1. ラスベガスをぶっつぶせ
《ネタバレ》 そこそこ面白かったです。ラスベガスに染まっていくにつれ,主人公の男の子がだんだん垢抜ける様子を,アイビーのJ・PRESSからヒューゴ・ボスに変えて表現する演出がありましたが,どちらもスポンサーなのでしょうに,野暮ったい時代の主人公を担当したJ・PRESSは器が大きいと思いました。 [映画館(字幕)] 6点(2008-07-20 10:04:10) |
2. LOVERS
美しい。というか,美しい景色やアクションや色彩を通して,「オレはこういう画が撮りたいじゃ~!」という監督の気概がしっかりと見えるのが気持ち良い。チャン・イーモウを「PV監督」と揶揄する向きもあるようだけど,そこいらの「お洒落」なPVなんぞ3年後にはどーでもいいシロモノに成り下がってしまうことを考えれば,この美しさは大したもんだと私は思う。 [地上波(吹替)] 7点(2005-10-31 19:48:56) |
3. ランド・オブ・ザ・デッド
知ったような口をきくが,そもそもゾンビというのは白人に対する黒人奴隷の怨嗟の記憶ではなかったか。彼等の殺戮は支配者階級への復讐であり,彼等の勝利は被支配者クラスにとってのカタルシスだったのではないか。そして,そういったクラス闘争の構図が透かし見えることが,ロメロのゾンビが支持されてきた理由のひとつではなかったか。この映画ではゾンビが知恵をつけ,感情を持つ...なるほど確かにゾンビは人間らしくなってはいるが,よく考えれば「人間らしい」というのは,ゾンビが憎み破壊してきた西洋的価値そのものである。とするならば,「人間らしく」なったゾンビは,敵対する価値観に取り込まれた,いわば「良い黒人」のアンクル・トムに成り下がったのだとはいえまいか。もちろんゾンビはロメロの子供に違いない。だが,ロメロといえどもゾンビをこのように扱う権利はないだろうと私は思う。愛しているのならなおさらだ。「~デッド」で殺してしまったのはほかでもない,彼の愛する子供達なのかも知れないということを,ロメロは一度考えるべきだろう。 [映画館(字幕)] 6点(2005-09-01 13:28:15) |
4. ランボー者
「ランボー者」・・・つまるところ、このタイトルがこの映画の全てといっていいだろう。内容はべつにどうでも良いので触れないが、当時学生だった私が友人宅で徹夜マージャンをしていたとき、中座してメシを買いにいったついでに「BGVとしてビデオでも借りるか」ということになったのだが、ただ借りるだけというのは面白くない。ならば「できるだけつまらなそうな映画」という条件で各自それぞれ探そうじゃないか、ということで友人が見つけてきたのがこの映画。ちなみに私のは「キラートマトの逆襲」。完全に負けたと思った。 0点(2004-02-16 01:14:37)(笑:1票) |
5. ラブ・アクチュアリー
《ネタバレ》 人生はかくも愛に溢れているというメッセージと、折々に流れる音楽が心に響く作品。空港で無名の人達が抱き合うオープニングとエンディング。空港の到着ロビーで待つ人達の表情から読み取れる様々な人生。親子かも知れない、恋人かも知れない。この映画は、壮大なラブロマンスでも美しく文芸的な愛でもないような、日々の生活の中にあるちょっとした「愛」への賛歌であり、そんな何の変哲も無い人生のアンサンブルである。ここでは誰が主役だなんてこともないし、物凄くドラマティックなことも起こらない。ミュージシャンや首相ですらも、愛の前では我々と変わりない等身大の人物なのだ。小難しい本や映画の中だけに「愛」があるんじゃない。きれいで美しくなくたって、多少みっともなくたって、事実「愛」は私達の周りに溢れてる。空港に、駅に、街角に、愛する人と出会い、顔をほころばせている人が確かにいる。世の中いいことばかりではないけれど,自分に愛する人がいるならば、少なくともそのことだけは信じていいと私は思う。それに..まあいいや。この映画では、とにかく全員がユーモアと愛の中に生きている。それが素晴らしい。 [映画館(字幕)] 9点(2004-02-08 21:55:17)(良:2票) |
6. ライフ・オブ・デビッド・ゲイル
《ネタバレ》 実にアラン・パーカーらしい硬派な作品で見ごたえがあった。ゲイルはレイプ犯の濡れ衣を着せられて社会的に抹殺されるが、誰も彼を援護しようとはしない。死刑囚の援助はしても、無実のレイプ犯には目もくれない人々の欺瞞や、最後の食事は詳細に報じても、難しい薬の名前は報じないマスコミの怠慢。ゲイル達は、単に死刑制度に反対する気持ちからあの計画を実行したのではなく、こういった死刑制度をとりまく矛盾そのものに一石を投じようとしたのではないかと私は思う。監督自身は死刑反対派のようで、この映画でももちろん死刑への疑問を描いているのだけれど、彼が公平だと思うのは、こういった死刑反対派やマスコミの欺瞞みたいなものも合わせて描こうとしているところだ。「刑務所もの」では、とかく刑務官達が非人道的な人間であるかのように描かれがちだが、この映画にはそういう「あおり」の類はない。そこが素晴らしいと思う。 [映画館(字幕)] 8点(2004-01-31 23:47:35)(良:3票) |
7. ラヂオの時間
この人は決して嫌いではないが,この映画について言えば笑いのセンスがなんか違う方向に行ってしまっているような気がする。つまらんとも思わないが面白いとも思わなかった。 4点(2004-01-17 11:28:35)(良:1票) |
8. ラストエンペラー
6点(2004-01-08 16:16:31) |
9. 羅生門(1950)
美しい。しかしそれが「検非違使」や「羅生門」という字の美しさを上回っているとは思わないのでこの点数。余談:「難解」じゃないというレビューがあったけれども、ストーリーがどうとかそういうこととは別に、この映画のように映画の「経験値」がある程度ないとその良さがわからない映画って、十分「難解」だと私は思う。 6点(2004-01-08 15:24:47) |
10. ライトスタッフ
7点(2004-01-08 15:23:59) |
11. らせん
リングと共に劇場で観た。TV版「リング」を下回る出来の「リング」にも驚いたが,TV版「リング」の監督がこのような映画を撮ってしまうなんて。そういう意味でいえばこの映画はホラーである。映画の内容はほとんど覚えていない....が,そういえば怖いシーンで,隣の客の足が「ピクッ」と動くたび,笑いをこらえるのには苦労したなあ。あと,帰り際に女子高生が「なにこの映画。チョー意味分かんね~」と低いトーンで話していたのはマジで怖かったぞ。これぞホラーである。 1点(2003-12-25 16:47:38) |
12. ライフ・イズ・ビューティフル
ベニーニの機関銃のようなしゃべりと洒落たユーモアで見せる前半を8点だとすれば,収容所に入ってからの物語は3点くらい。最後まで明るいトーンで描きたかったのなら舞台を収容所にすべきではないと思うし,グイドの不屈の明るさにスポットをあてるなら,収容所の悲惨さと対比させたほうがよかったのでは?。というか,そもそもそのあたりの対比がこの映画の最大の見せ所&泣かせ所でしょうに。ファンタジーなのは分かるけれども,収容所自体がファンタジーになっちゃうのはいかにも中途半端。このダメ演出がせっかくのキャラとストーリーを潰しているという印象を持った。 5点(2003-12-25 11:29:11) |
13. ラスト サムライ
《ネタバレ》 「誇り」というテーマを,重厚な美しい映像と迫力のあるアクションを対比させて仕上げるのがE・ズウィックらしいところ。なかでも重量感あふれる戦闘シーンはド迫力で,霧の中から騎馬武者達が現れるシーンは鳥肌が立つほどだ。さらに,冒頭とラスト,アメリカと日本それぞれの文化を象徴するウインチェスター銃と日本刀をオルドレンに持たせた演出には「なるほど」と思わせられた。歴史考証のデフォルメについては私は気にならなかった。日本史の知識が全くない観客をターゲットにする以上,この程度はやむをえないのではないか。むしろ,あの時間で明治の元勲を連想させるキャラクターを作り上げたことと,ここまで日本をマジメに描いたことのほうを積極的に評価すべきと私は思う。渡辺&トム・クルーズについては皆さんと同意見。ただ,真田広之は悪い意味で気になった。彼は存在感がありすぎるので,あの役ではどうにも中途半端。印象に残るわりには「結局あの人は何なの?」という感。彼は主役をやるか自分を殺すかどちらかだと思う。また,小雪は大柄すぎて小柄なトム・クルーズに合わせるのは辛そう。とはいっても全体的にはよく出来た映画であり,見て損はない。ただし,傑作か?と言われるとそれは疑問。 8点(2003-12-24 11:12:37)(良:1票) |