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枕流さんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 496
性別 男性
年齢 42歳
自己紹介 皆様のレビュー、いつも参考にさせていただいております。私のレビューも参考になれば幸いです。

2012年以降忙しくなったので、レビューを一言にしています(上半期分は6月末にまとめて投稿)。参考にしにくいかもしれませんが、あしからずご了承ください。採点基準は以前と同様です。

私の連絡先はこちら⇒えむいーあーる75jp[あっとまーく]yahoo.co.jp

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181.  わたしを離さないで 《ネタバレ》 
原作(和訳)は既読。最も好きな小説のひとつで何度も読んだ。「原作を読んでいなかったら…」という仮定ができないほど、のめり込んだ小説だ。どうしても原作と映画を比較してしまうため、この点数だが、初見だったらもっと高い点をつけられるかもしれない。 「運命を受け入れ、その中で精一杯生きていくこと」が、この作品のテーマだ。青年でありながら、長くは生きられない残酷な宿命のために、老成した考え方やものの見方を強いられ、次第にそれを受け入れていく3人の人生の軌跡は儚く、脆く、そして美しい。波乱も少なく、静かに物語が進んでいくだけに、余計に彼らの切実な感情が胸に迫る。 映画はこの原作の静謐な雰囲気をかなり忠実に受け継いでおり、そこは評価できる。タイトルや章が変わる際のダルトーンの背景色はとてもしっくり来たし、ヘールシャムやコテージの雰囲気も想像通りだった。主役の3人の演技も素晴らしく、皆原作をよく理解して芝居をしているなと感心した。特にトミー役のアンドリュー・ガーフィールドははまり役だと思う。 一方で残念だったのは原作の繊細な心理描写までは映像化できていないこと。これは媒体の違いということで目をつぶるしかない点かもしれないのだが、やはり原作のファンとしては減点せざるを得ないポイントだ。蝋燭の炎が微かに揺れるくらいのほんの僅かな心の揺れがひしひしと伝わってくる原作にはとても及ばない。いくつかのエピソードが省略されていたり、内容が分かり易く改変されていたのは、映画化というハードルを越える上で仕方がない措置とはいえ残念だ。 特にキャシーとルースの複雑な“親友関係”がこの映画では描けておらず、トミーとの三角関係においてルースに非があるような印象を観客に与える脚本になってしまっているのがいただけない。ルースは「愛されたい」タイプの人間であり、それは決して間違ったことではない。トミーとルースの関係は一種の補完関係になっていたし、二人が結ばれるのは運命だったのだと僕は思う。その上で、キャシーとトミーが自分達の愛こそ真の愛だと信じる(信じ込もうとする)ことが健気で、深く心を打つのである。 願わくば原作を読む前に観たかった。この映画を観ることで、より多くの人が原作を手にとるきっかけになれば良いと思う。
[映画館(字幕)] 6点(2011-05-05 22:44:33)(良:3票)
182.  キラー・インサイド・ミー 《ネタバレ》 
アメリカ南部の田舎町で保安官助手を務めるルー(ケイシー・アフレック)は温厚で愛想のいい性格で、その不幸な経歴にもかかわらず、職場でもその町の住民からも愛されていた。ガールフレンドである教師のエイミー(ケイト・ハドソン)との仲も悪くない。ある日、彼は上司から町外れの娼婦ジョイス(ジェシカ・アルバ)を町から追い出すよう命じられ、彼女の家へ向かう。そして、そこで彼女から平手打ちを食らったことで、彼の中の「キラー」が目覚め、彼は次第に暴力に魅入られていく。 主人公のルーは完全な二重人格ではない。自分のやっていることを冷静に評価し、それを隠そうとする知恵もある。それゆえ、余計に彼の行為は不愉快でそして魅力的なのだ。もちろん人を傷つけることは許されない。しかし、それに対して食欲や性欲と同等のレベルで欲求を感じる人間がいたら、どうだろうか。彼は苦しむだろう。苦しみながら人を殺すだろう。人を殺しながら泣くだろう。僕は「彼」ではないが、「彼」という人間には強く同情したし、魅力すら感じてしまった。あくまでも「彼」の一人称でこの物語を語らせた脚本の勝利だ。全てが完結するラストのクライマックスは美しくさえある。僕は映画の世界に完全に引き込まれてしまった。 少し眠そうな南部訛りで淡々と暴力への憧憬を語るサイコキラーを演じたケイシー・アフレックの演技は背筋が凍りつくほど恐ろしい。ベン・アフレックの監督・俳優としての才能も凄いし、この兄弟からは目が離せない。
[映画館(字幕)] 8点(2011-05-05 22:43:57)
183.  そして、私たちは愛に帰る 《ネタバレ》 
ドイツとトルコを舞台に絡み合う登場人物それぞれの人生。親子の愛憎が軸に据えてあり、とてもストレートでシンプルな映画だった。出会えそうで出会えないネジャットとアイテンやアイテンとイェテルの運命も胸に響いたが、何よりも親子の絆というものについて考えさせられた。 淡々とした映画で、泣くほどには心を動かされなかったが、ぐっと来るものはあった。この監督が「ソウル・キッチン」を撮るのかと思うと面白い。次作にも期待したい。
[DVD(字幕)] 7点(2011-05-05 22:41:58)
184.  塔の上のラプンツェル 《ネタバレ》 
字幕版で鑑賞。母親(結局母親ではないわけだが)の軛を脱するという、ディズニーにしてはなかなか挑戦的なテーマには驚かされた。またラプンツェルのキャラクターがとても親しみやすくてかわいらしくて微笑ましいのは良かった。マキシマスという新しいタイプの動物キャラやフライパンやランタンなどの小道具使いも魅力的。 ただしユージーンだけが気に食わない。ナルシシストのユージーンがラプンツェルに出会って改心するのは、アニメならではの許せるご都合主義のはずなのだが、どうしてもこいつの面構えが気に食わなかったのが正直なところ。モテない男からのジェラシーも含む(笑)。
[映画館(字幕)] 6点(2011-05-05 22:39:38)
185.  SOMEWHERE 《ネタバレ》 
残念ながら想像を上回るほどの出来ではなかったです。セレブである父と娘の心の交流を描くという視点は面白そうだし、実際、映像も本当に美しくて息を呑みました。恐ろしい金を取られるんでしょうが、あのホテルには泊まってみたいです。女の子を綺麗に撮るのも本当にうまいですね、この監督は。 また、ちやほやされるくせに満たされない主人公の気持ちはよく理解できますし、お金はあるけど家族に恵まれず、寄る辺無さを感じる娘の心境も痛切でした。静寂のポールダンスや顔の型取り、誰からか分からない嫌がらせメールの齎す孤独感。名声を手にしながらも、「おれは誰でもない」と別れた妻に電話してしまう寂寥感。主人公の気持ちは他人事ではありませんでした。 しかし、もう少しお話(脚本)を書きこめたのではないかと。偶然、誰かと出会うとか、どっかに行くとか。何かほら。この映像の自然さが若干損なわれるかもしれませんけど、ほんと、もう少しでいいんです。お願いします。
[映画館(字幕)] 6点(2011-05-05 21:28:33)(良:1票)
186.  ザ・ファイター 《ネタバレ》 
「ザ・ファイター」というタイトルはあまり相応しくないかもしれない。これは「家族のかたち」を描いた映画だ。典型的なステージママであり、早くにボクサーとしての才能を開花させたディッキーをえこひいきする母アリス、かつてシュガー・レイからダウンを奪ったという過去の栄光にしがみつく兄ディッキー、そして主人公ミッキーの収入を当てにする膨大(笑)な数のニート姉妹達。主人公のミッキーはその負わされた責任を時として受け入れ、時として反発し、どちらにしても葛藤する。 バーの女のシャーリーンと出会い、つかの間の慰安を得る彼だが、彼女と家族との関係は悪く、新たな心労の種にもなってしまう。このシャーリーンを絶対善として描かず、やや突き放した描写を行っているところがこの映画のうまいところだ。人間は他者を100%理解することはできない。誰かを愛することはできても、その誰かをいつも助けることはできない。彼の心の拠り所となりながらも、彼の家族との対決姿勢を強め、結果的にミッキーにストレスを与えるシャーリーンというキャラクターがこの映画の肝だ。少し体形を崩したエイミー・アダムズは良い演技をしている。 また、ディッキーを演じるクリスチャン・ベールの並外れた演技力も恐ろしい。アリス役のメリッサ・レオと共にアカデミー賞を受賞したが、それもうなずける。エンドクレジットで実際のディッキーが映るが、ベールはまさに彼になりきっていた。 最後に、この映画の中で、主人公のミッキーはボクサーであるとともに家族とも闘い、自分で運命を切り開くという宿命を一貫して背負っている。そういう意味では「ザ・ファイター」というタイトルは相応しいのかもしれない。
[映画館(字幕)] 7点(2011-05-05 20:35:20)(良:1票)
187.  プライドと偏見 《ネタバレ》 
リジーがちょっと美しすぎるのが難点だが、原作の雰囲気はなかなかよく描けていたと思う。昔は皆貧しかったのだなあとあらためて思った。知識人である地方の郷士でも、暮らしに困っていたというのは興味深い。お金に賎しいというレビューもあるが、この時代背景をよく考慮する必要がある。家族の住む家がなくなるかどうかというときに、母親が娘をある程度財産を持った男と結婚しようとさせるのは当然だろう。その嫌になるような現実と愛という理想をどこで妥協させるかで人は悩むのだし、その姿が美しいのだ。 リジーの相手役のダーシーについても、批判が多い。確かに気持ちの表現が下手すぎる不器用な男で、これは女性側の好みによるんだろうなと思いながら観ていた。個人的にはマシュー・マクファディンの縁起は悪くなく、はまり役とも感じた。最後に、気持ちの移り変わりが激しく情熱的なのだが、同時にそれを慎み深く隠そうとするという難しいタイプのリジーを体当たりで演じたナイトレイの演技が出色。本当にうまい女優だと思う。
[DVD(字幕)] 7点(2011-04-28 22:21:05)
188.  40歳の童貞男 《ネタバレ》 
よくできたコメディ映画。下手にドタバタに堕することなく、まさに「40歳の童貞男」の心理や行動を丁寧に描いている。若い頃は童貞であることが恥ずかしいように思われることが多いが、逆に40歳にもなるとその純真さが一種の人徳にもなってくるような気がした。主人公のアンディもオタクっぽいところもあるが、周囲のモテる友達に比べれば、人格的にマトモな部分もあり、童貞=変な奴というステレオタイプに陥っていないところも良い。脇役も良い演技をしていた。勤め先の悪友連中(テレビゲームをしながらひたすら相手をゲイだと罵るシーンは最高)も性欲過多な女上司など多彩なキャラがストーリーを盛り上げる。 2時間を超えるコメディなのに中だるみを全く感じず、最後まで見入ってしまった。特典映像もぜひ!
[DVD(字幕)] 8点(2011-04-28 22:06:39)
189.  エンジェル ウォーズ
考えなくていい映画は苦手だ。この映画も、観ながらずーっと何が現実で何が非現実なのかを考えてしまい、あまり爽快感が得られなかった。結果的に、これは考えなくていい映画だったんだと気づいたときには、時既に遅しだった。頭を空っぽにして観ると気持ちが良いだろうと思う。 大筋としては女の子はセクシーで悪役はいやらしくて最高。オスカー・アイザック演じるブルー・ジョーンズが特に良かった。加えてアクションシーンでは、ドイツ軍やらドラゴンやら巨大武士やらロボット兵やらも出てきて終始ハイテンションなまま、ストーリーが突っ走っていく。ほんとスナイダー監督は好き勝手やったんだろうな。楽しかったろうな。 映画の最後のメッセージで、何が現実なのかも含め、観客に丸投げされた(と思う)ので、僕はこの映画を全部非現実と断定させていただくことにしました。だって受け取り方によっては無茶苦茶悲惨な話よ、これ。
[映画館(吹替)] 6点(2011-04-17 20:14:57)
190.  ファンボーイズ 《ネタバレ》 
スター・ウォーズシリーズを最後に観たのは随分昔で、観る前はこの映画をきちんと理解できるか不安だった。案の定、理解できないオチも多かったが、オタクの友情モノとしては上出来で、最後まで全く退屈せずに観られた。「スーパーバッド」よりマニアックなネタ使いだが、こっちのほうが面白かった。スターウォーズに限らず何かの作品に対する愛って、こういう風に盲目的になっちゃうからなあ。分かる分かる。 演技ではハッチ役のダン・フォグラーが面白すぎで、だいたい何やっても笑ってしまった。自分はこういうデブのコメディ俳優に弱いようだ。ジョナ・ヒルもザック・ガリフィナーキスも大好きだもんなあ。 これはこれで面白かったが本当はスターウォーズシリーズを少なくとも10回くらい見てから観るべき映画なのだろう。本当の面白さの半分も理解できていないかも。スターウォーズ好きなら絶対に観たほうがいい作品だ。逆にスタートレックマニアは絶対観ちゃいけないけど(笑)。
[DVD(字幕)] 6点(2011-04-10 19:19:37)
191.  インビクタス/負けざる者たち 《ネタバレ》 
クリント・イーストウッド監督のものは大概好きなのだが、この作品はあまりにもまっとうなテーマ過ぎて(中身の想像が容易すぎて)映画館で観るのは敬遠してしまった。で、今回DVDで鑑賞した。結論から言うと想像していたとおりの部分もあったが、面白かった。面白かったというより役に立ったというほうが正確かもしれない。「人の上に立つものとしての心構え」や「対立するグループをうまくまとめる方法」といった実用的な部分が目立つ内容だった。企業内研修とかでも使えそうな映画だ(笑)。 個人的にはマンデラさんの人徳の凄まじさが特に印象的で「上司にしたい有名人」を聞かれたら、明日からは「マンデラ大統領」と答えようと思う。深くは描かれないが、妻(映画には出てこないが)や娘との葛藤も逆にいい味を出してるような雰囲気だし、病に倒れても仕事をしようとするし、ほんとスーパーおじいちゃんだ。そこのところの描写が一面的で平板ということもいえるが…。まあ、実在の人物だし、神様みたいに慕われてるし、これ以上の描写は無理か。モーガン・フリーマンはいつ観ても変わらない安定感だ。マンデラおじいちゃんに傾倒していくピナール役のマット・デイモンの演技もさすが。良い意味で教科書的な映画。 ついでに、特典映像も面白かった。マット・デイモンはいい人そうだし、役作りもほんと頑張るなぁ。ベン・アフレックと二人で映画界の良心みたいになりつつあるという印象。
[DVD(字幕)] 6点(2011-04-10 19:00:48)(良:2票)
192.  セレニティー
SFアクションの基本のような印象。ふだんSF映画をあまり観ないのできちんと評価できていないのかもしれないが、この作品には新味を見出すことが出来なかった。
[DVD(字幕)] 4点(2011-04-09 21:04:56)
193.  白いリボン 《ネタバレ》 
ミヒャエル・ハネケという監督の名前は、私の中でラース・フォン・トリアーレベルの禍々しい響きを持っていて観に行くかどうかかなり迷ったが、パルムドール受賞ということでミーハー気分で観に行ってみた。鑑賞後の感想を一言で表現すると「思っていたほど怖くない。面白い」。ジェットコースターに乗った子供のような感想になってしまうが、それが正直なところだ。「ファニーゲーム」は正視できないだろうと容易に想像されるため、鑑賞を回避しているが、今は食わず嫌いせずに、観てみようかなという気持ちになっている。 主要な登場人物は男爵一家、その家令一家、牧師一家、医師一家、小作人一家の5家族と村の学校の教師(=狂言回し)。第一次世界大戦勃発直前のドイツのとある村で奇妙かつ陰惨な一連の暴力事件が続発する。結局、事件の多くは犯人が謎のまま終結してしまう点には、ハリウッドファンとして煮え切らなさを感じるが、それぞれの家族の抱える問題を同時並行で丁寧に浮き彫りにしていくという作り方は確かに上手で、長尺にも関わらず、最後まで全く飽きなかった。 この映画はたくさんのテーマを扱っており、正直に言って全てを感じ取れたか自信がないが、歴史的に見れば、第一次世界大戦(およびその敗北)というカタストロフの予兆、暴力を賛美するナチズム台頭の予兆を感じ取ることが出来る。映画そのものを観れば、行き過ぎた父権主義とそれに対する子供たちのリアクションが主なテーマということになるだろう。父に反抗する子供、父からの暴力を受け入れる子供、父から受けた暴力を他者に向ける子供、父を愛し続ける子供、さらには父権主義の傘を利用する子供など様々な子供が描かれる。子供のもつ純真さとその裏返しである独特の不気味さが不穏な雰囲気を醸し出し、映画のテンションを高めている。 また、全編モノクロである上に一切BGMを用いないことから、不思議な透明感が全編を包んでいる。撮り方にも特色がある。カメラを固定し、その枠から登場人物が出たり入ったりする場面が多くて、これもこの映画の「静けさ」を表現するのに適していると感じた。 ただ、思ったことをだらだらと書いていくだけで、ふと気づくとこのようにレビューの量が膨大になってしまうほど興味深い映画だったが、残念ながら、陰惨な映画が苦手な僕は再鑑賞する勇気がなかなか出ない。でも確かに優れた映画だと思う。
[映画館(字幕)] 7点(2011-03-26 23:56:17)
194.  勇気ある追跡 《ネタバレ》 
コーエン兄弟によるリメイクが上映されるということで、予習として鑑賞した。 ジョン・ウェインが本作でアカデミー賞を受賞したということを観た後知ったが、貫禄の演技はさすがながら、それはやりすぎな印象がある。僕はやっぱり「駅馬車」と後期では「リバティ・バランスを射った男」が好きだな。 さて、本作は作品としては中途半端な出来と言わざるを得ない。マティのキャラクターは強気一本で女としての魅力に欠けるし、ラ・ボーフの存在感もイマイチない。マティの女性としての一面を押し出すことは、当時の時代背景から見ても難しかったろうとは思うが。また、ルースターとマティがことあるごとに繰り出すテキサス州ネタに絡めたラ・ボーフ批判もピンと来ない(これは観客側の問題)。西部劇ファンには堪えられないと思われるジョン・ウェインの見せ場も非現実的でぐっと来なかった。それなりに飽きずに観られるが、実も蓋もない言い方をすればこれといった特色の無いノスタルジックな西部劇である。 この映画で唯一よかったのはこの着想だ。無頼の保安官と若きレンジャーが少女の復讐を手助けするという設定だけで観ようという気になる。コーエン兄弟はうまいところに目をつけた。リメイク版の鑑賞が楽しみだ。
[DVD(字幕)] 5点(2011-03-23 17:54:29)
195.  トゥヤーの結婚
「再会の食卓」が面白かったので、同じ監督の作である本作品も鑑賞した。 金熊賞はやりすぎだと思うが、ヒロインの想いを想像しながら見ると感じるところもある。ただし、ストーリーがあってないような展開は苦痛だった。やっぱり起承転結のある物語が観たい。
[DVD(字幕)] 5点(2011-03-23 17:30:03)
196.  ハート・ロッカー
戦争に賛成とか反対とかどうでも良くて、ただ単に戦場での爆発物処理班の日常を淡々と描いた作品。ほとんどドキュメンタリーの域だが、主義主張のしっかりしたなかなか面白い「映画」だと思った。 主人公は危険も顧みず粛々と爆発物を処理していく。平和な国で暮らす人間から見ると、自分の命を驚くほど軽々しく扱うという意味で、彼の行動はどちらかというと狂人のそれに近い。ただし、この映画はそのような人間が存在するということを何ら特殊なこととして映し出さない。そして、観客はなんとなく彼の心理状態を推測し、その行動に納得してしまう。自分も戦場に送り込まれて、爆発物の処理が任務だとすればこういう風にやってしまうかもしれないと思う。そう思わせる主人公の描写がうまい。 爆発物処理班という眼の付け所も良い。テロとの戦いでは、突撃や狙撃などの戦闘行動よりもこのような分野こそがリアルでスリリングだろう。
[DVD(字幕)] 7点(2011-03-23 17:26:08)(良:1票)
197.  愛する人 《ネタバレ》 
家族の絆とは「血」か「時間」か。養子制度をどう考えるか。とても興味があるテーマであり、期待して鑑賞した。いつも友人と議論になるが、恵まれない孤児がいるのなら、子供を作るよりも養子を受け入れるほうが、最大多数の最大幸福という観点上、素晴らしいことであり、養子制度は日本にもっと根付かせるべきなのではないか。 それはさておき、映画の出来としては今一歩及ばずという印象だった。演技派をそろえており、それぞれの演技がアカデミー賞候補になってもおかしくないほどだが、どうも脚本が欲張りすぎた印象だ。この映画は3人の女性が中心となって話が進行する。それぞれに個性豊かでもっと色々なことを知りたくなるキャラ設定なのだが、深い部分まで掘り下げた描写がされていない。というか時間的な制約により、そもそもそこまで掘り下げることが不可能なのかもしれない。原作があってその映画化だからかなと思っていたが、そうでもないようだ。 黒人夫婦のエピソードは養子制度を考える上で重要だが、エリザベスの少女時代を丁寧に描くことで補完可能だろう。思い切ってここを丸ごと省き、その分、親子の話に焦点を当てた方が良かったかもしれない。 登場人物一人ひとりに魅力あっただけに、それが裏目に出てしまった。そういう意味で残念な作品。だが、一見の価値がある。アメリカに比べて養子に抵抗感の強い(?)日本では、どう受け止められるのかが興味深い。
[映画館(字幕)] 7点(2011-03-13 21:15:17)
198.  442 日系部隊・アメリカ史上最強の陸軍
日系人で組織された第二次世界大戦当時のアメリカ軍部隊のドキュメンタリー。低予算のためか、つくりの安っぽさはあるが、それを上回る感動を得られた映画。あまり民族主義的な見方は好きではないが、忠誠心や勤勉さで優れる日本人部隊はそりゃ強かったろうさと鼻が高くなる。一方で、その戦争が彼らに齎した苦悩にも光が当てられており、これにもとても共感できた。表にで来ることが少ないトピックだけに、この機会に多くの人に観ていただきたい作品だ。 映画のなかでダニエル・イノウエという人を一目見たときから、こりゃ只者じゃないと思って、帰宅後にwikipediaで調べてみたが、やっぱり只者じゃなかった(笑)。強烈なオーラが出ていた。
[映画館(字幕)] 7点(2011-03-13 20:20:00)
199.  ソルト
え?まじ?そんなのあり?お塩姐さんオイタが過ぎますぞ!ろくろく変装もせずに葬儀会場に紛れ込むあたり、逆に惚れた。
[DVD(字幕)] 5点(2011-03-13 19:55:43)
200.  ヒア アフター
期待して鑑賞したものの、よく分からなかったというのが正直なところ。監督の意図が分からなかった。僕が死後の世界というのにピンと来ない(興味が無い)せいもあるかもしれない。絶対に分からないから考えるだけ無駄だ。監督の保守的でまじめな作り方は好きなので、この点数だが、正直に言って失敗作だと思う。 
[映画館(字幕)] 5点(2011-03-13 19:54:00)
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