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181.  ビューティフル・マインド 《ネタバレ》 
期待したんだけど、イマイチだった。ラッセル・クロウはこんなさえない男もきちんと演じられるんだなという点は評価できるけど。  ■全体として駆け足で描き過ぎ。事実をポンポン書いていった印象で、個人的には深みに欠ける印象を受けた。あと、いわゆる「夢オチ」をやってのけるのはどうなんだろう・・・中盤で明かしてるからオチ勝負ではないのはわかるけど、なんかあれは微妙。夢オチ系統は基本的にやりたい放題出来てしまうから、よほどうまく作らないと締まらないという印象だが、本作はそこまでではなかった。  ■あと、ノーベル賞で終わりにするのもなんだかなぁという感じ。賞って所詮賞なわけで。研究者の求めるべきものは数学や科学の発展、真理の探究であって、賞の受賞じゃないし、ナッシュ当人もきっとそうだと思う。  ■細かいけど、最初の方のナッシュ均衡の例はおかしい。ナッシュ均衡だと誰も自分の選択を動かさないが、あれだと今の状態(ほどほどの女を狙う)から一番美人の女を誰かが狙うように変更するのが最適になるのでおかしい。
[DVD(吹替)] 7点(2010-08-29 00:16:24)
182.  月に囚われた男 《ネタバレ》 
アイデア勝負に成功しているSF映画。登場人物わずか一人(!)というコンパクトな出来。短編ながら印象的なシーンも多く、予想以上の面白さだった。  ■最初から使い捨てられている運命。ニセの記憶。自分があの状況に置かれたら一体どう思うだろうか・・・・・・人間が道具として使い捨てられていく場の恐怖を思い知らされた。  ■しかし、最後の救いのある株価云々以降の話は蛇足だなぁ、と思った。ああいうのはわざわざ言わずにハッピーエンドを想起させておくのが粋というものじゃないかなぁ。
[DVD(字幕)] 10点(2010-08-23 01:33:04)(良:1票)
183.  ライフ・イズ・ビューティフル 《ネタバレ》 
前半のコミカルでちゃらけた展開についていけるかが第一段階。個人的には「お調子者」レベルで人を楽しませる範囲内なのでギリギリOKのラインだと思ったが、あれはアウトの人も多いだろう。 後半の収容所の描き方、どう考えても非現実的・映画的な描写を受け入れられるかが第二段階。実際はあれよりはるかに過酷だろうし、あんなに余裕もないだろう。多分グイドもジョズエも殺されてしまうだろうし。これは「ナチスの収容所」とみると事実の歪曲にしか見えないが、「一収容所」とみれば「管理が甘いんだろう」程度で見逃せる。この辺を多めに見れるかどうかも人によりそうだ。 そう考えると、極めてポピュラーで万人向けとされる本作は、実は結構見る人を選ぶはずの作品かもしれない。  ■グイドは前半ではただのお調子者だったが、後半ではその「嘘」に隠された真実が観る者にはわかっているので、悲痛に響く。彼は子供のためにどんなにつらくても明るくおどけて振舞い続けなければならない。ときには嘘を守る抜くために命がけの行動に出ることも辞さない。それは命をいつ落としてもおかしくない収容所でどれほど苦しいことか。そして、子どものためにそこまでできる父親が果たしてどれほどいるだろうか。最後、殺される直前になっても、嘘を守りぬいて子供の前でおどけて見せれるグイドのように、果たして自分はふるまえるだろうか。  ■ところで、ドーラはなぜ収容所に来たのか。結果的にはグイドが死ぬ原因を作っただけだし、収容所で子どもを守ろうとしたわけでもない(別々に収容されてるし)。だとすると、まさにドーラが来たのは足手まとい以外の何物でもないのではないか。これが個人的にはもっとも引っかかった点である。
[DVD(字幕)] 8点(2010-08-22 01:46:51)(良:1票)
184.  ジョニーは戦場へ行った 《ネタバレ》 
このストーリーはあまりに残酷だ。戦場で顔をすべてえぐられ、四肢を失い、何もできない状態で、しかし死ぬことすら許されずに生き続けなければならない地獄。正視できない。二度見る気には到底なれない。そのぐらい重く、そして強烈な作品だ。  ■ジョニーの生きがいはもはや「自分をさらしてそれを世間に知らしめること」にしかなりえなかった。なぜならそれしか彼にはできないから。だから「見世物にしろ」という、普通ならばあり得ないことを彼は望んだ。だが彼の夢の中の見世物小屋でもお金の音だけして観客が一人もいなかったように、結局彼はどこにも出ていけないし、彼自身本当はそれを望んでいないのだろう。  ■この映画は反戦映画として有名らしい。しかし、ジョニーの悲惨な状況をすべて戦争に結びつけるのはあまりに安易な気がする。確かに顔がえぐれたのは爆撃によるものだろうが、四肢は「治療が面倒だから切る」という医療現場の判断だし、ジョニーの最後の「殺してくれ」という悲痛な訴えが無視されて生かされるのは医学実験のためである。とすれば、本当の悲劇を引き起こしているのはむしろ医療の方であって、戦争のそれではない。「ジョニーの悲劇=戦争の悪」と短絡的にとらえて感傷に浸る(or戦争への嫌悪感を強める)のは、一見美しく素直に見えて、実は複雑で難しい現実を逃れて、わかりやすさ(「戦争=悪」というコードはあまりに分かりやすい)に逃げ込んでしまう怠惰さなのではないか。  
[レーザーディスク(字幕)] 8点(2010-08-21 00:23:41)
185.  七人の侍 《ネタバレ》 
長さによりしばらく敬遠していたのだがついに鑑賞。なるほど、今の目から見ても十分面白い。尺の長さも七人+村人をきちんと描きだすには必要な長さだったと思う。  ■前半が協力する侍探し。中盤が戦略と準備。後半がいよいよ決戦という三部構成。しかし緻密に戦略を立てていくプロセスを描いているからこそ、ただのチャンバラで終わらない頭脳的な戦闘を見られるし、前半からきちんと人物を描いているので、仲間が死んでいく重みも伝わってくる。  ■素朴に突っ込んでいく菊千代に対し、勘兵衛は冷静でありまた戦いの冷酷さを知っている。離れの家を勘兵衛が見捨てるシーン、焼け落ちる水車小屋に菊千代が助けに行くのを止めようとするシーンなどは、そうした微妙なずれが現れているように思う。冷静でない菊千代は最後に怒りと執念でもって敵を倒して自らも死に、勘兵衛は冷静に立ちふるまって生き残る。ある意味では菊千代の方が侍らしく潔い。ラストの「勝ったのは百姓だ。自分たちではない」というセリフ。普通の意味で取れば平和を取り戻した百姓が勝ったのだという意味だが、ともすると「死して戦う」という武士の本分をなさずに生き残った自分は武士として勝てていないということなのかもしれない。
[DVD(邦画)] 9点(2010-08-20 00:14:32)
186.  月世界旅行 《ネタバレ》 
これが世界初の娯楽映画かー、と思いながら鑑賞。なんと1902年(!)に作られた、わずか11分のショートムービーだが、ロケット作って月に行って月人と戦って帰ってくるという、なかなかてんこ盛りの内容。雰囲気は劇に近い。  科学的にはめちゃくちゃ(科学者が普通の格好で月に降り立ってるし、草生えてるし、月笑ってるし、万有引力ガン無視だし笑)だけど、時代性と、ここまでやってくれればもうどうでもいいというかなんというか。まあ楽しませてもらいました。これが映画の原点なんだなー
[DVD(字幕)] 9点(2010-08-18 01:04:37)
187.  ある殺し屋 《ネタバレ》 
風貌は殺し屋のようではないが、仕事は完璧にこなしていく殺し屋、塩沢。最後にきちんと分け前を与えるところが律儀でこれもまたカッコいい。  ■しかし、前半を時間軸をあえて崩した意図がイマイチわからない。ただ混乱させるだけなのかこれは???そこら辺がスタイリッシュではあるがあんまり好かないので減点。しかし全体にいい雰囲気でコンパクトに最後まで持っていっていて、いい映画だと思う
[DVD(邦画)] 7点(2010-08-10 00:30:39)
188.  地獄の英雄(1951) 《ネタバレ》 
人は他人の不幸で利益を得たり楽しんだりしている。しかも汚いことに、そうしたマネをしていながら「自分は善人として行っている」と信じて疑わないのだ。 ニュースを伝えるメディアがそれが最も露骨に表れるので本作でもそこにスポットしているが、この醜い心は人間に普遍であるといえよう。ある意味、自分のやっていることが汚いことであることを自覚出来ているカーク・ダグラスの方がまっとうだとさえいえるかもしれない。
[DVD(字幕)] 8点(2010-08-06 00:26:26)(良:1票)
189.  空気人形 《ネタバレ》 
人は誰も心に空白を持っている。ペ・ドゥナ演じる空気人形はその象徴である。しかし、空気人形はまさに人間の心の空白を埋めるために作られた心なき代用品だという事実が、皮肉な逆説性を帯びてくる。  ■空気人形は心を持つべき存在ではなかった。心は美しさを感じられるが、同時にはるかに多くの辛さ、悲しさも感じさせてくる。彼女に対して人々が求めるものは結局「自らの空白を埋めるもの」であったのであり、心持つ彼女がそれに答えるのは苦痛でしかなかった。そして逆に心持つものを心を埋める代用品にしようと腹を切っても結局そのまま死んでしまうだけであった。彼女の最後の息は他の人の心の空白を埋めていった。最後まで彼女自身は「人の心の空白を埋めるもの」でしかいられなかった。  ■ペ・ドゥナの演技は本当に素晴らしかった。あの「空っぽの中にわずかに心が宿ったような眼」は素晴らしい。いやらしさ・エロさを出さない裸というのも演技力のなせる技なのだろうか。圧巻
[DVD(字幕)] 9点(2010-08-05 01:06:58)(良:2票)
190.  イノセント・ボイス 12歳の戦場 《ネタバレ》 
実話だから仕方ないのかもしれないけど、話が単発なものをつないだだけの印象。「子供×戦争×実話」というのだけで乗り切った気がする。戦闘も突然爆弾が降ってくるという感じで、それが怖いのでもあるけど、ぶつ切れで展開が進んでいる気がした。子供を撃ち殺すシーンだけは衝撃だったけど。
[DVD(字幕)] 6点(2010-07-30 00:23:21)
191.  告白(2010) 《ネタバレ》 
久しぶりに2時間釘付けになった作品。ここで判断するのは早いが、おそらく今年の映画ベストではなかろうか。  ■本作は徹底して「人間の負の側面」を描き出す。それも、悔いや良心の呵責を感じながらでもなく、またクラスの生徒たちのようにエンターテイメントと変換してしまうわけでもなく、まさに「何事でもない」かのように悪がなされていく。これは、殺人を自己顕示のための道具として利用した少年Aにしても、少年Aに勝つために少女をプールに落とした少年Bにしても、そして報復する松たか子にしても。「善悪」という基準が解体された先には、「強弱」、要するに頭のよいもの、相手を出し抜いたものを肯定するしかなくなる。  ■もう一つ、本作は告白の真偽が最後まで伏せられる。最後に少年Aの告白(回想シーン)が偽であることが明かされたように、本作中の一人称の語りは確実なものとは言えない。例えばラスト、爆弾について「回線を切った」との松たか子の発言と、大学での爆発は矛盾している。ひょっとすると、本当に母親が海外旅行から帰ってきて、息子を覚えていたかどうかさえ真偽は不明である。  ■ここでカギになるのは、告白者とは別のナレーター、美月の存在である。告白シーンにときどき告白者と関係ない内容が滑り込んでいた(例えば少年Bの母親の告白部分で、学校の様子が映し出されていた)のは、ナレーターの視点が並行して含まれているからである。ここを軸にして話を再構成してみる必要もあるかも。  ■途中のナレーターの恋愛、そして死亡。殺されたのは、美月=ルナシー(追従者ではなく本人と解釈した方が恐らく興味深い)として、少年Aの栄光を奪った者への復讐なのか?ある意味で美月はAの母を補完する役割を果たしていたのだから、代替的な母殺しになるのだろうか?  ■ちなみに、冒頭の「ミルクと血」というのは赤ん坊の時に母親から与えられる二つの重要なもの。そこに「毒」が入っていたというのは本作(母親の問題が少年の暴走の遠因である)という点をシンボライズしているのだろう。二人とも「母親殺し」をさせる点でこれも符合する。ただその場合、美月の死だけが浮いてしまう。   ■解釈をいろいろ書いたので最後に。メッセージ性というより「見て自分で考える映画」だと思う。ある意味でこの作品は、自分自身の心を映し出す鏡でもある。何を信じ、何を信じられないかという。
[映画館(字幕)] 9点(2010-07-29 00:51:30)
192.  候補者ビル・マッケイ 《ネタバレ》 
日本には『選挙』というその名もズバリのドキュメンタリー映画があるが、これはそのアメリカ版ともいえるような、数少ない選挙映画。レッドフォードが、美男子というだけで民主党の上院選候補に祭り上げられ、操り人形として戦わされていく。  ■後半から、自分が完全に操り人形にされていることにいらだちを感じたレッドフォードは、ささやかに抵抗を試みはじめる。テレビ討論で台本にないことを言ったり、独占放送の機会を笑いが止まらずにふいにしたり(しかしなぜ彼が笑ってしまうのかはよく分からないのだが)、ミーティングに遅れていって反感を買うようなことを言ったり。  ■しかし、そもそもの問題は、操り人形以前に自分の中に「自分を操るべき意志」がなかった、いや最初はあったのかもしれない(テレビで「出てきた最初はビル・マッケイはよかった」と報じていた)が、選挙戦を戦ううちにその意志は失われてしまったことだ。それが最後の「どうすればいいんだろう」を象徴している。意志もなく表れて選挙に勝ってしまう、人々も彼に投票する、あざといばかりに皮肉な状況があぶりだされているラストだ。
[DVD(字幕)] 8点(2010-07-28 12:29:25)
193.  ディープエンド・オブ・オーシャン 《ネタバレ》 
■家族、そして親子のつながりとは何か。本作はそういったことを問いかけてくる。  ■母と兄はそれぞれ自分の過失で弟がいなくなってしまう。それぞれ自分を責めつつ、周りのことが見えなくなってしまう。母は周りに過剰に当たり散らす。「子供のために尽くす」ことは必要でも「子供を生きがいにする」にしてはいけない。ここら辺、ドライな(そして母を責めている)父と対比的だ。  ■そして突然息子が帰ってくる。息子は今までいた家の方が居心地がいい。当然だ。いきなり「あなたのお父さんは実はお父さんではないんですよ」などといわれて知らない家に放り込まれたら誰だって耐えられない。両親は「息子がいること」の方を目的化してしまい、まさに「子供を生きがいに」してしまう。兄は虐げられ、妹は存在すら隠される状況である。  ■しかしそれがまずいと気づいた母は息子を元の家に帰す決断を下す。しかし、弟から兄に歩み寄る。やっぱり一緒にいたいし、血の通う者同士の思いもあるのだろう。「消えちまえ」とよく言われていたことからも、元の家での生活も苦しかったことが思い起こされる。  ■しかし、兄弟の仲は回復したが、父母がこれで上手くいっていたのかはよくわからない。いまだに父は「子供を生きがいに」してしまっているかもしれない。「息子が帰ってきた」だけだとそうも捉えられる。だから安易に「ハッピーエンド」とは言い切れない。  ■そして、誘拐犯のセシルも意外と重要なのではないか。生まれた子供が死に、自分も体調を崩す。再婚だと言っていたから、夫との仲も破綻したのだろう。そんな中、子供に恵まれた母ベスを見たらどう思うか。きっとセシルはセシルで、子供を連れてくることで自分の「空白」を埋めようとしたのだろう。しかしその空白は「よそから持ってきたもの」では埋まらなかった。傷は深まるばかり。だから結局「死んだら楽になる」と自ら死を選んでしまったのだろう。
[DVD(字幕)] 7点(2010-07-27 01:15:05)
194.  リオ・ブラボー 《ネタバレ》 
うーん、なんか途中が間延びしている印象がぬぐえませんでした。人間ドラマで掘り下げたいのならもっと人間描写を深掘りすべきだし、そうでないのならもっと銃撃戦やサスペンス要素を入れるべき。全体に散りすぎてしまった印象。
[DVD(字幕)] 3点(2010-07-25 00:34:58)
195.  疾走 《ネタバレ》 
■ズシリと心に来る重い内容。SABU監督の、これまでの軽いイメージを覆す作だと思う。  ■最初からこれでもかとばかりに「不条理」と「人間の負の面」が描かれていく。序盤、校則より好き嫌いを優先し、シュウジの選任に「嫌だから」反対票を投じるエリは、まさに「社会で生きていくため」に我々が普段封殺している「負の心」だろう。その意味で、エリは一見ひねくれているようだが、それは道徳とか社会通念とか規則とかを突き抜けているからであって、実はきわめて自分の心に正直なのだ。  ■街における差別、犯罪者の親類への差別。それは学校や親から「してはいけないこと」として習い、いつの間にかそう刷り込まれていくものだが、しかし本来的な心情としては「なんか嫌だ」「お前も殺人犯の仲間だ」という思いは消せない。それを露骨に表すのが、被差別地域に放火し、神父を興味本位で見に行くシュウイチだ。  ■やがてシュウジの家庭はバラバラになる。神父の弟に「お前は俺と一緒だ」と言われ、逃げ出すようにしてアカネのもとへ向かう。この「一緒だ」というのは、己の負の感情に耐えきれずに、それを外側(他の人)に発露させてしまうということを表しているのだろう。  ■追いつめられていたシュウジは、性行為や飲酒など、半ば自暴自棄に自らが悪に転落することでその抜け道を探そうとするが、結局殺人へと至る。そして東京で人を刺し、地元で来た警察にナイフを持って走っていき、撃たれて死ぬ。  ■ここがエリとの差異で、エリは自分の負の感情を自分の中に最後まで閉じ込め続ける。彼女は周りに何かをするでもなく、ただ自分のうちに閉じこもり、それを終わらせようとする。「殺して下さい」が「殺す/殺される」の非対称な関係にあるのに対し、シュウジに「一緒に生きる」が相互対象な関係にあるのも、自分の負の面を自分に押しとどめるか外に出すかの差だ。そしてそれは神父もまたそう。彼も自らの負の面を自らの中にとどめている。「神父/弟」「エリ/シュウジ」というセットがあると解釈すると、ここは見通しがよくなる。
[DVD(邦画)] 8点(2010-07-24 02:02:17)
196.  蜘蛛巣城 《ネタバレ》 
■これから見る人は字幕を付けた方がいいかと思います。それくらい聞き取りにくい。実際どういう陰謀が起きてて、誰が誰と対立してるのかも一回見てもよくわからなかった。  ■最初は人柄のいい人だった鷲津が段々転落していく。しかし肝はあの奥さんでしょう。奥さんがそそのかして悪い方へと転がっていく。手を汚す身と、それにくっついていればいい身とでは判断も変わるのだろうか。こういう展開は他の映画にも多い。しかしああいう女は本当に怖い。。。  ■ラストの矢が降り注ぐシーンは圧巻。冷静にみるとあんなに近くにまとめて射ていながら全部そろって少し右とかではずれるというのはもはやコメディだが。
[DVD(邦画)] 7点(2010-07-22 01:57:48)
197.  ストーカー(1979) 《ネタバレ》 
この映画は、徹底して「描かない」ことによってゾーンを描きだすという逆説的手法をとっている。ただ淡々と、そして部分のみを描き出すことで、観客は己の想像力で周りの空白を埋めていく。そう、それはまさにゾーンの「部屋」の構造と同じである。「部屋」は自分の無意識(本性)を表に出す部屋であるが、それは自分の想像=本性が埋めていく「周りの世界」そのものである。  最も身近でありながら究極の謎、自分の真の存在を知ることのできる「部屋」。ストーカーはそれを特権的なものと認識し、ゾーンに依存してしまう。だが作家と教授は「自分」を謎に包むことによってリアルを生きる方を選択する。真実はときに残酷であり、認めがたい。だから「部屋」は封印される。  しかし信じがたいことも起こる。最後の「奇跡」はリアルに生きるしかないわれわれに一片の希望を見せている。  しかし長い!
[DVD(字幕)] 7点(2010-07-11 23:40:18)
198.  孤高のメス 《ネタバレ》 
こういう、名声とか地位とかに囚われず、ただひたすら目の前の患者を救うことだけを考える医師というのは美しい。たとえ自分がつかまろうとも、いかなる非難が飛んでこようとも、自分がどうなるかなんてどうでもいい、ただこの人を救う、と考えられる人は果たしてどれくらいいるだろうか。  主人公の超人的能力があまりにすごくて、社会はとして投げかけている問題が若干かすんでしまっている気はしたが、見ている間は非常に楽しめた。  あと、前のレビュワーさんも書いているが、本来ならば血みどろで汚い(であろう)手術を、現実とは多分異なるのだろうがあれほどきれいなものに仕上げた美術班は素晴らしいと思った
[映画館(邦画)] 8点(2010-07-08 22:50:15)(良:1票)
199.  シークレット・サンシャイン 《ネタバレ》 
重く、救いのない内容。救いを与えるべきものがその救いの道を紡ぎ取ってしまっているという何とも皮肉な展開。  前半の誘拐事件はあっさりと終結、悲しさを決して表に見せないが、しかしもっとも苦しんでいるシネの救いを求め宗教に進むところから中盤が始まる。神の救いを感じ、安らかになる。だが、犯人と面会し、すでに神に許されて心が安らかだと言われ、神に裏切られた境地に陥る。ここから、神への復讐の後半へと突き進む。不貞、自傷行為、投石。教会で机をたたくシーンは別の意味での「悟り」さえ感じる。  救いを与えるもの(神)は結局すべてのものに赦しを与えてしまうがゆえに、自分のために特別な施しをしてくれるわけではない。救いというのは与えられるものではなく自力で見つけ出すものだ。「赦しを与える」こと自体が、すでに人を貶めて自分を救済しようという発想の表れなのであろう。  展開については、全体として中だるみしている感が強かった。そこに減点したが、難しいテーマによく取り組んでいたと思う
[DVD(字幕)] 6点(2010-07-07 00:06:06)(良:1票)
200.  クレヨンしんちゃん 嵐を呼ぶアッパレ!戦国大合戦 《ネタバレ》 
高評価で話題の作なので、アニメにしては珍しく借りてみてみた。泣けはしなかったけど、戦いの決意をするシーンと撃たれるシーンで鳥肌はたった。  時代考証もよくできているようだし、身分差のある恋という使われたネタながら「子供」というフィルターを通してみることによって、それをあまりにも無垢な視点から切り取ることが出来るんだなぁと思った。  ただ、ラストで撃たれるのがあまりに唐突過ぎて、この演出をするためにとってつけたような感があった。勝ち戦の帰り道にとかさすがにあれな展開だしね。それと、オトナ帝国と比較した場合、「ずるいぞ」だけですべてを表した前作に比べて今作の「逃げるな」以降は説明しすぎなのと、主体をしんちゃんシリーズでない人にしてしまっているためかもしれないが、前作のヒロシのエレベーターシーンとしんちゃんの階段駆け上がりに見れる執念の要素が、今作では今一つ見えてこなかった。  なお、前作と今作を比較してのメッセージ性については、191番のはちーご=さんのレビューが秀逸だと思うので参照していただきたい。
[DVD(邦画)] 7点(2010-07-05 01:49:43)
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