181. 太平洋の奇跡-フォックスと呼ばれた男-
《ネタバレ》 ハリウッド映画のようにムリに盛り上げたりする必要はないけど、テーマがいい割には展開・描写が平板で今ひとつでした。 昭和期の戦争映画を観たものからすると、平成の日本男児は戦前と所作、体格が違うようで似合わない人が多い。 ラストの隊伍を組んで軍歌を歌いながらの下山シーンは悪くなかったですが。 [地上波(邦画)] 4点(2017-08-01 23:03:39) |
182. さらば愛しき大地
《ネタバレ》 救いのない田舎のシャブ中の家庭崩壊・殺人話なんですが、なかなか魅せてくれます。 爽快感や面白いという感覚とは対局にある作品ながら、なんとなくまた見たくなってしまう不思議な魅力を感じるのは 俳優陣の素晴らしさか、監督・スタッフの手腕か。 舞台となった茨城県沿岸部の荒野のような殺伐とした雰囲気、それと拮抗するかのような風に波立つ稲穂の美しさ。 風景映像の美しさが印象的。 [DVD(邦画)] 7点(2017-08-01 22:37:17) |
183. アドレナリンドライブ
《ネタバレ》 後半ややスピード感が落ちますが楽しめた作品でした。主役二人に加え、松重豊もよかったです。 スタントだろうけど石田ひかりが救急車から落っこち方がなかなか危険。 矢口監督はこういうドタバタ作品にぽつんと和んだ印象的な映像を入れるのがいいです。 ジョビジョバが追跡途中みんなで夜バーベーキューみたいなのしてるとことか、 ひみつの花園でも風の中堤防の上で測量機を覗いてるのを遠景でとったり。 [DVD(邦画)] 7点(2017-08-01 21:37:59) |
184. ギララの逆襲 洞爺湖サミット危機一発
《ネタバレ》 昔の映画というよりもTV特撮っぽいが愛情込めて茶化してますね。G8首脳はそれぞれそれらしくパロってるがややステレオタイプ。ただ東宝特撮系含め脇役に色々有名な俳優が出ているし、くだらないんだけど日本の特撮ファンが楽しめる部分は多く、加藤夏希もいい。だがしかしタケ魔人が出てきた時点で仮面ノリダーとかそういう薫りを感じちゃったので減点。 [DVD(邦画)] 4点(2017-07-31 23:45:50) |
185. 竜二
《ネタバレ》 ヤクザ映画に含まれるんでしょうが、所謂抗争で撃ったり刺したりのヤクザ映画とは全く違う人間ドラマですね。 もっと人間にとって普遍的な問題である、夢・自由と生活・社会との折り合いとの葛藤がテーマでしょう。 足を洗ってカタギ生活を最初は満足していた主人公が、黙って寝っ転がって空見てるところ、突然笹野高史にブチ切れるシーン、 ラストにスローで妻と娘に背を向ける表情とか心の動きが凄く伝わってきてよかったです。 場面だけでなく、「飯が炊けなきゃ女じゃないよ」「もうこういうのナシンコにしようよ」 「またおばあちゃんとこ行こうか」等々セリフも印象的なものが多かったです。 この映画は金子正次氏だけでなく、脇を固める永島暎子、桜金造、北公次もみんないいですね。 [DVD(邦画)] 10点(2017-07-30 01:50:12) |
186. フレンチ・コネクション
70年台っぽい映像、当時のニューヨークの街並みの雰囲気、寒々しい空気感がいいです。 迫力あるカーチェイスシーンなんかもありますが、派手なアクションというよりリアルで地味な場面のほうが多いです。 終わり方もスッキリしませんし、爽快感やカッチリしたドラマを期待する方には不向き。 昔TVでいっぱい放送していた日本の刑事ドラマもこれとか、同じ年のダーティハリーとかを参考にしたのかなあと思われます。 [DVD(吹替)] 7点(2017-07-30 01:20:13) |
187. 大盗賊(1963)
《ネタバレ》 東宝オールスター映画。 舞台は東宝特撮の南の島の王国?みたいな感じですが、お城の兵士たちはモンゴル風、という無国籍感。 そこそこおもしろいですが、ストーリーは今見ればまあありがちというかやや軽めの雰囲気。 魔力で石になったオブジェがそれぞれの俳優にそっくりですごい。 昔の映画俳優というのは年齢の割に皆老けて見え、今の俳優が若いというか子供に見えてしまいますなあ。 [DVD(邦画)] 5点(2017-07-30 01:07:55) |
188. 男たちのかいた絵
舞台は地方都市(宇都宮)。話には特に感じるものはありませんでしたが、トヨエツの二重人格演技は悪くなかったです。 [DVD(邦画)] 4点(2017-07-28 00:31:05) |
189. 太平洋奇跡の作戦 キスカ
《ネタバレ》 日本の戦争映画の中では数少ない成功した作戦の作品。但し撤退作戦。 モノクロで撮ってますが霧の中の艦隊等、当時のミニチュアの粗を隠せていますし、圧倒的な米軍に見つからないよう、なかなかスリリングな展開を見せてくれます。 東宝・円谷特撮オールスターズ俳優陣。ハヤタ、イデ、ソガも出ています。 無人島に孤立している部隊が話の中心なので、爆撃に来る航空機くらいしか敵は登場しませんし、 現地人もいませんから日本軍将兵と犬くらいしか出てきません。艦隊も大和も空母も出てこず、巡洋艦と駆逐艦位です。 なので戦争映画の割にはあまりドッカンドッカンやりませんし、比較的静かな映画です。 我が軍将兵がみな、一生懸命責務を果たしている様子に昔の日本人らしい団結と健気さを感じさせてくれます。艦隊がようやく突入に成功し、霧の中から日本艦隊が現れ、守備隊員が入港喇叭に大喜びするところは泣けてきます。 ラスト近く中丸忠雄に三船敏郎が労をねぎらわれる時の表情がいいです。 [DVD(邦画)] 8点(2017-07-28 00:25:10) |
190. 捨てがたき人々
《ネタバレ》 ほぼ原作通りのストーリーですが若干かえてます。 三輪ひとみの役は原作ではブスにしてますが、映画では顔に痣のある女性になってます。 素の三輪ひとみでは綺麗過ぎってことでしょうかね。 折角濡れ場もあるんだから、美保純はもっと景気良く脱いでくれればよかったのに。 舞台を監督の出身地の五島列島にしてますが、場末感が漂っていてこれは成功してると思う。 アパートの西日とか、なんともかったるい感じがダメ人間の主人公にマッチした雰囲気を醸し出していて良い。 ドロドロで救いのない話で、ややだらだらしたところもありますが、映画として捨てがたいものがあると思います。 [DVD(邦画)] 6点(2017-07-26 21:48:19) |
191. 戒厳令の夜
《ネタバレ》 昔TVでみて、若い樋口可南子が脱いでいて綺麗だった記憶があります。 お話はちょっと時代を感じさせますが、いかにもかつての五木寛之という感じです。 背景がチリクーデターなのですが、このあたり少し知識がないと最後なんでみんな殺されてんのかよくわからないでしょうね。 主題歌も有名なファドの歌い手のようで、結構印象的な曲でした。 再見してみたいのですが、なんで全然DVDにならんのですかね。 [地上波(邦画)] 5点(2017-07-26 21:18:55) |
192. ローラーガールズ・ダイアリー
《ネタバレ》 何気にTVで観たのですが、つきなみな話ながら、配役、演出、音楽みなすごくよかったです。 両親、暴力マギー、ライバル、親友と取り巻く人達がみんなそれぞれキャラが立っていて根はすごくよい人です(ボーイフレンドを除く)。最後の母親への手紙の行などクサくなりそうですが、そう思わされなかったのは監督の手腕でしょう。一番好きなシーンはでっかいかばんを持ってバスに乗り、自分の街をでてローラーゲームチームのいる街へ行くところかな。主人公のどこか不安なそうな表情が彼女にとっての大きな一歩を感じさせました。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2017-07-26 21:03:22) |
193. 思えば遠くへ来たもんだ
主演の武田鉄矢氏は柔道経験者なので、この映画の柔道シーンは本物、と当時柔道部内で話題になりました。 結構楽しい作品だった印象が強いですが、今はソフトが出ていないようなのでDVD化して欲しいです。 [地上波(邦画)] 6点(2017-07-25 23:25:17) |
194. Kids Return キッズ・リターン
《ネタバレ》 北野作品は結構観ていて、どうも本人が出てきてピストルぶっぱなすイメージが強いですが、本人未出演のこの作品は群を抜いてると思います。 主人公のおちこぼれ二人は何処の世界に行っても他人との軋轢や、組織のしきたりで縛られたり潰されたりしてなかなか思うように行かない。それと入れ替わるようにかつては主人公達に馬鹿にされていた漫才コンビや、後進ボクサーが台頭していく。 淡々とした描写の中に人の世の栄枯盛衰と無常感がよくでていて痛いほどでした。若者の話なので最後は少し救いを入れたのかな。 タイトルバックの自転車二人乗りの疾走感、スパーリング時のリズム感、音楽も素晴らしいです。 [ブルーレイ(邦画)] 9点(2017-07-25 23:16:51)(良:1票) |
195. 日本のいちばん長い日(1967)
扱う事案が事案なだけに、長いうえに全編に緊迫感と暑苦しさが横溢しています。 リメイク版も観ましたが、当時のオールスターでモノクロの渋い印象のこっちの方がいいですね。やはり戦時から時が浅く、実際に当時を知っている方々が制作・出演されていますから、役者さんたちの所作や体格含めこのリアリティは今ではだせないのでしょう。 映画そのものの感想ではありませんが、反乱将校も閣僚も当時までの経緯状況を踏まえて当事者なりに日本のためにと思って行動していたということ、西欧諸国がアジアアフリカのほとんどを植民地としていた時代であり、戦争をしない国はなくなっていたということ、ペリー来航以来日本もずっとそういう危機に置かれ、アジアで戦ったのは日本だけだったということ、そして敗戦となればどうなるかわからなかったということを考えれば、血を流しながら必死にこの国の歴史を築いてきた先人たちには感謝こそすれ、現在の結果論や常識、価値観でああすればよかった的なことはいえません。 [DVD(邦画)] 10点(2017-07-23 20:52:09)(良:1票) |
196. 傷だらけの天使(1997)
《ネタバレ》 続編はコメントがあるのに正編にコメント0とはこれいかに。 有名なTV番組と同題ですが話は全く関係なく、TV版のショーケン・豊が、トヨエツ・蔵人になっていて、 作られた時代も背景も違うのでそれを比較しても仕方ないですが、TV版にあったギラギラ感、熱気のようなものは感じられませんでした。 全く独立した男二人の珍道中的なロードムービーとして悪く無いと思います。青森県でも色々な文学等の舞台になる津軽ではなくて、観光地としては印象の薄い三八上北地方の寂れた雰囲気がよく、原田知世もカワイイ。プロレスのシーンは必要だったのかなあー。 [映画館(邦画)] 7点(2017-07-23 13:37:35) |
197. ローカル・ヒーロー/夢に生きた男
《ネタバレ》 初めて観たのはTVの深夜枠でしたが、なんとなく観ていたのに引き込まれて、こんな映画があるのかとうなさられました。 ラスト、都会に帰ってきてポケットから自宅の机上にガラガラとおみやげを出し、写真を壁に止めるあたり、幼少時に田舎に行って帰ってきた時の感覚が思い出されました。ゆったりした海辺の寒村の景色が美しく、個性的な村人たちのユーモラスな生活ぶり等、非常に雰囲気、余韻がよい好きな映画。 [DVD(字幕)] 10点(2017-07-23 13:17:36) |