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パブロン中毒さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 914
性別 女性
ホームページ http://ameblo.jp/cluttered-talk/
自己紹介 After shutting down my former blog, I'm writing some boring stories at new site. Anyone who's interested in, come along if you'd like to.

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1.  ボーダー(2008) 《ネタバレ》 
めっさ痛い作品でした。 …刑事ひとすじ30年となりますと、2人とも50代前半~中盤という年齢設定のはずなのですが、実年齢のほうは役柄年齢を十数歳上回っておりますから、ハンパなく痛い。 …デニーロさんの出腹なんか、目がチカチカするほどですし、パチーノさんのシワの深さといったらもう、海底2000マイルでございます。 そんなに無理してまで、2人の刑事ものを撮ることはなかったではないですか…やるなら10年前に…。 そういえば…もっと痛いことには、デニーロさんが50過ぎても絶倫なことになっていまして強引にセクシーな若い女をあてがってしまうところとか…パチーノさんにレイプをさせてしまうところとか…。 どっちかといいますと、デニーロパチーノに若い女…ときたら介護…というのがぴったりな雰囲気なんですわ。 そんな2人の筋トレシーンには異様な緊張感が。今にも「うっ」と言ってひっくり返るのではないかと…。60じいさんをあんまり酷使しないでもらいたいですね。 内容も非常にしょっぱかったですね~八月のメモワール…なんかはなかなかよかったんですけども。 なんといいますかその~白人て皮膚が薄いもんですから、老けも激しいのですよね。 千葉真一なんかは、彼らより年上だと思いますけども、モンゴロイドですから、若く見えますね。彼はちょっとお直ししているみたいですけれども、まあ。 千葉真一全然関係ありませんけれども、まあそういうことです、白人は男も女も老けるのが早いし老け方もハンパないですわ。 あと食生活も関係ありますね、動物性脂肪にまみれて生活していると老けも進みます。 魚をよく食っている国の人は肌が綺麗です。 …結局老けネタしかないという…。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2011-12-17 21:54:23)(笑:2票) (良:1票)
2.  ポエトリー、セックス 《ネタバレ》 
ストレートの一般人は、まず女どうしの同性愛を見せられると軽くショックを受けてそのことで頭が一杯になっちゃいますよね。もうそのことばっか考えて、映画の内容を冷静にジャッジできなくなります。レズビアンは映像作品にあんまりちゃんと出てこないから、見る機会が少ないため、慣れていないからです(なんであんまり出てこないかっていうと、それはこの作品の意図とも関係あるので後で言います)。 しかし、そんなことで目を眩まされてはいけないのだ。 主人公のジルが「男」だったと仮定してみてください。 なんのことはありません。元デカのアウトロー探偵が、捜査上の関係者とデキてしまったが相手に疑惑を持ち始め、結局そんなことだったんじゃん…というこのあらすじに、どーゆー新味があるでしょうか。ゼロ。 つまりこの話は、ジルが男性でさえあったならば最も使い古された私立探偵サスペンスの王道なわけで、それ以上でもそれ以下でもないのだ。 なんだ、大した話じゃないじゃんか。そうです。 「詩」を小道具として使ったことで、もったいぶった話にしたつもりでいますが、考えてみてください。ミッキーが死んだ理由は、インテリ夫婦と3Pで変態プレイをしたらやりすぎちゃったから、という、文学や教養と程遠い理由ではないですか。「詩」とか関係ないよね全然。 この作品は、レズビアンでなければいけない理由はなにひとつなくて、「いつもあんたたちが見ている探偵サスペンスをレズにしてみたわよ、どう、新鮮でしょ」ということなんですよ。 そしてその理由は、これまでレズビアンを扱ったマトモな映像がほとんど作られてこなかったことへの「アンチ」なのです。なぜ作られてこなかったかというと、作り手はほとんど「ストレートかゲイの男」だったから+男性の観客に好まれない(除くポルノ)からです。もっと言えば、「レズビアンの男役(つまりタチ)」というものは、「ストレートの男の分け前(女性という資源)を奪う存在」として憎まれているからです。 サマンサ・ラングはこのことに対してアンチの声を響かせたかったのです。その意気は理解できるが、あまりにもストーリー自体がバカバカしいので、凝った編集や演出でもどうにもならないシロモノになったことだった。
[地上波(字幕)] 6点(2010-08-17 19:09:03)
3.  BOY A 《ネタバレ》 
ジャックとしてのピュアでシャイな少年像を見せたうえで、同一人物のはずのエリックがなぜ過去に残虐な殺人に加担したのか、そのへんを観客に納得させることにはとても気を使っていると思う。 エリックという家庭環境の不幸な子供がいました。勉強もできず、いじめっ子に殴られる日々。ある日、エリックよりもっともっと不幸なフィリップがいじめっ子からエリックを守ってくれました。エリックにとって信じられるのは、フィリップただ1人となって、フィリップにどこまでもついていこうと思いました。 疎外された少年たちが固い絆に結ばれて、絆を守ることがすべてに優先されて、エリックの年齢では善悪の判断がつかなかった。…そういうふうに説明していると思う。 が、カッターを握りしめて少女を追うエリックと、出所後のジャックには、同一人物とは考えられないほどのギャップがありますから「(追い詰められて自殺してしまうような)ピュアなジャック像」というのが先にあって、上の説明は後から考えたものなんじゃないかと。 テリーが情報管理にもっと注意したうえ息子に優しくしていたら、息子が金に目が眩んで密告しなかったら、白鯨ちゃんが新聞に写真を売らなかったら、クリスが電話でジャックを見捨てるようなことを言わなかったら、この中の一つでもなければ、ジャックは生きていた…と思われます。皆が少しずつジャックの自殺に加担しているわけですから誰ひとりこの件について「無罪」ではないということになります。 周囲のみんなが、少しずつジャックを死に追いやったのだ。 この人たちは罪を問われることはないが、ジャックはいつまでも憎まれたではないか…ってそら、やったことがやったことですから。そういう比べ方(をしているように見えるが)もヘンじゃないでしょうか。 エリック=ジャックという少年は邪悪ではなかったのだ、というふうに描かれていますけど、じゃあフィリップはどうなのかというと兄に虐待されなければ邪悪ではなかったので、ジャックを自殺に追い込んだ人たちも特に邪悪なわけではないのに結果的にそういうことをしてしまっていて、つまり全体を流れる思想は、誰ももともと邪悪じゃないけど誰もが少しずつ過ちを犯しているのだということで。 罪を犯していない者だけが石を投げよ、というふうに見えます。それだと本当に罪を裁けるのは神様だけということになります。またこんな感じ…。
[地上波(字幕)] 7点(2010-06-21 20:59:46)
4.  ポルノグラフィックな関係 《ネタバレ》 
まずこの作品がエントリーしていたことに驚きました。 フランス語でしっとりと描かれる大人の男女関係です。 子供もいて離婚経験のある40代女性が人肌恋しさに大胆な広告を出します。 ここでアメリカなら逆手に取って脅迫されるか、ホテルの一室で惨死体で発見されるのが普通です。 でも、全然そうはならない。 現れた男性はごく優しい普通の人でした。そんなアホな。 男性はヘンタイでもなく犯罪者でもなく、金目当てに脅迫もしてきません。そんなアホな。 ああ~私はFOXドラマの見過ぎなんでしょうか。 インタビューで女性側がいろいろウソをついていることとその理由を想像してみることや、別離後の二人が外見を変えていることも、面白いですね。あのころの自分を早く忘れたい。もう、あの人と会っていたときの自分ではない。もしもどこかで偶然会ったなら、気がつかれないか、「見違えた」と思わせたい。「あの後の相手の人生には、きっと色々な出来事が起こっていたのだな」と思わせたい…。 結局のところ、男性の意気地なしが原因で別れてしまうのですが、長所は短所でもあるのですね~。 「優しい人」は「優柔不断」でもある、と。 そうでなければ、とっくに他の女が目をつけて妻か恋人がいるにきまってます。 秀逸なラストでした。きっと誰にでも経験がありそう。街角で見かけた元恋人を、黙ってやりすごす…。なんてせつないんでしょう。そんな時の相手は、かっこよく華やいで見えるものです。 女性の年齢をかなり高めに設定したことでリアリティが出ましたし、ヨーロッパの知らない俳優が演じていることも見る側にとっては条件が良いと思います。 ひとついえば、インタビュアーはどういうシチュエーションで質問にこぎつけたのかという疑問が残るが、こういう大人のロマンスをもっと作ってもらいたいものだ。 多くの大人に鑑賞後のせつない気持ちをぜひ味わって欲しいですね。
[地上波(字幕)] 9点(2010-06-15 17:26:44)
5.  ぼくのバラ色の人生 《ネタバレ》 
画面がカラフルでとてもかわいいです。幸せな気分になりそうな配色です。 でもそれは目くらまし。これはすごく巧みな脚本です。唸らされる。 この予定調和の無さ加減といったら、爽快です。期待を裏切り続ける展開は見事。 始めは息子可愛さに大目に見ていた母親のほうが、退学後は手のひらを返したように冷たくなるとか、会社をクビになった父親のほうが妙におおらかになったりだとか。 ここに描かれているのは「子供だから許される」ということのないむき出しの世間です。日本やアメリカでは有りえないでしょう。 そして親たちの態度がとても奇妙だと思いました。ここの親は、ちょっと見にはフランス人らしく子供も一人前扱いして主義主張を尊重しているのかのように見えますが、実は全然まともに子供を相手にしていません。子供のすることはひたすら受け流しているみたい。カウンセラーもそうです。 リュドの奇異な言動に対して、「ああもう」とかいう「個人的な反応」をするだけで、フォローというものが全然ないですね。やりっぱなし、という感じ。 フランスではこれが普通なんでしょうかね。それとも意図的なものでしょうか。 ラストはグズグズになってしまい、残念です。大人になったリュドの近況で終わればよかったのではないでしょうか。完全なニューハーフとして生きる「彼女」の。 ともあれなかなか面白く見られます。リュド役の子のふてぶてしさには苦笑しますが、だから「虐待」というふうに見えないのかもしれません。隠れた良作です。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2009-03-15 17:16:01)
6.  ボルベール/帰郷 《ネタバレ》 
娘の股間にエロい視線を送る義父…というところで、なんというか、あんまりまじめに見る気が失せてしまいました。 といっても、これが作品の最初のほうですから、そのあとはあんまり「見た」とはいえないかもしれません。画面から顔をそむけたり、早送りしたりしていましたから。 ペネロペ・クルスという苦手女優(個人的に)が出ずっぱりというだけでツラい映画ですが、アルモドバルですからいちおう見ておかねば。という不純な動機がいけないのだろうか。 もし、主演女優が別の人だったとしたら、もう少しまともに見たとは思います。 が、「娘の股間にエロい視線を送る義父」…もうこういうのはいいと思うんですけど。 親子2代にわたって父親に虐待されるという、陳腐な、ああ陳腐なネタというのはいったいどっから出てくるわけですか。女性は性的に傷つけられやすいとか、無防備だとか、そういうことが原因で人生が大きく変わってしまうということを強調したいんでしょうか。 だからもうそういうのはいいです。もういいと私は思います。 そういうマターを出してきて、「それでもたくましく生きる女性ってすごい」と思わせようなどとは三文芝居。男性はどうだか知らないが、もはやそんなものにだまされません。 もっとフツーの、フツーに近いネタで勝負してほしいと思いますアルモさんは。 だいたい「女性の生命力」なんてものは、半分以上は男の幻想(というか願望または畏怖)にすぎないかもしれないと思いませんか。女性はみんな生活力に長けてたくましくなければいけないのでしょうか。 「実父に犯されても」「夫の死体を隠しても」それでも産んで生きるわとにかく~というのが彼の思う「女性」のようです。でもそんな女ばっかだと思わないでもらいたいですね。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2009-02-28 19:36:29)
7.  ボーン・アルティメイタム 《ネタバレ》 
前作でめまいや頭痛を引き起こしてくれた「手ブレたグリーングラス」が3部作のしめくくりまで担当してしまったことは誠に残念(個人的に)。 しかし私は「アイデンティティー」のジェイソン・ボーンのファンなので、その最終作を見届けるべく手ブレに耐えて見てみる。 やー、「1」の独特の情感、ゾクゾクするようなボーンの狩りシーン、そういったものがすべて、すーべて帳消しにされている(れっきとしたシリーズものなのにさあ)。私が「1」で良いと思ったところがすべて切り捨てられているところ、ある意味「すごい」です。 そしてまた、悪い奴はいかにも「悪者です」というように、正義の味方はいかにもそのようなキャラに、「はっきりと」描き分けているところ、あまりにもすごいです。これでいいんだろうか。 要するに、全体のトーンは「勧善懲悪」になってしまっている…「1」のボーンはそのように描かれていたかしら?そもそもボーンというのは「人殺し」を職業としていたわけで。それが「記憶を取り戻したから」といって「急に善玉になる」というのはどうなのさ。あまりにも稚拙な脚本で、マトモにどうこう言う気が失せますね~。 つまり、「手ブレたグリーングラス」は、ジェイソン・ボーンというヒットシリーズを利用して豊富な資金を投入した思いどおりのアクションシーンが撮りたかっただけではないのでしょうか。 実際、カーアクション以外の場面は「24」からの借り物ぽかったり、トルコでの追っかけシーンはコマ切れすぎて何がなんだか分からずはっきりいってつまらないし、ドラマパートになるといきなり「昼メロ」調になってしまい、アレンとかスタイルズとか演技のできる役者がせっかくいるのになんの情感もないお粗末さが全開。私に言わせれば、グリーングラスは「カーアク職人」で終わる程度の人だと思う。それをあんまり持ち上げてはいけないと思います。 私は手ブレたカーアクなんてちっともいいとは思えなかったけど、中には「スゲー」と思う人もいたっていいし、「ギリ」で撮ってる感じはなんとなく伝わるが、カーアクしか取り得の無い人が監督をしてはいけない。しかも、私のジェイソン・ボーンを使ってまで…。 「1」のことを思うとこんなお粗末なことで終わってしまって本当に残念。手ブレ撲滅。合掌。
[DVD(字幕)] 5点(2008-11-29 16:40:31)
8.  ほえる犬は噛まない 《ネタバレ》 
とても退屈だった。 ポン作品は、脚本参加も含め、これでほとんど見ていることになってしまったが、これほどつまらなかったものはない。 私のカンだけれど、これは初長編監督作ということで、監督のコンプレックスが前面に出てしまったのだと思う。 それはなにかというと、「映画人として芽が出始め、これから世界に出ていくであろう自分が、アジアに育ったアジア人であること(アジア部分韓国でも可)」でしょう。 まあ簡単にいうと欧米コンプレックス。 「殺人の追憶」とか「グエムル」においては、韓国の「雑草性」に対する強い愛情と自信が感じられた。それを恥じることなく世界へ向かって堂々と表現できる彼が居たと思う。 たぶん「ほえる犬」の段階では、「雑草性」に対する愛情の部分より、恥ずかしく情けなく思う近親憎悪的感情が勝っていた。 それでどうなるかというと、「露悪的」になる。 「ほえる犬」の場合は、「オレっちの国では犬、喰いますけどそれが何か?」という(当時の彼にしてみたらそれが最強ネタだった)西洋文化へ向けた「露悪的」な開き直り、誰かに尋ねられる前に「オレは黄色人種だけどそれが何か?」「オレは韓国人だけどそれが何か?」と先に予防線を張ってしまう感じ、に出てしまったのだと思う。「ほえる犬」がまとまりもなくカタルシスも生まずパンチの効かない作品に仕上がったのは、とりあえずポン・ジュノは「犬食文化」が出せればそれでよかったから。 ある程度仕方がないことなのだろう。アジアに生まれたアジア人の宿命かも。 けれどポン・ジュノはその後近親憎悪を克服し、すばらしい作品を撮ったので「ほえる犬」は芸の肥やし的作品といえるだろう。
[CS・衛星(字幕)] 3点(2008-06-19 14:15:09)
9.  ぼくを葬る(おくる) 《ネタバレ》 
「死ぬまでにしたい10のこと」男性バージョン。しかもゲイだ。 治療を拒否するところ、体に悪いことばっかしてみるところ、誰にも打ち明けないところ。 ロマンは祖母だけには告白するけどね。ここが男の弱さとでもいうのかしら。 思うに「映画」だからなのだろうか、「10のこと」にしても、この作品にしても、ガンに侵された人を描くにキレイすぎる。 時折思い出したようにゲロを吐いてみたりする。が、普段は勝手にいろんなところにお出かけしたりしている。 こんなものではない。身内をガンで失った人はご存知だろうが、ガンは体を破壊してゆくのだから。美しかった肉体も、あんまり美しくなかった肉体も、平等に壊してゆくのだから。 2作品とも、徹底的に「病院」を拒否するあたり、どう解釈していいのか。「若いのだから闘って欲しい」というしごくもっともな医師の言葉を無視する彼ら。若くなくても「闘っている」他の患者をバカにしているようにも見える。 べつに人に迷惑をかけるわけでもないので、好きにしてもらっていいけれど、「ガン」にかかった人をあんまり美しく描くのはやめてもらいたい。病気とは、(とくにガンの場合は)壊れていくことであり、醜く汚く苦しいのがあたりまえ。「そんな醜いことは、ぼくの美意識が許さないんだな」とか言ってロマンくんはこんなことしてるわけだけど。フツーの人は、望みが5%でも3%でも「家族のためにも」治療を受けて死んでいく。そしてまた、治療を施す医師のほうだって、職業とはいえ他人のために「面倒くさい」ことを責任もってやってくれるのだ。「治療は結構です」と言ってくれれば何もしなくてすんでこんなにラクなことはないのに、やっかいごとを抱え込んでくれるのだ。「手をつくした」かどうかということのみが、家族の「納得」の有無につながるのだ。私とて、父が最後まで手厚い治療を受けたと思えるからこそ、誰のことも恨む気にならない。医療は家族をこの境地まで連れてくるために存在する。 「どうせ効かないから無駄。」とかいっているロマンくんには、理解できないだろう。 「またラストは砂浜かよ」オゾンくんは「みなさん、さようなら」に触発されたのか知らないが、今回はあまり感心しない。テデスキさんをまた出してくるあたりも、あんまりお気に入りの役者ばっかり使ってると「舞台」くさい気がしてくる。ジャンヌ・モローは迫力勝ち。
[DVD(字幕)] 5点(2006-11-04 00:07:44)(良:1票)
10.  ポセイドン・アドベンチャー(1972) 《ネタバレ》 
ご本家はこんなすんばらしい作品だったとは。 古い映画らしくテンポがゆっくりしているところが、昨今の映画ズレしたガサツな私などには「なにをモタモタやっとるんじゃ!早く逃げろよ!」とハッパをかけたくなる場面が多かったですが。まあ、それを差し引いてもすばらしい出来です。貫禄勝ち。 問題の転覆場面も大迫力で、新しい映画にも全く引けを取っていないし、私程度の観客はこのぐらいで充分満足だ。やっぱり映画は技術なんかじゃない!こりゃあ、劇場で見たかったなあ。とめずらしく思うのだった。 ジーン・ハックマン。このすんばらしい神業のようなセリフまわしの妙よ。そう、役者さんとは早口でもあくまで割舌良く、ほれぼれするしゃべりができる人のことなのですね。この人を見ていると、「ああー、私はいま、プロ中のプロの演技を鑑賞しているのだ」とありがたーい気持ちにすらなってくる。 これはやっぱりすごく宗教色の濃い映画でしたね。のっけから、カソリックの神父とプロテスタントの牧師のつばぜり合い。デッキにはユダヤ人の夫婦がなごんでいるし。パニック映画だというのに、最初から宗教前面押し。そして驚愕のラスト。プロテスタントの名(異を唱える人々)のとおり、牧師は運命に「抗い」、他人の意見に異を唱え、道を切り開く。そしてまた彼は、牧師でありながら「苦しい時こそ神頼みをせず」「自力で闘う」という独自の思想を持っている人物である。彼は〝己の思想〟に殉じたのである。実は殉教ではないのだ。…という意味では本当は著しく革新的なストーリーなんである。 ツリーの上から溺れる愚かな民を見下ろすスコットは、箱舟に避難したノアのようにも思え、己に従う人々を率いて道なき道を進むスコットの姿は、エクソダスのモーゼをも彷彿とさせる。が、しかしノアもモーゼもただ「神様がそういったから」言うとおりにしたというのみである。「ポセイドン」のスコットの行動はすべて彼の「内なる神」から出たもので、その「内なる神」とは「自力で闘う」という思想なのであった。 最後には自己犠牲までして「自力で闘う」を全うしていくスコットという人間が、「牧師」であるということ、この設定には深ーい意味がこめられていると感じます。もしかして、神父→牧師→自力という「進化」の過程といいたいのか。 なんにしても、映画史に残る傑作であります。ジーン・ハックマンは超グレイト。大拍手。
[DVD(字幕)] 9点(2006-10-20 22:42:54)(良:2票)
11.  ポセイドン(2006) 《ネタバレ》 
「ポセイドン」これは、豪華客船で自然を超越した気になっている傲慢な人間に神罰を下した海の神と、勇気を持った一部の人間の闘い…きっとそんな話だろう、と大津波を見た瞬間に思った。いいぞいいぞ。しかし全然違った。 水遊びの大大大好きな監督さんの、「これでもか」な水技を見せるための作品だった。 カート・ラッセルとリチャード・ドレイファス以外の役者さんが妙に安いわけだ。そんなことどうでもいいしな。 「ペーターセンのザ・ウォーターランド」てなテーマパークを作っても大して変わらないような気がするので、こういうことならもう、映画という枠にこだわって「水芸」を披露することもないのではないでしょうか。「ランド」が出来ても行かないけどさ。
[DVD(字幕)] 5点(2006-10-07 21:22:40)(笑:1票)
12.  ぼくの美しい人だから 《ネタバレ》 
ありえない大人の童話である。 43歳(の役)にして頭の上におリボン。ムダ毛なんて気にしない。スーザン・サランドンでなければできないなあ。 2人の間に階級や価値観の違いによる葛藤はあるにはあるのだが、そこをすべて「愛こそすべて」で済ませていることがちょっとゆるいかなあ。もっと決定的な対立があってそこを乗り越えてくれないとなあ。エピソードが足りない気がする。 それにしても勘の鋭い女の人ってこわいですね。ちょっとしたことを絶対見のがさないからなあ。私なんて何一つ気がついたこともない。個人的にはそんなに強力にお互いを見詰め合わないほうがいいんじゃないかと思います。疲れてしまう。 
[DVD(字幕)] 6点(2006-10-01 21:07:58)
13.  微笑みに出逢う街角 《ネタバレ》 
ゴージャスさを消そうと必死に努力しているソフィア・ローレン。この役にはやっぱり無理があるよなあ。ずっとお手伝いさんのいる生活をしているだろうに、車椅子の夫にこき使われる主婦なんて。このゴージャス顔で。リアリティはゼロである。(私はそこがいいと思うような通ではない。) ミラ・ソルヴィーノ。写真を撮りにアンゴラまで行ってしまうようなガッツがあるとはとても思えぬソフトな顔立ちにモデル体型だ。 デボラ・カーラ・アンガー。何に出ていても疲れた顔をしている。「お疲れ顔女優」のトップと思われる。今回はかなり顔がむくんでいた。 この3人が演じた女の人は、とにかく言葉で他人と勝負しない人種なのだ。芸術家だから。 「障害者だからって偉そうに人をこきつかってあんたは何様のつもり。」とか「親父がどんなに偉いか知らないがあたしの仕事に口を出すな」とか「ママを殴り殺しやがって刑期を務めたからって許さん。あんたなんか死ね。」とか口がさけても言いそうにない。 口が無くなったかのようにだまってうつむくばかりの3人。周囲の男の人たちはそういう女たちに中に入れてもらえずグルグル衛星のようにまわっているだけみたいに見える。 そして充分に鬱憤がたまったころに彼女らは突然行動を起こす。そういう人種みたいなのだ。 なんかうっとうしいなあ。好きじゃないなあ。思ったことは言わなければ分からないよ。それじゃ映画にならんのか?  
[DVD(字幕)] 6点(2006-09-23 16:42:16)
14.  ホワイト・ライズ 《ネタバレ》 
とにかくあのアミダラの影武者だった女の子が魅力がないので、どうにも収集つかず。 ナオミ・ワッツがニコール・キッドマンの廉価版なら、彼女はナタリー・ポートマンの廉価版。 つくづく映画の中で一目ぼれに説得力をもたせるのは難しいのだなと思った。(たまたまキリングミーソフトリーと続けて見たので。どちらも失敗と思う) ジョシュ・ハートネットの一人の女性を忘れられない男の気持ちも、一目ぼれした見知らぬ男のストーカーと化すアレックスの気持ちも、全く共感できるところがない。「話の都合」としか思えない。 現実の話を一旦止めて、一人の人物のエピソードに移っていく手法も、ひとつの作品の中でこう何度も繰り返されると「またか」としか思えず洗練されているとはとてもいえない。 マシューとリサが2年間も会えないでいたという強引なシチュエーションも、「カリートの道」のように刑務所に入っていたわけじゃなし、そんなわけないじゃんのご都合優先。そんでまた、リサは何かと言うと大事な話を他人に託すという非現実的な女である。 「シャンプー」を見たときもそうだったけど、どうやらジョシュ・ハートネットが魅力的に見えたのは「ブラックホークダウン」のみだから、やはりリドリー・スコットの魔術だったのかもしれない。(エリック・バーナしかり。ジェレミー・ピヴェンは本物)
[DVD(字幕)] 5点(2006-09-13 23:08:59)
15.  ホワット・ライズ・ビニース 《ネタバレ》 
ゼメキスなので期待していたのに。ドリームワークスは私には合わないなあ。なんか妙に「クリーン」な映画作ってませんか。「猥雑」とか「混沌」とか「不健康」を排していてさ。あの月のイントロが出ると「あーあ」と思うようにすらなってしまった。ハリソンフォードとミシェルファイファ。全く合いませんね。カップルにはミスマッチというのもアリだと思うが、こんなに違和感のあるカップルもなあ。ミシェルはブルースウィリスとの夫婦役はぴったり来てたけど。あれはロブライナーの演出というものか?いやいや、ブルースのアホまるだしのピュアな男がミシェルの几帳面な感じとマッチング。それはともかく、全く夫婦に見えないこの2人が、いい年なのにベッドでひたすら励んでいるというのが…。しかも「お隣さんに負けないようにがんばろう」とか言ってさ。ハリソンなんてこのころ60近かったというのに。だいたいハリソンフォードくらいベッドシーンの見たくない俳優さんはいない。勘弁してくださいよーそんなもの。上記のようにドリームワークス製の殺菌済映像により、妙に「クリーン」なサスペンスとなっていたので、なんの感慨もなく、謎解きでもなく、「ハリソンフォードの殺人鬼なんてリアリティあるわけないじゃん」で終了。筋がどうとかより、妙にクリーンなんだってば。タバコの吸殻とか犬の糞なんて絶対落ちてそうにないんだわ。そこがかえって疲れる。
[DVD(字幕)] 5点(2006-01-29 21:38:05)
16.  僕はラジオ 《ネタバレ》 
「映画」の目的には「言葉だけでは伝わらないことを表現する」とか、「現実にはあり得ないものを見せる」とか色々あると思いますが、「映画くん」の最も強烈な得意技はこれでしょう。「映画になっちゃった」「映画になったんだって」。つまりは「プロジェクトX」の大規模拡大版のようなもののこと。「僕はラジオ」は、「作り話」で人の心を動かす「映画」とは目的が違うので、他の「映画になっちゃった」作品と比べても、より「プロジェクトX」的な作品なのです。そのため、どちらかというと「作り話」としての完成度を期待する観客には満足のいくものではありません。地元高校の強豪アメフトチームという、誇らしいアメリカの象徴ともいえる、最も日の当たる位置にいるコーチと、黒人で貧乏で母子家庭なうえ障害者、という「最も日の当たらない」青年ラジオが結びついてしまうことの皮肉と不思議を感じました。 「闘う男と応援する女」という、もはやアメリカ人のDNAともいえる構図を実践しているコーチですから、ラジオのような日の当たらない人間に心を寄せるのは「作り話だとしたらあざとすぎ」ますよね。ところが事実は小説より奇なりで、そこにはちゃんと納得のいく歴史があったのです。私は映画の役割のひとつとして、「映画になっちゃった」は「アリ」だと思う。「ボーイズドントクライ」「モンスター」のような悲惨系のものはヤだけど。ぽん太さんのように、「ラジオが何かやらかすのでは」のイヤーな緊張感には確かに縛られました。デブラの姿を拝むことができてよかった。キューバはすごい、の一言。脚本・演出がかなり抑えてあったのは「プロジェクトX」的であるから当然。
[DVD(字幕)] 7点(2006-01-14 15:34:03)
17.  ホワイトナイツ/白夜 《ネタバレ》 
なぜか劇場で見たんです。製作側の狙いどおり「バリシニコフ」という名前にひかれて。 ところが、この映画でもっとも印象に残っているのは、バリちゃんのバレエでもなく、ハインズのタップでもなく、ラストのロシア側の交換スパイが、「サバサバッ」と帰っていく姿。それはあまりにも「サバサバッ」だったのでした。西側の奴が(ハインズ)、自分から行ってるにもかかわらず後悔でもんもんとしちゃってたり、東側から逃げた奴が、「仕返しされる」とか恐怖におののいていたり、とにかく大騒ぎしているにもかかわらず、「フン」て感じなんだわ。「なに騒いでんだバカ」って言わないけど言ってるみたいなんだわ。ここの場面に興味持った方ほかにもいないでしょうか。それとも私ってそうとう偏ってる?
[映画館(字幕)] 6点(2005-12-29 16:32:46)
18.  ボウリング・フォー・コロンバイン 《ネタバレ》 
ムーアにはちょっとはまっちゃった。誰もがわかっているけど奴は確信犯。そして、ほんとはブッシュを追い込むことは2番目の目的で、1番はエンタテインメント。なんか、本で言い訳してたもんねえ。俺が緑の党のナントカを押さなかったせいでブッシュが通ったけどそのワケはとかさ。いいんだよムーア、あんたは間違いなく面白いから。誰も見てくれなかったら意味無いし、見てもらうには面白くないといけないもんね。でもみんな、だまされないでねー。
[DVD(字幕)] 8点(2005-12-25 00:15:03)
19.  BODY/ボディ 《ネタバレ》 
その筋では酷評されるだけのこの作品、けっこう好きです。なによりマドンナが画面にでているだけで緊張感あるし。ウィレムデフォーの骸骨ぶりは、すでに「ハンサム」とは程遠いものですが。全身にハリをしてもらっているマドンナの悩殺笑いが印象的。
[ビデオ(字幕)] 7点(2005-11-23 19:09:58)
20.  ボーイズ・ドント・クライ 《ネタバレ》 
実話に添わなくても、映画として成立させる方向にしたほうがよかったと思う。 べつにドキュメントじゃなくてもいいじゃない。前半あんなにおもしろかったのに、後半サドグロ。せっかくの前半の「青春グラフィティー」はどこへ。 クロエとうまくいってるように見えたけど、やっぱり男に行っちゃって、あーあ、せつないよね、ってなことでもよかったじゃないかあ。それでも充分終われるじゃん。なにが悲しくて前半のよさをこわすのか、観客は逃げ出したくなる。こういう終わり方をするなら、最初からもっと不幸な描き方をしてくれ。なんか約束が違う。 
[ビデオ(字幕)] 5点(2005-11-02 22:59:07)
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130.33%
2101.09%
3454.92%
4717.77%
515116.52%
614916.30%
718320.02%
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99310.18%
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