21. プルーフ・オブ・マイ・ライフ
《ネタバレ》 私は本作と『プルーフ・オブ・ライフ』をごっちゃにして同一作だとばかり思っていました。いくらなんでもこの邦題はひどすぎるぞ、配給会社め! それはさておき、この映画はグィネス・パルトロウの熱演が受け入れられるかどうかで好き嫌いが分かれるところですが、自分はちょっとダメでしたね。確かに上手い演技ではありますが、あの顔にはどうも拒否反応が出てしまうのでね。 それに後半、「証明」の話がメインになってからの脚本がグダグダで、せっかくの俳優陣の良い演技が台無しになっちゃったのでは。 最近は数学者が主人公の映画が増えていますが、数学自体を上手く取り込んだ映画をそろそろ観てみたいものです。たとえば本作でも、「証明」の中身を素人にも何となくイメージが掴めるぐらいでも表現出来たらもっとエキサイティングな作品になったでしょう。まあそのためには、数学が判る脚本家(脚本が書ける数学者がいればベスト)を見つけてこないといけないので大変でしょうね。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2010-09-24 01:24:56) |
22. ブッシュ
《ネタバレ》 ジョシュ・ブローリンは最近どんどん演技が上手くなってきたなー、とまず感心から。ブッシュ・ジュニアを真面目に演じればちょっとコメディアンみたいなキャラにどうしてもなってしまい、他の出演者のシリアス極まりない演技の中でちょっと浮いちゃってるのが残念でした。 ストーンがブッシュに愛着を持っているはずはないし、そもそも何でこの映画の監督なのか解せない部分もあります(脚本書いていないし、製作もしてないので雇われ監督だったみたいですが)ブッシュの在任中世界中を笑わしてくれたおバカネタは意外と使われていませんが、色んな制約がある中でストーンなりに精一杯ブッシュ批判を展開している気がします。ブッシュ以上に悪意を込めて撮られていると感じたのはチェイニー副大統領で、リチャード・ドレイファスの役作りはほんと素晴らしい。イラク開戦をブッシュと閣僚が野外で歩きながら相談するシーンがありますが、思わず『ブルジョアジーの密かな愉しみ』の有名なシーンを思い出してしまいニヤリとしてしまいました。 まあパパ・ブッシュやママ・ブッシュも含めて皆湯気が立つほどピンピンしているわけで遠慮がどうしてもあるのでしょうが、それなら始めから撮らなければ良いわけで、ちょっと製作するには時期尚早過ぎる題材かもしれません。 でも悔しいけど我が国ではこういう映画は絶対製作されないのも事実で、ハリウッドの奥深さを思い知らされました。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2010-09-15 23:56:42) |
23. フライボーイズ
《ネタバレ》 てっきり、J・ブラッカイマー製作でM・ベイが監督の映画をまた観ちまった!と勘違いさせられました。まあ、あのD・デブリンが製作ですから似た様なもんですが… 雰囲気は、第一次世界大戦版『パール・ハーバー』と言ったところでしょうか。登場する複葉機(三葉機)は飛行可能な実機も揃えて良く考証されています。空中戦シーンはもちろんCGですが、さすがにクラシックな複葉機が飛び回るのをCGで見せられても作りもの感が強すぎて興ざめでした。CGのレベルはけっこう高度な感じでしたが、爆弾が落下するところは『パール・ハーバー』と同じ主観映像なので思わず笑ってしまいました。 主人公と村の娘のサイドストーリーや墜落した僚機を救出するシークエンスは、M・ベイも脱帽する様なベタであり得ない演出で唖然としました。 「ちぇ、また駄作に出ちまったぜ!」と言った顔つきのJ・レノが見せるやる気のない演技は哀れを誘います。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2010-08-28 16:22:08) |
24. フル・フロンタル
《ネタバレ》 実験的な映像というよりも、実験的な脚本の映画という感想ですね。悪評は聞いていたので覚悟して観ましたが、自分としては思ったより楽しめたかなと思います。ジュリア・ロバーツが鬘をとるのは確かに早すぎましたね、最後までとらなかった方が良かったのでは? 劇中劇と現実(らしきもの)が交錯する様になってからがこの映画のダメなところでしょう。デヴィッド・ドゥカヴニーの死にざまはちょっと理解に苦しむところでした。これって、あのデヴィッド・キャラダインが死んだのと同じ状況ということなんでしょうか? [CS・衛星(字幕)] 5点(2010-07-06 00:05:27) |
25. ブロークン・フラワーズ
《ネタバレ》 うん、この終わり方でいいんですよ。ただ、あそこでビル・マーレーの実の息子を出すのは、ちょっと反則技、楽屋落ちが過ぎると言うものです。マーレーは確かに上手いのですが(特に目線の動かし方は、もうサイコー、名人の域に達しています)、キャラがどこか『ロスト・イン・トランスレーション』とかぶっていて、彼はこれからもこういうオフ・ビートな役柄を期待されてしまってちょっと可哀想でもある。私はこの映画けっこうツボですが、なんか今までのジャームッシュとはちょっと作風が違うなと感じました。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2010-06-14 00:34:41) |
26. ブラック・スネーク・モーン
《ネタバレ》 はげ親父S・ジャクソンがパンツ一丁姿のC・リッチを鎖で縛るポスターは大変扇情的ですが、エロ要素はたしかに強いがけっこう真面目なストーリーでした。リッチのエロカッコよさは相当なもんですが、あんまり露出が過ぎるとだんだん眼が慣れてきて終いには何とも思わなくなっちゃうものですね。本作はどうしてもエロに関心が偏っちゃうのですが、実はブルースが重要な要素になっています。ジャクソンが劇中何度も聴かせてくれるブルースは実に渋くて迫力がありました。出演者がほとんど黒人で、白人はホワイト・トラッシュのクズ白人ばかりというのが面白く、黒人目線でストーリーが語られるのが良かった。黒人たちの精神の豊かさとたくましさが白人たちのひ弱さとは対照的で、脚本の意図としては面白いところです。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-06-13 00:32:38) |
27. ブラッド・ダイヤモンド
社会性を持ったアクション映画を撮るなら、現在のアフリカ情勢はうってつけなのでしょうね。最近は、なんかアフリカ映画にハズレなしといった感じですね(全部観ているわけじゃないので、あくまで私のイメージですが)。本作もアクション・社会性・役者の演技のバランスが良くてぐいぐい引き込まれてしまいました。しかし、アフリカって人の命が本当に安いですね、悲惨なことです。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-03-11 01:36:54) |
28. プレステージ(2006)
《ネタバレ》 クリストファー・ノーランが持てる技巧を駆使して撮っただけあってそれなりに楽しめますが、いかんせん原作に問題があっては映画としてはなんか微妙な出来に終わってしまいました。ジャックマンがそもそも何でベールの瞬間移動のタネに気がつかないのかが不思議、だって自分のタネと一緒じゃないですか。と言う自分は、恥ずかしながら最後まで気づきませんでしたが。確かに再度鑑賞してみると、伏線の張り方や語り口は凄く巧妙なことに感心します。ただラストがテスラの機械が登場してきて、SF(というか、オカルト)テイストになるとは予想外でした。そのためドラマが二分された様になってしまい、印象が悪くなってしまいました。でも百回の公演で百人の水槽漬ができるなんて、イメージとしてはゾッとしますね。 [DVD(字幕)] 7点(2010-02-01 00:06:04) |
29. ブリジット・ジョーンズの日記 きれそうなわたしの12ヶ月
《ネタバレ》 前作でやめときゃよかったという出来ですね。ストーリーもご都合主義が一段とひどくなって、お約束の噴水でのコリン・ファースとヒュー・グラントの殴り合いぐらいしか笑えるところがないというのは困ったものです。麻薬の密輸エピソードですが、ありゃ女友達は確信犯としか思えない演技だったと思うのですが、あんな落ちで良いのでしょうか… [CS・衛星(字幕)] 4点(2010-01-07 01:20:28) |
30. ブリジット・ジョーンズの日記
《ネタバレ》 レネー・ゼルヴィガーの激太ぶりにびっくり仰天。でもさすが(?)太ってもレネー、セクシーなのでモテナイ30女に見えません!ヒュー・グラントと『国によっては禁止されている』行為までしちゃうなんて、凄すぎます。まあこの映画はラブコメというよりはセクシーコメディだと思って観れば楽しめるでしょう。ブリジットのお母さんも、結構暴走していましたし。 [CS・衛星(吹替)] 6点(2010-01-04 01:20:04) |
31. フロスト×ニクソン
《ネタバレ》 たとえれば、古舘伊知郎が小泉純一郎をインタビューで追い詰めるということでしょうか(低俗な譬えですみません)。ディベイトとスピーチの国アメリカだけあって、脚色もあるでしょうがこれだけ迫真のインタビューは日本のマスコミでは実現不可能なのが悔しいところです。しかし最後に勝負を決めたのがニクソンの表情だったというのは、戦う土俵がテレビというメディアだけに実に皮肉な結果です。本作でも言葉の応酬よりも、二人の表情演技の超絶さに感嘆させられました。それにしてもニクソンが辞任後も政界にリベンジする気が満々だったというのには驚きです。またニクソンのことを周囲が未だに『大統領』と呼ぶのが奇異に感じました。 [DVD(字幕)] 8点(2009-12-19 01:05:56) |
32. プレッジ
《ネタバレ》 回収しない伏線が多い映画はあまり好きじゃないのですが、本作は力技で押し切られたという感じでしょうか。確かにあのカタルシスからはあまりに縁遠いラストはショーン・ペンらしいところですが、でも普通の人生ではありふれて起こっていることなのですよ。あんな結末を観たくて映画に金払っているわけじゃない、と思う方もいるでしょうが、ちょっと大げさに言えば人生について考えさせてくれる良作だと私は思います。ジャック・ニコルソンは『アバウト・シュミット』とかぶるところが多い役柄ですが、どちらも同じ時期に製作されていますので役作りは楽だったのでは。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2009-11-24 20:45:52) |
33. ブレス・ザ・チャイルド
《ネタバレ》 なんじゃこりゃ、というのが正直な感想です。「12月16日生まれ」というのは太陽暦になる前の暦では「12月25日生まれ」になるそうで、そんなことで謎かけされても面白くもなんともないです。ルーファス・シーウェルという役者さんはこういう役柄がはまりすぎていて、ひねりがなさすぎ。クリスチーナ・リッチははっきり言ってチョイ役であっと言う間に消えちゃうし、イアン・ホルムに至ってはたったの1シーンだけですよ、画面に映るのは!キム・ベイジンガーやけに太ったなあ、とそっちの方にばかり目が行ってしまいました。ハリウッド製の悪魔やキリスト教がらみの映画はこれ以上観ない、というのが私の決意です。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2009-09-12 18:17:17)(笑:1票) |
34. プラネット・テラー in グラインドハウス
「スプラッターはやりすぎるとギャグになる」という定理をロドリゲスが実証してくれました。タランティーノの「デスプルーフ」と違ってあまりヘタウマ感がないのは、もともとのロドリゲスのヘタさがイメージとしてあるからでしょう。そう言えば、あの「マチューテ」がロドリゲスの監督でいよいよ実写化されるそうで、デ・ニーロも出演するそうです。これは期待しちゃいますね。 [DVD(字幕)] 6点(2009-08-14 12:45:50) |