2321. ニック・オブ・タイム
そもそもの設定にムリがあるので話に入り込めません。妖気漂うクリストファー・ウォーケン。いい仕事をしています。 [DVD(字幕)] 6点(2011-07-29 23:46:04) |
2322. 豚と軍艦
若さの特権かのように描かれる弾けるエネルギー。その発散の仕方が肝心と思わされる事を、走り回る豚たちのような無秩序なものであった青年の末路が表しています。 [DVD(邦画)] 4点(2011-07-29 23:42:48) |
2323. 噂の女
娘が母に代わって、店を切り盛りしている姿に、それまでの曲折を思い感慨深いものがありました。監督の女性に対する労わりと励ましが仄かに滲み出ている秀作。 [DVD(邦画)] 7点(2011-07-29 23:21:03) |
2324. ミュンヘン
スピルバーグ特有の、人殺しの描写における「どうしてそこまで」という凄惨さにウンザリしますが「お前だけが嫁や子供と幸せに暮らせると思うなよ」という声なき声に怯える主人公のザマに活かされており、高邁な大義名分のご都合主義が浮き彫りにされています。 しかし、もう一つの特有であるダラダラとした語り口は何にも活かされておらず、ウンザリするだけでした。 [DVD(字幕)] 3点(2011-07-29 22:54:04) |
2325. ディア・ハンター
《ネタバレ》 ロシア系移民の街に暮らす男女の群像劇としては見応え十分。晴れやかで華やかで人情味溢れる披露宴の模様と嗚咽しながらスクランブルエッグを作る姿を重ね合わせると、胸が詰まってしまいます。しかし、反戦劇としてはあまりにも安直でした。戦地でのロシアンルーレットが、捕虜拷問では飽き足らず賭け事の対象である事はまさに悪趣味の極み。破滅へと追いやられたニックの胸中は示されず、戦争の狂気を示すものがスプラッターホラー如きなのはお粗末です。そして復員したマイケルが始終軍服姿である事に監督のわが軍は正義なりという本心が見えて白けてしまいました。 [DVD(字幕)] 2点(2011-07-16 15:25:58) |
2326. パッセンジャー57
ストーリーに捻りがないので、特異なテロリストのリーダーのキャラと、キレのあるテロ対策専門家のアクションが活かされておらず、単なるドンパチを見せつけて「はい、オシマイ」という作品。鑑賞後は余韻を感じることもなく呆気にとられるばかりでした。 [DVD(字幕)] 3点(2011-07-03 12:51:17) |
2327. ビッグ・ガン
月並みなストーリーなのですが、アラン・ドロンの面持やカーチェイスが醸し出す張り詰めた緊張感に魅入りました。最期の眼差しに余韻が残ります。 [DVD(字幕)] 7点(2011-07-03 01:24:20) |
2328. デストラップ/死の罠
マイケル・ケインの目力を改めて実感します。何となく想像した通りであったラストにがっかりしましたが、二転三転する中での登場人物の絡みは見応えがありました。 [DVD(字幕)] 6点(2011-07-01 19:34:20) |
2329. さらば友よ
物語の「起」の拙さを忘れさせられる「承」「転」「結」が素晴らしい。オーラ全開の両優と、彼らの友愛模様を引き立たせた刑事役のベルナール・フレッソン。三者の心模様に痺れっぱなしであったところにあの結末。掛け値なしの名シーン、映画史に残るラストショットでありました。 [DVD(字幕)] 8点(2011-07-01 19:26:46) |
2330. キャッツ&ドッグス 地球最大の肉球大戦争
ストーリーの他愛の無さは想定内。ビジュアルはハイテク化が進んでいるも、小賢しさばかり感じて全然楽しめないのは想定外。永らくの希望が叶った続編でしたが、期待外れにガッカリします。 [DVD(字幕)] 3点(2011-06-26 01:49:10) |
2331. 007/美しき獲物たち
《ネタバレ》 初見。ユア・アイズ・オンリーを超える私的 best of 007。一片の情を持たぬゾーリンと、持っていたメイデイ。悪役好きの私のツボをこれでもかと刺激してくれたシリーズ最上の悪役に惚れ惚れしました。見どころたっぷりのアクション(スタントであろうが何だろうが)シーナ・イーストンと甲乙つけ難い主題歌。ロジャー・ムーアのボンド引退の花道を飾ってあげたいという皆の思いが察せられた作品です。 [地上波(吹替)] 8点(2011-06-25 18:52:58) |
2332. 冷血(1967)
《ネタバレ》 タイトルから冷酷非情な犯人像を思い浮かべていたのですが。全く違いました。 逮捕に至るまでの過程は見ごたえありましたが、そこから先がグダグダで辟易しました。全うな一家はあっという間に命を絶たれたのに対し、命で償うまでの時間がかかるったらありゃしない。 [DVD(字幕)] 4点(2011-06-23 23:16:55) |
2333. 哀しみの街かど
《ネタバレ》 ヘレンの変わりっぷりにクスリの怖さを見ました。自分の意志で手を出しておきながら、たびたび見せる泣きっ面がどうにもこうにも鬱陶しい。ラストの二人の未来、私は、ボロボロになってごみ溜めの中で朽ちている姿が思い浮かびました。 パチーノのラリっぷりに、若い時から芸達者である事が窺がえます。 [DVD(字幕)] 4点(2011-06-23 19:15:51) |
2334. 近松物語
《ネタバレ》 上下の隔てのある不義密通。命で償わねばならぬ時代に自分の心に正直に生きた二人。手を繋いだ二人の面持から本懐を遂げた喜びを汲み取れる一世一代の晴れ姿が、覚悟の死地への行進であるラストシーンのこれ以上ない非情さ。その背中にかける言葉がありません。合掌するのみでした。 [DVD(邦画)] 9点(2011-06-22 23:52:34)(良:1票) |
2335. しとやかな獣
団地の一室二間を舞台としたホームドラマ。工夫を凝らしたカメラワークは飽きさせないもののそれ以上の意味を感じません。「獣」と言うよりは飼育ケースの中の食虫植物のよう。気味が悪くて薄汚いと見るか、種の保存の為の堂々とした営みと見るか、結論が出ません。始終交わされる会話の、お上品ぶって取り澄ましてのご丁寧な言葉遣いであっても、中身は恥知らずの下劣である様子から、監督の軽蔑が「しとやかな」に込められているように思えました。本作に限っては若尾文子は山岡久乃の軍門に下っていました。上には上がいるものです。恐るべし。 [DVD(邦画)] 7点(2011-06-19 15:48:15) |
2336. ロッキー・ザ・ファイナル
ロッキーの人柄に励まされた思いが、あまりに現実離れしたファイトシーンにドン引きして醒めてしまいました。 [ビデオ(吹替)] 5点(2011-06-04 19:45:05)(良:1票) |
2337. 007/死ぬのは奴らだ
シリーズならではの魅力を何一つ感じない愚作 [地上波(吹替)] 3点(2011-06-04 19:28:14) |
2338. 英国王のスピーチ
《ネタバレ》 ジョージ6世の吃音症は幼少時に味わった辛酸の後遺症であり、誰にも吐露出来なかったのです。苦しみを背負いながらも、妻子を愛し、ノブレス・オブリージュの精神を持ち合わせている彼が、掛け替えのない友を得て克服に励み、国難に際してのスピーチに臨む。単に原稿を立て板に水の如く読むのではない、一語一句を自身の思いとしてマイクの向こうのラジオの前の国民に語り掛けている。言葉の重みを痛感させられる作品です。コリン・ファースはまさに適役でした。 [映画館(字幕)] 7点(2011-05-19 20:11:37)(良:2票) |
2339. 007/ゴールドフィンガー
ハロルド坂田と金粉まみれの死体と主題歌が記憶に残る本作。観直してみて、つっこみどころ満載の展開ながら、後の作品でエスカレートしてゆく、白けてしまう人間離れした活躍を思うと、作品全体のまったり感もまた良しといったところです。そして、ハロルド坂田演ずるオッドジョブがシリーズ屈指の悪役である事を再認識しました。 [地上波(吹替)] 6点(2011-01-16 12:41:04) |
2340. 死刑台のエレベーター(1958)
気だるい雰囲気に覆われているものの話の中身自体は取るに足りないものでした。ただ、ラストで二人の悪事がそれと共に浮かび上がってくるシーンに、空気を切り裂くような出来事をも淡々と見せるルイ・マル監督テイストを味わえました。 [映画館(字幕)] 5点(2010-12-18 11:00:34) |