201. 地獄の黙示録
《ネタバレ》 オープニングからいきなりドアーズの"The End"なわけじゃないですか。しかもそれと一体化したベトナムの炎上風景。ここで実はすべて完結しています。つまり、全体が一つの悪夢、地獄、あるいは走馬燈なのです。一人称ナレーション(しかも呟くような)がやたら多いのも、派手な映像や音響とは裏腹に、この作品の本質は単なる個人の物語、というのを暗示していますね。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2015-08-24 01:27:18) |
202. トラ・トラ・トラ!
《ネタバレ》 中盤過ぎまでは、日本側が美術関係も会議の台詞一つ一つも異様にこだわっているのに対し、アメリカ側は司令室みたいな室内でああだこうだやっているシーンの繰り返しで、撮影の空気感自体がやたら呑気なのである。しかし、いざ攻撃シーンに入ると、突然怒濤の大反撃というか、やはり零戦が存分に宙を飛び交う(ただ零戦を撮るだけではなくて、背景と比較した見え方まで配慮している)迫力満載の映像大展開です。というわけで、真珠湾攻撃自体は、まあきちんと描かれているとは思いますが、これをきちんとしようとするのであれば、その背景になったアジア情勢とかヨーロッパ情勢とかも、ほんとはその前に盛り込んでおかないといけないんだけどね。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2015-08-14 02:35:24) |
203. 大いなる勇者
《ネタバレ》 ショーン・ペンは、「イントゥ・ザ・ワイルド」を撮るときには、大分この作品を参考にしたのかなあ、とか楽しい想像もよぎる作品。導入部の静謐さがもたらす迫力はなかなかなのだが、話が進むほど、クロウ族との戦いに特化するような感じになって、主人公のスタートの立ち位置はどこに行ったの?と思ってしまう。最後の方で、主人公を何か伝説の存在っぽく持って行こうとしているのも、やや違和感。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2015-08-06 23:57:31) |
204. サンダーボルト(1974)
《ネタバレ》 本題に入るまでにやたら時間がかかっているし、各シーンは継ぎ接ぎ感満載だし、かといってコメディチックに笑えるわけでもない。どちらの方向に物事を持って行きたいのか、よく分からない作品でした。ラストのところで、もしかしたらそういう作品だったのかもとは思いましたが、それであればもっと前振りが必要です。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2015-08-04 00:24:48) |
205. シャーロック・ホームズの冒険
シャーロック・ホームズという人は、もっと尊大で、高飛車で、芝居っ気と茶目っ気があって、頭脳が先走ったらほかのことは全部忘れてしまって、要するに一言で言うと変な人であるはずなんですが。こんな紳士的でおとなしい主人公、ホームズを見ている気がまったくしません。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2015-07-29 20:39:56) |
206. 春琴抄(1976)
《ネタバレ》 いきなりヒステリックで高飛車な百恵ちゃんというのもびっくりしたが、その百恵ちゃんと、それにひたすら忠実に仕える友和さんという図式で最後まで一貫して押し通したのには、もっとびっくりした。こういうのができるところからも、やっぱりこの二人、単なるアイドルカップルではなかったんですね。何と百恵ちゃんは、作中で笑顔の一つすら見せない。結構演技の難易度が高い役柄だと思います。妊娠の背景説明ゼロで謎を残したまま平然と先に行っちゃうというような作り方も、今日でも参考になると思う。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2015-07-15 03:00:08) |
207. マジェスティック(1974)
《ネタバレ》 演出はところどころ妙に切れがあって面白いんだけど(最後の山荘の決戦、垂直方向と水平方向がクロスする構図とか)、肝心の前提がかなり強引で、どっちも何でそんなにムキになってるの?という感が拭い去れないのです。敵ボスも、逃走中にコケにされてムカついたというだけでは、ほかのことを全部放っといて主人公だけに固執する理由になるのかと思いますし、そもそもあれだけノーガードの主人公、その気になればいつでもどうとでもできたような・・・。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2015-07-13 01:34:56) |
208. ブルース・リー/死亡遊戯
つくり方自体がアウトテイクのかき集めみたいなものなので、その時点で映画作品として成立していないが、その点を抜きにしても、延々と続くじめじめした雰囲気がもたらす脱力感は、拭いようがない。 [CS・衛星(字幕)] 2点(2015-07-02 18:43:42) |
209. ドラゴンへの道/最後のブルース・リー
《ネタバレ》 リーが突く。リーが蹴る。リーが殴る。ただひたすらそれを鑑賞し続ける作品。もちろん、それだけでも価値はある。自分で監督までやっちゃったら、そりゃ、こうしたくもなるわな。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2015-06-26 02:59:54) |
210. ミネソタ大強盗団
《ネタバレ》 このタイトル(原題含む)と設定からして、個性あふれる強盗団がいろいろ敵を乗り越えて大活躍、という光景を勝手に想像していたのですが…何か最後までチマチマジメジメした感じで、なぜこの素材を選択したのか分かりませんでした。野球のシーンはちょっと面白いけど、長すぎ。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2015-06-21 21:33:05) |
211. ドラゴン危機一発
何か、ものの見事に内容がないというか、その場限りの思いつきシーンをつないだだけというか・・・リーがいくらアクションを頑張っても、環境設定がきちんとできてないと、それも生きないわけです。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2015-06-14 00:40:02) |
212. ロング・グッドバイ
冒頭の「ただ単に買い物に行くだけ」のシーンを延々引っ張るセンスには惹かれましたが、その後は、事件の起こり方も主人公の巻き込まれ方も中途半端で、結果、悪い方にダラダラしたまま終わってしまいました。もっとも、原作もそんなに好きではないのですが。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2015-06-06 00:08:55) |
213. 狼の挽歌
《ネタバレ》 導入部の、背景の説明一切なしのカーチェイスはなかなか。バックミラーの多用、狭い道のうねうね感がスリルを高めている。なんだけど、中盤は何となくだれてしまい、敵ボスも格好良く見えないのだが、結局これはラスト10分の鑑賞に行き着くための作品だったのだな。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2015-05-04 02:36:29) |
214. 昭和残侠伝 死んで貰います
《ネタバレ》 賭場のさりげない1シーンだけで、制作側の気合と集中力が見えてくるのだが、そこから出てくるすべてが、ひたすらに主人公を格好良く見せるためにあるという一本の筋が、作品を引き締めている。分けても、健さん以上の強烈な存在感を示しながら、あくまでも健さんを引き立たせる芝居に徹している池部良の役者根性は凄い。●討ち入り直前、長門裕之が健さんに対して、「あっしも詳しいことは聞いてませんが」と言いながら、その直後に、端的に簡潔に事態の推移を一言で説明してしまうところは、やはり笑うべきところだったんだろうか。そういう勢い余りぶりも、この作品に相応しい。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2015-02-25 22:44:29) |
215. ワイルド・ギース
せっかく個性的なキャラクターを揃えたはずなのに、個々の描き方が凡庸で、ただ目前の課題に大騒ぎしているようにしか見えない。なので、いくら後の展開をひねってきても、それが生かされてきません。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2015-02-09 23:04:22) |
216. 悲愁物語
いろんな人が好き勝手にいろんなことをしていながら、誰が何をしたいのかはさっぱり分からないという、恐るべき作品。役者陣は、自分が何をしているのか分かっていたのだろうか。そんな哲学的な問いすら浮かんでしまう、困った作品。大体、何でこのタイトルなんだ。 [DVD(邦画)] 3点(2015-02-03 21:12:43) |
217. 翼は心につけて
30年くらい前には、こんな感じのテレビドラマはたくさんありました。ある日突然主人公に障害や難病が発生し、それでも頑張りました!みたいな。しかしこの作品は、各シーンの置き方も台詞の1つ1つもどこまでも説明的で形式的で、レベルとしてはテレビドラマ以下です。もっとも、石田えりを発掘したという点においては本作には大いなる歴史的意義があるのですが、ここでのド下手な演技には、後の名女優ぶりの欠片も見当たりません。それでも当時の人たちはこれを見た上で彼女をその後も育成しようと思ったわけで、その慧眼ぶりを讃えたい。 [CS・衛星(邦画)] 3点(2014-12-21 02:47:26) |
218. 戦略大作戦
本来、軽快なコメディ・タッチの方が向いている素材だと思うのに、演出の方向性はもちろん、音響やエキストラの使い方にしても、やたら重々しく湿っぽく作られているので、作品の勢いが削がれている。あと、イーストウッドも、こういう目標に向かって仲間を集めて真剣に一直線みたいな役は似合わんなあ、やっぱり。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2014-12-01 03:24:01) |
219. 水戸黄門(1978)
当然のごとく、最初から最後まで全部お約束なのだが、たまにはお茶漬けをいただくことも必要なように、基本を思い出すことは大事。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2014-11-08 03:23:37) |
220. 必殺仕掛人 春雪仕掛針
《ネタバレ》 悪党トリオが夏八木勲・竜崎勝・地井武男という素晴らしすぎるキャスティングですでにOK。仕掛人側の見せ場のシェアの巧さもなかなか。ただし、梅安と千代の過去の経緯が云々というのは、全部いらなかったと思う。せっかく岩下志麻という存在感ありすぎ役者を引っ張ってきたんだから、ラスボスにふさわしい冷酷大悪党でいてくれた方がどれほどよかったことか。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2014-10-28 01:53:57) |