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1.  12人の優しい日本人
良くできた映画。 不幸なのは、「怒れる男」を念頭に置いて評価されてしまうこと。 あれがあるからできたお話であるのは事実だが、全く独自の、オリジナリティあふれる内容になっていると思う。換骨奪胎とはこのこと。
[ビデオ(邦画)] 9点(2012-06-02 23:37:49)
2.  のだめカンタービレ最終楽章 前編
マンガもドラマも好きでしたが、この映画は全く評価できません。2時間20分、苦痛でした。のだめ役の上野樹里が最初から最後まで変なしゃべりのまま。とってつけたように最後に悩む場面はあるものの、ただただ変態キャラとしか描かれてないのはひどい。ドラマでは、変態キャラでありながらも、音楽の才能がある点や内面の鬱屈も描いていたのに。 変態の森のCGが映画ならではの演出だって!。ほとんど映画というジャンルを冒瀆しているとしか思えない。 脚本はドラマでも一番の弱点だったけど、映画でも、物語が千秋の独白で進んでいくという稚拙なストーリーテリング。観客の知的レベルをなめてるとしか思えない。 日本人に外国人をやらせるキャストもスクリーンでは興ざめ。ほとんど正月の芸能人かくし芸大会のレベル。せっかく海外ロケをしたのだから、外国人の配役は外国人で固めるべきだった。これは演出手法とかそんなレベルの問題ではない。 ただで見られる民放テレビと違い、映画は1000円なり1800円なりを払って見る媒体です。製作者がこの程度の作品を発表して、金をとれると思わせているところに日本映画のダメなところがあると痛感しました。
[映画館(邦画)] 1点(2009-12-28 12:43:36)(良:2票)
3.  フォー・ウェディング
うわ、なに、この映画。タイトルをそのまま映像にしただけじゃん。人物は薄っぺらだし、起伏もない。どこで笑うのって感じ。2時間無駄にした。
[地上波(字幕)] 0点(2009-12-01 13:01:09)
4.  シャンプー
ゴルディ・ホーン出演の未見作ということで見たのですが、ゴルディ・ホーンは主演ではなかったのですね。こんなに意味不明な(難解ではない)映画もめずらしい。明るい希望につながるわけでもなく、厳しい現実に突き放すわけでもなく。かといってエロチック映画と割り切れるわけでもなく。映画制作の意図が不明です。普段は「不思議ちゃん」系で魅力を発揮するゴルディがむしろ一番まともな人格とは。
[ビデオ(字幕)] 1点(2009-06-17 10:21:33)
5.  トレインスポッティング
反社会的内容でも、評価すべき映画はある、というのが、映画に対する私の基本スタンスですが、この映画は評価できません。露悪的で、登場人物のどこにも共感できる部分がない。ただの甘いガキと親の映画では。往年のテリー・ギリアムなどは悪夢的シーンを撮っても芸術的に感じさせたが、この映画の中のドラッグによる幻覚のシーンは吐き気を催すしかない。この映画に共感できる人が日本にこれだけいることが不思議。
[DVD(字幕)] 3点(2009-04-04 13:03:13)
6.  普通じゃない
平均点が意外と低いのにびっくり。コメディのつぼは抑えたうえで、この監督らしい毒気もまぶしてあって、楽しめましたが。「ビヨンド・ザ・シー」のミュージカルシーンが良かったので、全編をミュージカルにしてしまってもよかったのでは、と思うほど。個人的には、金髪コメディエンヌの系譜は、ゴルディ・ホーン、メグ・ライアン、キャメロン・ディアスと受け継がれているんだなあということを実感しました。
[DVD(字幕)] 8点(2009-04-04 12:10:51)
7.  ガンジー 《ネタバレ》 
公開から26年、NHKでの放映を録画してから10年以上経って初鑑賞。うーん、どうなんでしょう。「ガンジーはこんなに立派な人だった」ということを3時間にわたって描いているだけで、起伏に乏しい展開。いや、もちろん、南アでの差別に始まり、塩の行進とか、パキスタンとの対立などドラマはあります。しかし「この時、ガンジーはこう行動した」という部分についてはドラマが動くのですが、歴史的事実を描く部分になると、とたんに単調になります。もう少し脚本を練った方がいいのでは、と感じました(でもこれでアカデミーとってるんだよね)。歴史的人物の一代記ものでも、「アラビアのロレンス」にしても「ラストエンペラー」にしても、一面的でない人物像を造形しているし、映画の見せ方もエンターテイメントに昇華していたけど。ベン・キングズレーのそっくりぶりは見事でしたが、いかにも授業で上映しそうな味気ない映画でした。
[地上波(字幕)] 5点(2008-12-07 23:05:22)
8.  かもめのジョナサン
なんじゃこりゃ。製作者サイドにはきっと一片の悪意もないのでしょうが、何とも評価のしようがない失敗作ですね。何より表情のない鳥という生物を主人公に据えて実写映画にしようとした着想が間違いです。小説だったら文章を通じてイメージを膨らませることができますが、無表情のかもめにかぶせた声の演技だけでは無理があります。おそらくアニメにするよりも数倍の製作費をかけているのでしょうが、表現の効果はアニメの足元にも及びません。ただニール・ダイアモンドの歌声は染みたなあ。この映画公開のころ人気だったんですね。
[ビデオ(字幕)] 3点(2008-10-30 11:24:52)
9.  イーグル・アイ 《ネタバレ》 
キューブリックの「2001年宇宙の旅」とヒチコックの「知りすぎていた男」「暗殺者の家」を組み合わせて派手なカーバイオレンスで糊塗した駄作。2時間現実を忘れて楽しめればそれでいいという人には合うかもしれないが、映画館を出て30メートルも歩けば忘れるような、空虚な内容です。40年前なら巨大コンピュータが暴走するという着想も斬新だったでしょうが、21世紀のネットの時代に「巨大な中央コンピュータが暴走して…」、というのはどうなのか。そのアイデア自体が時代錯誤としか思えない。コンピュータを壊すとき、捜査官らが水に転落して普通に這い上がってきたけど、ありゃコンピュータ保護のための超低温の液体窒素じゃないんかい。終始アップ気味のカメラワークも不快。良ポイントは空港のベルトコンベア内のアクションぐらいかな。
[映画館(字幕)] 3点(2008-10-30 11:01:47)(良:1票)
10.  アクロス・ザ・ユニバース
既成のヒット曲をつないでミュージカルに仕立てる、という着想では劇「マンマ・ミーア」の成功が記憶に新しい。それをビートルズでやれば成功間違いなしという発想なんだろうけど、設定を誤ったと思う。「マンマ・ミーア」の場合、舞台を小漁村に設定することで普遍性が生まれ、登場人物の心情とアバの曲がうまく合っていた。しかし本作の場合、舞台は60年代の米国で、まさしくビートルズが活躍した時代。ベトナム戦争やキング牧師も登場するにもかかわらず、その時代に圧倒的な存在感を示していた現実のビートルズは映画の中に存在しないのです。何たる矛盾。加えて劇中には山海塾の舞踏もどきの白塗り集団も登場してテイモア趣味炸裂。最後は力技でさわやかな結末に持って行ったけど、支離滅裂感はぬぐえません
[映画館(字幕)] 3点(2008-09-20 13:00:06)(良:1票)
11.  大冒険
追っ手から逃げる植木等。トラック荷台のヤギに紛れ込み、鉄橋を走り、馬に乗り、挙句は機関車の屋根に。アクションの連続にどこか既視感が。そうだ、これはインディ・ジョーンズ。スピード感は劣るものの、その発想力は時代を考えれば特筆もの。敵のアジトも作り物くささは残るものの、同時代の007も似たようなもの。遜色はないし、特撮に円谷英二が参加していることもあって、潜水艦のシーンなども迫力があります。惜しむらくは、それだけのエネルギーをただただ、クレージーキャッツ10周年のために費やしてしまったこと。ハナ肇の過剰な間抜けな刑事の演技ぶりには腹立ちすら覚えます。  
[CS・衛星(邦画)] 7点(2008-09-03 14:02:12)
12.  群衆(1941)
キャプラの映画は好きですが、これはどうも理屈先行で作られた「頭でっかち」の映画という印象が否めません。架空の理想の人物に人々の支持が殺到し、そのギャップから一度は転落するも、最後は大衆の支持で救われる、と絵にかいたようなキャプラ的展開ですが、この映画の場合、ジョン・ドゥーに熱狂的支持が集まる理由も、最後に再び支持される理由も伝わってきません。「大衆はマスコミに扇動される」とア・プリオリに決められているような描き方ですね。当時に身を置いていれば、また違うのかもしれませんが、リアリティが感じられません。新聞社の経営者が代わったくだりの描き方や、クーパーの役を野球選手と設定して、シャドープレイで暇つぶしをしているシーンなどは味わいがあってよかったんですがねぇ。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2008-08-21 13:24:34)
13.  クレージーの大爆発 《ネタバレ》 
クレージーキャッツは好きだけど、一般的な映画を基準にすると、正視に堪えません。カットの切り替えも、俳優陣の動きも切れが悪く、あまつさえ筋立ても土曜8時のコント並みのハチャメチャさ。金塊強奪だけにしぼった方が楽しめたように思います。もっとも当時はこれを劇場で観ても満足できたのかもしれません。良ポイントは、途中に紛れ込むクレージーやいしだあゆみの歌のシーンと、松岡きっこのかわいらしさはくらいでしょうか。藤田まことや藤村有弘、ミッキー安川はもっとうまく使ってほしかったなあ。
[CS・衛星(邦画)] 3点(2008-08-06 11:05:32)
14.  クライマーズ・ハイ(2008) 《ネタバレ》 
原作と比べて「あそこが違う、ここが違う」と騒ぐほど子供ではない。でも作品のテーマにかか割ってくるとなると話は別。主人公の出自を私生児にしたり、家族と別居状態に描いたり、長女の存在をなくしたり、と原田脚本の改変は「改悪」と断じていいほど物語の価値を損ねている。個人的には、安西の息子との登山シーンを挿入する以上は、悠木の長女にまつわる告白まで描かないと意味がない。映画は息子との葛藤を匂わせながらも、こまやかな描写を怠っているために意味不明になっている。 逆に「大事故で失われた大きい命と日常の交通事故で失われた小さな命」は、新聞報道をめぐる問題意識として重要なポイントなのに置き去りにされたまま。全体として、映画が「大事故に遭遇して狂躁状態の新聞社」という風景の切り取りでしかなくなっている。 あまりに後味が悪かったので、鑑賞後、数年前に放送されたNHKドラマを見て口直しをしました。
[映画館(邦画)] 2点(2008-07-08 12:32:51)(良:1票)
15.  マッドマックス2
ガソリンが枯渇した時代なのに、なぜ暴走族は無意味な走りでガソリンを浪費しているのか。ガソリンを豊富に持っているグループは、その地で油田を確保しているということではないの。その地を捨てて向かうべき北の理想の地って何。グループがその地を離れるなら、暴走族に明け渡せばいいじゃない。なんだかスタートラインから矛盾だらけでばかばかしい映画。最後のカーアクションも長過ぎ。BGMも単調だからうんざりした。
[CS・衛星(字幕)] 4点(2008-06-17 12:57:23)
16.  トーク・トゥ・ハー 《ネタバレ》 
物語がどう収束に向かうのか予断を許さない展開の中で挿入された「縮む男」のサイレント映画の描写には笑った。「これってわいせつ物陳列罪に触れないの」。だが最後まで見通すとこのサイレントをベニグノが見たことが、彼のインモラルな行為につながるのだと納得した。ベニグノは彼女を見染めて以来、憧れの対象とはしていても、性的欲望の対象には見ていなかった。というより、ベニグノに性的な欲望は存在していなかった。それが「縮む男」をみたことによって、憧れの究極の行為として体の中に入るという形を知り、それを実行したことが、彼女への性行為となった。だがそれが性的欲望の行為とは違うということを明示するためにも、劇中劇「縮む男」の性描写は、即物的な行為ではなく、縮んだ男が女性器に入り込むというコミカルなテイストのものでないといけなかったのだろう。 ベニグノの強姦に眉をひそめた人も多いようだが、それは暗示的行為であって、その点に拘泥すると、映画本来の意味や価値を見失ってしまうのではないかと思う。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2008-06-07 22:05:07)(良:1票)
17.  ラブ・アクチュアリー 《ネタバレ》 
いわずもながら、映画の良し悪しはプロットの良し悪しではない。それを映像や編集でいかに見せるかという点も重要。本作はその意味で監督の職人芸が堪能できる一編。一例がジュリエット(キーラ・ナイトレイ)をめぐる横恋慕のエピソード。結婚式のシーンから始まるこのエピソードで、監督は明らかに新郎の友人をゲイであるように描いている。新郎と並んだバストショット、パーティーでの憂鬱そうな表情。セリフでも「彼のこと好きなんでしょ」と質問されて否定してみたり。このミス・ディレクション(意図的な誤解への誘導)の演出によって、観客は「この男はゲイだ」と思いこまされ、それが、結婚式のビデオを見たときの感激につなげられている。見事です。にぎやかし役のローワン・アトキンソンをストーリーを転がす中に当てはめていく手腕も鮮やかでした。最後に用語の確認。オムニバス映画とは、「乗合バス」から転じた用語で、完結したストーリーを詰め込んで一本の映画にしたもの。日本映画なら森田芳光の「バカヤロー」、洋画ならタランティーノの「フォー・ルームス」。本作はいろいろなストーリーが絡み合ってはいますが、あくまでも一本のストーリーなので「オムニバス」と呼ぶのはふさわしくないでしょう。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2008-06-07 21:42:06)
18.  ビー・ムービー 《ネタバレ》 
冒頭に登場する蜂の巣の中がひとつの都市を形成していて、蜂蜜を大量生産している、という描写の映像は遊園地のようで楽しい。主人公が規定の進路に進むことに疑問を感じて外界に飛び出るという展開も無理がない。が、しかし、なんでそこから蜂蜜搾取を法廷に訴えるという展開になるの。大体、何で蜂と人間が会話を交わせるの。だったらほかの生き物はどうなの。荒唐無稽はアニメの特権。でも、そこには人に受け入れ可能な限度というものがある。ピクサーの「トイ・ストーリー」はおもちゃが動くという点で、蜂以上に荒唐無稽だけど、「人にしられてはならない」というルールがあり、それがストーリーの要にもなっていた。そもそも蜂を題材に持ってくる製作者の感性が理解不能。「なぜ蜂か」。この点を映画の展開の中で一切説明しないから、空虚なエピソードの積み重ねになる。大量の蜂が力をあわせて飛行機を持ち上げるラストも噴飯もの。 ドリームワークスは、アンチディズニーで、大人向けを意識するあまりに迷路に入り込んでしまったような気がします。 子供にせがまれて見ました。子供は喜んで見ていましたが、どんなに喜んでいても見せるべき映画ではなかった、と後悔しました。  
[映画館(吹替)] 1点(2008-02-27 08:36:33)
19.  がんばっていきまっしょい(1998)
前半のゆるい(でも丁寧ではない)展開に閉口。後半ボートレースが本格化してテンポが生まれるが、結局何が言いたいのかわからないままエンドマーク。「あんたらが嫌い」といってやる気のない中島朋子がなぜ豹変するのかもまったく説明なし。評価の対象にならない、単なるご当地盛り上げ映画という感強し。映画よりもテレビドラマで個々人のエピソードを積み上げたほうがよかったのでは。(実際そうだったようだし)。高校生活を描いたこの手の映画が高評価になるのは、受け手側が勝手に自己の体験を重ね合わせて、映画に足りない部分を過剰に補うためと思われる。
[CS・衛星(吹替)] 4点(2008-02-04 12:59:58)(良:2票)
20.  ヘアスプレー(2007) 《ネタバレ》 
今夏の舞台版を見にいけなかったので、その分の期待も上乗せして見に行きました。感想は微妙。やっぱりヒロインに容貌に乗れません。最後にビッグヘアーをやめて髪型を変えたので少しは好感度は向上しましたがそれまで。映画の途中から関心は、トラボルタがいつ本領発揮の踊りを見せてくれるかに集約されていき、最後のスタジオシーンで「いよいよっ」と身を乗り出したのに、細かく腰をふるだけじゃなあ‥‥。あの肉襦袢じゃしょうがないのか。楽曲はよかったけど。自分自身のデブ拒否症の症状の重さを思い知らされました。
[映画館(字幕)] 5点(2007-11-04 17:37:18)
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