181. 双生児
江戸川乱歩の原作を塚本ワールドで染め捲った映画らしいが、奇妙キテレツなカルトものって感じ。舞台劇のような描写、眉毛を消した登場人物、ケバいパンクファッション? 、摩訶不思議な踊りなどなど。うーん、どう評価すればいいんだろう…。作家性は感じ取れたので、とりあえず5点ね。 5点(2003-12-03 15:58:06) |
182. ブレア・ウィッチ・プロジェクト
本国アメリカでは大ヒットしたらしいが、見事一杯喰らわせられた感じ。予算がない、キャストはいない、スタッフもいない。そんな、ないない尽くしの条件下、知恵を絞り出しアイデア一発を狙ったわけなんだろうが…。たしかに、ミステリアスな雰囲気を醸し出し恐怖を盛り上げる演出は上手いと思う。が、しかし、こういうネタとオチって「◯◯◯探検隊シリーズ」で見られる様に昔からあるわけです。わざわざ劇場まで足を運んだ人は到底納得しないだろう。このテのジャンルが好きな人だけが、ホクホクとテレビやビデオで楽しめば良いわけで、劇場用として公開すのはマズいの一言。ラジー賞も納得のヘザー・ドナヒューの迫真?の演技(本人は賞をゲットでゴキゲンだったに違いない、おそらく)に、4点。 4点(2003-11-25 16:38:04) |
183. 旅の重さ
「♪ 私は今日まで生きてきました ♪ 私は今日まで生きてみました……」吉田拓郎のこの曲と共に思い出されるのが本作品。家を飛び出した16歳の少女が、旅の途上で様々な体験を経て大人の女に変わっていく姿を描いています。もう30年近く前に一回見ただけなんですが、夏の日射しが照り付ける中、瑞々しいシーンがフラッシュバックされる。白づくめの姿でヒッチハイクをする高橋洋子演じる主人公の姿、秋吉久美子演じる文学少女との語らい、自分を助けてくれた孤独な中年男の姿に父から男を感じとるシーン、そしてラストの主人公の笑顔 …等々。やはりこの映画、鮮烈な印象を放った名作ですよ。 8点(2003-11-25 16:25:11) |
184. 兵隊やくざ
勝新太郎といえば個人的に座頭市なんですが、このシリーズも見逃せない! 勝新演じる大宮二等兵と有田上等兵(田村高廣)の名コンビが、不条理まかり通る軍隊内で繰り広げる痛快活劇。「それいけ、やれいけ」の風呂場での大立ち回り、威張り散らした上官の制裁に耐える大宮など勝新の魅力炸裂。監督増村保造の反骨精神、そして人間讃歌が読み取れて、好きですこういうの。 8点(2003-11-24 16:03:17) |
185. 野菊の如き君なりき(1955)
モノクロ作品にもかかわらず、何故か淡いパステルカラーで思い出される。これもひとえに監督木下恵介の洗練された演出と描写の賜物なんだろう。そうそう、笠智衆が演じる老人の回想という構成も切ない雰囲気を盛り上げていた。さらに、木下忠司の哀感溢れるメロディーも作品の印象付けに多大に貢献。封建的な村社会で生きてゆかざるを得ない哀しい定めを、そこはかとなく漂わせており、木下恵介の抒情的な世界観に思う存分浸れた。観る者の涙腺を緩める、余りにも日本的な名画。 9点(2003-11-24 16:01:46)(良:1票) |
186. 座頭市物語
勝新太郎のハマり役、座頭市。以後、シリーズ化される記念すべき第1作。監督の三隅研次を筆頭に、主役を張る勝新太郎、相手役の天知茂等、この作品にかける意気込みが画面からヒシヒシと伝わってくる。三隅研次の描写が冴えるクライマックスの殺陣のシーンはもちろんのこと、ゾクゾクする見せ場をあちらこちらにちりばめており、見応え十分の時代劇に仕上がっている。また本作は、裏社会という掃き溜めの世界でしか生きてゆかざるを得ない、哀しい男どうしの“友情”を描いた人間ドラマとしても秀逸。勝新太郎の圧倒的な存在感、それに対峙するかの様な死期を察知した天知茂の哀感溢れる演技。伊福部昭の荘厳な音楽も貢献度大。《ネタバレ! ! 》ラスト、座頭市に支えられ息絶える平手造酒。剣に生きる者にしてみれば、至福の幕切れだったに違いない。傑作です。 9点(2003-11-23 16:24:40)(良:1票) |
187. 幽霊列車
タイトルにつられてビデオを借りてしまったクチ。山奥の駅舎で一晩過ごすはめになった16人の男女の恐怖を描いた物語りなんですが、キャストがキャストだけに怪談風喜劇。しかも特撮は、何と、円谷英二! ! …なだけに、クライマックスの轟音響かせ幽霊列車が迫ってくるシーンはなかなかの緊迫感! ? 《ネタバレ》その実は怪談というよりも正体はサスペンスで、ツタヤのサスペンス・コーナーに置いてあったのも、後になって納得。 6点(2003-11-23 15:19:39) |
188. 嗚呼!!花の応援団(1976)
う~ん、ずいぶん前に関西方面の某ローカルTV(南河内テレビ?ってのはジョーダンです)で見たことがあるゾ。青田赤道ってのは、漫画の世界でしか表現出来ない凄まじい怪人(否、怪物というべきか)なので、役者が「ちょんわ、ちょんわ! !」「クエッ、クエッ! !」とギャグをすると何とも間が抜けて見えてしまう。しかも、“売り”である過激な下ネタギャグが映画では使えないので毒気もなくなる。やはり、人気漫画にあやかった胸算用映画にしか見えなかったねんのねん。 3点(2003-11-21 12:37:54) |
189. オルゴール
「♪ コツコツとアスファルトにきざーむ……♪」当時はよくカラオケで「とんぼ」(「乾杯! !」もね)を歌わせてもらいました。それはさておき、この映画、長渕キックと血まみれのシーン以外はさっぱり思い出せない。おっと、ギャル(古ぅ~)の前でニタニタと長渕が立ちションをするというヤバいシーンがあったゾ、たしか。やはり、カリスマ・長渕剛の迫真の演技と生きざまに酔いしれるファンのための映画なんだろう。まぁ、長渕はわりと好きなミュージシャンだったので、うーん6点。 6点(2003-11-21 12:36:11) |
190. パーフェクト ストーム
《ネタバレ》 大海原で生計を立てる遠洋漁業の漁師達とその家族、そんな彼らをサポートする海難救助隊の誇り高き任務 …海で生きる人々の夢とロマンを感じさせ、題材としては素晴らしい。しかも事実に基づいて作られているという事もあり、クライマックスの大津波と救助シーンはもちろんのこと、終始緊迫感に満ち溢れており見応えは充分。悲し過ぎる結末と葬儀のシーンは一対になっており、亡くなられた人々に対するペーターゼン監督の真摯な姿勢をも感じさせてくれた。迫力ある映像と共に、いつまでも記憶に残る秀作ドラマ。 8点(2003-11-21 12:34:14) |
191. スパイダー パニック!
クモ、くも、蜘蛛。クモだらけ! ! ネタとしてはまんまB級パニックものなんですが、CG、アイデア、展開などなかなか良く出来ており、クモ好き(おるのか?)には垂涎の作品に仕上がっている。しかも、リアルでエグい描写があまりなく、ユーモアやパロディを利かしまくっているので家族で見てもけっこう楽しめる。…というものの、私、クモだーーいキラいなんですよ。オエ。 6点(2003-11-18 10:47:45) |
192. パルプ・フィクション
強烈な印象を放ったタランティーノ監督の前作「レザボア・ドッグス」に比べると、血生臭い描写が抑え気味なので裏社会の人間模様をじっくりと楽しめる展開になっている。しかもブラックユーモアをたっぷりと利かしており、最後の最後まで見る者を飽きさせない。今作もタランティーノらしさが遺憾なく発揮されており、とくに個性溢れる役者達の持ち味を存分に引き出す手腕は見事。さらに、個々のエピソードは前後するものの、脚本が練り上げられているので構成に違和感がない。ただ、下ネタ話しを中心に無駄なシーンが多過ぎるのではないだろうか。この辺りをシェイプアップすると、かなりの長尺を縮められたはず。 8点(2003-11-18 10:45:55) |
193. 女優霊(1996)
ハナから女の子を対象にして作られたホラーなので、いい歳コイだ男の私としてはコワくも何ともなかった。ただ、石橋けいのあのシーンだけは正直ビックリした! ! …リ、リアル。ってことで、石橋けいに3点。 3点(2003-11-14 23:56:24) |
194. ホーンティング
う~ん、たしかにホラーものとするならば怖くも何ともないが、家族向け“ファンタジー”として見るならば十分楽しめるんじゃあないカナ。SFXを駆使した映像はなかなかのものだし、屋敷内のセット美術も凝ってあるわで、独特な雰囲気を醸し出している。ただ、せっかく豪華なキャストを揃えても、ほとんど活かし切れていないのが残念。ヤン・デ・ボンって人間の内面に興味がないのかナ? 5点(2003-11-14 23:53:45) |
195. クライング・ゲーム
予備知識なしで見たのが良かったのか、サスペンスものとしては鮮烈な印象を放った異色作でしたね。シャレたファーストシーンからゾクゾクさせてくれたし、見せ場をちりばめた意外性のあるプロットも言うことなし! ! 主役を演じるスティーヴン・レイを軸に、フォレスト・ウィテカー、ジェイ・デヴィッドソンら三者三様の会話の妙も十分に味わうことが出来る。しかも、作品全体にそこはかとなく切ない雰囲気に満ち溢れており、英文学の香り漂う作風になっている。根源的な“愛とは? 人間とは?”というテーマ性も用意されているわで、ニール・ジョーダン監督の手腕にはただただ脱帽。驚愕のラストをも含め、ラブ・サスペンスとしては間違いなく傑作! ! 9点(2003-11-13 18:44:20) |
196. ガメラ対大魔獣ジャイガー
子供の頃は東宝ゴジラより、圧倒的に大映ガメラ派でしたね。オープニングに流れる「ガメラマーチ」からしてワクワクドキドキしたものです。監督の湯浅憲明は、何をどうすれば子供達にとって魅力的な怪獣映画を作ることが出来るのか、よ~く分かっていると思いますね。主人公たちの、ちょっとした冒険活劇を絡めるのはもちろんのこと、ガメラと力を合わせ悪玉ジャイガーをやっつけるというゴキゲンなストーリー。しかも、このジャイガーというのが予期せぬ武器を持っており、とくに外敵に卵を産みつけ生気を奪うという戦法には、子供心に大変インパクトがありましたね。そう! ! このジャイガー、メスなんですよ、メス。悪代官みたいなツラをして。…じゃあガメラは?? …とりあえずオスということで。 6点(2003-11-10 11:28:59)(良:1票) |
197. 大怪獣決闘 ガメラ対バルゴン
ガメラシリーズの中では、唯一人間ドラマを軸にストーリー展開されるという異色作。それもそのはずで、監督は田中重雄で湯浅憲明は特撮のみ担当。しかも、荘厳で哀感溢れる音楽は木下忠司とくるからには、余韻たっぷり大人向きの作品にならざるを得ないでしょう。さて本作は、主役であるはずのガメラの出番が少なく、中盤以降、悪玉バルゴンと人間側との攻防を中心に繰り広げられる。ガメラはといえば善玉、悪玉どちらとも言えず、次回作「ガメラ対ギャオス」で善玉の位置付けが明確になる。それにしてもバルゴンの人を喰うシーンは、子供心にむちゃくちゃ恐かった! ! 怪獣格闘シーンも血みどろの迫力だったし…。 7点(2003-11-10 11:27:11) |
198. キングコング対ゴジラ
まぁーとにかく、人間味溢れるキングコングには笑わせてもらいました。とくにコングが、ギャーギャーうるさい浜美枝を掴まえて、国会議事堂で雄叫びをあげるシーンは大いにウケた。だけど、よくよく考えるとコングも気の毒なもの。せっかく大ダコをやっつけて人助けをしたものの、日本くんだりまで連れてこられる。しかもゴジラと闘わせられるわで、冗談じゃない! ! …って感じ。格闘シーンはゴジラに押され気味のコングなんだが、キャラと存在感ではコジラを完全に喰っていたゾ! ! 本多猪四郎&円谷英二の手による家族向けパロディ映画ということで、6点。 6点(2003-11-09 17:29:41)(笑:1票) |
199. イレイザーヘッド
途中、奇怪な赤ん坊が現われたシーンから、見るのを止めようと思いましたが何とか最後まで見ましたね。深夜に見ると雰囲気倍増の悪夢的なイメージ映像、何とも不気味な効果音、画面から放つ異質な臭いなど、どれを取っても強烈で生理的不快の極みを感じさせエグいエグい。(もちろんこれこそが作り手のねらいなんだろうが) にもかかわらず、恐る恐る再度見てみたいという気にもさせる、得も言われぬ魅力があるのも確か! 作品から感じとれるのは畸形、闇、絶望。デヴィッド・リンチの代表作にして、シュールレアリズムの傑作には間違いない。 8点(2003-11-07 17:31:16) |
200. 喜劇 急行列車
そう、渥美清といえば「男はつらいよ」の寅さんなんですが、イメージが出来上がる以前に作られた列車シリーズ3連作のひとつが本作。東映らしからぬ、むしろ松竹カラーで展開される中、主役の渥美清を筆頭にマドンナ役の佐久間良子、大原麗子、肛門じゃなかった黄門様の西村晃等みなさん若い若い。当時の国鉄が全面協力ということもあり、花形列車である寝台特急(急行列車ではない)の客室内を舞台に人情喜劇が繰り広げられるのもうれしい限り。しかも「さくら」「富士」(たしか記憶では)の二本立て! ! 「男はつらいよ」の渥美清も悪くはありませんが、個人的には、本作の様な列車シリーズやTVドラマ「泣いてたまるか」時代の方が、型にハマり過ぎておらず好きでしたね。 7点(2003-11-06 23:08:22) |