までが長すぎる上に、二組の父子の関係や一度別れたはずの二人が愛を取り戻すようなことを描こうとしたため色々中途半端になってしまった。 アクションがメインではないが、爆弾を叩き落すハルクはカッコ良い。飛んでいるような連続ジャンプも中々良かった。
[映画館(字幕)] 4点(2004-06-25 16:05:14)
27.  パイレーツ・オブ・カリビアン/呪われた海賊たち 《ネタバレ》 
続編公開を機に再見。今回はあまり深く考えずに、頭を空にして楽しもうと思ってみたけど、やはり主観を排して客観的にみても「子どもダマし」の映画という印象しか受けなかった。確かに、ジョニーデップが演じるジャックスパロウには魅力はあるかもしれないが、ジャックスパロウ自身、魅力あるキャラクターとしてきちんと描き出されていただろうか。もし、ジョニーデップ以外の他の誰かがジャックを演じれば、どんな風に映画が仕上がったかを考えると恐ろしい。魅力あるキャラクターを魅力ある俳優が演じるのが本来の姿であるはずで、俳優の演技におんぶに抱っこする姿勢はあまり好ましくない。本作には、ジャックスパロウのキャラクターに「凄み」を与えるほど、彼の見せ場が少ないような気がする。例えば、無人島脱出のエピソードも、二回とも脱出できたのは単なる偶然でしかなく、別にジャックでなくても脱出できたのではと感じてしまう。やはり、ジャックならではの奇想天外なユーモアある脱出方法を見せてくれればそれだけでも彼の魅力が一つ増すだろう。それをラム酒を取りに来る船や、軍が救助に来るという展開にするから、「ご都合主義」と罵られる結果になってしまう。本作が冒険映画ということを考えてみても、ここはお粗末な展開と思わざるを得ない。また、一発しか入っていない銃もジャックの魅力を引き立たせるアイテムになったはずだ。自殺用として自分を裏切ったバルボッサから受け取った銃を、バルボッサを撃つために残しておくというのはよい展開だ。しかし、その良さがあまり活かされていない。映画の途中途中で銃を撃たざるを得ない局面をジャックに与えてやり、そういった場面でも銃を使わずに乗り切るという流れが必要ではないか。そうすれば、彼の芯の強さや、信念なども観客に伝わり、また彼の魅力の一つになるだろう。また、ラストの銃の使い方に至る流れもやや悪い。戦っている当人たちも認めていたが、不死人同士の決闘をだらだら見せられても観客は飽きるだけだ。決闘シーンに入り、二人の剣さばきを観客に十分見せた後、ジャックがピンチに陥り、まず観客をドキドキさせて、バルボッサに刺されて「やばい」と観客に感じさせる。しかし一転して、アステカの呪いを利用したトリックを観客に明らかにして、ヒートアップした勢い・流れを利用して、銃を撃った方がより引き締まる展開になると思う。
[DVD(字幕)] 4点(2004-06-25 15:55:19)
28.  ハプニング 《ネタバレ》 
「なぜ起きたのか」「なぜ収まったのか」という説明は必要ない、「自然ってよく分からないね」という説明で十分だ。特別なオチや、どんでん返しも必要ない。 しかしながら、「何を伝えたかったか」は必要である。 「環境破壊」「自然の驚異」「地球温暖化」「人口増加」「ミツバチの必要性(=生態系)」といった面から、本作を眺めても何も感じられない。 「夫婦の絆の強さ」「壊れかけの夫婦の再生」「子ども(世界の将来)を守り抜く責務」といった面から、本作を眺めても何も感じられない。 何もかも中途半端な描き方しかできていない。 ただ単に、「植物が放出する毒素によって、人々が自殺する姿をショッキングに描いた」というだけの映画でしかない。 脅威となる存在がモンスターやゾンビなどの可視的ではなく、“風”から逃げるという点はユニークであり、珍しいパニックムービーを作りたかったのかもしれないが、その観点からも演出が足りなさすぎる。 本作を見る限りでは、脅威となる存在はやはり目に見えないと面白くないという結論になってしまった。 また、本作のラストがあまりにも酷い。酷いという言い方は語弊があるかもしれない。 本作の設定を踏まえて「一番批判を浴びないラストを考えろ」と言われたら、このようなラストになるだろう。過度な批判は浴びないだろうが、あまりにも安直であり、捻りもなく、冒険のないラストである。シャマラン監督は良くも悪くも記憶に残る監督だったはずではないか。野球選手に例えれば、三振を恐れずにホームランを狙って大振りするような選手だ。その大振りが、時には我々に驚きを与えたり、期待の大きさから、逆に落胆させたりもする。しかし、本作は三振しないように短くバットをもって、ボールに当てただけのような気がする。 毒にも薬にもならないような作品を作ることは、自分自身を貶めるだけではないか。 今度三振したらもうプレイすることができないという状況に追いつめられているのは分かるが、長い目で考えれば自分のスタイルを捨てて平凡なプレイヤーになるべきではない。 ジョーイというキャラクターを自分自身で演じているが、過去の作品に比べて、存在感のあるキャラクターではないのも批判を恐れて自分のスタイルを捨てた証しではないか。 「シックスセンス」から「レディインザウォーター」まで、彼の作品をそれなりに評価してきたが、本作は評価できない。
[映画館(字幕)] 3点(2008-07-30 09:37:54)(良:4票)
29.  ハウルの動く城 《ネタバレ》 
相当の期待感を胸に映画館に足を運んだが、見終わった後の率直な感想は何を伝えたかったのかが全く分からなかったという思いしか残らなかった。特に強いメッセージ性を要求しているのではない、単純なものでいい、何かを伝えて欲しかった。もっとも全編を通して伝えたかったのは「愛」だろう。それは理解できる。しかしそれを伝える手段としては疑問を感じざるを得ない。ハウルへの想いの強さによってソフィーは少女のようにも、老婆のようにも姿が変わる。この描き方は面白いと感じた。かけられていた呪いも二人の愛の力によって解いたのだと思う。その点も本来は感動的なはずだが大事なのは過程だろう。個人的には、もっと自分の身を犠牲にしてでも相手を守りたいという点を強調しても良かったと思う。「守りたいものが出来た。それは君だ。」ということを、もっとはっきりと大きなテーマにすべきではなかっただろうか。確かに、ハウルはソフィーのために身を呈して爆弾を防いだりしていたが、あれでは盛り上がりに欠ける。一方、ソフィーもハウルのために、火を恐れずに荒地の魔女から心臓を取り戻した。しかし、もっとドラマティックに演出することはいくらでも可能だっただろう。そもそも荒地の魔女とのやり取りをあんなにあっさりと終わらせるのはもったいなさすぎる。あそこは最大のクライマックスしても良かった。チカラを失っていたと思われた荒地の魔女が、我を忘れて異形に近いような姿になるのを、ソフィーが愛の力で取り返すという展開にした方がまだ面白い。荒地の魔女も本来の人間の心がまだ片隅にあり、ソフィーに親切にしてもらった気持ちやソフィーのハウルに対する愛情を感じていて、改心するという方が良かっただろう。そうすれば、荒地の魔女の存在意義も大きなものになってくる。はっきり言って荒地の魔女だけでなく、ハウル、ソフィー、師匠、ソフィー母等、キャラクターの描き方・存在理由に違和感も覚えざるを得ない。 そしてもう一点、戦争の描き方に対しても疑問を持つ。あそこまで不明確に描く理由があるのだろうか。大体は流れでなんとなく分かるが、誰が何のために争っていて、解決策があるのか、ハウルがその戦争にどのように関与しているのかは少なくても明瞭にすべきだったと思われる。そうしないと「かかし」の存在も意味がなく、「こんなくだらない戦争終わらせないと」のようなラストのセリフも生きようもない。
3点(2004-11-22 22:39:45)(良:2票)
30.  パニッシャー(2004)
この映画を観終わった第一声は「「復讐」と「制裁」の違いって何かね」という疑問しか湧かない。 主人公は結構こだわっている様だったが、そもそもこの二者を分ける必要があるのかどうか分からない。 タイトルがパニッシャーだからしょうがないのかもしれないけど、映画を観る限り「制裁」にこだわる必要はないだろう。 観ている人であれば誰でもあれは「復讐」以外の何物でもないと思うだろう。 トラボルタ達は社会的害悪というような存在に描いていないのがまず一つの問題点。 どうしても「復讐」と「制裁」を分けたいとすれば、酒ばかり飲んでないでもうちょいちゃんと苦悩しろと言いたい。 「復讐」の気持ちと、元警官なのだからそれなりの善悪や法遵守的思想の狭間で揺れた結果、「自分を自分自身で殺す」=「人間らしさを自分から排除する」ような徹底さを自分に課さないとダメだろう。 そして、どんなに非情さに徹底しても、(家族を愛するような)人間らしさを完全に排除することはできないというオチに持っていくのが常道ではないだろうか。 ストーリーについてはアレコレと論じるまでもないほど相当に酷い創りである。他のレビュワーがおっしゃるように、この脚本と演出は相当レベルが低い。 最大の問題は、これも皆さんがおっしゃるように「金を置いていく」という最低なラストである。ピアス男は金が欲しいから、フランクの居場所を黙っていたのか。そうではないだろう。ピアス男にとっては、フランクはファミリーであり、友達だから裏切れないわけであり、そういうピアス男の問い掛けに対して、「さよならも言わずに金を置く」という答えを出すというセンスは疑いたい。そんなところだけ人間性を失ってどうするんだ、全く。 原作は全く知らないのだが、ギター男にロシア怪力男とキャラクターは多少面白くできそうなのに、全くキャラクターを活かすような演出はされていない。 隣人たちも然り。キャラクターが活かされていない。 悪役であるトラボルタを始め、ゲイのおっさんに、トラボルタの子どもである弟の方もキャラクターがなっていない。 そもそも主人公自体、あまり演技が上手いとは言えず、彼のキャラクターや存在感も薄すぎやしないか。 もっとハードボイルドにするか、相当渋くするか、相当ダークにするかなど様々な選択肢がある中で、最も安易で平凡な創りにしてしまっているのが勿体無いところである。
[DVD(字幕)] 2点(2005-08-28 21:13:17)(良:1票)
31.  バッドボーイズ2バッド
本作を面白いというレビュワーをモチロンいるため、あまり感情的にはなりたくないのだが、これはさすがに酷すぎるの一言。 あまりの下品さとタチの悪さに怒りを通り越して呆れるばかり。面白さと下品さを勘違いしているのではないか。そうは言っても、笑えるシーンもいくつかは見受けられたが、やはりこの映画の製作者の神経を疑わざるを得ない。 観る人を選ぶのか、それとも自分がこの手の映画を面白くないと感じるようになったのかは分からない。しかし、同じブラッカイマー製作でも「ビバリーヒルズコップ」は面白いと思っているのだが。 あまり論評する気も起きないのだが、面白くないとする根拠を挙げないと議論にならないと思うので、こんな映画にマジになるなという批判もあろうが、いくつか理由を挙げてみる。 ①面白くもないのに無駄に長すぎる。こんなしょうもないストーリーにどうして146分も必要なのか理解に苦しむ。100分以内に押さえて、より緊迫感を出したり、テンポ良くすべき。 ②死体で遊ぶな。死体をおもちゃにしすぎ。死体をクルマで轢くシーンを見て誰が面白いと思うだろうか。死体に限らず、死体を切り刻んでテーブルに置いたり、電車で轢いたり、爆破したりとやっていいことと悪いことの区別もあろう。 ③無抵抗の人に対する態度。ボーイフレンド、耳を吹っ飛ばされた人、店内をメチャクチャにされた人に対する彼らの態度は常軌を逸している。単なるいじめにすぎない。マイクの「俺タチはデカだ」というセリフが虚しく響くだけ。 ④マイク、マーカス、警部の関係。「ビバリー~」ではいがみ合いながらも心の底では信頼感で結ばれていた。本作では、警部と二人には信頼関係などないようだが、マイクとマーカスの関係に信頼関係等が感じられず。こいつと相棒を組んでてよかったという「すっきり感」がまるでない。そのため相棒解消や転属願いなども浮いてしまっている。 ⑤ストーリーや人間関係等が無駄に複雑になっている。何を狙っているのかがまるで分からん。どうしようもない映画なのに何故ここだけ頑張るのか分からん。頑張る部分が間違っている。もっとストーリーをひねるなり、サプライズさせるなりにすべき。 ⑥ラストのキューバ絡みは警察の仕事ではない。もはや説明不要。 以上の問題により、本作で得られるはずの、すっきり感やアクションの凄さなどが損なわれる結果となっているのではないか。
[DVD(字幕)] 0点(2005-07-03 20:18:14)(良:2票)
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