1. シンプル・プラン
自分もあの境遇で、あの状況で、あの仲間がいれば同じ展開になりかねないという設定の匠に感嘆しましたし、恐怖を覚えました。 止めようと諭していた側が状態の変化でコロッと立場を逆転させてしまう描写など素晴らしい。 その他にも脚本上の技巧は多彩で、惚れ惚れさせられました・・・美しい。 [ビデオ(字幕)] 10点(2007-12-17 13:21:50) |
2. ギャラクシー・クエスト
《ネタバレ》 お気に入り登録しているレビュアーさんが軒並み高評価だったので、かなり期待して鑑賞に備えていたのですが、全く裏切られることなく大満足の内容でした。 破綻展開(船に戻ると敵側に占拠されてる、船員に化けてる)がちょっと唐突で説明不足に感じるものの、そんな減点要因をものとも言わせないサービス精神の固まりな内容。 自分は「スター・トレック」なんて観たことなかったし、観る気も起こらないような奴で、パッケージを見掛ける程度では決して手を伸ばさなかったであろう作品だったので、このサイトに感謝です。 [DVD(吹替)] 10点(2007-12-01 18:28:22) |
3. YAWARA! スペシャル ずっと君のことが・・・。<TVM>
テレビシリーズで中断していた残りをアトランタオリンピック開催に際してテレビスペシャルとして放送したもの(その為原作ではバルセロナ五輪なのだが、アトランタ五輪に設定を改変されている)。 「YAWARA!」総評として・・・ スポーツものの注意点は、ドラマ処理が勝敗の結果に反映される構造にしてしまうこと。つまり、内的ドラマの解決が技術の向上に直結しているわけではないのにごっちゃにされてしまうことが多い。 その点この作品はそもそも猪熊柔は天才だ、という位置付けからスタートしているのでメンタル面と勝敗が直結していても矛盾は起こらない。 素晴らしい設定。スポーツものはこれしかないんじゃないだろうか、と思えてくる。 「めぞん一刻」終了で開いた連載の穴に入った作品ということで人物の配置は殆ど一緒。 きっと浦沢直樹は高橋留美子の技術を巧く盗めたんだろうな、としみじみ(数少ない全幅の信頼を寄せている作家のお二人なので繋がりを感じられてうれしい)。 [地上波(邦画)] 10点(2007-11-21 11:52:55) |
4. ブラッド・シンプル ザ・スリラー
かつてながら観していたおかげで多くのものを見逃していたことに今回の再視聴で気付き、唖然。 こんな大傑作だったとは・・・。 ここまで誤解で回っていた話だったとは、あんなところまでスリラーとしての配慮がなされていたのか、と感心しきりです。 DVD特典で解説が入っているのでわからなかった方はご覧あれ。 [DVD(吹替)] 10点(2007-10-30 00:09:25) |
5. トータル・リコール(1990)
《ネタバレ》 初見は子供の頃で随分楽しんで観賞し、しばらく経って全てリコール社のサービスなのかもしれないという解釈を発見して驚いた記憶のある作品。 確かに多く方が減点材料として指摘している通り、セットはチャチですし、グロテスクな描写満載ですが、自分の評価基準には含まない事柄なので満点献上。 やっぱりここまでサスペンスを維持し続けるのは相当の技術ですし、疑心暗鬼な状態を作り続ける設定やシチュエーションは舌を巻く出来。 [地上波(吹替)] 10点(2007-10-08 07:02:03)(良:1票) |
6. がんばっていきまっしょい(1998)
興味なかった祭に参加してみたら意外に楽しめたし、ちょっと興奮しちゃった、て感じ。人生を感じますね。 こういった文芸は、始まりの動機の無さと祭の終わりを惜しむ(もしくは終わりを予感させる)描写が肝なんだ、と学習。あまりひとつの要素をクローズアップしないで、のっぺりと進行する感じがこの年代を表すのには適してるんですね。 この時期も、この命さえもいずれ終わる・・・諸行無常。 儚いからこそ何かを見付けようとするんだな~、としみじみ。 [ビデオ(邦画)] 10点(2007-09-06 08:57:31)(良:1票) |
7. ラヂオの時間
群像劇で満足することって殆どない。特に全てのキャラクターにドラマを与え、しっかりとフォローしていくような内容は散漫になりがちですけど、今作はラジオドラマをやり遂げようというひとつの方向性に各々のドラマを絡ませるものなので見やすいですし、ちゃんとカタルシスも得られるのでしょうね(「有頂天ホテル」みたいな失敗と比較できますね)。群像劇はこのスタイルとガイ・リッチー作品のようにキャラクターが淘汰されていく(殺されていく)スタイル以外に今のところ満足できるものがない。 印象ではもっと低い評価なのですが、ひとつの理想系ということで。 [映画館(邦画)] 10点(2007-09-05 00:08:17) |
8. 交渉人(1998)
《ネタバレ》 最高のシチュエーションに多彩な娯楽要素。キャラクターの内的ドラマに通ずるものがあれば、更に良かったけれど欲張りすぎかな。 解決へのハッタリも定番ですけど、楽しめました。 [DVD(吹替)] 10点(2007-07-22 18:55:09) |
9. 12人の優しい日本人
本家を知っていれば、展開やキャラクター性、着地の仕方が同じであることに憤る(パロディと呼べる程の脚色が見当たらない)。 創作の姿勢としては0点を差し上げるが、その情報を無視して純粋に中身を評価するなら、やっぱり満点。しかし三谷幸喜は、これを自分の作品だと公言するのを恥ずかしいと思わないのかな(最近も舞台で再演したし・・・)。 [DVD(邦画)] 10点(2007-06-17 06:11:06) |
10. バック・トゥ・ザ・フューチャーPART3
「バック・トゥ・ザ・フューチャー」は漫画映画として観るなら単品でも十分だが、物語として評価するなら「3」まで観なければ。 [地上波(吹替)] 10点(2007-03-31 16:47:49) |
11. ユンカース・カム・ヒア
アニメ関係者内では知名度100%に近い作品なのですが、長らく商品化されなかったことも手伝って一般的には殆ど知られていない残念な作品(DVDで初商品化)。 絵柄も地味なので見掛けた程度では手が伸びないだろう。 しかし、アニメーションとしてはこのレベルに持っていくには相当のスタッフを揃えなければならないですし、私的には唯一人に感動作だと言って薦められる傑作です。 [CS・衛星(邦画)] 10点(2007-03-26 14:08:03) |
12. ユージュアル・サスペクツ
物語を求めると詰まらない内容ですが、映画ってこんなのもありなんだと教えてもらいました。 オチを知ってから観たのですが、楽しめましたよ。 [DVD(吹替)] 10点(2007-03-26 12:53:10) |
13. フィッシャー・キング
《ネタバレ》 好きな場面は人助けをして自信を取り戻したジャックが連れ添った相手と距離を置きたいと無思慮な態度に出る場面。 自己愛に支配された人間の本音ですね。 それに、バリーのために聖杯を盗みに出向くのも結局は他人のためにリスキーな行為をできる自分を確認(肯定)するのが最大の動機であって、彼のためというのは二の次でしょう。 しかし、それも自分ではない人がいるという希望と可能性のひとつ。 弱く、脆く、ずるい我々を肯定し、希望を教えてもらえます。 [DVD(吹替)] 10点(2007-03-25 04:19:33) |
14. トイ・ストーリー2
《ネタバレ》 ラストの畳み掛けが少々クドくなってしまうのは、助ける対象がジェシーに変わってしまうからじゃないかな。あそこは飛行機内部までウッディも運ばれてしまう流れの方が客はスムーズに観れると思う。 それでも・・・満点っ。 [試写会(字幕)] 10点(2007-03-24 14:25:14) |
15. トイ・ストーリー
課題はそのままにシチュエーションの変化で魅せる。 タイムリミットオーバーからのラストの追い込み。 教科書に載せましょう。 [DVD(吹替)] 10点(2007-03-24 14:17:39) |
16. ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ
群像劇は斯く作るべきだ、と勉強になった作品。傑作。 ただ父親が説教くさいことをいうシーンは入れて欲しくなかった(あんなにわかり易く言葉にしないで欲しい)。スティングとそのファンへのサービスなのかもしれないが、この作品は「バカな奴ら(笑)」という爽快感だけでいいと思う。 [DVD(吹替)] 10点(2007-03-18 07:22:53) |
17. ファイト・クラブ
《ネタバレ》 スリラーの王道(脅威が間近に迫り、周囲には信じてもらえず、自ら行動しなければ解決はない)を走っているし、その状況を作る効率の良さにただただ感心。 主要人物は二人だけなんですよね、これ。マーラとナレーター(つまり、タイラーでもある)だけ。 この映画はある男が世界を肯定できるようになるまでを描いていて、それがテーマでもあると思うのですが、枝葉の部分に注目が集まり、よく誤解されているのが残念です。 しかも、それ自体を茶化してたりしているし・・・奥が深いっ。 しかし、第一幕の長さに閉口してしまう人もいるでしょうね。キャラクターの言動に共感なり、興味を持てなければ辛い人もいると思う。 [DVD(吹替)] 10点(2006-12-26 04:19:13) |
18. GHOST IN THE SHELL 攻殻機動隊
《ネタバレ》 代用可能なほどの肉体を作り上げられるようになった文明。 その中から不意に生命(意識)が芽生えたとしたら・・・。 物質的な条件を揃えただけで生命は発生しない。 果たして生命は、意識は、どこから齎されているのやら。 知的傑作娯楽作品。 続編である「イノセンス」がいびつな構成と何語?と首を傾げてしまうような表現になってしまったのが残念。 [ビデオ(邦画)] 9点(2007-11-03 05:30:48) |
19. 遠い空の向こうに
どれほど意識的かはわからないが、しっかりと構成や設定が施されている良作。 事実に基づくという後押しと同情を誘う設定だけで突走っている駄作たちに見習ってもらいたいものだ。 ただ、ラストの親子の描写や会話はちょいとあざとすぎるかな。 [地上波(吹替)] 9点(2007-10-18 15:38:21) |
20. ダイ・ハード2
前作の良い点をしっかりと残しているものの、プロットを与えたために平凡な感も出てしまったのでしょうね。しかし、充分な良作です。 [地上波(吹替)] 9点(2007-08-29 00:25:37) |