1. 柳生一族の陰謀
《ネタバレ》 いやぁ面白かった! それにしても、このラストは・・・(笑) 二度と使えない手のラスト。 むっちゃくっちゃ孤独な人、柳生宗矩。 自分のルーツ的な人たちまで抹殺することになってしまう。 でも根来衆と柳生一族の関係は定かではないらしい(ネット情報ですけど・・) イカス設定に痺れる。 お国と忠長の恋愛関係とか、 柳生の新陰流に対し、神影流の小笠原玄信斎を忠長の師範役にもってくるとことか・・ でも雪之丞はどこにいった? [ビデオ(邦画)] 8点(2023-08-06 02:49:39) |
2. 闇の子供たち
《ネタバレ》 坂本順治のあいかわらずの全力投球ぶりだが、これは剛速球だった。 原作未読だが、江口演じる記者が、なぜ今まさに幼児の命が奪われようかという その時に、「俺はただ見て、それを伝えるだけの仕事だが、目をそらさぬ」というところで、 終わってしまったか? (いや、これは大変な現場で、自分だってどうすることができるかなんて分からない。) その答えがラスト、彼が自死した後、部屋に残されていた。 僕は、彼が幼児買春していたなんて、発想はしたくない。 彼は、子どもに「放して」と拒否された理由が分からなかっただけなんじゃないか。 でも彼の過去を振り返る映画ではない。そこは深く描かなかった、という発想です。 自分の顔を鏡で見ながら、幼児売買春の人間と同じなのかと、深く自問自答の末の、自死だったのだと思うのです。 でも原作未読なので、分からないけど・・ NGO内部に「敵」がいた!? これはマコトか!?ドラマ作りのための発想だと思いたい。 だって、怖すぎでしょ!? [DVD(邦画)] 7点(2020-11-28 23:40:51) |
3. 山猫
《ネタバレ》 ビスコンティでは、これが一番分かりやすくて、好き。 前半では、シチリア島からのイタリア統一を掲げていた革命軍から、国軍へと 転身したタンクレディ(ドロン)とアンジェリカの恋。 (アンジェリカの笑い声がヒステリックで怖い・・) 後半は、その革命軍の有志を討った男と貴族たちの宴。 ここで主人公のランカスターは、日和見な連中の中にいて、孤独を感じる。 貴族の没落を描くことの多いビスコンティは、ここでは退廃ではなく、 新時代になったことで旧体制との関わりの強かった貴族の没落を描く。 ここでランカスターはボソッとつぶやく。 「山猫と獅子は退き、ジャッカルと羊の時代が来る。 山猫も獅子もジャッカルも羊も自らを地の塩と信じている」と・・ 題名の山猫は、ランカスターら貴族のことである。 誇りあるが、孤独な老貴族の後ろ姿に、映画冒頭の 引用文が思い出される。 「現状を保つには、変わるしかない」 いつの時代も変わらないですね(寂) [ビデオ(字幕)] 7点(2020-10-25 23:45:45) |
4. ヤングガン2
《ネタバレ》 う~ん、一作目は面白かったんだけど・・ シナリオをかなりこね回したような感じはあるんだけど、イマイチでしたね。 ギャレット役のアクの薄さとコバーンをもっと活かさないと・・ やはり仲間が死に過ぎるから、ちょっと暗めな印象ですね。 結局、エステバスのあの笑いがビリーザキッドにふさわしかったからの起用でしょうか? エンドロールでの彼のヒャッヒャッヒャって笑い声でそう思いました。 ペキンパーのビリーも観てみたいですね。 それにしても娼婦の彼女は素敵です(ドキドキ) [ビデオ(字幕)] 6点(2019-08-03 18:44:31) |
5. ヤングガン
《ネタバレ》 ヤングスターたちの競演西部劇。 ニューシネマだったりすると、最後全員やられるのが、普通なのだけど、 若いスターの魅力の前にそういう映画にはならなかった。 てっきり哀しいBGMのなか、スローモーションで散っていくと思ってた。 リンカーンから生きて脱出できるとは思わなかったなぁ。 しかしビリーザキッドの映画としては、この映画の方が実像に近いらしい。 ペキンパーとかもビリーの映画撮ってるのにね 意外です。 [ビデオ(字幕)] 7点(2019-08-01 10:31:13) |
6. 野獣死すべし(1980/日本)
《ネタバレ》 ラストのストップモーションは、ロバートキャパの「崩れ落ちる兵士」かな?角川映画ってコテコテのB級映画なんだけど、志は高いんだよね。照明もカメラもあまりいいのは使えないんだけど、数々の名作に挑んでる感じがする。印象深いシーンもある。リップバンウィンクルの話のシーンは、日本映画史に残るんじゃないかな?題材は面白いんだけど、主人公が、野獣のアイデンティティが人を殺すことだというくだりは、つまらない(笑) [DVD(邦画)] 6点(2016-07-23 15:05:25) |
7. ヤコペッティの大残酷
《ネタバレ》 一言で言うなら、精液の匂いのする映画だった。ヤコペッティは、自分が子どもの頃、映画館に通っていたとき、やたら彼のドキュメンタリーのポスターがあったが、どれも子どもの見る内容ではなかったので、あれは何だろうと思っていた。あれから40年、発掘良品でとうとう鑑賞してみた。ひどい映像ばかりだが、カメラマンは有名なパゾリーニの撮影担当者らしい。ストーリーも歴史的宗教的な意味があるのだろうけど、それをふまえず観ると、ただのエログロナンセンスである。原案はボルテールの哲学小説「カンディード」から来てるらしい。哲学・・かなぁ、これ(笑)。途中、ホドロフスキーの「ホーリーマウンテン」を思い出したが、彼の方が女性からもてるだろうなぁと思った。最後は、男側の身勝手な世界観をたっぷり描いた後に、若者も同じような苦労をするなどと説教じみたことを言うから、ご苦労さんと心の中でつぶやいてあげた。 [DVD(字幕)] 5点(2016-06-11 22:08:13) |
8. 闇のバイブル/聖少女の詩
《ネタバレ》 これは面白い!若い時に鑑賞していたら、絶対、影響を受けたと思います。それほど完成度が高い!こういう映画がもっといっぱいあってもいいと思うくらい、少女の気持ちを表していそうです。(男だから、分からないんですが・・笑)ストーリーは難解で、挑んでみたのですが、やはり分からなかった・・。これは男から見た女の子の世界なのか、女性から見ても納得のいく女の子の世界なのか、ちょっとその辺の話を女性としてみたいと思うのは、下衆な気持ちなのでしょうか? [DVD(字幕)] 8点(2016-01-17 15:46:19) |
9. 八つ墓村(1977)
黒沢明が「七人の侍」を創るとき、「カツ丼の上にビフテキと蒲焼をのせた映画を創る」と言っていたそうだが、これは野村芳太郎がやはりそんな感じでとびっきりの映画を創ろうと思ったんじゃないか、というくらい贅沢な邦画ミステリー。非常に物語は重厚で、映像も日本のきれいな風景や家屋をきちんと撮影して、まぁまぁ贅沢なこと。ここまで映画の世界に身を置いて、広がりある世界に連れて行ってもらえたって感じのする映画ってあんまりないよ~。どこか箱庭の中のおとぎ話ってかんじのする映画が多いように思います。この作品はどこか羽伸ばして、旅先でいい思い出ができて、気分転換になった~といえる映画です。 [DVD(字幕)] 8点(2013-01-13 17:52:26) |
10. 山桜
静かな映画だなぁなんて思ってましたが、ラスト、麗奈ちゃん演じる女性の気持ちの高ぶりと一緒に一青窈の音楽で盛り上がり、実に爽やかな映画でした。淡々と描かれてますが、内容はかなり閉塞感ある話。どんなラストになるだろうと思っていたら、富司純子の登場で画面に、一気に光が指します。この二人の男女の恋の行方ははっきり描かれてませんが、とても幸福な映画です。藤沢周平さんは良いですねぇ。彼の映画化された作品の中では有名な「蝉しぐれ」がちょっとマンガちっくで、自分的には「隠し剣」が好きなんですが、この作品も小品ながら、中々の佳作。麗奈ちゃんがとても綺麗でした。 [DVD(邦画)] 8点(2011-05-10 16:44:51)(良:1票) |
11. 約束の土地
《ネタバレ》 楽して手に入れた金は身につかないよ、きっと。現代でもあてはまるのかな?相場で稼いだ人はたくさんいるだろうに、リーマンショック以降の金融業界の人たちは復活も早かったですもんね。でもワイダ監督もこんな重厚な社会派映画を創れるなんてすごいです。前半、経営者といえど、簡単に従業員に手を出したり、リストラしたりすると良くないってことが描かれており、後半は事業が成功して、不倫情事におぼれて、旦那の怒りを買い、すべてぱーっという哀しい人間ドラマでした。でもカルロの女性の趣味は良いのか、悪いのか?前半、登場人物の多さにカルロの下半身がだらしないのかどうなのか、自分には分かりにくく、後半のあの展開にびっくりです。奥さんのアンカがすごく素敵だったのに。結局、カルロの没落する運命は逆らえなかったのでしょうか?味わい深い作品でした。音楽が印象的でした。 [ビデオ(字幕)] 8点(2010-03-04 16:40:53) |
12. やわらかい手
《ネタバレ》 甘っちょろい人生観なんて吹き飛ばしてしまうような映画でした。フェードイン、フェードアウトを多用し、音楽も地味で、内容だけ聞くとコメディかな?と思ってしまうような映画ですが、人生の陰影を浮き彫りにした、味わい深い作品でした。 [DVD(字幕)] 8点(2008-12-11 23:36:21) |