201. コンフェッション(2002)
どれだけつまらないのかと思って恐る恐る観たが、そんなに悪くない。昔風に加工した映像はそれなりに味わいがあるし、中だるみも感じず、妄想話として気楽に楽しめます。この人、実在するんだかしないんだか良く分からんが、まあこれが自伝だというのだから相当ふざけた男に違いない。ジュリア・ロバーツはこういうなんてこと無い役のほうが逆に輝いて見えるのは錯覚だろうか。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2007-09-17 18:38:29) |
202. 12人の優しい日本人
《ネタバレ》 日本的に翻訳した良質のパロディ。オリジナルと違い、本作は無罪から有罪へと振れてから再び無罪に揺れ戻すという流れ。これが非常に味が良い。この揺れ幅があるために、ひとつの証拠の見方を変えることでこうも捉え方が変わっていくのかということがオリジナルよりも判り易くなっている。何を是として、何を非とするかは主観が多分に関わってくる。それがうまく表現されています。パロディでありながらこの辺がしっかりしてるって所に、オリジナルへの敬意を感じますね。今観ると出演者も馴染みの顔が多く、やっぱりみんな若いなあ。 [DVD(邦画)] 7点(2007-09-17 18:18:34) |
203. しゃべれども しゃべれども
《ネタバレ》 期待が高かっただけにちょっと拍子抜け。まあ決して悪い作品ではなく、原作に届かぬまでも健闘はしています。見終わって第一に感じるのが恋愛感情の描き方の稚拙さ。主人公の片思いの感情にしても、ヒロインとの恋愛の成り立ちの描き方にしても非常に拙い。それでいて最後は抱き合わせたりしてしまうから奇妙に映ります。急激過ぎる。ここは、今後そうなるだろう二人の明るい未来を感じさせるだけで十分だったでしょうに。 関西弁を喋る子役が結構良い味出してます。八千草さんも良い感じ。「まんじゅう怖い」の一節を独り言のように少し喋って「あたしの方が上手いね」と言うけど、確かにあなたの方が上手かった。十河や湯河原など主要の面子の配役は良かったけど、ただ一人、片思い相手の女優さんだけがミスキャスト。おばちゃんにしか見えません(失敬)。さすがにそりゃぁない。 [映画館(邦画)] 6点(2007-09-17 17:57:32) |
204. 残菊物語(1939)
《ネタバレ》 映像がとても美しい。アングルやら構図もそうだが、長回しが生き生きとして効いていることが、自分のような素人にもビンビン伝わってくる事が凄いです。健気な女性が男が一人前になるよう支え続けるという古典的な話の内容も、展開もダレることなく楽しめました。ただ、やはり主人公が信頼を回復する舞台シーンは重要とはいえかなり長過ぎに感じます。その道に造詣のある人にはそれも楽しいんでしょうけどね。監督が拘って何度も撮り直したというスイカの切り方は何が一体気に食わなかったのか良く分からなかった。下手すぎてダメなのか、上手すぎてダメなのか。本編を見ると決して上手いとも思えず、これでOKが出たってことは上手すぎてダメだったということなのでしょうか。 [CS・衛星(邦画)] 8点(2007-09-17 17:29:05) |
205. 守護神
《ネタバレ》 どこかで観たような話。いろんなものの寄せ集め感は否めず。この手のものを初めて観るなら楽しめるのだろうか。でもやっぱり140分は長過ぎだね。終盤の殺す気満々の展開には萎えます。直ぐパニックになる落ちこぼれっぽい生徒が合格するシーンは感動シーンなんでしょうが、あいつに救助される人のことを考えると、とてもじゃないが感動出来ない。プールであれだけパニくる男が現場で冷静でいられる訳ないじゃない。彼のことを本当に考えるなら、もっと早くに不適格として放校するべきでしょ。現実の厳しさをあれほど口にしながら変に情に流されてる感じが、一貫性がなくて嫌。 [DVD(字幕)] 4点(2007-09-17 16:43:20) |
206. 映画女優(1987)
正直、この作品と市川崑監督との相性がいいとは思われない。吉永小百合も序盤は亡羊とし過ぎていて田中絹代のイメージと合いません。まあ勝手なイメージではあるけれど、こんな人だったとはちょっと考えづらい。所々、映画史の解説のようなものが入るが、これもまた一長一短。その時代の映画作りの背景が判り易く理解出来るものの、ここまであからさまなドキュメンタリー色が入ると雰囲気や没入感は間違いなく壊れます。個人的には田中絹代の半生という興味深い内容同様楽しめはしましたが、映画としては微妙でしょうね。 [CS・衛星(邦画)] 5点(2007-09-16 15:30:13) |
207. ラ・スクムーン
ベルモンドの格好良さだけを強調することに特化したような映画。特化させすぎて、他の部分が相当にお粗末。これはもう、リアリティなど二の次、展開がいくら無茶苦茶でも整合性がなくても構うことなし、ベルモンドさえ格好良ければそれでいいという、そんな割り切りすら感じます。ベルモンドは好きだけど、こういう方向性の映画は苦手です。 [CS・衛星(字幕)] 3点(2007-09-03 21:49:34) |
208. ドラムライン
《ネタバレ》 人物描写が適当で人間ドラマが貧困。ライバルチームの指揮者を無理矢理悪役にしようとしていたのにはかなり興醒め。しかしマーチングバンドの演奏は素晴らしく、これだけで十二分に楽しめる。いやもうこれだけで満足です。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2007-08-31 19:36:14) |
209. 少林寺2
《ネタバレ》 これまた続編のような邦題だが、内容全く無関係。さすがにここまでいくと詐欺ですな。コミカルタッチで、作品としてはファミリー向け。だがこれが結構メリハリが利いていて出来が良い。武術は圧倒的に素晴らしいのは間違いないし、そこにこういうほのぼの系をを組み合わせるのもありだなぁと。年月がポンポン過ぎていったりするのもご愛嬌。難を言えばかつて少林武術に右目を潰された悪党が、何故か10年もの月日を経てから復讐に乗り出すってのが妙。しかもその復讐に至るまでの計略が随分ゆっくりとしている。普通に見ても1年以上かけていますから。さすがにこの辺はとってつけた感は否めず。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2007-08-31 19:18:26) |
210. 少林寺
《ネタバレ》 作品全体が演武会のような印象。これは本当に凄いと感心。「三十六房」よりもこっちの方がスピード感があるし、魅せる事に特化している分見栄えがします。ただストーリー的には面白味がまったくない。もう少しでいいから工夫が欲しいところ。ヒロインもちょっと武芸をたしなむがやたら掛け声が五月蝿い。もう少し抑えられないものか。しかもこの武芸をちょっとかじった程度の娘に敵方の幹部が翻弄されたりするので、敵役の格を落とす結果に。最後の戦いは団体戦でもあるので、イマイチ主役のリーが目立たない。しかも皆当然坊主頭で、リー以外は白い服を着ているため誰が誰だか判別しづらい。まあ判らなくてもいいっちゃぁいいんですが。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2007-08-31 19:03:33) |
211. 続・少林寺三十六房
《ネタバレ》 続編ってことに邦題で勝手にしちゃってるぽいですが、前作とは打って変わってコメディタッチ。しかしこのコメディがまったく面白くない。作り物の出っ歯をした男がなんか嫌。こんなにはっきり判る作り物の出っ歯をする意味があるんだろうか。これで香港人は笑うのか?まさかね。嘘がばれたことを主人公のせいにしたり、修行して帰ってきた主人公を何の反省も無く諸手を挙げて頼ったり、責めることばかり一人前で自分で変革する意識に欠ける周りの人間の無責任さが嫌。特に主人公の兄貴には呆れるばかりです。修行に入ってからもいまひとつ盛り上がりにかけ、やっと面白くなるのは主人公が足場組みを命じられてから。この足場組みで得た技術が最後の戦闘にも応用され、戦う相手を次から次に拘束していく戦い方は面白かった。こういう反映の仕方はいいね。そんなわけで終盤だけはなかなか楽しめました。 [CS・衛星(字幕)] 5点(2007-08-31 18:49:22) |
212. 少林寺三十六房
《ネタバレ》 正直序盤はまったく面白くもなんとも無い。しかし修行に入ってからが俄然面白くなる。ひとつひとつ房を乗り越えながら成長していく様が心地良く、ある種TVゲーム的な楽しさに通じるものも感じます。この映画は主人公が如何に成長していくかの物語。最後の敵討ちも修行による精神的成長の体現としての戦闘という位置づけとして考えれば、その地味さにも納得がいく。地味だからこそ良いのです。 [CS・衛星(字幕)] 7点(2007-08-31 18:35:13) |
213. ジャック・サマースビー
《ネタバレ》 なんかすっきりしない。なりすますことでなりたい自分になることと自己変革によってなりたい自分になることとは意味が違う。他人の犯した罪を被って死刑になることの事の大きさに、自分の犯した罪を償うというの当たり前のことが誤魔化されて、蔑ろにされてしまっている。確かに死刑まで受け入れることは勇気がいることだろうが、本人にとっては、偽者であることを認めて本当の自分に戻り、本当の自分が犯した罪を償うことの方がそれ以上に勇気のいることだっただけではないか。自分のしてきたことをそっくり背負い込んで生きていくのが人生ってもんです。それらを全て放り出してしまっていることで、如何にその対価として死があったとしても、やはりすっきりしないものが残るんでしょう。 [DVD(字幕)] 5点(2007-08-30 23:09:02)(良:1票) |
214. セント・エルモス・ファイアー
《ネタバレ》 大学は出たけど大人になりきれないモラトリアム群像劇。登場人物にもエピソードにも魅力に欠ける。無理を通して道理を引っ込ませてストーリーを成立させている点が目に付く。皆押しなべて魅力が無いが三角関係の中核の女が一番嫌な奴。一見善人の顔をして、自分の希望と都合だけを主張する我が儘女。あんなことしといて今までどおりみんなで仲良くしましょって、アホかい。こういう女が一番性質が悪い。それにしても随分広い部屋に皆住んでるねぇ。その点、ちょっと昔の日本のトレンディドラマ風。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2007-08-30 22:35:08) |
215. 壬生義士伝
《ネタバレ》 多くの方に指摘されているように死に際のだらだらと無駄に長い独白。感動を誘う目的のシーンなのでしょうが、観客に「いいから早く腹斬れよ」と思わせてしまってはどうしようもありません。最後の戦闘シーンに随分スローモーションを使いたがったり、各所にセンスの悪さばかり感じます。 [DVD(邦画)] 2点(2007-08-30 22:01:28) |
216. マーズ・アタック!
《ネタバレ》 ブラックだけど面白い。あのアメリカが、とにもかくにもひたすらに友好を結ぼうとするということが最大ブラックジョーク。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2007-08-30 21:40:41) |
217. 嘆きのテレーズ
《ネタバレ》 子供の頃に観て、ラストの展開が強烈に印象に残った映画。今回観直してみたら、座りながらの握りこぶしでの往復ビンタが印象強烈。凄いことをする。全体に良く出来ているものの、惚れ合う過程を素振りよりも台詞だけで済ましてしまっている箇所が目に付くのが難点。大体、逃げ出そうといいだした後に、女性がいかに虐げられているかということを聞かされるというのでは、逃げ出そうといったのが単に旦那から奪い去りたいというだけの意味になってしまいマイナス。虐げられているからこそ、二人で逃げ出し幸せになろうという流れにして欲しいところだった。 [CS・衛星(字幕)] 6点(2007-08-27 23:47:57) |
218. ボディガード(1992)
《ネタバレ》 以前観たときは単にケビン・コスナーが格好つけているだけの映画という印象だったが、今回観てみたら、ケビンよりもホイットニーのプロモーションビデオ映画のような感じがしてくる。まあそれはともかくとしても、やはりプロを気取っていながら、いとも簡単に依頼人と寝るプロ意識の低さが最低極まる。ここだけでもうダメダメです。真犯人もみえみえだしなぁ。しかしホイットニーの歌は良かったので+1点。 [DVD(字幕)] 1点(2007-08-27 23:20:06) |
219. バッド・エデュケーション(2004)
サスペンスとして成立する前にネタ晴らしが始まってしまう。大して追求することもなくべらべら喋ります。もう少し、謎に迫っていく感じや思考させる間がないとミステリーにもサスペンスにもなりません。ただ後味として残るのはグロテスク感のみ。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2007-08-27 23:11:07) |
220. 逆転
ノーベル賞授賞式が舞台というのはなかなか変わっていて良い。しかしサスペンスとしてはかなり緩く、詰めもつっ込みも甘い。ヒッチコック作品の劣化版のようなイメージ。 [CS・衛星(字幕)] 4点(2007-08-27 22:50:58) |