1. チェンジリング(2008)
《ネタバレ》 悲しい話だけど希望に満ちていて、すごく良い作品だった。 権力を盾にした警察の欺瞞に立ち向かう勇気と、その原動力である母の愛情が、全編に渡って伝わってくる。 この話では警察側にも立派な人がいて、そこから進展した捜査がきっかけとなり裁判で勝ちを得ることができたのだが、それは稀なケースだろうし、実際に絶望的な力で押し潰されて歴史に埋もれてしまった人もたくさんいるのだと思うと、いたたまれない気持ちになった。 [CS・衛星(字幕)] 9点(2010-01-20 21:02:39) |
2. バンク・ジョブ
《ネタバレ》 構成がしっかりしていてとても分かりやすく、スリルとスピード感溢れる展開は見事だった。 過去かなりの数の映画やテレビ作品で使われている題材なだけに斬新さは感じなかったが、これが実話を基にしていることが分かってほんとびっくり。 この事件以降偉い人たちの宝物の隠し場所も変わったんじゃないだろうか。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2010-01-13 21:19:53) |
3. ユナイテッド93
これまでテレビや本で知った事実が、熱を持ち急速に揺れ動き、悲しみがこの作品の臨場感に伴って著しく増幅した。 四機のうち一機が墜落した国防総省だけダメージが少ない、実はアメリカ側の自演で、テロリストに支払った小切手が見つかった等、その真相を疑問視される9.11事件において、この作品も、事実を知る軍の人間が名前付きで証言した内容から、各所でプロパガンダだと揶揄されたのだが、大多数が納得するような明確な答えはいつまでたっても出ず、調査の結果、結局そんな人間は存在しなかったとも言われている。 プロパガンダか否か、その判断は不可能なほどに困難だが、知識を追い求め真相に近づくことは決して無意味ではない。 とはいってもこういったドキュメンタリー作品一つ一つで作品外の知識を求めようとすると、骨が折れるどころの騒ぎではない。だからプロパガンダ云々はまず置いといて、純粋に史実としてこの作品を受け止める必要が見る側の人にはあるのだと思う。 真実は藪の中でも、実際に亡くなった人がたくさんいることには違いないのだから。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2010-01-08 23:53:07) |
4. バンド・オブ・ブラザース<TVM>
E中隊の辿った軌跡を壮大なスケールで精緻に描き出している。 感情表現を極力抑えることで戦争の残酷さを浮き彫りにしているところに好感が持てた。 一話ごとに戦死者が出て、過酷な環境の中徐々に弱っていく兵士たちは、束の間の安息に浸り、再び戦地へと赴いてゆく。 そこからどうすることもできない深い悲しみをありありと感じ取った。 後の精神的犠牲も計り知れないものだったんだろうなぁ。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2010-01-05 22:02:49) |
5. ウォルター少年と、夏の休日
深みこそ少ないものの、笑いあり涙ありの良い作品ですね。 「信じることは真実に勝る」ということを教えてくれる作品なので、 ラストで明かされる真相は良い意味でどちらでもよかったし、 もし結局明かされずじまいだったとしても、それはそれで素敵な作品になったはず。 そういった部分からもラストに至るまでの展開が優れていたことが証明されている。 おじさん二人はほんとかっこいいし、名コンビだなぁ。 強さや優しさを、話で示し、行動で説明する。そこに理想の父親像を感じ取った。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2009-12-25 11:08:57)(良:1票) |
6. カリフォルニア・トレジャー
序盤はすごく嫌な予感がしてたけど、終わってみれば意外と良かった。という好きなタイプの作品。良い意味ですごく映画らしい。 しんみりとした場面では全然しんみりできなかったけど温かい気持ちになれたし、 ダメ人間だとか、正しいとか正しくないだとかは二の次で、大切な人は大切なんだ、という家族の結びつきの特別さに心地よさを感じた。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-02-12 20:14:54) |
7. 猟奇的な彼女
電車で注意する場面があったけど、大声で喋るのも同じくらい迷惑なような・・・それはさておき、なかなかおもしろかった。 ラストはすごくきれいな締め方で、添えられたナレーションも心に染みた。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-02-03 20:26:58) |
8. ウォーリー
《ネタバレ》 シンプルながらも心温まる作品で、エンディングの曲も良かった。 欲を言えば、人間があまりにも画一化されすぎていたのでもっと丁寧に描いてほしかった。 設定から鑑みてもそれが狙いなんだろうけど、その中にもう一工夫があればなぁ。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2010-01-02 11:31:22) |
9. アザーズ
《ネタバレ》 見終わってまずはじめに、とても完成度の高い作品だと思った。 投げかけられた謎の全てに納得のいく答えが出されているし、 伏線もちゃんと回収されている。 ある程度予測できちゃうところもあるんだけど、 ミステリーで全く予測できないなんて相当稀なケースだと思うので、 特殊な題材だけどこのジャンルの中でも上位に位置付けられる作品なんじゃないだろうか。 最後の方に出てくるおばあさんがいい感じに怖かったのと、 お父さんの登場によりここまでやるか・・・というぐらい暗くなったのが印象的。 他の方がご指摘されてるように、ここはいらなかったんじゃないかなぁ、とも思います。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2009-12-26 00:06:43) |
10. 恋人はゴースト
《ネタバレ》 展開としてはありがちなんだけど、それすら良く思えてくる素敵な作品。 全体を通して軽妙なタッチで、見る側にあたたかさをもたらしてくれ、 主演二人の演技もさることながら味のある脇役が良い空気を作り出している。 それでいてさりげなく医学的な問題も放り込んでいたりと作り手に好感が持てる。 ただラストは庭の時点でフラッシュバックしていてもよかったんじゃないかなぁ。 好みの問題なんだろうけど、記憶を失うシーンも蛇足に思えてしまった。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2009-12-24 12:01:09) |
11. グアンタナモ、僕達が見た真実
長期に渡って行われる拷問や、不当でアナログな取調べ。あのやり方では最後まで認めないことができる人なんていないだろうし、心身ともに疲弊させて発させた言葉を、事実として扱う軍に恐ろしさを感じる。 と同時に、危険な土地に行くときは、十分な予備知識を持ち常に警戒しておくぐらいじゃないといけないと学んだ。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2010-02-12 12:07:11) |
12. ブロウ
《ネタバレ》 派手に悪事を働いた挙句派手に散っていく、といった内容を予想していたのだが良い意味で裏切られた。 度重なる逮捕、さらに仲間にも裏切られ心身ともに疲弊していくさまが、時系列を正確に追い、順序だてて説明されていたので分かりやすかった。 娘の父として自らの望む姿で余生を過ごそうとするが、やはり過去の因果は断ち切れず、なしくずしに全てを失っていき果てに娘の幻を見る。 大物感が全く感じられないのは残念だったが、一人の人間としての悲しみはよく伝わってきた。 主人公の父親が良い親なのかそうじゃないのかは難しいところ。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2010-01-23 12:28:37) |
13. アバウト・シュミット
中年男が踏んだり蹴ったりな余生を過ごす様子が終始コミカルに描かれていて、 うわぁ・・・って思うシーンが多いのに何故だかそれが心地よかった。 [地上波(字幕)] 6点(2010-01-12 22:09:52) |
14. デッド・サイレンス(2007)
《ネタバレ》 人形がとにかく不気味で、ゾッとするような映像作らせたらほんと上手いなぁと感心。 ストーリーはオーソドックスなものだったけど、最後に「ソウ」シリーズでも恒例のアレを見れて満足しました。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2010-01-07 11:22:28) |
15. BOY A
前科を持つ少年が、過去の記憶に苦しみながらも新生活への一歩を踏み出していくという内容で、法の裁きを終えても決して消えることのない罪に焦点をあてている。 少年犯罪において問題視されている、ネットや週刊誌での実名報道とうまく絡めて少年の心の動きを緻密に表現しているが、ストーリーは割と平凡。 果たして映画にする必要があったのかと疑問に思ってしまう。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2010-01-02 11:14:01) |
16. 落下の王国
焼け付くような砂漠、透き通った海、きらびやかな宮殿からなる鮮やかな世界を、 特殊効果を使って仕上げた映像はほんとにきれいで、額に入れて飾りたいぐらいだった。 ただそれだけでも見る価値があるとは思うんだけど、 その分ストーリーはないがしろにされていて、内容がほとんど無かったのが残念。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2009-12-29 21:12:22) |
17. やわらかい手
《ネタバレ》 難しい素材を、感情に訴えかけすぎることなくうまくまとめていた。 内容としては可もなく不可もなくといったところかな。 中だるみしたことと、時折見せるミキへの悪態が、 まぁ理解できなくはないもののテーマから少し逸れているように思え、そこが残念だった。 でも最後の三十分は、母として、女としての揺るぎない底力を感じ、かなり良かった。 それにしても日本はこんなところでも先進国だったとは・・・ [CS・衛星(字幕)] 6点(2009-12-27 20:38:00)(笑:1票) |
18. 題名のない子守唄
《ネタバレ》 これはなかなかに衝撃的な・・・終始血なまぐさく、暗くよどんだ展開に圧倒された。 ただ主人公の思い込みが激しすぎて、後半根拠の乏しい勘違いを頼りに暴走する様は、 序盤はすごかったリアリティを急激に減少させているように感じた。 ラストのイレーナが成長したテアとの再会を果たすシーンには、 不条理さが支配していた作風から考えてもやっぱり違和感を覚える。 こう美しく締めてしまうと犠牲になった家政婦や母親があまりにも・・・ [CS・衛星(字幕)] 6点(2009-12-25 11:26:29) |
19. LOOK
題材にすごく興味をひかれたが、可もなく不可もなくといったところだった。 カメラが人々の秘密を映し出す場面もあれば、犯罪捜査に役立っている場面もあり、 休みなく映像を撮り続ける無数の監視カメラの是非を問う、というよりは「これを見てどうですか?」と各々に委ねているような印象を受けた。 さらに言ってしまえば無数の映像のジャンルから、鑑賞者が食いつきそうな話題をいくつかピックアップして関連性を持たせてみただけなんじゃないかとまで思ってしまう。 [DVD(字幕)] 5点(2010-02-12 12:17:15) |
20. 息子の部屋
終始悲しい雰囲気に包まれながらも、穏やかな風景のカットが繊細に配置してあったり、人の温かさを感じられるシーンが随所に見られたりと、温かい気持ちで見ることができる。 ただそれが味といえば味なんだけど、あまりに起伏がなく緩慢な展開に何度も飽きそうになってしまった。診察のシーンは大事だと思うけど、果たしてあそこまで多く入れる必要があったのかな。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2010-01-14 21:09:32) |