1. 冬物語
《ネタバレ》 ロメール監督の映画には、ウザくてイタいこじらせ女子がよく登場しますが、この映画の主人公も、かなりのツワモノでしたねー! なんか、「自分の気持ちに正直に生きれば奇跡が起こる」みたいな流れになってますけど、この女のアホな所業の犠牲になった美容師のおっさんと図書館のボクちゃんの気持ちを考えると、最後はハッピーエンドではなく、相応の天罰で締めくくってほしかったです(笑) こんな見方しかできなかったので、ラストの再会シーンも「シャルルも近い将来この女に振り回され、彼の人生は氷河期に突入・・・だから“冬物語”というタイトルなのかー!」などと思ってしまいました。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2022-04-06 00:43:33) |
2. ファイティング・ダディ 怒りの除雪車
《ネタバレ》 ハードな復讐劇かと思ったら、シリアス・バイオレンスの仮面を被った隠れコメディ映画でした。 まず、ニルスがヤップを殺して滝に投げ込むシーン、最初はハードボイルド感が漂ってましたが、2人目・3人目の滝シーンになるとなぜか笑えてきます。また、誰かが死ぬたびに「チーン」と上る宗旨ごとの十字架、雪山でテンション上がりまくりのセルビアのギャング、誘拐した子どもに本読みをねだられて仕方なく除雪車のカタログを読んでやるニルスなど、笑いの内容は、くすくす笑いから徐々にゲラゲラ笑いへとクレッシェンドしていきます。 そしてラスト、ギャングやマフィア達はみんな死に、息子を失ったオヤジ同士が銃を置き合うカッコいいシーンで「いい感じ」に終わるのかと思ったら・・・パラグライダーの人、撃ち合いじゃなくてあんなトホホな死に方・・・つーか、オマエどんだけ飛んでたんだっていうツッコミどころもご用意してくれて(?)、最後はもうギャハハ笑い状態! さらに、「福祉国家は寒い国ばかり」と語るノルウェー人に対し、「ノルウェーの刑務所の快適性」について語るセルビア人、犬のフンを拾うのが「モダンな文明社会」等、何気ない会話の中で国民性の違いを表現するなど、箸休め的なシーンもなかなか芸が細かいですね(笑) ノルウェーの壮大な雪景色の中で独特のユーモアセンスが冴えわたる、クソのような邦題とは真逆の、隠れた傑作だと思います。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2021-03-15 20:43:49)(良:1票) |
3. 不倫したい女
《ネタバレ》 陰気くさいおっさんのイジイジした様子を延々と見せられ、挙句の果てにロクでもない結末を迎える話。「おまえ、暑い国に行ってもっと日光浴びろ!」とか言いたくなるオトコでしたねぇ・・・。 この映画を作った人、力はあると思うし、セリフや映像等、いろいろとこだわっているのはわかるけど、チェーホフの「犬を連れた奥さん」を知らない人には、狙いどころがわからないのでは? たぶん中途半端な不倫ドラマにしか見えないと思います。また、冬のロシアを思わせるどんよりとした背景と男の心情をリンクさせたのも、ただ雰囲気が暗くなるだけで、あまり効果的ではなかったですね・・・。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2020-11-07 17:32:42) |
4. ファーゴ
《ネタバレ》 偽装誘拐が思ったようにいかない滑稽さを表現するドラマ性と、世間話をしながら淡々と仕事をする警察官の日常性がうまく絡み合った良作だと思います。特に最後の、アホ男たちの末路に対して、夫の3セント切手のデザインで心から喜べる様子、これがこの映画のメッセージの肝なのかなと思いました。 「変な顔」や「ヤー、ヤー」の連呼、「ハンバーガーとミミズ」などのユーモアは好きですが、全体としては、ちょっと苦手な映画かも・・・。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2019-03-14 15:02:51) |
5. ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ
もともとラテン音楽が大好きだし、最近はテレビ番組でよくキューバの様子を見ていたこともあり、いつかは訪れてみたいと思う国だったので、最後まで食い入るように見ていました! じいさん、みんなカッコ良すぎる!(笑) たまたま自分のストライクゾーンど真ん中だったこともありますが、音楽としても、ドキュメンタリー映画としても最高でした! [CS・衛星(字幕)] 8点(2017-07-04 18:55:55) |
6. ブルーベルベット
《ネタバレ》 初めて観た時はよくわかりませんでしたが、見直してみると、「ここはきっとこういうことを表現しているんだろうな」という発見が次々と・・・ そんな面白さがてんこ盛りの映画ですね! サスペンスというジャンルに位置付けられていますが、見どころは、犯罪の真相やハラハラドキドキ的な面白さではありません。 まず最初の数分がこの映画のテーマで、オペラの序曲や前奏曲のような役割のシーンです。 「平和で明るい世界で生きていても、ふとしたことで非日常な闇の世界へと足を踏み入れてしまう」「光と闇は表裏一体」という、その後から始まる一連の話を象徴的に描いています。 平和な田舎町、いい天気で、おじさんがお庭に水をまいているというのどかなシーンから、突然発作で倒れてしまう・・・。日常は一変したように見えても、手にしたホースの水を飲む犬やヨチヨチ歩きの子供のように、当事者以外にとって「平和な日常」は以前と同じように変わらない、しかしよく見ると、地面の下ではおぞましい虫が蠢く闇の世界が広がっている・・・ この「闇の世界」とは、人間の深層心理に潜む狂気や、常識では計れないエロスのことでしょう。 事件前のジェフリーは、まだ幼児性の残る「お子ちゃま」であることが強調されていますね。野原で何気なく石を投げてみたり、サンディの前でニワトリのまねをしたり・・・。母親に「リンカーン通りに行ってはダメよ」と言われるのも、まだ子供扱いされていることを匂わすセリフで、その後ジェフリーは、リンカーン通りにあるドロシー宅に侵入し、「大人」へと成長(性長?)する、という前フリだったように思えます、 そして、ドロシーやフランクという、闇にうごめく「虫」達に出会い、とまどいながらも自分の心の奥に潜んでいた「蟲=倒錯的快感」が目を覚まし始めるジェフリーに対し、コマドリ云々~という少女メルヘン的な話をするサンディは、冒頭シーンの、水を飲む犬やヨチヨチ歩きの子供と同じ、ということなんでしょうね。そのため、裸で現れたドロシーと、彼女を受け入れるジェフリーの二人に対して、疎外感のような感情を覚え、般若のような顔で彼にビンタを食らわせてしまいます。しかしそんな彼を拒むことなく、電話の時にはジェフリーを許す、ということで、サンディの心の成長も描かれています。 闇の世界・・・異常で狂気的なはずなのに、日常にはない妖しい美しさに魅了される・・・オカマの人の歌(口パク)のシーンがまさにそれ! なんだか麻薬のように、ダメとわかっていても火の中に飛び込んでいく虫のような気持ちでした(笑) 他にも映画的工夫がいろいろと散りばめられていましたね。 最初のシーンは、青いベルベット→青空→赤いチューリップ→赤い消防車→黄色いチューリップという順でしたが、ラストはその逆。黄色チューリップ→消防車→赤チューリップで、青空に行く前にドロシーと子供の幸せシーンを挟んできました。闇の世界の虫だったドロシーですが、やっぱり人間のしあわせは、明るい世界にある、ということでしょうか? また、闇の世界への切符ともいえる「切られた左耳」の穴から入って、光の世界へと戻ったジェフリーの「右耳」から出てくるという演出も、前述のメッセージを表現しているのだと思います。 もう一度見れば、また新しい発見があるかも・・・と思わせる、リンチらしい映画でした。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2017-06-07 13:55:51) |
7. フラガール
《ネタバレ》 良かったのは、これが実話に基づいた話であるということと、蒼井優の素晴らしいダンス。それ以外は特に・・・といった印象です。 当時の社会情勢・炭鉱町のシリアスさを伝える表現はヘタクソだし、先生のワケあり度も、あんな程度の描き方なら、ない方がいいのに・・・。紀美子の母が序盤にあの調子で出てきたら最後はどうなるか、誰もが想像できちゃいますよね・・・。文句をつけだしたらキリがありませんが、見古して手垢がついたようなエピソードばかりの雑な脚本と古臭い演出等のおかげで、すっかりシラケてしまいました。 「誰もが感動できる、わかりやすい話」に仕上げれば、収益面では成功につながりやすいんでしょうけど、もう少し大人向けに作ってほしかったですねぇ・・・。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2015-11-15 02:45:22) |
8. ブラック・スワン
凄まじい映画でしたね。あまり好きなジャンルの映画ではありませんでしたが、舞台に立つ人間の心理描写、それを表現するナタリーポートマンの演技力は素晴らしかったです! [CS・衛星(字幕)] 7点(2015-07-18 21:48:13) |
9. ブリジット・ジョーンズの日記
ベタベタのラブコメで、バニーガール姿や消防署での尻のアップシーン、下着姿で街中を疾走などのエロ要素も絡んで・・・とくれば、どうしようもなくくだらない内容になりそうなのに、主人公や作品全体がなぜか下品に感じないのは、米ではなく英映画だから?ただ、わざわざレンタルして気合いを入れて見るほどの内容でもなく、ヒマつぶし程度にはちょうどいい映画、といった感じでした。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2014-12-30 13:16:25) |
10. プリシラ(1994)
大自然の雄大な風景・夜になると過去の辛かった話などをする・途中、旅が止まりそうなアクシデントが起きる・最後はめでたしめでたし等、一応、ほのぼの系ロードムービーのお約束をほとんど網羅していましたね。まあそれなりに面白かったですが、これを作った人って、実はオカマが大嫌いなのでは?と感じました。会話に登場する過剰なまでの下品な下ネタ、オカマの派手で奇抜な衣裳やメイクなど、大自然の前では所詮ハエのクソ程度で、結局こういう人達は都会の隅の方でしか生きる場所がないドブネズミのような存在なんだ、と言いたいような気がしました。「愛はかげろうのように」に乗せたオープニングは素敵だっただけに、その後の、大したことないパフォーマンスがちょっと残念でした。 あと、椿姫のアリアがなぜか砂漠の風景に合っていて、このシーンだけは大満足でした。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2014-05-03 13:16:14) |
11. 舟を編む
この映画は、スタッフみんなが大渡海のようにコツコツとまじめに作ってきた、そんな印象を受けました。地味な話だけど芯がしっかりしているし、変に笑いや一般ウケに走らないところが高いセンスを感じました。日本も、こういう仕事がきちんと評価される社会になってほしいですね。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2014-04-26 22:58:41)(良:1票) |
12. フライド・グリーン・トマト
見ごたえもあるし、楽しいし、いい作品でした。過去と現在との絡め方も上手で違和感ないし、よくできた脚本ですね。ただ、作品の出来には関係ありませんが、個人的にイジーのキャラや顔がものすごく嫌いだったのがちょっと残念・・・。 [地上波(字幕)] 8点(2014-03-09 00:29:06) |
13. フローズン・タイム
つまらないわけじゃないけど、じゃあどこが面白かったか?と聞かれても、うまく答えられない・・・。なんとなく全体の空気感が好みに合ったという程度です。でも、お誕生日パーティーのストリッパーの踊り、特に逆立ちして脚をおっさんの肩に・・・は、めちゃエロくて、そのシーンだけは鮮明に憶えています(笑) [CS・衛星(字幕)] 5点(2014-01-17 23:37:13) |
14. ファム・ファタール(2002)
《ネタバレ》 これはかなり面白いですね! もしあの時、こんな行動をしていたらという『if』の話、その表現手段が夢オチ・・・となると、普通はトホホな内容になってしまいますが、これはその類の映画の中でも群を抜いて面白いです! 窃盗団を裏切って仲間に殺されかけた女・ロールが、どうやら主人と子供を亡くしたらしい女性・リリーの家のベッドで目を覚まします。テレビのニュースが「夢で未来を見たら人生は変わるでしょうか」という、この映画の主題のセリフが流れ、そしてお風呂に入ると・・・。 その時の時間が3時33分。その後、結婚式が行われている教会の時計も3時33分、パパラッチが警察に捕まって取調べを受けている部屋の時計も3時33分。つまり、「これは夢の中のストーリー」であることを示唆しているのでしょう。また、窃盗団のリーダーが7年の服役を終えて出所すると、例の事件の日と同じ服で、シャツには血がついたまま・・・。これは、ロールが最後に見た彼の姿。これで明らかに「現実ではない」ことが示されています。 作り手が「これに気付く人はいるかな?さあ、これでわかったかな?」とニヤニヤしながら作っていた様子が手に取るようにわかります(笑) ロールがリリーの自殺を止めた結果、リリーはニューヨークで新生活を送ることになり、引越しトラックの運転手にペンダントをプレゼントします。それが運命を大きく変えるラストへ。そして最後に、転んだロールをパパラッチが助けて「あれ?どこかで会ったような・・・」「夢の中でね」。映画におけるこういう遊び、大好きです! [CS・衛星(字幕)] 8点(2013-11-12 22:02:30) |
15. プライド(2008)
《ネタバレ》 見終わって真っ先に頭に浮かんだ言葉は「見ごたえのあるアホアホ映画」。女性漫画家の原作らしく、昼ドラもビックリなくらいの女同士のドロドロなライバル関係。そこに金持ちの男が絡んで、なんだかもう、とんでもない展開のオンパレード。ツッコミどころ満載の荒削りな脚本に、史緒役の信じられないくらいの稚拙な演技も加わって、もう最初から最後まで笑いが止まりませんでした。特に最後のライヴシーン、萌が客席から歌いながら出てくる演出は、飲んでたコーヒーを「ブーッ!」と漫画のように吹き出してしまい、おまけに歌詞を聞いて、腹がよじれるほど笑い転げました。最初に「見ごたえのある~」と書いた理由は、話そのものは面白くないわけではないし、退屈ってこともないし、史緒以外は見事な演技力(特に満島ひかりとミッチーは素晴らしい!)だし、評価できる点もたくさんあります。でもそれと映画の出来とは別。リアル感ゼロの過剰過ぎるドラマ的展開や、まさに漫画の登場人物といえるありえないキャラなど、マイナスポイントが多過ぎ。AKBやジャニーズは人気があって人をひきつけるものを持っているけど、あんなのを「一流の歌手・実力あるミュージシャン」とは呼ばないのと同じで、この映画も面白いけど、これを「いい映画」と言ってしまったら、センスのある人が一生懸命作った名作まで傷がつくような気がするので、この点数です。 [CS・衛星(邦画)] 2点(2013-04-14 22:04:53) |
16. 不倫期限
《ネタバレ》 不倫の結果、夫婦や家族関係はどうなるか、あまりにもリアル過ぎる!過剰な演出や余計な脚色がない分、その重々しさがストレートに伝わって、見るのが辛かったです。妻に浮気を告白するまでは、たいして見どころもなく、多用しているロングカットも全然生きていませんでしたが、告白後は、前半の単調さも含め、すべて計算されていたと思われ、この監督、ちょっとすごいかも・・・と思いました。特に最後のクリスマスシーン、子供がうれしそうなのが泣けますね。そして絶妙のタイミングで終了。観終わってから原題を見て、またまた「うわぁ~・・・・・・辛すぎる・・・・」と思っちゃいました。この映画を見たら、不倫(浮気)なんて絶対にしないぞ!と思います(笑)。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-09-09 00:39:11)(良:1票) |
17. フレンチ・キス
あたりさわりのない、普通のラブコメでした。つまらないわけではないけど、2度観ようとは思えません。デートやヒマつぶし程度にはいいんじゃないかと思います。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2012-04-30 01:42:46) |
18. フォレスト・ガンプ/一期一会
何がどういいのかよくわかりませんでしたが、でも最後まで楽しめました。主人公のフォレストの人生はおとぎ話というか、現実離れ的な部分が多かったにもかかわらず、作品そのものの出来が良かったのは、ジェニーや小隊長、ババなど、周りの人々の人生が興味深く、それが主人公とうまく絡まっていたからだと思います。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-02-24 22:44:51) |
19. プール(2009)
《ネタバレ》 「かもめ食堂」「めがね」は楽しめましたが、これはちょっと・・・。特に「めがね」を観た人に、この作品を見せてどうしようっていうんでしょう?でも小林聡美のうざったい母親の演技は良かったですね。東南アジアに住んでいる日本人女性って、ああいうタイプの人、多いですよね。 [試写会(邦画)] 5点(2011-10-30 21:35:51) |
20. 古畑任三郎ファイナル 今、甦る死<TVM>
《ネタバレ》 これは、古畑シリーズ全作品の中でもトップクラスの面白さですね。犯人は藤原竜也で、じゃあなぜ石坂浩二が出てるの?と思ったら、あんな風に絡んでくるなんて、思いもよりませんでした。ぜひまた、じっくり観てみたいです。 [地上波(邦画)] 8点(2011-10-19 20:36:09) |