1. マッドマックス 怒りのデス・ロード
《ネタバレ》 先頭に吊るされた男がギター弾いてる車が面白かったです。 [DVD(字幕)] 6点(2020-03-27 14:14:18) |
2. マイマイ新子と千年の魔法
《ネタバレ》 戦後まもない山口県のドイナカに暮らす小学生新子、ある日東京から転校生キイコがやってくる。ドイナカに馴染めないキイコだが新子と仲良くなるにつれ徐々に表情が明るくなる。 それに伴って、生々しくゴツゴツした大人たちの事情が、少年少女たちを翻弄する。 っていう現在の物語レイヤーと、1000年前のいにしえの日本の暮らしレイヤーが重なりながら、複層的な展開になっていく。 そのイマジネーションをスクリーンいっぱいに展開する新子は、様々な「死」と対峙し、徐々に現実に目を奪われていってしまう。それと逆にキイコは、新子から引き継ぐかのようにいにしえの日本に飛び込む。最終的には千年前の世界が、少女らのイマジネーションから自立していく。ここがなかなかややこしいけど、感動的。 また、僕はタツヨシの運命に強く共感した。あの最後の笑いは、父との決着がついたからだろう。眉毛の傷痕からも彼のこれまでのことがよくよくわかる。タツヨシと共に立ち向かう新子の強さもよかった。あの強さは千年の歴史を積み重ねる(まさにレイヤー)あのドイナカが育んだのだろう。 これがもし高校生とかによる物語だったら、男女のクライマックスはロマンチックになりがち(君の名はとか時かけとかサマーウォーズとかニノ国とか、ニノ国?)。けれど彼らは小学生、とてもさわやかに惜別する。もっと泣かせてくれてもいいのに、じつにさわやかだった。 彼ら彼女らも、2019年頃には後期高齢者だろう。つまり、今の後期高齢者のみなさんにも、この映画のような日々があったということ。僕にはあるだろうか。 [DVD(邦画)] 8点(2020-03-23 22:18:23) |
3. 万引き家族
《ネタバレ》 トウモロコシ 風呂 車上荒らし 安藤サクラの涙 ラストシーンはスクリーン右側を向く少女 [映画館(邦画)] 9点(2018-12-27 22:48:47) |
4. 幕が上がる
《ネタバレ》 僕がまず感じたことは、ももクロ5人が高校演劇という教育活動を扱う映画の主演を通して、高校演劇が期待する教育効果(青少年らしい成長・自己実現・社会性・豊かな心・あとなんかいろいろ)を獲得していく姿を捉えることに成功した映画だ、ということだ。単なるアイドル映画であれば、完成されたアイドルをただかわいくエロく映していればそれで事足りるだろう。もちろん『幕』もアイドル映画の要素は拭いきれないけれども、そんな“目の保養”程度の映画の域を大きく越えて、ももクロそのものの成長・自己実現を生々しく汗臭く撮ることが出来ていた。成長した若者を見るのは本当にすがすがしいものだ。昔チビでクソガキだった親戚の少年が、数年ぶりに法事で見かけた時に立派な青年になっていたときのすがすがしさ、頼もしさ、かわいらしさ。そんな映画。 [映画館(邦画)] 8点(2015-03-20 23:32:12) |
5. マイ・バック・ページ
《ネタバレ》 あんまりおもしろくなかった。ラストの15分くらい寝た。映像がアナログ放送みたいな感じで荒く、その質感が心地よい。細部まで40年前の風景が作られていて感心。 エロが足りない。若者の映画なんだからエロは必要だろう。 『バーダーマインホフ』『実録日本赤軍 あさま山荘への道程』『パッチギ』あたりを参照。 『真夜中のカーボーイ』を観なきゃいけないなと思った。 あの学生運動の熱気、もう日本には訪れないのだろうか。一部のプロ市民とチャンネル桜と怖い大人たちの週末のサークル活動なんかではなく、東大を入試中止に追い込むくらいのそれを、なんとなく欲している。 [映画館(邦画)] 7点(2011-06-09 21:04:56) |
6. マーターズ(2007)
《ネタバレ》 レンタルDVDだったからなのか、どうもスプラッターシーンが削られているような気がする。それくらい拍子抜けするくらい全然グロくなかった。エロくもないし。かといってオリジナル版を確認するほど魅力的な映画ではない。 「あの世を見る」という大義がいちおう彼ら彼女らにある以上、あの暴力の根拠がわかるので、さして残虐にみえないのだよ。『ホステル』みたいな大義のない(あえて言うなら自分の快楽のため)暴力だからこそ残虐であり、恐怖である。 そういう意味で、最後科学くんがつぶやいたクチパクは「くるしい」(綾瀬女子高生コンクリ事件での、女子高生の最後の言葉)でなければならないし、それを聞いたあの老婆は自殺してはならない。笑ってくれないと真の不条理にはならない。あの老婆の自殺は、映画を観た我々を赦してしまうようで、俺はマーターズ(証人)にはなれなかった。 [DVD(字幕)] 5点(2010-01-28 21:11:14) |
7. マリー・アントワネット(2006)
毎日毎日贅をつくし、トランプ遊びにふけっていたというのはつまり、すげー暇だったということだろう。それに耐えられる人ならいいが、耐えられない人だったらばさぞかし辛いだろう。そりゃあ失政もするわ。 [DVD(字幕)] 7点(2009-08-30 01:38:20) |
8. 魔女の宅急便(1989)
《ネタバレ》 ラストのジジのにゃーんに対するキキの笑顔、あの時のキキの気持ちを言い表すにはA4で10枚必要。 [DVD(邦画)] 9点(2008-12-31 03:31:25) |
9. 魔法にかけられて
《ネタバレ》 どういえばいいのだろう。諸手をあげて賞賛したい自分と、否これは愛の無い悪映画だと感じる自分とがいる。なので真ん中の5点とする。 ほめるべきはやはり「ディズニー」であることをまるで逆手にとったかのような美しさ。この世にディズニーがあることを心のそこから感謝できるほど。そのまま勢い良くリアルな世界に飛び込んでいくスピードは、往年のメリーポピンズやサウンドオブミュージックではなしえない爽快感。 おとぎ話の世界のお姫様っていうのは、完璧の美であり、すべての子供達の永遠の憧れの存在なのである。われわれ穢れた生身の人間達には到底手の届かない、夢と魔法の世界の幻想の住人。そんなジゼルに対して、夢と魔法を忘れ去った大人は、理屈にならないところで癒され、夢を得て、幸福になっていく。これぞディズニーという存在である。そんな向こう側の人々が、夢を忘れた現代人に夢と愛をもたらすのである。 であるんだが・・・。 真実の愛があるのはかまわない。俺だってアリエル好きだし。そして、向こう側のお姫様たちがこっち側の人間を愛することだって、もしかしたらありうることでしょう。でも我々は、そういう永遠の憧れを愛しながら、現実には人間の女と結婚していくわけでしょ。あるいは親の都合で結婚せざるをえなかったり、離婚したり、母子家庭だったり。そんなわれわれには、確かに「永遠の愛」なんて無いのかもしれない。でも、ジゼルはあの弁護士を選んだ!あの弁護士は「永遠の愛」という「幻想」を選んだ!ジゼルは、弁護士から彼の現実的幸福を略奪し、夢と魔法の永遠の愛を選んだのだ!これはあんまりではないか。 確かに永遠の愛は「めでたしめでたし」なのかもしれない。けれども、本当はわれわれは、そういう永遠の愛をこらえて、あきらめて、きわめて現実的に毎日を過ごしている。そうやって現実の世界に彼氏彼女、仕事、家、お金、そんなものを一生懸命こしらえて生きているわけですよ。ジゼルにはそこを読んで欲しかった。真実の愛は、やはりファンタジーにしておかなければいけなかった。弁護士の男も元のフィアンセを選ぶべきだ。あのフィアンセは弁護士を信じていたはずだ。だからこそあそこでキスを許可できたんだ。 人間は、永遠の愛を胸に秘めながら、現実のひそやかな幸せをつむいでいく、そういう切ない生き物なんだと見せ付けられました。 [映画館(字幕)] 5点(2008-03-18 01:31:22)(良:1票) |
10. 街の灯(1931)
サイレント映画によるセリフの文字化が、表現としてとても新しく感じた。逆に言葉の強さが前面に押し出されたようだ。それ以外の会話は、物語の進行に関係ないものは口パクでしかないが、それらの聞こえてこない言葉たちがよりイメージを沸き立たせる。であるからこそ役者の動きや表情がめだつ。ラストはいろいろな捉え方ができるだろう。色あせてはいるが、今でも面白い。 [DVD(字幕)] 9点(2006-11-28 01:20:39) |
11. マレフィク 呪われた監獄
それなりに面白かったですが、監獄の閉塞感とか、居心地の悪さがもっと感じたかった。 ソウとかキューブにあったあれ。 [DVD(字幕)] 7点(2006-11-07 23:20:09) |
12. 真夜中の弥次さん喜多さん
群れをなす荒川良々、っていうだけで面白がれない人にとっては、ただの破天荒な面白人間のモンタージュに過ぎないと思います。麻生久美子が本当にいいね。 [DVD(字幕)] 8点(2006-05-13 22:18:11) |
13. マンダレイ
前作ドッグヴィルに比べ、あの舞台演出であることの有効性が少なかったかなと思う。地平線がよく写らないし、むしろ人間ばかりで、壁の無いことの効果をもっと有効に使っていかなければ、意味が無い。でも、ああいう環境が「普通」になってきたことは僕にとってはとても気分いいことである。そして他の映画作家がああいう表現を真似たとき「ドッグヴィルのパクリだね」といわれるだろう予測も心地よい。 作品の内容として、ドッグヴィルより説明っぽくなってしまって、生々しさが薄れてしまった気がする。もっと理屈や決まりをぶっ壊す感覚がほしかったね。それは建物が崩れるように、人間性が崩れる、そういう崩れっぷりがこの監督の見ものであった気がします。とはいえ、3作目「ワシントン」も必ず見たいです。 [映画館(字幕)] 8点(2006-03-31 23:20:32) |
14. マイノリティ・リポート
SFサスペンスは面白いですね。近未来の描き方も説得力があってよかった。ユビキタス社会ってやつ?僕はいやだ 8点(2004-10-31 16:07:49) |
15. ママ
ミトンを観た後に始まるのがこの作品。ミトンの余韻に浸っているといきなり始まってしまうのでけじめが必要。人間達がとにかく愉快でたまらないです。生身の俳優やCGアニメでは描ききれない演技です。 ロマン監督はお母さんが大好きなんでしょう。 9点(2004-08-01 01:18:09) |
16. マルホランド・ドライブ
DVDの監督インタビューで「解釈は観たあなたに任せます」といっていたので、観た人の数だけ真理があると思います。それでいいと思います。だから逆に安心してご覧ください。「面白かった」の一言のレビューで十分《良》の評価に値します。僕の真理・・・Ⅰこれはラブストーリーである。Ⅱ2001年宇宙の旅とかのように哲学的で深遠な謎というわけではない。Ⅲデビッドリンチは、食べ物に例えるとバナナの皮である。 7点(2004-05-23 00:24:43) |
17. マレーナ
モニカベルッチの美しさは、いつも罪深い。 8点(2004-02-14 23:56:27) |
18. マルコヴィッチの穴
意識とはなにか!?。思考と感覚とはなにか!?。意志が物質を創ったのか、物質が意志を創ったのか!?。自己と他者との境界とはなにか!?。己とはなにか!?。心のカタチの幾何学?そういった哲学的な未解決問題をじつにコミカルに楽しく映画になっています。マルコビッチがマルコビッチ自身になると、マルコビッチにはじっさいにはああいう世界がひろがるんですね。むずかしい!それがおもしろい! 9点(2004-02-04 22:56:32) |
19. まぼろし
何年か前に学生のころに観た。そしてまた今回観てみた。ラストの海岸での号泣は、きっと悔しさなのではないか。死んでいるとわかっていて、それを認めず、ずっと幻夫と対話していたということは、現実の夫(つまり死)に対しての無視。それをわかっててか見て見ぬふりかの後ろめたさ。で、夫の死体を見たとき、きっと普通にグロかったんだと思う。 ラスト、海辺のまぼろしに向かって走っていくが、少々追い抜いているようにも見える。深い意味があるかもしれないが、あれはただの、監督からいただいた彼女なりの救済だったと思う。 [DVD(字幕)] 9点(2004-02-04 02:23:30) |
20. マイ・フレンド・フォーエバー
初めて泣いた記念碑的映画です。題名からして泣けるくらいコテコテベタベタお涙頂戴で、日本の大衆演劇みたいだが、チープでなくていい。ラストは淡々と泣かせてくれます。その波に乗れば満足できます。そう難しくはありません。どうぞ。 9点(2004-01-30 12:06:11) |