2181. 地震列島
《ネタバレ》 地震のシーンに「日本沈没」の映像の使いまわしがあるので減点。ストーリーラインが「大地震」にとってもよく似てるので減点。地震によって起こる混乱と脱出劇ばかりが描かれて、地震に対しての政府や自治体の対応や、地震を逃れた人々の描写がちっともなく、あんまり地震の際の教訓にはならない映画なので減点。とゆーか、ただ大地震という災害に遭った人々のサスペンス、で終わってしまうのはどうかと思うんですよねぇ。これだけ地震災害の多い国で、見世物としての地震映画を作ってもねぇ。啓蒙映画を作れ!っていうんじゃなく、もっと経験を映画に活かせると思うんですが。あ、あと避雷針って読んで字の如く、雷を避けるための装置で、雷を落とすための装置じゃないのよ・・・ [映画館(字幕)] 4点(2003-12-06 14:23:19) |
2182. 地獄の黙示録
ノンクレジットな70ミリ版で見ました(ラストの炎上が入ってないタイプですね)。色々と賛否両論ある映画ではありますが、私はこの映画、やっぱりコッポラが上手い事コントロールできなかった映画、だと思います。描かれるエピソードがとっ散らかった印象で、それはベトナムの混乱を表している、と好意的に解釈できなくもないですが、やっぱり編集しきれてないだけなんじゃ、と。その繋がりが悪いために、マーティン・シーンが辿る物語に、ちっとも意識が向いてゆかず、彼のドラマが迫ってきません。かと言って、「ジュラシック・パーク」のように地獄巡りツアーに同行した観客の視点、という訳でもないですし。登場する様々な映像には、視点の差異があり、それはコッポラが確固たる信念の元で撮ってた訳じゃない事を感じさせます。その末に辿り着く世界は、もはや映画のリアリズムから軌道を外れたファンタジー。カーツさん、「狂気」に説得力を感じさせて下さいな、と思う私なのでした。 6点(2003-12-06 14:13:51)(良:1票) |
2183. 死国
夏川結衣は、ドラマ「谷口六三商店」のイメージが強いので、一体いつになったらお笑い演技を見せてくれるんだろ、って期待してたんですが、最後までどんより系の演技しか見せてくれませんでした。残念。彼女に限らず、登場人物が全員どんよりしていて、陰鬱な事この上ない映画。GOGO千明嬢のどんよりストーカー演技は、コメディ一歩手前状態でしたが(ぬぼぁ~と筒井道隆の後ろから顔を出すあたり)。和風でゾンビものを撮ると、こうなります、というサンプル?(いや、彼女はゾンビとは違うんではないか~?) [映画館(字幕)] 4点(2003-12-06 13:53:38) |
2184. 四月物語
シネスコ、DTSなキャンバスに松たか子を置いてみました、という、ただそれだけの映画。でも、その1時間ちょっとの間、ドラマらしいドラマもない映像を、のんびり眺めてるだけっていうのもいい感じだよなぁ、って。別に松たか子も岩井俊二も好きではないけれど、こういう、なーんにもない映画があってもいいよね、って感じでした。2100円のプログラムは高すぎでしたけど。何しろダンボール&藁半紙ですよ。 [映画館(邦画)] 7点(2003-12-06 13:45:27) |
2185. JFK
この映画を盲目的に信じたり、逆に頭から否定したりしたくはないですが、1つの説として面白く見ました。今だ謎に包まれたケネディ大統領暗殺について、国家に対して堂々と挑戦状を叩きつける、まあ、その個性が好きかどうかは別として、オリバー・ストーン、男気あります。語り口は強引ながらも力強く、なるほど、と納得させてしまうパワーを持っていますが、その術中にハマって信じてしまうのもまたキケン。「誰が殺したJFK」という部分よりも、国家が国民を欺くような事をしてはいけない、という主張の部分で、この映画を評価したいですね。 [映画館(字幕)] 7点(2003-12-06 13:35:54) |
2186. JSA
人である前に国民でなければならない世界、言葉も肌の色も同じなのに国家の名の元で、敵対し殺しあう人々。今現在、現実に存在する問題を描いているだけに、痛みを感じる物語でした。日頃、北朝鮮を世界の脅威、危険な国家として捉えていますが、そこに生きる人々が「自分達とは違う生き物ではない」という当たり前の事を教えてくれます。周りを海で囲まれた国に住む私には、実感が伴いにくいのですが、国と国を隔てる線は、歴史が刻んだ深い傷なんだと思いました。と書きつつ実際、映画見てる間いちばん大きかった感情ってのは、イ・ヨンエさん萌え。 [映画館(字幕)] 7点(2003-12-06 13:24:02) |
2187. シーズ・ソー・ラヴリー
あ、なんか私の言いたい事は、もうみなさまご指摘の通りでございます。なんだか、イヤなモン見ちゃったなぁ、って映画でした。ショーン・ペンのところはじっくり描いていて、トラボルタのところは、関係がおかしくなった部分しか描いてない、そういうアンフェアな状態で、この結末を納得しろと言われてもねぇ。私にとっては、バカはみんなに迷惑をかける、という事しか伝わってこないのでした。愛すべきおバカ、じゃないですよね、このショーン・ペンは。 [映画館(字幕)] 4点(2003-12-05 23:31:39) |
2188. サンダーアーム/龍兄虎弟
《ネタバレ》 ああ、今となってはオープニングと、敵アマゾネス軍団のおっぱいぽにょん!くらいしか思い出せません。あと、ラストはジャンプして気球にへばりつくんでしたっけか。そうそう、ジャッキー版インディ・ジョーンズな映画でしたね。スケールのなさをアクションで補う、という感じがあったのですが、この映画のアクションは、なんだかパッとしなかった印象があります。頭に穴開いちゃうくらいの大怪我のせいなのか、チープなセットを前にしているせいなのか。やっぱりジャッキーのアクションは、現実的なセットや風景、道具を前にしてこそ、生きてくるんじゃないかな、と思います。それは今のハリウッドものに出演している彼にも言える事ですが。 5点(2003-12-05 23:18:33) |
2189. 39 刑法第三十九条
《ネタバレ》 【注意!激しくネタバレ】この映画の肝となる事件の部分、「偶然に」柴田が訪れた時、男が自分の妻を殺していた、という状況があって初めて成立するワケですよねぇ。もし、そうでなければ柴田はどんな選択していたんでしょ? 男の妻を殺してたという選択はなさそうで、だけど、となると「演じた」事自体に無理が出てくるワケで・・・。んー。そこを突き詰めてゆくとサスペンスとして破綻してタイトルの意味そのものが喪失してしまうのが大きな難点ですが、一方で、寒くて暗い空気に支配された悲しい人々の物語は魅力的でした。登場人物全員がどこかしら心を病み、不安定な世界で生きていて、人の心を数値化する事の無理が語られてゆきます。弱い心の人々の物語が、じんわりと染み付いてくるような感じです。ただ、たまに思い出したように流れ始める音楽が不自然で、もう一切音楽なしな方が良かったんじゃない?って思いました。 [映画館(邦画)] 7点(2003-12-05 22:38:54)(良:1票) |
2190. サンキュー、ボーイズ
子離れできないママ状態のドリュー。うーん、あのちびっこかったドリューがママ役ですよ。しかもその子供、ラストの方じゃチビじゃなく青年状態。時が進む早さをひしひしと感じる今日この頃。それはともかく、この映画は、人生いろいろあって、夢もそう簡単には叶わないけど、それでも私は生きてゆくの!とゆー、ちょっと鬱陶しさを伴わなくもない半生記。えーと、少し反省もしたら?なんて言いたくなる感じもあります。共感できない物語な上、途中どんどん映画の焦点がボヤケてくるので、かなりキビシいです。世の中、実話の凄さというのもあるのですが、これは実話なりの退屈さ、というのを味わわされた映画でした。 6点(2003-12-05 22:20:13) |
2191. ザ・ワン
《ネタバレ》 理論的な説明が、もう全然なくって(なんで世界が125?どうして違う世界の自分が死ぬとパワーがやってくる?どうして平行宇宙を旅できる?)、そういうモンだ!納得しろ!と最初っから投げ槍な話じゃ、映画の世界に拠り所などある筈もなくて、あーもー、せめてアクションで楽しませてね~、って感じにしかならないのですが、そこすらも不発状態。リーVSリーじゃ、不自然なカメラワーク(必ず片っぽ後ろ向き)と合成でなんとかするしかないですからねぇ。しかも理論もへったくれもない世界で、ラストだけヒネった展開されても、意味不明状態。「あんたそれで満足なんか?」と主人公にツッコミたくなるよーなオチ(むしろ悪リーの方が幸せなエンディング?)。どこか1つ、マジメに頑張ったら、もう少し見られる映画になったでしょうにねぇ。 [映画館(字幕)] 3点(2003-12-05 21:53:42) |
2192. ザ・ロック
《ネタバレ》 むむ・・・かなり高評価・・・。えーと、作劇上の流れに納得できない箇所が多くて、そんなに楽しめませんでした。前半に登場するサンフランシスコ一大カーチェイス、本筋に全然関係ないですし(『電気』で走るケーブルカーが爆発してなかった?)、地下では無理矢理なインディ・ジョーンズ風。せっかくしっかりした理由を引っ下げて登場したエド・ハリスを、正義VS悪の図式にはジャマなんで途中で殺しちゃいました、としか思えない展開(敵ボス途中で殺しちゃう、ってねぇ)にも唖然。結局エドの主張、政府の責任の部分は物語上、単なるエッセンスで重要ではないとばかりに有耶無耶にされちゃいますし。刹那的な見せ場至上主義の映画、だったと思うんですけどねぇ。 [映画館(字幕)] 5点(2003-12-05 21:34:46)(良:1票) |
2193. ザ・リング
オリジナルな木や馬のイメージのところは、結構いいと思います。だけど、基本的に日本版と同じで、その日本版もあんまり面白いと思わなかった私としては、こう何度も同じモノ見せられてもねぇ、って感じでした。まあ、アメリカの映画掲示板を読むと、あちらのお客さん達は、結構満足したようですから、いいんじゃないですか?って。完全オリジナルとなるらしい続編に期待したいものです(いや、ホラー嫌いなんですけど)。 5点(2003-12-05 21:21:13) |
2194. さらば宇宙戦艦ヤマト 愛の戦士たち
《ネタバレ》 えーと、今の感覚で見ちゃうと、点数ガタ落ちしそうですが、当時のままの気持ちで書くとしましょう。やっぱり、ヤマトの満身創痍の末の最期、とゆーのには感動しました。明らかに公開に間に合いませんでしたって感じの、ガタガタの作画や、月壊したまんま何故か沈黙しちゃう敵巨大戦艦、反物質なテレサを解放した時点でヤマト特攻は不要なんじゃ?という疑問も、まあ置いといて、ラスト40分の怒涛の展開は、金田伊功、安彦良和といったベテランのウデもあって、今もってこれを越えるアニメはないんじゃないの?って構成力でした(『イデオン』だの『エヴァ』だのになると、ドラマより生理的嫌悪感が先に立ちます)。壮絶な攻撃、破壊の中で次々と倒れてゆくキャラクター達、そして最後は一転して静かに、ゆっくり淡々とその最期を描きます。当時の、前時代的な特攻精神だのナンだのという批判は的ハズレで、単に滅びの美学に酔いしれてただけだったんですよね。ここで潔く姿を消していたなら伝説になれたのに・・・。そうそう、よくブログとかで「映画を見て号泣した」とか書く人がおりますが、私が映画館でマジで号泣している人を見たのは今のところ、この映画が最初で最後ですよ。小学生の女の子グループでしたが。 [映画館(邦画)] 8点(2003-12-05 21:10:50) |
2195. さよならジュピター
《ネタバレ》 革新的な特撮!のハズが、どう苦労して目をごまかしても、やっぱり指先大にしか見えないシャトルとか、がたがたごとごと音立てそうなマスクのズレ。えーと、この映像で「2001年」を越える、そうおっしゃるので?と思ったのも束の間、映画はシンプルなストーリーラインに、どうでもいいようなジャマくさいプロットをたくさんぶら下げ始めて迷走、スクリーン上に展開するドリフのコントみたいな映像の行進に呆然としているうちに、マーク・パンサーがお姉ちゃんに「そげなこと言うでなか!」と叱られユーミンが流れてくる・・・。うーん、ツッコミの数で「2001年」を越えるという意味でしたか。 [映画館(字幕)] 1点(2003-12-05 20:40:47)(良:1票) |
2196. さよなら銀河鉄道999 アンドロメダ終着駅
《ネタバレ》 鉄郎、この物語上では、ちっとも役立ってないし・・・。しかも物語にケリを付けるサイレンの魔女は、伏線くらい張っとけよ~、って感じでしたしねぇ。唐突に出てきて、全てを解決~。デウス・エクス・マキナのステキなサンプルと化してどーすんの?って感じ。何故、もう一度旅に出なければならなかったのか? その物語としての動機が弱すぎなんです。前作がヒットしたために焼き直しで夢よもう一度、って感じがしてしまって、この物語が存在しなければならない理由がちっとも見えてきません。鉄郎を普通の人から特別な人へ押し上げ、前作との明らかな矛盾を抱え(機械化人、生身の人間が必要なんじゃん)、結局自力解決できないまま終わる物語に、納得できる訳もなく。エメラルダスの「私たちの旅に終わりはないのよ」のひと言に、メーテルは納得できても、こっちは納得できませんがな。 [映画館(字幕)] 4点(2003-12-05 20:10:44)(良:1票) |
2197. 鮫肌男と桃尻女
おバカですね、って感じ。ホメ言葉。最初から最後まで、どーしょーもなくおバカな方々が、おバカやってるだけ。情感だのドラマだの、ほぼ関係なし、リズミカルにバカが駆け抜けてます。中でも脇を固めるバカの強烈な個性ときたら、メインの鮫肌と桃尻がフツーの人間にしか見えない突き抜け加減で、我修院達也なんか、間違って日本映画史に刻まれちゃいそうなくらいのねっとりねばねばした存在感を見せてくれました。まあ、こういう映画があっても楽しくていいじゃん、くらいの映画ですけど。そうそう、劇場のDTSは完璧で、音のバランス最高でした。日本映画もこれくらい音をきっちり作ってくれたら満足なんだけど、と当時思ったんですけど。 [映画館(邦画)] 7点(2003-12-05 19:58:31) |
2198. ザ・プレイヤー
皮肉で面白い映画だと思う一方、所詮はアルトマンの僻みなんじゃないの?なんて意地悪く思ってしまったりも。自分の映画で勝負すれば済むものを、結局ハリウッドが気になって仕方ないんです!宣言しちゃってるよーなモンで。土俵の広さを認めずにひとり相撲を取ってる、まるでアメリカの井筒監督のよーな感じがしちゃいますよん。 6点(2003-12-05 19:41:23)(笑:1票) |
2199. ザ・フライ
テーマと描写が、必ずしも一致してるとは思えないなぁ、と思いました。取りつかれた男と、それを愛した女の哀しみを語っても、一方で描きたいのはぐちょぐちょホラーなんでしょ?って感じがしてしまって。ぐちょぐちょに意味を持たせてる映画に、私は作者の「自分がやりたいのは哲学的な事なんです」という言い訳がましさを感じてしまうんですけど。まあ、クローネンバーグの場合、そのぐちょぐちょ(肉体に異物が入り込んでくる恐怖)こそが永遠のテーマだったりするので、判らないでもないんですけど、いかんせん、この映画、ホラーホラーしてましたからねぇ。ホラーを低く見てるつもりはないんですけど・・・。 6点(2003-12-05 19:32:28)(良:1票) |
2200. さびしんぼう
前半の暴走おバカ映画ノリと、後半の悲しい物語とが、きちんと1つの映画の中に同居していて、深い余韻を残す映画です。お父さんがお風呂で言う「人を好きになったなら、その人の欠点まで含めて全部好きになれ」ってセリフ、それがマドンナとさびしんぼうの、見えない部分に対する想いになってゆく流れは秀逸。甘く切ない、だけどおバカ映画としてもなかなかに高ポイントな映画なのでした。 [映画館(邦画)] 8点(2003-12-05 15:01:44)(良:1票) |