1. ルーム
《ネタバレ》 軽くなりすぎず、かといって重たくなりすぎない、バランスの取れた社会派系エンタメに仕上がっていました。主役親子の雰囲気からインテリジェンスが感じられて、意外とオシャレな感じにもなっていて見やすい作品です。 ただ、冷静に考えたら非常に非常に、非常に重たい事件を扱った作品なのは事実です。この親子やこの親子を取り巻く周りの人達は、どんなに折り合いをつけようとしてもこの事実(事件)からは絶対に逃れられないし、一生涯、彼らの足を引っ張り続けるのが現実です。そう考えると、可哀そうすぎてズッシリ重たい気持ちになります。 ママが自殺未遂を起こしますが、むしろ子供が自分の状況が理解できる年齢に達してからが本番だと思われます。おじいちゃんの気持ちがこの事件の本質を的確に表していて、どんなにあがいても絶対に変えることができない現実=「この子が生きている限り事件が一生風化しない」のがこの事件の本質で、極悪非道極まりない事件なのがこの作品の本質です。これをいかに消化していくかが彼らの一生の課題になるのでしょうが、考えれば考えるほど重たすぎるし、この親子には何にも責任がないのが更に哀しみを増幅しています。 男の子が素直で真っすぐに育っていることだけが、、この映画唯一の救いです。前半の脱出劇も非常にスリリングで上手い演出でしたが、後半、男の子が髪の毛を切った後の、この男の子の振る舞いがとても愛くるしいのが更に涙を誘います。全体的に印象的なシーンが多く、ラストの余韻も含め素晴らしい作品に仕上がっています。心に残る素敵な作品。 [インターネット(字幕)] 8点(2021-05-18 14:33:43) |
2. ルームメイト(1992)
《ネタバレ》 サスペンスとして素晴らしかった。ミザリーなどとシチュエーションや雰囲気が似ていますが、ルームメイトのほうがより緊迫していてラストまでシッカリ楽しめました。 へディの不安定感は凄い。最初のほうからすでに危険人物なのが見抜けそうなほど不安定です。ラストへ向かってへディの人格が破綻してゆきますが、これは往々にしてアリーのせいだったりもしますよね。ちなみに、ラストに向かってへディの演技がどんどん「トムとジェリー」的になってくるところが結構可愛かったりします。一輪車を持って戻ってきた時のへディの驚きったら(笑) そもそも論ですが、二人とも私の好み(笑)アリーが28歳、へディが30歳です。二人とも若く見えるしヌードも大安売りです。(しいて文句があるとすれば、ラストの逆さづりからのドライバー攻撃は、素人がいきなりオーバーヘッドキックを決めるような違和感がありました) [インターネット(字幕)] 6点(2015-03-31 23:00:07) |
3. LUCY ルーシー
単純に面白くありませんでした。最初から意味が判らないし途中からもっとイミフです。個人的にはモーガンフリーマンを主役にし、脳の話だけで映画を作ってくれたほうが100倍面白かったのではないか?と思いました。全てにおいてとっ散らかった印象しかなく、頑張ってもこの点数をつけるのが精一杯でした。南無。 [インターネット(吹替)] 2点(2015-02-16 12:38:41) |
4. ルパン三世 カリオストロの城
純粋に良い。やはりイイものは古くなってもノスタルジーが感じられて全く色あせません。宮崎監督は観客の心がよく判っていて、可愛い姫にクズ悪党、そして男らしい主人公と心優しい脇役たちを見事に描いています。 さらに、上記セオリーに合わせてルパンの世界観特有の、ディテールの細かさがシブさを高めています。車、時計、銃、その他小道具のリアルな存在感がよりリアリティを高めていると思います。アニメの枠を超えた素晴らしい映画です! [地上波(邦画)] 8点(2015-01-21 17:51:08) |
5. LOOPER/ルーパー
《ネタバレ》 未来の自分を本人に始末させるプロットはクール。始末をミスったら若い本人を痛めつける=未来の身体に変化が現れるのはなかなかおぞましい展開でした。途中までワクワクしっぱなしでしたが「TK」が出てきて色々薄まってしまい、何もかもが中途半端になってしまいました。ネタとしてはタイムスリップしてきた未来の自分が目の前に居るというだけで十分だったハズですし、そもそも、タイムスリップ物と超能力物は完全分離が吉だったような気もします。 前半は最高でしたが後半は最低だったので、間を取って5点という難しい点数です。ある意味5点というどっちつかずの映画が一番ダメなような気もしますが・・ 色んな意味で本当に惜しい映画でした。 2025/3 再鑑賞 最初の鑑賞時より落ち着いて鑑賞できました。よく考えれば明確なタイムパラドックスがあってこの物語は絶対に成立しない訳ですが、ストーリーの流れ的には意外と良くできています。音楽も世界観もハードボイルドでclassicな小説のような雰囲気も素晴らしい。以前はあり得ないと思っていた超能力ネタも再鑑賞してみたら意外と悪くはありませんでした。ただし、TKネタもヤング&オールドの二人の自分が一つの空間に居ます的なネタも、、ほぼ料理されずに放置されていたことに驚きます。フランス語のネタもほとんど死んでいましたし、素晴らしい食材が多い割には全く上手く使われていません。ある意味、、逆に驚きですよこれは。 ロードショー版のラストも悪くはありませんでしたが、100%入れる必要のなかったヤングジョーとエミリーブラントのキャッキャウフフなシーンが入っていたのだから、彼らが結婚してシドをホワイトカラー人種に育て上げるタイムラインがベストだったかもしれません。。というか、自分が死ぬというドラマチックなラストはほろ苦くて素晴らしいものの、自分が死んでもシドが悪に染まらないという保証は何もない訳で・・ やはりちょっと無理があるラストでした。てか、自分が死んだらオールドジョー自体が過去には来ない訳で、そうなるとヤングジョーが農場に行くことも無い訳で、、結局シドと関わるタイムライン自体が消滅しませんかね?ま、それはさておき、意外と雰囲気が素敵だったので1点追加することにしました。(BTTFってやはりよく出来ていますよねっと、、なんだか再確認してしまいました) [ブルーレイ(字幕)] 6点(2014-09-23 11:35:50) |