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目隠シストさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2253
性別 男性
ホームページ https://twitter.com/BM5HL61cMElwKbP
年齢 52歳
自己紹介 あけましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。

2024.1.1


※映画とは関係ない個人メモ
2024年12月31日までにBMI22を目指すぞ!!

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【製作年 : 1980年代 抽出】 >> 製作年レビュー統計
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1.  ニュー・シネマ・パラダイス 《ネタバレ》 
アルフレードがトトに村から出ろと諭す場面の古びた碇。帰郷したトトを出迎える年老いた母に繋がる毛糸。これぞ映画ならではの語り方。胸が震えました。観客各々の“想い”と“思い”に照らし合わせ染み入るに相応しい、素晴らしい技量を備えている映画でした。美しき郷愁と懐古で泣かせる映画ではない点にも感心します。得たものもあれば、失ったものもある。後悔こそ人生のメインロード。それがこの映画の良心と考えます。最後に本作を鑑賞した全ての皆様(親御さん)へのお願い。子供から預かったお年玉は、子供が大人になったら返してあげましょう。大人だって約束を守るんだって事を、お父さんお母さん銀行の格付けはAAAだって事を、子供に教えてあげましょうよ。アルフレードのように。えっ、当たり前だって。失礼しました。
[ブルーレイ(字幕)] 10点(2014-01-01 00:00:00)(良:1票)
2.  エイリアン2/完全版 《ネタバレ》 
絶対に行かないと誓ったエイリアンの棲む惑星に、再び赴くことを決めた主人公。一生悪夢に悩まされ続けるより、対峙して打ち負かす道を選びます。エイリアンの殲滅を自身の目で確かめたかったのだと思う。でも普通は出来ないこと。一度死の淵を見た者が取れる選択ではありません。リプリーの芯の強さが伺える。絶望の地で待っていたのは、少女レベッカとの運命の出会いでした。リプリーが地球に残してきた娘と同じ年頃。今は亡き我が子の姿を、彼女に重ねていたであろうことは想像に難くありません。だから最後の最後までリプリーは諦めない。母とはそういうもの。クイーンエイリアンにも同じような事が言えます。一人の女と一匹のメスの最終決戦は、もはやエイリアンVS人間の概念では捉えられない。子を奪われ怒り狂う母と、子を守るため死力を尽くす母との決闘です。痛く、切なく、そして強い母の性が見えます。全てを終えたリプリーに抱きつくレベッカ。「ママ」の一言に涙しました。クイーンも恐怖の対象ではなく、哀れだと思えました。劇場公開版も十分面白いですが、完全版は格別の出来。ヒューマンドラマの色を濃くしています。1作目と併せて鑑賞しましたが、4時間超の大河ドラマを観ているようでした。掛け値なしに面白かった!伏線の張り方も丁寧でそつが無く、前作を十分踏まえた見事な脚本。キャラクター造形も魅力的ですし、文句の付けようがありません。楽勝で10点です。
[DVD(字幕)] 10点(2008-01-12 02:12:22)(良:1票)
3.  ヒドゥン(1987) 《ネタバレ》 
地球外生命体(イカモグラみたいな奴)の人への寄生場面を早々に披露してしまったのは勿体無いと感じました。本作最大のセールスポイントとなるSFXであり、かつ物語の肝となる設定。最終ターゲットへの寄生シーンまで具体的な描写は温存しても良かったと思います(あれやこれやと観客の想像力を利用する意味でも)。また、エンディングのサプライズは、描き方に少々問題あり。余計なオブラートです。あれではアイツと彼が同族ではない印象を与えかねません。彼の中身もまたイカモグラである事は、物語の余韻を左右する重要ポイントと考えます。グロテスクな描写を避けたいのなら、単純にカットで問題ありません。不満点は以上の2点。それ以外の設定・描写は見事に自分のツボにハマりました。スーパーカーとロックを嗜好する宇宙人(?)なんて遊び心の効いた設定は、まさに大好物。カントリーミュージックのレコードプレイヤーを投げ捨てる姿に大笑いしました。またアイツは女性のボディ(おっぱい)に興味を持っていましたが、性的な意味を持たせなかったのも大正解。企画ものAV紛いの下品な描写は要りませんし、結末の価値も保たれました。それにしても『ゼイリブ』、『トレマーズ』、『ドクター・モローの島』とか、B級カテゴライズながら本当に面白く、且つ大衆性も備えた映画を数多くローテーション放送していた日曜洋画劇場って凄い番組だったなあと改めて感じました。吹き替えの出来も神懸かり的。当時は淀川さんも作品選出に携わっていたのでしょうか。若干、懐かしさ込みの採点ですが、映画ってそういうものだと思うので。
[CS・衛星(吹替)] 9点(2014-01-25 19:58:36)(良:2票)
4.  楢山節考(1983) 《ネタバレ》 
何時から“死”は、忌み嫌われる遠い存在になったのでしょう。核家族化が進み、親族の死に立ち会う機会は失われました。食卓に並ぶ食材も予め手が施されたものばかり。命を奪っている感覚は薄い。ニュースで事件や事故を見聞きしても、所詮は他人事。5分と経たずに忘れてしまう。まだ子供の頃のほうが、死は身近だったかもしれない。昆虫をいたずらに殺したし、ザリガニなんか胴体をへし折ってザリガニのエサにしていた。今となっては、随分可哀想なことをしたなと後悔しています。でも命の尊さを知る経験だったとも思う。忘れてしまった死の感覚は、恐怖に繋がります。分からないから怖い。なるべく遠い存在であって欲しい。カワイイ子猫は抱きしめたいけど、死んだ瞬間から見たくもないということ。でも多分間違っている。生と死は隣り合っているはず。本作を観て気付きました。子殺しに姥捨て。村人にとって死は日常です。死産や幼子を亡くすことは珍しくなかったし、姥捨てだって、いつか自分にも番が回ってくる。村人は死に鈍感なのではなくて、不可避なものとして受け入れているのだと感じました。もちろん自分は今の日本が好きです。自分と他人の命を尊重できる社会がいい。でも「人の命は地球よりも重い」なんてスローガンがもてはやされるのも違う気がする。逃げずに、真摯に死と向き合うこと。それが生を尊ぶことだと思いました。ときに可笑しく、ときに辛くやるせない、村人たちの生と性。自分の歯を打ち砕いた婆さんの想いも、倍賞にとばされて狂ったとん平の気持ちもよく分かる。日本人の文化風俗とその根底にある想いを通じて、生について考えさせられました。
[DVD(邦画)] 9点(2008-02-20 18:08:06)
5.  レイダース/失われたアーク《聖櫃》 《ネタバレ》 
冒険アクションの代名詞的作品。特にオープニングのお宝ハンティングは文句無し。僅か10分ほどのエピソードでありながら、1本の映画を観終えたような充実感があります。その後もドキドキの連続。時折挟まれるギャグテイストも絶妙。見事に完成された作品だと感じます。にもかかわらず、合理性を欠く描写の多いこと。例えば巨大石ゴロゴロ。簡単に避けられると思う。焼けたペンダントを握るシーン。反射的に手放すのが当たり前。何を餌に生きているのか分からない大量の蛇。ジョーンズは潜水艦の何処に潜伏していたの?オカシな点を挙げればキリがありません。リアリティを欠く設定や展開ばかりです。しかしこれこそ、本作が「冒険映画」たる所以。理屈より、リアリティより、遥かに力強いもの。それが“ワクワク”です。美味しいご飯を食べたとき、美しい景色を見たとき、ステキな異性に出会ったときと同じ。自動的に入る心のスイッチ。喜びのツボ。本作はそれで溢れています。単純に「うわーすげぇ!」でいい。子供は全身がこのツボみたいなものだし、かつての子供もみんな持っている。だから老若男女を問わずに楽しめるのだと思う。エンターテイメントに徹した姿勢。その象徴がヒロインです。結構強引な展開でドレスを着せているのは、絵になるから。絶体絶命のピンチ。目の前には悪党。隣はやっぱりお姫様でなくっちゃ。少々酒臭いのはご愛嬌ということで。
[DVD(吹替)] 9点(2008-01-04 21:04:02)(良:1票)
6.  マイ・ライフ・アズ・ア・ドッグ 《ネタバレ》 
不幸なライカ犬を引き合いにして、自分はマシだと思うこと。それが少年のストレス対処法でした。なかなか有効な手段かと。かくいう自分も昔はよくやりました。でも根本的な解決策ではありません。ちんちんがビンから抜けなくなったこと。小火騒ぎ。女の裸を見ようと窓ガラスを割ってしまったこと。誰もが子供の頃に経験するような些細な出来事です。少年も薄笑いを浮かべて平静を装います。でも自尊心は深く傷ついたはずです。いくらライカ犬と比べれば幸せだとしても、です。それは元少年として実感できますとも。少年の心を揺さぶる環境の変化、性への戸惑い、そして母の死。負荷を処理しきれなくなった彼の心は、思わぬ行動を命じます。犬の真似。鳥肌が立ちました。胸に刺さりました。上手く説明できませんが、凄く分かるのです。彼は自分自身だと思えました(もっとも自分は全然モテませんでしたが泣)。たぶん少年とはそういう生き物です。彼は一度壊れる必要があったのだと思います。そして泣く必要も。このとき、少年はすこし大人になったのだと思います。やがてライカ犬に想いを巡らすことも無くなっていくでしょう。自身の成長と性を受け入れ、ワンピースに袖を通した少女にしても同じこと。子供たちはちょっとずつ、そしてある日突然に、大人になっていくのです。ラスト、泥にまみれて少年と少女は笑います。汚れるのは怖いし嫌なことです。でも気にしたって仕方がありません。ぐちゃぐちゃに汚れながら成長していけばいいのです。疲れたら寝ればいいですしね。エンドロールでは、ひたすら屋根を修理する男の姿がありました。規則的なクギを打つ音が響きます。その音色もまた、人生を表しているようで。
[CS・衛星(字幕)] 9点(2007-06-07 18:11:41)
7.  ダイ・ハード
『ダイ・ハード』を観ると、思い出す奴がいる。あいつとの最初の出会いは、確か雑誌の広告ページだった。“モノマネタレントの○○さんも愛用”みたいなキャプションが付いていた気がする。商品は何だったか忘れた。でもそいつの困った顔が心に焼き付いた。再会はテレビのバラエティ。モノマネ番組だ。色モノばかりの中でも、一際色モノばかりを集めたようなコーナーにあいつは出てきた。白のタンクトップに、おもちゃのマシンガン。在り得ないくらいに華奢な肉体からは、全盛期の春一番を髣髴とさせる「お前、大丈夫か?」感が漂っていた。冷静になれば、全く似ていないことは分かる。でも“激似”なのだ。奴が発した言葉は「ハーンス!」。その一言で、司会の今田は笑い転げていた。勿論テレビの前の自分ものた打ち回った。その後も何度かバラエティで見かけたが、あいつの台詞は決まって「ハーンス!」か「ホーリー!」。そしていつも困っちゃうんだ。あいつの名前は知らないし、知りたくも無い。でもあの困った顔だけは忘れられない。そこで気が付いた。本家ジョン・マクレーンの困った顔が『ダイ・ハード』の魅力だと。中年男の悲哀に、そしてどんな状況でも諦めない男の姿に共感するんだと。最高のアクション映画と愛すべき中年ヒーローに、そしてちゃんと食べられているか心配なあいつに乾杯だ。そして、日本版のマクレーン刑事に命を吹き込んだ野沢那智さんにも、心を込めて献杯を。(2010年10月30日)
[地上波(吹替)] 9点(2007-05-08 18:26:32)(笑:3票) (良:2票)
8.  ドラえもん のび太の海底鬼岩城 《ネタバレ》 
海底をバギーで疾走したときの高揚感に、我ながら驚きました。いい大人が、こんなにも胸を躍らせることが出来るとは!常識を覆す色鮮やかな海底。陸上を遥かに凌駕するスケール。未知の世界に酔いしれました。海底ハウスに、深海バーベキュー。夢のある仕掛けにガッチリ心を掴まれました。月夜の松茸づくしディナーには爆笑。なにゆえにマツタケ?遊び心のセンスがたまりません。海底人が登場する中盤以降は、前半と打って変わってシリアスモード。メリハリのある展開も劇場版ドラの魅力です。バミューダトライアングルの秘密など、その見事な設定にいつものことながら感心します。クライマックスに至るまで、きっちりドラマを組み立てているので、最後にはちゃんと感動が待っている。教訓も押し付けがましくサラリが丁度イイ。非常に満足度の高い作品でした。自分にとっては、海を再認識できたことが何よりの収穫。こんなにも身近に神秘の世界が広がっているなんて、本当は凄いことなんだ!子供の頃なら当たり前だった事実に、もう一度気付かせてくれたことに心から感謝したいです。
[DVD(邦画)] 9点(2007-03-06 18:09:05)
9.  ビバリーヒルズ・コップ
大好きな作品です。まず何といってもキャラクターが魅力的。アクセル、タガート、ローズウッドの掛け合いを観ていると、いつもニヤけてしまいます。(登場人物を俳優ではなく役名で覚えていること。自分にとって大切な作品はこのパターンが多いようです。)また、ギャグを交えた台詞も見所。個人的には、吹替え版の方が断然好みです。訳そのものも字幕より気が利いていますし、ギャグのニュアンスが伝わり易い気がします。これはアクセル役の声優、故富山敬さんの力に負うところが大きいかと。私にとってエディ・マーフィーの声は、下条アトムでも山寺宏一でもなく、富山敬。やはり最初に耳にした声が、オリジナルとして心に残ります。あの軽妙な、リズミカルな言い回しが忘れられません。(富山氏のご冥福を心よりお祈りいたします。)なおまったく個人的な話ですが、本作のテーマ曲を聴くと「とんねるずのオールナイトニッポン」が浮かんできます。ハガキコーナーで使われていた曲。歌にしても映画にしても、人それぞれの想い出と共に残っていくもの。自分にとっては、初めて観たテレビ吹替え版が何より愛おしいのです。
[地上波(吹替)] 9点(2007-01-10 18:21:09)
10.  となりのトトロ 《ネタバレ》 
本作のイメージは「カレーライス」です。それも家で食べるごく普通のカレー。じゃがいもごろごろ、色は黄色の、あのカレーです。ときどき無性に食べたくなる味。理由は簡単です。それはお母さん(あるいはお父さん)が作ってくれたから。慣れ親しんだ、懐かしい味だからです。本作にも同じことが言えると思います。本作で描かれる田舎の生活は、まさしく子供の頃の記憶。おばあちゃんの家で過ごした、夏休みの記憶です。お母さんの入院にしても同じ。入院とまでいかなくても、親が風邪で寝込んだことはあると思います。そのときの切ない気持ち、不安な気持ちは忘れられません。迷子のエピソードにしてもそう。本作で描かれるのは、誰もが「こんなことあったな」「あったかも」と思うような出来事ばかり。そういう意味では極めて大人向き(少なくとも、さつきと同じ小学生以上向き)の作品といえます。それでいて、トトロの存在は幼い子供も惹きつけます。守備範囲が広いのです。物語はシンプルで楽しい気持ちになれるもの。だから何度も観たいと思えます。まさしく大人から子供まで人気の「カレーライス」。専門店のカレーは確かに美味いです。でも家のカレーの美味さは格別です。しかもトトロという魔法のスパイス入り。『となりのトトロ』はそういう作品と考えます。
[地上波(邦画)] 9点(2006-07-31 18:13:22)(良:1票)
11.  グロリア(1980)
ギャングの裏金を横領した父。組織の制裁を恐れた母は親友のグロリアに息子ジャックを託します。殺される家族。ジャックの手には裏金の証拠となる手帳。2人の逃亡が始まります。グロリアにしてみれば、ジャックはただの厄介者。助けても何の得にもなりません。何故彼女は自分の命を危険に晒してまで子供を助けたのでしょうか。背負うものが無い人生。それはとても気が楽です。しかし同時に孤独と物足りなさがあります。彼女の中に、人を愛し、愛されたい、誰かの支えになりたいという気持ちが潜んでいたのではないでしょうか。それを「母性」と呼ぶのかもしれません。最初はお互いに接し方がわからず、喧嘩したり、別れたり、上手くいきません。しかし次第に芽生える絆。それが「家族」の始まりなのです。厚化粧のおばちゃんが素晴らしく格好よく、派手なシャツの子供が小生意気だが愛らしく感じます。派手なシーンはありませんが、全編見事にハードボイルド。エンディングと共に流れる音楽に言い表せない気持ちになる心に刻まれる作品です。
[DVD(字幕)] 9点(2006-05-09 17:52:29)
12.  ドラえもん のび太と鉄人兵団
宮崎駿作品、クレヨンしんちゃんと並ぶアニメ映画界の最高峰「ドラえもん」。宮崎、クレしんとの一番の違いは子供向けに徹しているところだと思います。本作でもその基本姿勢は崩さないまま、大人でも十分に楽しめる作品に仕上がっています。というか、むしろ大人に観てもらいたい作品。基本構成は、いつものメンバーが地球侵略に来るロボット軍団と戦うという、いたってシンプルなものですが、大挙して押し寄せる鉄人兵団や破壊される都市などハードな描写も目につきます。ロボットが地球侵略に来た理由、リルルの行動選択など、現実の世界に当てはめて考えさせられる部分が大いにあります。メッセージが照れることなくストレートに伝わってくる、子供向けアニメの素晴らしさがここにあります。最後はほとんど禁じ手のような結末ですが、素直に感動できる秀作です。ちなみにMVPはしずかちゃんですが、個人的にミクロスに敢闘賞を贈りたい。
[DVD(邦画)] 9点(2006-05-06 23:15:24)(良:1票)
13.  ミッドナイト・ラン
この映画好きです。何度も観かえしています。メインの2人(デ・ニーロとチャール・ズグローデン)のアンバランスな組み合わせが絶妙で、旅するうちに芽生える奇妙な男の友情がなんともいえず良いんです。さらに脇役も上手い。保釈期限というタイムリミットが設けられているため、ストーリーに程よい緊張感がありますし、二転三転する展開でまったく飽きることがありません。緩急をつけた演出と耳の残るテーマ曲も光ります。メインの2人が別れる最後のシーンは、少し切なく、でも心地よく、観終わったあとの清涼感につながります。ちょっと疲れたときに観てみたい良質の娯楽作品です。
[地上波(吹替)] 9点(2006-04-16 16:52:24)(良:1票)
14.  遊星からの物体X 《ネタバレ》 
今となっては『既視感』を覚える描写が多いものの、裏を返せば後発作品に与えた影響が甚大ということ。映画はもとより漫画など、数々の名作傑作を生む礎となった作品に低い評価など付けられるはずもありません。ちなみに1951年製作のオリジナルは鑑賞済みですが記憶は薄く、当時の感想を見返してみても正直あまりピンと来ません。その点、本作のインパクトは抜群で強く記憶に残るものであり、リメイクが成功した稀有な事例であるのは間違いなさそうです。というより、基本設定のみ頂戴したオリジナルと見立ててよいのかも。さて結末について。主人公はやけくそになって基地を爆破し『生き物』と心中を図ったように見えますが、極寒の地でも冬眠で生き残れるヤツらに対し有効な作戦とは思えません(その点、主人公は百も承知)。彼もまた『生き物』に同化されていた可能性も捨てきれない気がします。このあたり、真相を結論づける決定的な証拠は無いと思われ、それゆえに解釈に幅があります。エンドクレジットで感じる不穏な余韻は、本作が特撮技術だけではない、一級のホラー映画である証であります。
[インターネット(字幕)] 8点(2020-12-10 19:29:54)(良:2票)
15.  ドラえもん のび太の恐竜 《ネタバレ》 
記念すべきドラえもん映画の第1作目。さらには思い入れの要素も相まって、贔屓目に見てしまうのは致し方ないところ。ではありますが、それを差し引いてもいい映画だと思います。危機的状況の作り方も上手いし、何よりピー助とのび太のドラマが心に沁みる。卵のまま化石となっていたピー助は、生を受けつつも誕生できなかった命。それを1億年の時を超えて、のび太の愛情を受けて命の花を開かせた。コレだけでも涙ぐんでしまうほど、自分の琴線に触れるエピソード。のび太を親と慕うピー助のけなげさに涙。エピローグ、ピー助を想いながらボールを抱えるのび太に、また泣けてしまう。のび太も精神的に成長しました。個人的に一番泣けるドラえもん映画です。惜しいのは、VS恐竜ハンターとの決着にタイムパトロールを介入させてしまったこと。奇跡や正義の味方を頼らすに、自力で問題解決できていれば、もっとスッキリしたと思います。
[DVD(邦画)] 8点(2008-04-06 21:44:38)
16.  チャイルド・プレイ(1988) 《ネタバレ》 
大柄な肉体、恐ろしい凶器、醜悪な顔、常軌を逸脱した狂気。観客が殺人鬼を怖れるのは、彼らには“とても適わない”と思ってしまうから。ジェイソン、フレディ、レザーフェイス等、スター殺人鬼はみんなそう。太刀打ち出来ないことを直感します。そういう意味で、本作のチャッキーでは“物足りないかも?”という先入観がありました。所詮人形は人形。しかも子供サイズ。戦って負ける気がしないから。でも予想は覆りました。結構本気で怖かった!最初に抱いたのは“他人に信じてもらえない”恐怖。助力を請えない状況がどんなに心細いか。チャッキーの罪の責任を負わされるのも心配。そして“大切なものを奪われる”恐怖。子供の命を狙われるのは、自分の命を狙われるより遥かに恐ろしい。チャッキーの体格的ハンデを埋めるシチュエーション作りも光ります。身動きの取れない車の中、あるいはVS子供。体格差は関係なくなる。チャッキーは立派な殺人鬼だと思いました。さすが、シリーズ化された作品の1作目だけのことはある。設定、脚本、共に秀逸だと思います。ただ、ラストの畳み掛けはややクドイ。それよりも、続編の可能性を残すため、チャッキーを生かす算段をしたほうがいいと思いました。何かに憑依させるとか、止めを刺さずに逃がすとか。あんなにシッカリ抹殺したら、続編が作り難いんじゃないかと気がかりで。でも心配ご無用。どんな荒業を使っても続編を作るのが映画界でした。
[DVD(字幕)] 8点(2008-01-30 19:01:44)
17.  その男、凶暴につき
主人公の行動原理は単純です。殴りたいから殴る。躾されていない子供のようです。自分は彼に賛同できません。暴力=悪だと躾られてきたから。でもその一方、無茶をする彼に爽快感も覚えるのです。しかし行き過ぎると、また眉をひそめてしまいます。この矛盾。戸惑い。それは社会が抱える矛盾でもある気がします。問題解決の手法としての暴力を人は認めています(もっとも、暴力という言い方はしません)。その代表が公権力=警察です。主人公が警官である意味が此処にあると考えます。人は生まれながらにして、問題解決手法としての暴力を獲得しています。教えなくても子供は叩くことを知っています。生まれ持ったものなのに、押し殺すように教育されのです。そもそも其処に無理があるのかもしれません。暴力を容認された警察でさえそう。力を振るえず、挙句チンピラに殺される姿は滑稽ですらありました。主人公の“正しくない”行動は、現代社会が抱える矛盾を明確に表していました。本作は北野武の初監督作品。処女作で、これほどスタイルが完成されているのは驚きの一言。監督の“人となり”が伝わってくるのも素晴らしいです。やはりベースは芸人「ビートたけし」の顔でしょうか。シニカルなコント風味の演出が、陰鬱な作品に上手く同調していたと思います。自分が特に気に入ったのは、たけしの蹴り。「バカヤロ、コノヤロ」と聴こえてきそう。芸人、監督、役者の顔が全て垣間見られる、見事な蹴りだったと思います。「長渕キック」と併せて『日本3大キック』と名づけたいくらい。残る一つは…後で考えます。暴力に対する問題提起はOK。これに対する監督の答えは何なのか。それが伝わってくれば、完璧でした。
[CS・衛星(邦画)] 8点(2007-06-15 18:07:28)(良:1票)
18.  ドラえもん のび太の大魔境
秀逸な設定。テンポ良く盛り沢山な内容。飽くなき兵器開発に対する警鐘というメッセージ。子供向け娯楽映画として洗練されていると思いました。設定を論理的に説明すること。展開に整合性を持たせること。誠実な制作姿勢を感じました。この時期の劇場版『ドラえもん』に共通している長所だと思います。また興味深かったのが、当時の世相を反映した思想・価値観(教育的配慮)について。盛んに「男らしい」を連発するしずかちゃん。今ならこのような表現はしないはずです。やはり映画は時代を色濃く映す鑑だと思いました。満足度の高い作品。ただ、お姫様わんこがカワイクなかったのが残念(笑)。
[DVD(邦画)] 8点(2007-03-02 18:21:30)
19.  メジャーリーグ 《ネタバレ》 
何の心の準備もなく観られます。野球のルールだけ知っていればOK。その手軽さがイイ。クライマックス、ホームラン予告からの一連の流れはシビれます。個性あふれるキャラクターに単純明快なストーリー。結末がみえみえだろうと、物語が浅かろうと全然構わない。いやむしろそこがスキ。気軽に観られてスッキリと楽しい気分になれる。こういう作品がとても良いと思うようになりました。最近疲れているのかもしれませんが(笑)。ところで本作といえば『ワイルドシング』。この曲に乗ってマウンドに向かうリッキーには鳥肌が立ちます。本作で一番盛り上がるシーン。でもこの曲を聴くとアノ人の顔も浮かんできて困ってしまいます。プロレスファンの哀しい性です。
[CS・衛星(字幕)] 8点(2006-11-10 18:35:53)(良:1票)
20.  デッドゾーン 《ネタバレ》 
主人公が手に入れた能力は明らかに人より優れた能力。人の役に立つ能力です。そのため多くの人が彼に救いの手を求めてきます。しかし彼の能力は求めていても、決して彼自身を認めているわけではありません。“彼の力を求めること”と“彼の存在を認めること”は似ていますが別のことです。得体のしれない能力を持つ主人公は、普通の人からみれば化物。そこまで思わない人でも、なんとなく気持ちが悪い存在だったでしょう。そういった雰囲気は、面と向かって言われなくても本人は痛いほど感じるものです。だから彼は孤独だった。能力を役立てようとせず、ひっそりと生きる道を選んだのだと思います。最後に主人公が取った行動は、全人類を救う英雄的な行動でした。しかし自らの死が伴うことも知っていたはず。何故彼はそれでも行動したのでしょうか。多大なる時間とかけがえの無い人を失った人生。優れた能力があっても孤独な生活。彼はやはり絶望していたのでしょう。しかし絶望の中に「人類の未来を救う」という希望を見出した。その希望に向かって進むのは必然だった気がします。彼の最後の行動にやりきれない切なさを感じるはずです。それは私達が、報われないこと、正当な評価がされないことがどんなに辛いことか知っているからです。
[DVD(字幕)] 8点(2006-07-06 19:59:43)(良:1票)
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