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1.  道(1954) 《ネタバレ》 
衛星放送で放映しているとのことで、久し振りに観ました。自分はこの映画のテーマを無償の愛・無垢・贖罪と思っていますが、そのようなものをテーマにした映画は、古い新しいは関係なく、観るたびに感動で胸が震えます。ジェルソミーナの子犬のようなかわいらしさ、人なつっこさは切なくなる位に愛らしいし、ザンパノの非情さも人間の弱さというか、当然人として持っている一面があらわれていると思われ悪人とは言い切れない、そしてザンパノが年を重ねた後、孤独と後悔に苛まれたラストシーンでの慟哭。音楽も素晴らしい。映画の途中で、ザンパノをいつもからかう旅芸人(「道化が好きな天使」というような役柄なのでしょうか。)とジェルソミーナとの会話の部分が好きです。ジェルソミーナが「生きる価値がない」と泣きながら訴えると、旅芸人が「どんなものでも、石でも、星でも、存在する価値がある。」と優しく答えるこのやりとりが忘れられません。大好きというか自分の心になじむ大切な映画です。自分の子供がもし映画好きになったら是非とも観せたいと思います。 
[CS・衛星(字幕)] 10点(2009-11-29 11:49:11)(良:1票)
2.  ブレードランナー/ファイナル・カット 《ネタバレ》 
この映画は深夜明かりを消して「漂う」感じに身を任せながら観るのが最高です。また音を絞ってぼーっと眺めているだけでも、映画には無い良さを感じられるような気もします。それほど映像・情景が美しい。雨と霧に霞む夜の都市、空に浮かぶ船、夜間照明と光と闇のコントラストは、なんと表現したら良いかわからない程、息をのむようなすばらしさに圧倒されます。音楽も情景にマッチしていますし、ラストーシーンからテーマ音楽が流れてテロップに切り替わるその「間」が絶妙で痺れます。ストーリーやそれぞれの象徴的な場面にはいろいろな解釈があるようですが、自分はレプリカントが恐れる「死」と求める「生」、そして死んでしまった時に「空に放たれる鳩(自分は「すべてのものからの開放」を象徴したものだと捉えました。)」が大きなテーマだと思っていますし、単にSFというジャンルにはめることはできない、ハードボイルド、フィルムノワールという臭いも十分感じることができて、それだけでも素晴らしく、自分の「ツボ」にはまった映画でした。 
[ブルーレイ(字幕)] 9点(2009-11-29 11:58:44)(良:1票)
3.  遠い空の向こうに
素晴らしい映画です。内容が「ロケットを作る高校生達の話」と聞いていたいので、とっつきにくいかなと思っていましたが、最初からもう引きつけられっ放し。2時間という短い時間の中で、「親と子」、「大人と子供」、「夢をかなえる気持」、「家族」、更には「炭坑問題」等々、R&ROllをバックにうまく収まっていて、見終わって「見事にやられた」という感じ。 実話に根ざしているから無理矢理感がなくて、映画に出てくるようなすっきりとした爽やかな青空を仰ぎ見ているような心地よさが残りました。 自分の子供にも是非観せたい映画だし、大人になってからも観てもらいたい映画です。 
[DVD(字幕)] 9点(2007-07-22 13:10:33)(良:1票)
4.  ゴッドファーザー 《ネタバレ》 
 これで、もう何回観たことか。都度感慨深く、長い時間にもかかわらず一気にエンド  ロールまで行き着いてしまう。素晴らしい映画というものはこのようなものを言う  のでしょう。父親と息子の絆、血のつながり、マフィアの結束、裏切りと報復等々  一つのテーマだけでも濃いのに、それらが凝縮され、観る者を唸らせる内容で心に  迫ってくる。音楽も言うことないし・・・。正統派の骨太な映画です。 
[CS・衛星(字幕)] 9点(2007-03-25 14:29:17)
5.  アメリカン・ヒストリーX 《ネタバレ》 
「アメリカンヒストリーX」それは人種差別(黒人)の歴史のことで、200年以上も続く歴史の積み重ねを2時間(上映時間)で語るには、やはり衝撃的なラストーシーンが用意されていたのは必然なのでしょう。この映画のテーマを「贖罪・救い・祈り」と感じるのか、それとも「後悔・絶望・憎悪」と感じるのか・・・。それは最後の弟のメッセージ(ヒストリーXを主題とした論文の最終章)をどう感じ、受け止めるかによると思う。自分は「時間的な流れからすると、衝撃的なラストの前に論文ができあがっているのだから、先に弟のメッセージを流すこともあり」だと思ったけれど、「絶望的なラストが先に来て、兄がこれまでの生き方を後悔し神に祈りながら号泣した後、弟のメッセージが流れた」のだから、やはりこの作品は「人種差別をなくすこととを罪深い人間が祈り、願う」ことがテーマだと感じた。そのように思わなければとても辛い作品であることも事実で、既に観てから一週間たつけれど未だにこの映画の衝撃から離れられない。 
[DVD(字幕)] 8点(2009-12-27 13:25:49)
6.  デーヴ 《ネタバレ》 
面白かったです。主人公がどのように大統領の影武者役から解放されて、元の自分に戻るのか気になりながら観ていたけれど、絶妙な脚本で「なるほど、うまいなあ~」と納得してしまいました。それに主人公と元大統領夫人との再会で最後は締めくくったし、本当によかった。シガニー・ウィーバも強い女性役のイメージがあるけれど愛らしく可愛かった。こういう映画を探し当ててもっともっと何度も観たいものです。
[DVD(字幕)] 8点(2009-12-21 21:50:01)
7.  グラン・トリノ 《ネタバレ》 
出てくる場面も一つの街の中。出演者も限られている。状況設定としてのスケールは小さく狭いのだけれど、話はぐっと深みがあります。イーストウッドは息子2名との距離が測れなかったというけれど、朝鮮戦争で悲惨な経験をしてしまった人間としては当然なことではないでしょうか。それでもそのことをずっと心にしまいながら、そんな罪深い自分だから、そして余命少ない自分だからこそ戦争で犯した贖罪を最後にあのような形で果たしたのではないかなあと思います。そのシーンを観た時はショックでしたが、あとから考えてみてやはりあのような形になるのは映画として必然かと感じました。見ていて字幕が秀逸。イーストウッドの口汚さと頑固さが少ない字幕スーパーの中でうまくで表現できていました。それと最後のグラントリノの唄は本人が歌っているのでしょうか。聴く者の心を掴みます。それにしても「アメリカ」は歴史は浅いのだけれどいろいろなことを経験していて、それらの経験を素材に人間の根源的なテーマを絡めながら世界のみんなが素直に感動し得る映画をさりげなく、また時にはダイナミックに作る人がいて奥が深い国だなあと思います。 
[DVD(字幕)] 8点(2009-10-11 21:36:37)(良:2票)
8.  パコと魔法の絵本 《ネタバレ》 
「ファンタジーの色」といえば「赤と緑」がふさわしいと観る者に思わせ、CG・アニメと実写の融合等イマジネーション・発想の広がりが素晴らしいと感じさせる映画。テンポのよさとキャラクターの斬新さそして台詞と演技の深さに脱帽。この監督は「下妻物語」や「嫌われ松子の一生」を撮影していますが、「無限・無償の愛」がこの監督のテーマなのでしょうか?笑いの中に真剣さと光るものがあって、映画を観る者をがっしりと惹きつけるしたたかさを感じます。
[DVD(邦画)] 8点(2009-10-11 21:27:10)
9.  旅立ちの時 《ネタバレ》 
主人公はもしかして、スタンド・バイ・ミーのちょっと不良っぽい男の子役だった俳優さんでしょうか? この映画は彼のために作られた映画なのでしょうか、それほどはまり役で素晴らしい出来映えでした。また主人公の恋人役も可愛らしく、若かりし頃のジョディー・フォスターの面影があります。 シナリオは「こんなに長期間逃亡生活が続けられるのか」という疑問は湧くものの、「親は子供を縛ることはできないし、またそのようなことに子供が家族の一員として加わる中で気がつき、父も母も耐えられず、ぎりぎりのところで、決着を付ける。」このテーマが非常に重く、また感動的でした。特に、母親自らが、昔縁を切った父に息子のこれからを涙ながらに託すやりとりは秀逸でした。 主任公はおそらく推薦で大学へ進むでしょうし、また恋人にも再会するでしょう。よくハッピーエンディングな映画は「それから先がどうなるかか問題だ」などどひねくれた感想が残ることが多いですが、この映画の家族3名(父・母・弟)の行く末は多難であり、主人公の俳優さんも実際非業の死を遂げていること等もあって、「恋人と結ばれて、自分もピアニストとして成功して、またいつか家族で会える日がくるといい」と切に望んでしまったという、それほど感情移入した映画でした。 DVDの表紙の父母そして主人公の白黒のポートレートが象徴的です。 
[DVD(字幕)] 8点(2009-09-20 18:32:56)
10.  実録・連合赤軍 あさま山荘への道程 《ネタバレ》 
1960年、70年代の日本の高度成長期が生んだ狂気の徒花として、確かに連合赤軍はあった。それは、若松監督が擁護し正当化するように、若者達が暴走した、まさに青春の歪んだ部分の象徴として存在していたと思う。しかしこの映画を観ると、監督の思いとは裏腹に、革命・平等な世界を作るという高邁な思想はどこかに置き去りのままで、薄暗く息のつまるアジトという密室で特異な世界の中で、凄惨なリンチ・処刑が繰り返されていた場面が詳細に映されていて、憤りとやるせなさでたまらなくなる。自己批判・総括とはいったいなんだろう。連合赤軍のリーダー2名は自己批判・総括という名の下にリンチを繰り返す。その理由も幹部批判を行ったり、自分だけ銭湯に入ったり、顔立ちが単に綺麗であるのが気に入らないといった、本当に人間の嫌らしいねたみ・エゴといった理由によるもので、高邁な思想とはほど遠く、怒りすら覚える。総括を指示するリーダー2名こそ、自ら自己批判・総括を行うべきだろう。しかも2名はそれぞれいた恋人を捨てて愛し合うことになる。女性リーダーは「あなたのことは好きだけど、革命を求める2人はこうなって当然だと思う」ということを元恋人に告げる身勝手さ。もうまるで近くの国のことみたいだし、少し前に解体した新興宗教集団のようでもある。話が拡散したけれど、人間は、人間らしいが上に、革命思想とか理屈とかに縛り続けることはとうてい無理で、そんなこと解っているはずなのに、いろいろなことを革命と結びつけて理屈付けしようとするから歪んでしまうし、だからテロ活動も引き返すこともできなかったのだと思う。浅間山荘事件のクライマックスの中で高校生が「勇気がなかったんだ」とメンバーに向かって叫んだけれど、連合赤軍の行動がオーバーヒートしていったのは正にこの一言に尽きると思う。実際に山荘の中でそういったかは不明だけど、そのように連合赤軍のことを捕らえている若松監督の感性に共感を覚えます。それにしても、たった30名程度で、拳銃や猟銃だけで世の中がひっくり変えるわけがないのに、軍事演習といって実施している内容もままごとのようで、それでも真剣に行っている様は、彼らの行く末を知っている自分たちビューワーにとっては本当に空しく・淋しいし、とりわけ総括の下に拷問死してしまった坂上真紀は本当に哀れで可哀想でした。 
[DVD(邦画)] 8点(2009-03-21 23:44:48)
11.  ALWAYS 続・三丁目の夕日 《ネタバレ》 
昭和30年代は、まだ人が優しく、世相も良き時代であったという前提がこの映画にはあるだけれど、本当にそうなのでしょうか。確かに今は当時と比べて交通網や電化製品等発達して、気ぜわしい毎日を送っているけれど、コミュニケーションも携帯・メールが主流になったけれど、人の優しくありたいと願う気持ちは昔と変わらないと思います。確かに薬師丸ひろ子が最後の方で「まつりのあとみたいね・・・」というように、いろいろなエピーソードが寄り集まっていて、中には特に必要ないのでは?と思うような多少せわしい感じもあったけれど、それでもやはり人はこのような「心が緩む話」は好きだし、自分も「心」と「涙腺」のリハビリをしてもらいました。今も昔も生活していけばいろいろな苦労はあるけれど、それでも想う人たち、大切な人たちと僅か時間でも綺麗な夕日を眺めることができれば、そしてこの時間がもっと長く続けばいいと感じる中で幸せを感じ取ること。それが一番の人生の幸せではないかと、この映画を観て感じました。 
[地上波(邦画)] 8点(2008-11-24 21:43:26)(良:3票)
12.  ストレイト・ストーリー 《ネタバレ》 
空は快晴雲一つ無く爽やかな青空の元で、褐色の小麦畑の中どこまでも真っ直ぐな道路が通っていて、そこを緑色の小型トラクターがゆっくりと走っていく。なんとも心が洗われる風景です。とても「ワイルド・アット・ハート」や「ブルー・ベルベット」を撮影した監督とは思えません。話は主人公が目的地に着くまでに出会うエピソードが積み重ねられており典型的なロードームービーとなっていますが、私は主人公を支える娘が非常に素晴らしく感じました。彼女自身も過去悲惨な経験をしているにも関わらず、それを克服して主人公を支えるべくよき家族の一員として尽くしています。ラストシーンに登場する主人公の兄もそうですが、皆善意でひた向きに生きている様がよくわかり、映画のシーンでよく出てくる秋空のように清々しく、少しもの悲しく、だからこそ癒されてといった「観てよかった」と思える映画です。
[DVD(字幕)] 8点(2008-07-27 22:09:40)
13.  ペテン師とサギ師/だまされてリビエラ 《ネタバレ》 
 いやぁ、この映画は面白い。オープニングシーンとテーマ音楽からして何かやってくれそうな予感。最初から最後まで笑わせていただきました。スティーブ・マーティンの 陽気でハイテンションな演技とマイケルケインのポーカーフェイスな演技が絶妙に絡み合って秀逸です。  グレン・ペドリーが出てきた途中からオチが何となく分かったものの、主人公二人の「喧嘩両成敗っぷり」を、どのような落ちで観る者を魅了させてくれるのか楽しみで、あっという間のエンド・ロールでした。  それにしても、どうしてアメリカ映画のコメディーは、こんなにもからっとしていて面白いのでしょう。つまらないものも時にはありますが、このように優れた映画もあるから、やっぱり映画を観ることはやめられません。 
[DVD(字幕)] 8点(2008-05-05 22:14:47)
14.  それでも生きる子供たちへ
 7編のオムニバスで構成されていますが、一編一編決して疎かにできない珠玉の作品達。社会・政治的な問題が産む戦争・貧富の差・虐待・エイズ等に翻弄されながらも、それでも逞しく、ひたむきに生きる子供たちの姿を観て、生きる希望をもらっているのは、実は大人である自分達ではないかと思ったりした。  それほど、子供たちの涙顔・笑顔・眠った顔はストレートに観る者に強い力と希望を 与えます。このような映画は国・宗教・世代を超えて広く見て欲しいと切に感じます。 
[DVD(字幕)] 8点(2008-04-27 20:10:10)
15.  インファナル・アフェア
 この映画は凄い、面白い、美しい。このような素晴らしい映画が5年位前にあったなんて、全然知らなかった。しかも、アジアの中で撮られていたなんて・・・フィルム・ノワールの傑作と言ってもいい出来映えではないかと思います。脚本も相対する組織に潜入する2人を軸に予想外の展開の積み重ね、スリル感・息の詰まり感もジェット・コースター並みです。なによりいいのが、殺人の場面が泥臭くないことで、鮮やかなほどにショッキングなシチュエーションがいくつも用意されています。そしてタイトルの通り「無間道」は勿論のこと、「修羅」・「刹那」とかそんな単語が、頭の中をよぎりました。いろいろな場面において、トニー・レオンの眼差しが印象的です、特にラストシーンは「無情」さを感じてしまいました。  また、いつか見直す映画であることは間違いありません。 
[DVD(字幕)] 8点(2008-03-08 13:54:40)
16.  ビッグ 《ネタバレ》 
 久し振りに面白い、心暖まる映画を見ました。トム・ハンクスも若くまた、エリザベス・パーキンスもチャーミングで、できればあのままの二人のままでと思ったけれど、それも続くわけがなく、その理由がトム・ハンクスが子どもに戻りたくなったからという気持ちの動きが切なくまた可愛らしくて、本当に楽しい、大人のおとぎ話を観ました。  それにしても、このようなお話しのコメディー・ドラマは日本にもありますが、アメリカの映画はさっぱりと垢抜けていてグッドです。というよりも日本の俳優・風景だと身近すぎて、今ひとつコメディー・おとぎ話に心を委ねきれないということかもしれません。
[DVD(字幕)] 8点(2007-12-01 17:43:58)
17.  アパートメント(1996) 《ネタバレ》 
ロマーヌ・ボーランジェは「野生の夜に」とか「ミナ」とか、直向きで個性的な役所が印象に残っていて、今回も最後まで目を離せない展開の中で、「彼女はどうなるのかな」と、ドキドキハラハラしながら観ていました。それほど彼女は可愛らしく、時にはエキセントリックな表情になったりと、充分魅力的でした。特にラストの憂いを含んだ微笑は、胸が詰まります。 フランスの女優で言えばジュリエット・ビノッシュやベアトリス・ダルもそうですが、印象的な女優が多いです。 ストーリーは主人公マックスを通じて、マックスを慕う女性、マックスの元恋人との過去と現在のやりとりがシンクロし、最後は意外な結末を迎えます。 モニカ・ベルッチも充分美しくまた悲劇的ですし、ストーリそして映像もスタイリッシュでいかにもフランス的で、その雰囲気に浸りながら一気に観ました。また、映画の中でヒッチコックの映画で観たシーンを連想させる場面もあり、そんな粋な計らいにすっかり魅せられてしまいました。 秋の夜長に観るにはお勧めな映画だと思います。 
[DVD(字幕)] 8点(2007-10-06 21:23:10)
18.  善き人のためのソナタ 《ネタバレ》 
この映画の見所は2つ。ひとつは体制・主義に飲み込まれて悲劇的な結末を迎えざるを 得なかった舞台女優と、もうひとつは盗聴活動を通じてまたそこから流れる「ソナタ」を聴いて体制・主義でも変えることができない人間の良心に目覚めて行く大尉(主人公)の胸の内の動きと盗聴時の表情だと思う。二人ともあまりにも人間的でありすぎたのでしょう、それが故に東ドイツの社会主義・独裁主義体制に身分はもとより心や躰、さらには女優に至っては命までもてあそばれる結果となってしまった・・・ 本編は舞台作家への盗聴作戦が完了するまでで終了かと思いましたが、その後の東ドイツ崩壊からラストシーンに至るまでを丁寧に描いているところが普通の映画と違う所で秀逸です。最後の主人公の姿と発した一言に目頭が熱くなり、またほっとしたりしました。ちなみに女優の恋人である舞台作家は、東ドイツの実情を西側に伝えたという点では役割は大きいのだけれど、女優が車の中で高級官僚に犯されたり、後日ホテルに呼び出されても悶々とするだけで、その優柔不断な様は、映画・ドラマとしては今ひとつ存在感に欠けてたなと思いました。
[DVD(字幕)] 8点(2007-09-15 17:26:15)(良:1票)
19.  二十日鼠と人間(1992) 《ネタバレ》 
アメリカ(ハリウッド)映画はやはり凄いなと感じるのは、エンターテイメントを追求するだけではなく、この映画のように「アメリカの苦悩」・「良心」というものにも真剣に取り組んでいるからです。 映画の良し悪しは、役者の演技力や監督の力量に左右されるところも多いのでしょうが、やっぱり原作・脚本だなと思います。この映画の原作はJ.スタインベックであり、脚本がしっかりしていて見応えがあります。 冒頭から様々な問題を観る者に訴えて来ます。「貧富の格差」・「大恐慌」・「季節労働者」・「人種差別」・「弱者を取り巻く社会の寛容性」等々・・・ 一ヶ月以上前に観た映画ですが、いまだ映画のシーンを思い出しては、「主人公の一人である保護者のジョージの行く末はどうなるのか」と案じたりします。 また、精神薄弱のレニーが動物に興味を持ち、かわいがる動物を力余って殺してしまう 様や、また死んでしまった二十日鼠を大切にポケットに入れていたシーン等が思い浮かび、ラストがある程度そうなるのかとの予感はありながら、なんとも酷で不条理な結果なので、よけいレニーの無垢さが際立ち、いとしく切なくなります。 これほど真摯で奥が深くまた「跡を引く映画」はあまりないと思います。あれこれ書きましたがまだ書き尽くせない・・・「百聞は一見に如かず。」お勧めの映画です。 
[DVD(字幕)] 8点(2007-09-15 12:10:43)(良:1票)
20.  日本のいちばん長い日(1967) 《ネタバレ》 
 子供の頃、8月の終戦記念日特集とかでこの映画を観た記憶がある。モノクロ映像と皇居前で軍人が自決したシーンが印象に残っていて「戦争はしてはいけないものだ、怖いものだ」という思いをした事を、今回観る前に思い出した。  監督、脚本、俳優陣はこれ以上ないという程の組み合わせ。終戦前からの数日間を時 系列的に淡々と、しかし演技は熱く本編は進んでいく。戦争映画で思うことは「戦争賛 美・肯定」もしくは「反対・反戦」のどちらかに偏ったメッセージ性があまりに強いが 上に、映画の格調というか品格が落ちてしまう場合があるということで、長い時かけて 観る割には、その後興ざめした感覚が残るのですが、この映画に関しては一切そんな事 はありませんでした。  登場人物も日本陸軍・閣僚・宮内庁関係者と範囲は狭く、民衆が出てくるのは唯一埼 玉の飛行場から飛び立つ特攻隊を、国旗を振って見送るシーンのみ。それでも陸軍の青 年将校の暴走と鎮圧しようとする幹部達の立ち振る舞い、阿南陸相の自決、終戦日当日 の特攻隊の出陣等、「極限時における行動をありのままに描くことによって、戦争のもたらす狂気、残虐性、不条理な様を観る者に実感させる」映画であり、終戦(本当は敗戦)に至る間際にこのような事実があったことをほとんど知らないだろう若い方々にこそ観てもらい、何かを感じてもらいたい映画である。  また自分も、平和な事を当然のように享受するのではなく、このような事実の上に現在があるだということを再認識しなければと思う。 
[CS・衛星(邦画)] 8点(2007-08-20 21:51:59)
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