181. 借りぐらしのアリエッティ
これはジブリの中で、客の対象年齢を一番高く設定した作品だと思いました。ストーリーは地味で、ジブリ特有の冒険的な要素も子供ウケのファンタジー感も畳み掛けるようなテンポ感もありませんが、その分、落ち着いて、でも退屈せず、描かれている空間ひとつひとつの味わいを楽しめました。舞台は日本の設定ですが、それをあまり意識させない空気感と、国籍を超えた独特なムードの音楽にセンスを感じます。「“となりのトトロ”は面白いと思うけど自分にはしっくりこない」という人は、これならツボにハマるかもしれません。変な例えですが、トトロやラピュタが「中トロの握り」なら、アリエッティは「生ダコの薄造り」という感じかも。子供向けファンタジーと思ってこれまで手を出さなかったのが悔やまれます。身近な生活とちょっとした幻想ムードとのバランスが絶妙でした。 [ブルーレイ(邦画)] 9点(2014-10-04 00:43:52)(良:2票) |
182. 「女の小箱」より 夫が見た
ストーリーそのものよりも、出演している役者の個性に脱帽といった感じです。若尾文子のきれいさ、ハンパないですね!ただ美しいだけでなく、まるでフェロモンの塊のようです。あの時代に、こんなエロい人がいたなんて、昔の人がうらやましいです(笑)。でも役者としてすごいと思ったのは、やはり岸田今日子でした。特にラストの狂気はこの人にしかできないっていう怪演!それにしても、川崎圭三演じる夫のアホさ加減や、兄さんの間抜けな価値観は、今の時代だと袋叩きですね(笑)。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2014-10-01 19:59:10) |
183. 小早川家の秋
小津監督の映画はこれが初見。調子のいいオヤジが死ぬまでは平凡な話で、正直、かなり退屈でしたが、死んでからラストまでがインパクトありましたね。それまでの話は「長い前ふり」という印象でした。笠智衆、出番は少ないけど、最後の「死んでもどんどん生まれてくる」というセリフが効いてましたね。個人的には、妾の現代風な娘と、冒頭のバーの女給さんが好きでした。原節子という女優を見るの、これが初めてで、子供の頃は美人の代名詞というような情報がインプットされていましたが、あんな不気味な顔だったとは・・・(^^; [CS・衛星(邦画)] 6点(2014-09-27 00:07:45) |
184. 2001年宇宙の旅
《ネタバレ》 まったく前知識なく見たため、なんだかよくわからないまま話が進んでいきましたが、でも退屈することなく、気がつけば「えっ、もう終わり?」と、時間を忘れてしまうほど楽しめました! さて、内容について自分が感じたことは、例の黒い板のようなもの、あれは宇宙力の象徴のひとつで、人類の科学力など、宇宙的スケールからすると微粒子にも満たない程度のもの、お釈迦様の手のひらの孫悟空みたいな・・・ということでしょうか。最後の赤ちゃんは、地球の人類もいつか滅び、でも宇宙の力はまた別のカタチで新しい生命を生み出す・・・ということですかねぇ? また、コンピューターのハルとのやりとりは、将来ますます加速するであろう科学偏重社会に対する皮肉、ということだと思いました。 宇宙の神秘は、人間の思考で解明できるほど単純なものではなく、現代風の解釈を加えるなら、人間が戦争やら核兵器やらでいろいろやらかして人類が滅んだとしても、宇宙規模でみれば、人類の歴史など所詮は瞬き程度のもの云々・・・。この映画は、人類の思考では到底理解不能なスケール感を、少しでも表現しようとしているのかな?そんな風に感じました。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2014-09-26 19:11:37) |
185. マイ・ガール
《ネタバレ》 女の子がかわいかったので、なんとなく最後まで観ました。最後の、トーマスのお母さんから渡された指輪の色が変わっていたシーンは、ベタだけど良かったです。でも見どころはここくらいかなぁ・・・。「小さい女の子と男の子の、かわいいラブストーリー」のような前情報でしたが、少し違いましたね。11歳の女の子ベーダを中心に、父親やシェリーやトーマスなどが関わって、いろんなことがあって、この子もだんだんと大人になっていくんだなあ・・・という話でした。いい意味で安心して観ていられる・悪い意味で凡庸でやや退屈という、どちらにしてもアメリカっぽい映画という印象でした。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2014-09-23 22:02:26) |
186. 川の底からこんにちは
最後まで楽しめましたが、ほぼ満島ひかりのおかげ?これが、しょーもないアイドル女優だったら、何の面白味もない映画になっていたと思います。ただ、後半へのつなぎが、やや乱暴な印象でした。いろいろなことがあって「がんばるしかないっしょ!」と開き直るというよりも、最初から着地点が決まっていて、序盤はそのための演技=ちょっとわざとらしいという感じを受けました。新井課長は、ダメ男というよりクズ男でしたね。まるで自分のことのようで恥ずかしかったです(笑)。かよこちゃん役の子供、なかなかいいですね。笑ったのは、2回出てくる「月島さんは違うから」。こういうギャグは好きですが、社歌は、ちょっと狙い過ぎかも・・・? [CS・衛星(邦画)] 6点(2014-08-10 13:44:25)(良:1票) |
187. 劇場版 HUNTER×HUNTER 緋色の幻影(ファントム・ルージュ)
レギュラー放送「キメラアント編・一挙放送」の流れで観ただけに、トホホ感が余計に目立ちましたね。大人の鑑賞に堪え得るレベルではなく、完全に子供向けの稚拙な内容でした。 [CS・衛星(邦画)] 2点(2014-08-02 18:48:10) |
188. 修羅雪姫(1973)
この映画は、ただただ梶芽衣子の美しさを鑑賞するための作品ですね。話もまぁ、そこそこ面白かったですが、雪が梶芽衣子でなければ、すぐに観るのをやめていたと思います。それに挿入歌の「修羅の花」も、最後のシーンに激しくハマってます!梶芽衣子を見るたびに「この人で“実写版・サザエさん”を作ってほしかった」と思うのですが、今のところ賛同者ゼロです(笑) [CS・衛星(邦画)] 8点(2014-07-20 01:29:51) |
189. 続名探偵ホームズ1/ミセス・ハドソン人質事件
《ネタバレ》 大ヒットした宮崎作品を何度も観ているだけに、それに比べるとこのホームズシリーズは粗さが目立って、じっくり鑑賞したいというほどでもありませんでした。ただ「このシーンはあの映画の原型になったシーンだな」という、資料的な面白さはありましたが・・・。ひとつだけハマったのは、ミセス・ハドソンというキャラクター。こんな素敵な人がいたら、モリアーティでなくても「惚れてまうやろ~っ!」と思ってしまいますね(笑) [CS・衛星(字幕)] 7点(2014-07-18 15:07:46) |
190. ぼくたちのムッシュ・ラザール
《ネタバレ》 なんといってもラストシーンが素晴らし過ぎる!アルジェリアの国情やカナダの教育現場について知識があれば、もっと感動できたと思うのに・・・。様々な事情を、無理に答えを探そうとしたり、大げさなメッセージを語り過ぎるわけでもなく、それがかえって大きな感動を生んだと思います。大人が「子供のために」と思ってやっていることが、過保護を通り越して歪んだ方向に進もうとしている。でも「おっしゃることはごもっとも」なので誰も反論できないというのは、日本だけでなく世界中そういう風潮なのですね・・・。ストーリーとはまったく関係ありませんが、アリスの大人びた魅力に惹きつけられてしまいました(笑) [CS・衛星(字幕)] 8点(2014-07-06 20:31:37) |
191. 妻は告白する
《ネタバレ》 真実が徐々に顕わになっていくような法廷サスペンスとしての面白さはさほどないものの、ザイルを切った本当の理由、そして雨に濡れて会社にやってくるあの名シーンのつながり方がすごいです! それに、無罪判決の瞬間をあんなにあっさりと・・・。このシーンを「無罪!ジャジャ~ン!」と安い2時間ドラマのように妙に盛り上げないのは、この映画の鑑賞ポイントは、無罪だろうが有罪だろうが、そんなことはどっちでもよくて、彩子の愛情表現こそがこの映画のテーマだからなんでしょうね。こういう見せ方、作り手の意志がしっかりと伝わってくるし、とても印象に残ります。 個人的なことですが、映画はいつも、誰が出ているかではなく誰が作ったかで観る観ないの目安にしていますが、若尾文子だけは別。映画としての評判はさほど高くなくても、この人が出演しているとわかれば、まず観ます。観客にそう思わせる力のある俳優さん、今はほとんどいないのではないでしょうか。 [DVD(邦画)] 7点(2014-07-06 17:21:26) |
192. ラスト、コーション
《ネタバレ》 スパイが敵を愛する、というのはよくある設定ですが、いわゆる「スパイもの」ではなく、哀しく切ない恋愛映画でした。「逃げて」のあとはもう・・・・・ 他にも見どころはいろいろあるのでしょうが、こういう映画、ちょっと苦手で、この映画の奥深いところにまで目が届いてないかもしれません。でも、見終わったあとに気持ちがどよ~んとしてしまうので、もう一度観ようという気にはならないと思います。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2014-06-22 23:15:39) |
193. 砂漠でサーモン・フィッシング
期待し過ぎたせいか、ちょっと肩すかしを食らった感じです。いったいどこに主眼を置いて鑑賞すればいいのかよくわからない、悪く言えばすべてが中途半端でした。無謀だけど夢のあるプロジェクトに挑戦する姿・恋愛・政治背景・自然美・中東情勢等、いろんな要素を詰め込み過ぎてすべて未消化に終わってしまいましたね。プロットは悪くなかっただけに、料理法を失敗してしまって残念でした。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2014-06-21 21:29:20) |
194. 大いなる休暇
まぁ普通に面白かったですが、基本構成が「ウェールズの山」にそっくりという感じがして、いい意味での意外性がまったくなく、展開としては少し退屈でした。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2014-06-21 21:16:49) |
195. 二代目はクリスチャン
くだらない日本映画、という印象がずっと残っていて、見るつもりなどなかったのですが、諸事情でひさしぶりに見たら、やっぱり面白くなかったです。ひとつだけ、見て良かったと思ったのは、志穂美悦子って意外とかわいかったこと。当時はまったくタイプじゃなかったのに・・・。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2014-06-15 22:18:44) |
196. しとやかな獣
《ネタバレ》 愉快なコメディーかと思って見始めたら、最後は笑えない結末でしたね。特にラストの山岡久乃、すご過ぎる!しかもそこで終わらないで、遠くから見た高層団地を初めて映して締めるというセンスに驚きです。この映画の目的って、高度経済成長の副産物に対する皮肉なんでしょうが、それを団地の一室だけで展開させるってすごい!また、蕎麦を食べるシーンで踊り出す兄妹、そしてものすごい色の夕焼け・・・このシュールさをこの時代に成り立たせていたとは・・・。こういうセンスを真似しようとして大失敗している日本映画、昔は(今も?)たくさんあったような気がします。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2014-06-15 22:15:25)(良:1票) |
197. マザーウォーター
ふわ~っとした空気の中で、心に染み込んでくるような会話が繰り広げられる「めがね」の、バッタもんのような映画でしたね。音楽も、ウクレレの曲なんてめがねそのものだし、同じ俳優を使って、いったい何を考えてこの映画を作ったのか、理解に苦しみます。監督も脚本も、誉めるところを探しても見つかる気配すらありませんが、でもなんとなくそれぞれの空間の、不思議な落ち着き感が好きでした。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2014-06-15 22:13:57) |
198. 屋根裏部屋のマリアたち
《ネタバレ》 当時のフランスとスペインの事情、いろいろあったんでしょうけど、重苦しい話にならず、ラテン系の人々の、陽気で生き生きとした姿が素敵に描かれていましたね。どんな展開になるのかと思ったら、ダンナ様、マリアと・・・(笑) 3年後、訪れた先で、マリアの居場所をこっそり教えてくれたおっさん、いいですね!ああいう感覚、男同士でないとわからない・・・かな? [CS・衛星(字幕)] 8点(2014-06-11 21:34:44)(良:1票) |
199. 世にも怪奇な物語
三話を、別々のタイミングで見てしまったので、その時の気分で印象はかなり変わりますが、1話目はあまり好みではありませんでした。2話目が一番面白いと思いましたが、でもそれほど好きな話でもありません。3話目は、わけがわからないところも多かったにも関わらず、目が離せませんでした。ポーは好きですが、この映画はそれほどでも・・・って感じです。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2014-06-08 16:17:42) |
200. ミリオンダラー・ベイビー
《ネタバレ》 マギーが寝たきりになるまでを前フリとするなら、長過ぎ&平凡過ぎて集中力が切れてしまい、おそらく作り手が表現したかった後半の部分も、自分の中ではなんとなくで終わってしまいました。途中までが2時間ドラマレベルだったのですっかりアタマがそのモードになってしまい、おかげで大した感動もなく、不愉快な後味だけが少し残った程度。なんだか感動を無理やり強要されたような、イヤな気分です。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2014-06-07 21:29:40) |