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anemoneさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 646
性別 女性
自己紹介 2006年のレビュー本数4本ってあんまりですわね。
2005年には「姑獲鳥の夏」まで見ていたクセに。
ってこういう使い方やっぱ邪道ですよね。来年こそは。

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181.  アメリカン・ビューティー 《ネタバレ》 
家族として機能していない家族、これは現代のアメリカが抱える最大のテーマなんだろうと思います。なんだかヤケに元気な奥さんと、魂を抜かれたサエない中年男、全ての迷える中年男性にとってレスター・バーナムこそ等身大のヒーローなのでしょう。ケビン・スペイシーはソーラ・バーチやウェス・ベントレーのみずみずしい存在感に圧倒され気味で、「なんだ、この程度だっけ?」と観ている時にはちょっと落胆したんだけど、よくよく考えてみたらこれこそレスター・バーナムという男だったわけで、そういう意味でケビン・スペイシーって本当に上手い、わきまえた役者なんだなあと納得。若手を食ってしまうこともやろうと思えば出来ただろうけど、レスターという男はそういう男じゃないんですよね。私自身は、冴えない中年のアメリカ人男性だったことは今まで一度もないんですけど、彼の痛さはとってもよくわかる気がした。映画は時代を映す鏡だ、という言葉があるけど、この映画はたった3人の非常にミニマムな世界を通して、少なくともこの映画が作られた時点でのアメリカという国を徹底的に描き切っていると思う。国際紛争でも政治でもなく、ホームドラマという形でこういうことも描けるんだということを伝えてくれたという意味でも、評価したい作品だと思います。
9点(2003-11-22 20:13:22)(良:1票)
182.  サイダーハウス・ルール 《ネタバレ》 
ジョン・アーヴィング節炸裂!のウィーンでクマな映画なのかと思ったら、実にこなれた良い話でした。要するに必要悪としての堕胎をテーマにした話なんだけど、もしかして堕胎されていたかも知れない孤児がいかにして堕胎を必要悪と認めて行くか、その過程をわりと淡々と、押しつけがましくなく素直に描いていて好感が持てますね。娘を妊娠させていて恥じない、ミスター無教養代表みたいなデルロイ・リンドーが非常にインパクトありました。あくまでも無表情に、目の前で起きている出来事を受け止めている主人公のトビー・マグワイヤも実に上手な役者さんだと思います。アヘン中毒の聖人、物語のカギとなっているミスター必要悪代表のマイケル・ケインといい、上手い役者をこれだけ集めて、暑苦しくも、居丈高でもなく強いメッセージをきちんと伝えた、こういう作品がもっと出て来てくれると面白いですね。こなれた映画、この一言に尽きます。
9点(2003-11-22 20:04:05)(良:1票)
183.  スナッチ 《ネタバレ》 
「ロック・ストック&トゥー・スモーキングバレルズ」で見せてくれたあの複雑怪奇なパズル感が、ブラッド・ピットの乱入でブチ壊しか?と危ぶんだけど、さすがの一言に尽きました。アメリカ訛りのブラピに敢えてイギリス訛りの特訓をさせるのではなく、パイキーのワケわかんない語で喋らせちゃったセンスも天才的。ポットカバーをかぶったまま、あちこちで転がされているベニチオ・デル・トロの存在感といい、ガイ・リッチーと愉快な仲間+ハリウッド大物スターのごった煮にごちそう様と言いたいところ。あの可愛くないイヌの妙な可愛さといい、実に爽快な1作です。ところで・・・始まりと終わりでダイヤが微妙に目減りしていたのは何故?
9点(2003-11-22 19:40:54)(良:1票)
184.  ブリジット・ジョーンズの日記 《ネタバレ》 
これはもう、素直に拍手喝采でしょう。レネー・ゼルヴィガーは体当たりの演技で光りまくり。この人は元々、体当たりで頑張るしかないってことを肌身に染みて知ってる人ですね。ダメダメなんだけど突き進んで行くしかない!っていう間抜けでひたむきなブリジット・ジョーンズ役を非常にひたむきに演じていました。ストーリー運びもテンポ良く、どう考えてもワルにしか見えないヒュー・グラントにメロメロになって行く下りなど、手に汗握ってハラハラさせられてしまいました。賞獲り合戦にコメディは弱いですが、これは是非彼女にオスカーを獲ってもらいたかったです。無念です。
9点(2003-11-22 17:18:00)(良:1票)
185.  エリン・ブロコビッチ 《ネタバレ》 
美人でスタイルが良く基本的にライトなコメディを得意とするジュリア・ロバーツのような女優がアカデミー賞を獲れるとしたらこの役しかなかっただろう。多くの役者が賞獲りレースに参加するために意に沿わない路線変えを余儀なくされる中、絶妙なタイミングでこの役にめぐり合えたジュリア・ロバーツは最高に運の良い女優だと感心した。ストーリーは貧乏のどん底で3人の幼児を抱えるシングルマザーの痛快サクセスストーリー。どう見てもただ生きてるだけで周りの反感を買いそうなほど美人でスタイルの良いジュリアが、カラダの線を思いっきり強調したド派手ファッションで颯爽と歩き、ちょっとダイエットの必要のあるサエない同僚に強烈な啖呵を切るシーンは観る人の勇気をそそる。人間がむしゃらに突っ走れば報われることもあるという、いかにもアメリカ人の好みそうなストーリー。これが実話でなかったら、主役がジュリア・ロバーツでなかったら、猛バッシングは免れないところだろう。観終わった後で気分が良くなるのでマル。
9点(2003-11-22 17:01:57)
186.  トラフィック(2000)
もうグーの音も出ません。完璧な映画、というのはあり得ないと思うけど、これは限りなくそれに近い条件を満たしていると思う。パラレルに走って行くストーリーが、集結するのかしないのかという期待感さえ抱かせないほどそれぞれに良くまとまっているし、ずいぶんスターを集めたわりには、全員にちゃんと見せ場を作っても全然話がバラけなかった。強烈に印象深かったのはやっぱりここでもキャサリン・ゼタ・ジョーンズとベニチオ・デル・トロ。デル・トロの受賞は当然だけど、キャサリン・ゼタ・ジョーンズをもうちょっと世間にも評価してもらいたい。手元に置いて、何度でも観返して行きたいと思う久々の傑作。ゴージャス。
9点(2003-11-22 16:53:30)(良:1票)
187.  S.W.A.T.
娯楽以外の要素を特に求めなければ十分に楽しめる良く出来た映画。それ以上のモノを求めてしまうとコケると思いますが。サミュエル・L・ジャクソンがタフで頼れるゾ、というノリだけを期待して観るのであれば非常に爽快感もありお勧めです。愛とか感動とか人生観とかヒューマニズムとか、「面白さ」以外のモノを期待してはいけません。私自身はそれしか期待していなかったのでかなり気に入りました。疲れた時にはこういう何も考えなくていい映画が良い。
9点(2003-11-22 01:17:45)
188.  南極物語(2006) 《ネタバレ》 
すみません、オリジナル版の方をわたしは一生見ないので、わたしのレビューは誰の参考にも絶対ならないのですが、とにかくマヤの可愛さにしびれました。とにかく犬が可愛くて賢くて見どころ満載。イタリアがあんなにすごい雪上車を持っているのにアメリカ基地は何故か犬ぞり(しかも現在南極に犬の持ち込みは禁止されているw)、取り残された犬たちはカモメは襲っても可愛いペンギンには決して手を出さず、抜群の連携プレイで華麗に獲物をゲット。などなど、とにかくツッコミどころには事欠かないが、ディズニーならではのファンタジーだと割り切って見れば「犬が可愛い」、とにかくこの一言に尽きます。わたしは比較的割り切りやすく、しかも動物で涙を絞り取ろうとするあざとい映画よりは、動物を使った可愛くて楽しくて誰もがハッピーになれる映画の方が圧倒的に好きです。よって8点。史実がどうの、オリジナル版がどうの、と文句を言うには、あまりにも現実離れしすぎているのでかえって割り切れました。たぶん「スノー・ドッグス」の犬たち一式、もう1本ぐらい何か撮ろうよ、って感じの企画だったんでしょうけど、「スノー・ドッグス」より楽しいです。しかしまあ、首輪の外れなかったオールド・ジャックに、犬たちが半年間エサを運び続ける展開だったらどうしようかとちょっぴりドキドキしました。一番失敗だったのは、「南極物語」のハリウッド版だと言ってしまったコトでしょうね。関係ないフリしておけば、もっと楽しい映画にできたのに。
[DVD(字幕)] 8点(2008-09-01 00:44:37)(良:1票)
189.  ビッグ・ダディ
アダム・サンドラーの映画なのにブシェミ一発で笑いを取るというやり口に爽快なヤラレタ感がありました。一応ジャンルとしてはファミリー映画なんでしょうが、どちらかというと「オトナの事情」の方にシフトしているあたり、やっぱりアダム・サンドラーなのかなと。いつものメンバーでいつものようにやってるところにたまたま小道具としての子役が放り込まれたようなものなので、彼らのノリを理解してない人には中途半端に見えると思います。そういう意味では、決して高い評価をあげて良いものではないと思いますが、アダム・サンドラーをはじめ常連メンバーのキャラクター設定が一番ツボってるなーと思えたので、彼のこれまでの作品の中では正直一番好きかも。もう少しサンドラー自身で笑いを取っても良いんじゃないのかなーという食い足りなさは残りますが、実はブシェミの使い道を一番良く心得てるのって不思議にアダム・サンドラーとジェリー・ブラッカイマーだったりするんですよね。さりげなくトイレのホモネタとかけっこう笑えました。子役はなかなか達者な上に必要以上に可愛いです。気楽に見るにはなかなか楽しい作品だったと思います。 (追記)クリスティ・スワンソン全くわかりませんでした。歳月ってムゴいですね^^;
[DVD(字幕)] 8点(2007-04-14 02:36:31)
190.  50回目のファースト・キス(2004)
おおざっぱに言えば究極のファンタジーですけど、アダム・サンドラーがやるとこれもアリかな?と素で思えてしまうんですよね何故か。普段から目線のイッちゃってるドリュー・バリモアの個性も、忘れん坊のルーシーにとてもヒットしたと思います。なんとなくキャラクター先行企画の匂いのする作品ですけど、たぶん訪れたことのある日本人も多いはずのハワイで、ペンギンが出てセイウチが出て、物語はとびっきりのファンタジーで、公開当時劇場にこの映画を見に行ったカップルが帰りにケンカになることはほとんど無かっただろうな、と思える作品でした(笑)何も考えずに楽しい映画が見たいな、と思った時にこういう映画に会えるとホッとしますね。SFでもないのにここまでリアリティの無い映画ってあんまり見かけないんじゃないですか。リゾートムービーとでも言うんでしょうか。ストレスフルな毎日をお過ごしの方には、是非お勧めしたいと思います。
[DVD(字幕)] 8点(2007-04-04 01:54:23)(良:1票)
191.  ウェディング・シンガー
今ごろこんなの突然見ているわたしもわたしなんですけど。アダム・サンドラーはかなり好きな役者でけっこう見ているつもりだったんですけど、灯台下暗しって感じですね。この映画の彼はとっても普通のハンサムみたいで、それなりに芸風はかもし出してますけどむしろそちらの方が浮いてる感じ。映画全体がネタなんだと思えばなんとなくそうとも見えますけど。これ見て「アダム・サンドラーってかっこいい」なんて思ってうっかり「リトル・ニッキー」なんか行っちゃったらどうするんだろう、なんて余計なお世話なんですけど。ドリュー・バリモアはすごく苦手なんですけどこの映画では性格の良い女の子を好演していると思います。泣き顔やしかめっ面の可愛い人ですね。ブシェミの友情出演とか、現ベン・スティラー夫人のクリスティン・テイラーとか、アットホームなキャスティングも楽しめると思います。普通に楽しめる普通の映画ですが、実はそういうオーソドックスなものを飽きさせずにちゃんと見せることの方が難しいとわたしは思っているので、そういう意味では非常に良く出来ているのではないでしょうか。それにしてもアダム・サンドラーとドリュー・バリモアってホントに良く似合いますね。
[DVD(字幕)] 8点(2007-04-04 01:41:33)
192.  メイド・イン・アメリカ(1993)
精子バンクって当時としてはかなりインなネタだったんだろうな~、とか思いながら普通に楽しく見ました。普通に楽しい映画として、文句のつけようのない出来だと思います。あくまでも普通ですが、安直でわかりやすく、観客の期待に応えられるストーリーにこそ普通のカタルシスがあるのだということを見事に実証しています。実はこのプロットを思いっきり退屈でどこかで見たような映画にする方がずっと簡単だと思うので、そういう意味ではひそかな傑作と言えるのではないでしょうか。細かいエピソードが意外と自然に良く練り込まれていると思います。ウィル・スミスやニア・ロングといった後のスター俳優の駆け出し時代が見られるのも楽しいですね。人種を超えた恋愛や結婚というヘヴィなテーマを扱いながら、それこそが「メイド・イン・アメリカ」なのだとコメディ・スタンスで白人社会に突きつけた意義は大きいと思います。ブラック・ムービーの一つの転換期とも言えたこの時代、「1つになろうよ」と敢えてベタに呼びかけたこの映画の肯定的な世界観は、アメリカの人種問題の次なるステージを示唆していると感じます。
[DVD(字幕)] 8点(2007-03-31 03:04:54)(良:1票)
193.  好きと言えなくて
ベタなストーリー、ありがちな展開、先の読めない人は滅多にいないと思いますが、キャスト先行型の作品だと思うのでこれはアリかなと。ジャニーン・ギャロファロのファン以外、どんな人が見てもたぶんつまんないですよね、これ(笑)。そういう意味ではいわゆるタレント物とかにあたるんじゃないでしょうか。残念ながら役柄ほどには頭悪そうに見えないユマ・サーマンがちょっと輝き過ぎているような気はします。アビーの抱えている外見へのコンプレックスも、ノエルの知性へのコンプレックスも、女性ならとっても共感しやすい部分が多いので、あらゆる意味で女性限定映画だとは思いますが、敢えて好き嫌いで評価するならわたしはこれ大好きでした。残念ながら映画として評価がどうのとか言うようなものではないと思います。愛するジャニーンに全点(笑)
[DVD(字幕)] 8点(2007-03-31 02:50:20)
194.  レモニー・スニケットの世にも不幸せな物語
原作をご存じの方には大したことはないのだろうが、まったく知らなかった人間にとっては実に斬新な着想で、これはある意味一発芸に近いノリなんだと思うが、とにかく入り口から誘惑の香り満載だった。そういう意味では一種の賭けに近い作品だったはずが、ジム・キャリーの安定感が却って裏目に出てしまったような気はする。まるっきりの新人起用などで、本気の大博打に出てみたら、ひょっとしたら大化けしたかも知れない要素は山ほどあるので、わたし自身は基本的にジム・キャリーの大ファンではあるのだが、彼を出したことで保証されてしまう合格点が、微妙に新鮮味を打ち消してしまったような感があるのだよ。結果的に発想の凄さに引きかえ、なんとなく小粒にまとまってしまった感じ。当然合格点は普通に超えているのだが、このアイデアなら全世界の度肝を抜くぐらいのモノが出来たような気がするだけに惜しい。惜しい惜しいとは言いながらもエンディングのアニメーションと選曲の完璧さに、なんだかとてつもなく素晴らしい作品を観てしまったような気にさせられてしまったので思いっきり点数甘め。あのエンディングアニメーションだけでも一見の価値はあると思います。ノンクレジットでしたがダスティン・ホフマンがちょろっと出てましたよね。何やってんでしょう、あの人?
[映画館(字幕)] 8点(2005-05-17 22:57:04)(良:1票)
195.  ドッジボール
個人的には絶対10点なんですけど、観る人を選ぶジャンルだと思うので公平を期すため泣く泣く減点。『ズーランダー』以降のベン・スティラーが「好き」と言い切れる方なら評価は高いんじゃないかと思います。まずダメダメのヨワっちさが売りだったベン・スティラーがコテコテの大悪役に、という設定が『ズーランダー』ノリなんですよね。このうるさい浮きまくりバカの反対側に、落ち着きまくりのヴィンス・ヴォーンを持って来たところでシチュエーションから既に笑えました。ベン・スティラーの愛妻クリスティン・テイラーがベン・スティラーのいたぶり役というのも笑えます。スティラー作品にはありがちですが、キャスティング一発勝負な内容ですね。話はわざわざ説明するまでもなく、ほかの全てのスポコメとだいたい同じ。まあよくあるアメリカのスポコメで、『Meet The Fockers』や『スタスキー&ハッチ』が公開されない我が国で、なんでこの作品が(しかも準大バコで)公開されるのかは永遠の謎。台詞に依存しない体当たり的な笑いがメインなので、日本人にもわかりやすいコメディ作品ではあるでしょう。もちろんパロディもそれなりに混じっているので、出来れば事前に元ネタはおさえておいた方が楽しさ100倍ではあると思います。お客のノリは、コメディにしてはなかなか良かったです。わたしはヴィンス・ヴォーンにもうメロメロです。皆さんも是非メロメロになって下さい。似てない親子だなーと思ってましたがベン・スティラー、お父さんに似て来ましたね。
[映画館(字幕)] 8点(2005-05-01 14:28:02)
196.  アレキサンダー
今まで一度も良いと思ったことのなかったアンジェリーナ・ジョリーを初めて良いと思いました。オリバー・ストーンという監督は決してヒラメキの人ではないですが、キャスティングのセンスだけは常にダントツに良いと思います。今回も、才能は認めているけど大箱モノにはどうかなあ、と微妙に危ぶんでいたコリン・ファレルが、史劇を立派に背負って立ち、まったく見劣りしませんでした。戦闘シーンなどは最近のこの手の物の中では比較的地味かな、と思いましたが、人物重視の丁寧な撮り方に好感度大です。やっぱりどうしても長いので、場内でもだいぶ寝ている人が多かったように感じましたが、これだけのスケールで時代劇をやろうと思ったら必要な長さだったんだと思いますし、無駄に長かったわけではないのでOKだと思います。流行っているワリには今イチ重厚感に欠ける物が多かった昨今の時代劇の中では頭一つ飛び出ていると思いました。コリン・ファレルは素晴らしい実力の持ち主だと思いますし、どう考えてもこの役が本当にやれるとは思ってなかったわたしはかなり真剣に脱帽しました。あと、ストーン作品だけあってやはり脚本は非常にしっかりしています。時代背景にそれほど知識がなくても楽しめる仕掛けになっていますし、3時間費やすだけの値打ちはしっかりあると思いました。秀作、ぐらいは言っても良いんじゃないかと思います。
8点(2005-02-07 00:05:20)
197.  ラッキー・ナンバー
ノーラ・エフロンのクソ真面目なつまんなさが逆に妙なズレ方で却って面白くなってしまったという不思議な映画。ジョン・トラボルタの俗っぽい高級感と、ティム・ロスの存在感、リサ・クドローのバカっぷりが異様な相乗効果を出してました。話は不幸の泥沼系ですが、この微妙なまとまりのなさとあまりにも丁寧すぎるギャグのギャップにすんなり乗れればイケてる作品だと思います。わたしはこの手の哀しい小悪党モノは大好きですし、全体に腹黒いストーリーとおバカなキャラクターたちにはかなりの愛おしさを感じました。狙ったのか単に本当にダサいのかよくわからない中途半端に古いBGMとか、基本的にノーラ・エフロンって異常にセンス悪いと思うんですけど偶然にしろよくハマッていたので彼女の仕事としてはこれは傑作のうちに入れてあげたいと思います。明らかに人気低迷し始めたところのビル・プルマンの使われ方はちょっと気の毒な気がしました。一発芸だけ披露しに出て来るマイケル・ムーア、たぶん友情出演なんだろうけどこの人俳優だけやってた方がいいですね。キャスティング一発の映画ですがトラボルタってやっぱりいい雰囲気を作る個性だと思いますし、どう考えてもB級止まりの作品をここまで見せるのは大したものだと思います。エプロン姿のティム・ロス最高。
8点(2004-11-04 01:43:37)
198.  候補者ビル・マッケイ
あのー。すごく言いにくいんですけど、これ大統領選じゃありませんよね。誰が言い始めたんだか知りませんけど、わたしもどこかで大統領選の話だと書かれているのを見てうっかりこの時期に手に取ったんですけど^^; 内容的にはいかにもアメリカン・ニューシネマという感じでこの時代のこの手の映画が好きな人には最後まで納得の出来栄えだと思います。系列としては『ネットワーク』とか『カンバセーション ・・・盗聴・・・』あたりに似たテンションだと思いますが、選挙戦という明確な一本柱を背負っていますのでニューシネマ独特の淡々とした運びが苦手な方でも比較的受け入れやすいストーリーなのではないでしょうか。ロバート・レッドフォードが正統派の美男子でありながら個性を重視したこの時代のアメリカ映画で一時代を画したことの理由には適切な役選びと、単なる二枚目に期待される以上の演技力があったと思います。この作品でもただのド素人であった彼が選挙戦を戦い続ける中である種のトランス状態に入り込み、圧倒的な高揚感の中で自分自身にすら手の届かない存在になって行ってしまう様子を表情ひとつで演じ切ってしまった。この力量は評価されて然るべきだと思います。それにしてもわたしより少し上の世代の人がブラピを見ては口を揃えて「レッドフォードにそっくり」と言う理由がこの作品を観て初めて理解できました。若い頃のレッドフォード作品は一通り観て来たつもりですが、この作品の彼が一番よく似てますね。いろいろな意味でレッドフォード無しには成立し得ない作品ですが、こういうのが一つの流行りであったとはいえ今なお残り続けているだけの価値は充分にある作品だと思います。こちらを先に観ていたら『ボブ・ロバーツ』をあれほど面白いとは思わなかったかも知れません。
8点(2004-10-31 15:27:07)
199.  シークレット ウインドウ
たぶんこの映画、途中で寝ちゃった人は相当多いと思うし、事実私が観に行った回でもかなり大勢寝ていたようだ。しかしボロボロのガウン姿で頭ボーボーの不精ヒゲがこんなに似合うハリウッドスターもそうそういないだろうという個人的愛情と、タシュモア湖畔の美しい情景、ジョニデの住む古いキャビンのインテリアの素晴らしさにうっとりと見とれることが出来れば話は別である。私は基本的にジョニデに甘く、アメリカ北部からカナダにかけての晩秋の風景には死ぬほどヨワい。洋画を見る時の関心のかなりの部分をインテリアの素晴らしさが占めており、この作品でジョニデが横たわるカウチや家具装飾品の数々は過去に見たあらゆる映画の中でも特筆に値すると断言する。こういったアイテムに非常に細やかな配慮が行き届いている上に、押しつけがましくなくさりげない照明の凝り方とか、カメラワークに質の高さを感じさせられる作品。どうということのないストーリーはあまり気にせず、近頃珍しいアナログな映像感覚を堪能すべき。正直「最近のスティーブン・キングって何だかちょっとなあ」と思っている方、「ジョニデとブラピ、どっちが才能あると思う?」と訊かれて2秒以上答えに詰まる方に声を大にしてお勧めできる作品ではない。この程度のストーリーでいかにもいい加減なテレビまがいの映像を沢山見せられていると何となく見逃しがちな内容ではあるが、こういう丁寧な映像作りって最近のハリウッドでは非常に珍しいし、明らかに映像としての格が違うとだけは言っておく。ただのBではない。
8点(2004-10-25 02:02:31)
200.  “アイデンティティー”
「ユージュアル・サスペクツ」以来のあざとさですね。一堂がモーテルに辿り着くまでの、カットバックを多用した構成は上手いな、と思いました。序盤から中盤にかけてはわりと普通のサスペンス・タッチで進むんですが、見ている間にどんどんジャンルが変わって行きます。クロスオーバー・スタイルというか、複雑に幾つものミステリやドラマが絡まり合って全然違うところに不時着して行くあたりは目新しさもあって飽きません。アマンダ・ピートは圧倒的に可愛いですし、どう考えても普通に終わるワケないレイ・リオッタも、何かあっても何もなくても違和感のない不思議な存在感のジョン・キューザックも、顔合わせの妙に加えて「どこで期待を裏切ってくれるんだろう」的な期待をちゃんと裏切らないですし、全体的に質感の高いニューウェーヴという印象を受けました。もうちょっとおバカなありきたりのミステリー・サスペンスを想像してたのでひねりの効き具合に好感度高いです。いかにも何かありそうで結局何もないB級ミステリーみたいな作品が多い中で、何もなさそうでちゃんとタネも仕掛けもあるというのは意外に凄いことだと思います。これはたぶん、一見の価値はあるんじゃないでしょうか。けっこうお買い得な気がします。
8点(2004-10-18 02:18:43)(良:1票)
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