221. 私は確信する
《ネタバレ》 2000年にフランスで起きたヴィギエ事件の映画化。妻殺しの容疑をかけられた被告の無罪を勝ち取るべく奔走するシングルマザーであるノラ(彼女だけ架空の人物)が描かれています。被告人との関係が「息子の家庭教師の父親」というだけで、幼い息子や職場に対する責任を放り出してのめり込む暴走には嫌悪感しかありません。ましてや一審の陪審員だったなんて。ドラマの盛り上げ役としても呆れるキャラクター。実際そうなのかもしれませんが、被告は全編通して座っているマネキン状態で重要な立場でありながら意味ない存在なのも盛り上がりません。遺体が無く失踪かもしれない、犯行動機が無い、何時何処でどうやっても不明、それでも控訴までする検察とメディアのセンセーショナルな報道。この部分に見所を感じました。今まで全てこのシーンまでの前振りかと思わされた、唯一良識ある弁護士の最終弁論が聞かせます。結末もカタルシス無く、気の抜けたビールのような作品です。 [DVD(字幕)] 6点(2021-08-15 02:22:13) |
222. パブリック 図書館の奇跡
《ネタバレ》 私的に、図書館=本を借りる場所、本を読む場所。なので、ホームレス面々の歯磨き等の姿にドン引き。 鑑賞後に知った、公共図書館のホームレスが利用する事に対しての消極的な立場と、積極的なサービスを提供するという二つの立場に別れているというのは初耳でした。 エミリオ・エステヴェス、アレック・ボールドウィン・クリスチャン・スレーター・ジェフリー・ライトの手堅い演技は派手さはないものの魅せてくれます。しかしながら、作中から大寒波襲来が感じられず一晩泊めてくれという騒動に逼迫したものが無く今一つ惹き込まれなかったのが残念。全裸になる必要を考えてみても分かりません。 施しを与えるだけでなく、「食うために働く」その意志を後押しする環境を整えるのが立法司法行政のおしごとに思えます。 [DVD(字幕)] 6点(2021-08-04 02:06:33) |
223. エンド・オブ・ステイツ
《ネタバレ》 エンド・オブ・キングダムに続いての鑑賞。体にガタがきているマイク・バニング、濡れ衣を着せられる、父子の絆、ベタながらも「脳筋フェスティバルにはしない」意思を感じる脚本の頑張りが微笑ましい。この親にしてこの子ありのクレイ・バニングを演じていたのがニック・ノルティだったとは分からなかった。健在ぶりが嬉しいところです。今作の大統領はモーガン・フリーマンで守り甲斐のある人物。ドンパチ模様に魅入るところがありました。努力作です。 [インターネット(字幕)] 6点(2021-08-03 01:05:12) |
224. ガーンジー島の読書会の秘密
《ネタバレ》 ナチスに向ける敵意、ドイツ人男性とのロマンス、命を落としたのはアカの他人を救おうとしたため。エリザベスの自分に正直な(過ぎる)生き方は真似の出来ない頭が下がるもの。読書会は抵抗運動のシンボルなのかとの予感は大ハズレで、その時代にその場所で生きた人々の姿が淡々と描かれています。地味だけど会のメンバーの心情が浮かび上がる落ち着いた良作です。リリー・ジェームズのロマンス模様はステレオタイプで可も無く不可も無く。往年の神経質なキャラが印象深いトム・コートネイ(81歳)は、地味な役柄であっても年季を感じさせるお姿で本作の収穫です。 [インターネット(字幕)] 6点(2021-07-27 13:21:21) |
225. ツレがうつになりまして。
ツレの支えになる堺雅人を想像していたのでちょっとびっくり。幹夫が布団を被って泣いている姿に12年前の具合悪かった自分を思い出します。1年ほど苦しみましたが「映画」のお陰で医者にかかる事無く薬に頼ること無く回復出来、5年前の2度目の危機を救ってくれたのも「映画」で前回と違い家族に迷惑かける事無くすみました。堺雅人は良い役者さんです。 [DVD(邦画)] 6点(2021-06-10 16:04:47)(良:2票) |
226. アトミック・ブロンド
リスト奪取と二重スパイの発見というありきたりな筋立ての中で主人公が如何なる魅力を発揮するか。シャーリーズ・セロンはアクションはもとより決して腹の内を見せないエージェントを好演しています。こだわりのアクションに見合ったストーリーをと思ったのでしょう。「三十九夜」が浮かんだスパイグラス(エディ・マーサン 好演に+1点)が目を惹いたのですが、詰め込まれ過ぎた話に集中しようとしても彼女の大立ち回りに阻まれて分かろうとするのを諦めました。キレッキレアクションが持ち味のソフィア・プテラとの一騎打ちを期待していたのですが。どういう意図でああいう関係にしたのか意味不明です。 [DVD(字幕)] 6点(2021-05-02 02:51:44) |
227. しあわせはどこにある
豊かな毎日を送っている精神科医ヘクターが、幸せとは何かが分からないと患者のカウンセリングが出来ないと痛感し幸せ探しの旅に出る物語。中国:ステラン・スカルスガルド、アフリカ:ジャン・レノ、LA:クリストファー・プラマー。この3人目当ての鑑賞でしたが、顔見せゲスト出演で何一つ響いてこないキャラクターでガックリもいいところ。それぞれの地での体験から得た幸せに異議はありませんが、沁み入る事も、よりどころになる事も無く。製作意欲は窺えるものの平板な作品です。 私的には幸せだと思った瞬間が不幸の始まり、逆も然り、であります。 [DVD(字幕)] 6点(2021-04-03 02:40:02)(良:1票) |
228. 幸せへのまわり道(2019)
wikiでのフレッド・ロジャースにトム・ハンクスの役作りの確かさを見ました。名優流石の仕事ぶりであります。取材に来た記者を逆にカウンセリングする物語は良いハナシではあるものの、むず痒いものがありました。自分がすさんでいるのかもしれません・・・・ [DVD(字幕)] 6点(2021-02-25 00:18:21) |
229. 雨粒の小さな歴史
ストーリー的には見るべきものがあるのですが、役者の目つきを始めとする演出のジットリへばりつくような重苦しさに耐えての鑑賞でした。大学生の自主製作というのが驚きで、その才能に敬意を表して+2点です。 [DVD(邦画)] 6点(2020-11-29 01:49:34) |
230. 恐怖ノ黒電話
復縁を迫ってくるDV夫と過去からのストーキング電話を受けるダブルパンチ。なかなか考えられた脚本でグロさが無くとも神経に障る怖さはありました。ただ、パンチに欠けると言うか、本サイト基準そのままの作品でありました。 [DVD(字幕)] 6点(2020-11-14 20:22:34) |
231. パパが遺した物語
25年後のケイティとジェイクの接点が無いのがずっと引っかかっており、喉のつかえがとれて納得できましたが、彼女が荒んでゆく過程が抜け落ちている脚本と、時間の行き来の演出は物足りません。名場面に流れる Close to You はカレンの声で聴きたかったですね。 [インターネット(字幕)] 6点(2020-11-04 01:57:06)(良:1票) |
232. ドント・ウォーリー
《ネタバレ》 他人を赦す、自分を赦す。難しくて出来そうもありませんが、出来たジョン・キャラハンの姿が眩しく映りました。 [インターネット(字幕)] 6点(2020-11-01 03:17:19) |
233. ホテル・アルテミス 犯罪者専門闇病院
私より1歳年長ジョディ・フォスターの老けっぷりに絶句。鑑賞後老けメイク(+1点)と分かりホッとします。婆さんであっても男前な人物は彼女の持ち味が良くでています。 近未来(といっても今から8年後ですが)の闇病院という舞台設定は怪しげな雰囲気が印象的。お目当てバティスタはいかにもな役どころでアクションも陳腐なもの。代わってソフィア・ブテラの見惚れるプロポーションでの大立ち回りが素晴らしい(+1点) なかなか豪華な俳優陣でありながら思わせぶりなだけの脚本がお粗末に過ぎるところがとても残念です。 [DVD(字幕)] 6点(2020-10-26 02:30:56) |
234. ラスト・ディール 美術商と名前を失くした肖像
《ネタバレ》 老画商のイリヤ・レーピン作品を巡る物語。私には大金ですが、巨匠作品が落札価格1万ユーロというのに侘しいというか微妙な思いです。画廊の世界に多少なりとも触れられた事は知識無い身にとっては有意義ではありました。スウェーデン人とフィンランド人の描かれ方も印象深いものがあります。疎遠だった娘と孫との関わりにしみじみとさせられました。 [DVD(字幕)] 6点(2020-10-24 16:50:33) |
235. アイロ 北欧ラップランドの小さなトナカイ
ラップランドを舞台にアイロと名付けられたトナカイ誕生からの1年が描かれたネイチャードキュメンタリー。雪の上に生れ落ち、5分で立ち5分で歩き5分で泳ぎ走らなければ生きてゆけない、半数は生まれて1年以内に死んでしまうというのに驚きです。静寂を湛える大地でトナカイをはじめ、グズリ、オオカミ、キツネ、リス、オコジョの営みが愛らしい。どうやって撮影したのかと驚く映像美に癒され、寒くて引っ張り出してきた毛布にくるまった暖かさに有難みを感じているところです。 [DVD(字幕)] 6点(2020-10-19 10:45:55) |
236. エンド・オブ・トンネル
《ネタバレ》 綿密な作業で強盗達の上前をはねようとするホアキン。強盗団が残忍なのでうっかり彼を応援しそうになりますが目くそ鼻くその類。ベティがパンツ1枚でベッドのホアキンの横に立っているのに「もしかしてこの男はこの幼女を・・・」うさん臭さが増してゆきます。作戦の成否は結構手に汗握るもので強引な決着も許容範囲。ラスト、三人の後ろ姿に冷めた思いが募ります。それとなく匂わす手つなぎショットはインパクトに欠ける演出で物足りません。まぁまぁ面白かった作品。 [インターネット(字幕)] 6点(2020-10-02 14:52:04) |
237. ジュディ 虹の彼方に
ジュディ・ガーランド物語という事で鑑賞。最晩年の姿をレネー・ゼルウィガーが好演しています。回想シーンでダンスパフォーマンスが皆無だったのが物足りません。あの当代随一の姿を再現出来はしないのでしょう。本人の性格もあるのでしょうが、少女時代から撮影の為にと各種クスリ漬けにしたMGMの遣り口に改めて憤る次第です。 [DVD(字幕)] 6点(2020-09-21 19:23:40) |
238. オリ・マキの人生で最も幸せな日
《ネタバレ》 フィンランド映画なのにモノクロな点は敢えてそうしたとはいえ残念。1962年オリ・マキが当時の世界フェザー級王者デービー・ムーアに挑む世界タイトル戦の舞台がフィンランド。国の期待を一身に背負ったオリ・マキが恋に落ちてしまう。浮ついた気持ちのままでの決戦はあっけない。オリ・マキにとってはハッピーエンドなのかもしれないが、献身的にサポートしたトレーナーは立つ瀬がないだろうし、昭和スポ根アニメ世代人間にとっては何か腹立つ結末と邦題。 [DVD(字幕)] 6点(2020-09-01 11:58:04) |
239. 翔んで埼玉
ギャグ漫画のようだと思ったら魔夜峰央作品の映画化だそうで。馬鹿馬鹿しさを体現した美術・衣装・他スタッフの気合いの入った仕事ぶりに拍手。東京テイスティングシーンで初めて気がついたGacktは観るに耐えるお芝居でちょっと意外。大阪府民として爆笑とまではいかなかったものの楽しく観ることが出来ました。「草でも食わせとけ」に子供時分に擦り剥いて泣いてたら父親に「そんなもん、唾でもつけといたら治るワイ」と言われたのを思い出しました。 [インターネット(邦画)] 6点(2020-08-17 16:45:23)(良:1票) |
240. ダーティ・グランパ
糟糠の妻葬儀翌日から孫と過ごすハチャメチャ爺さんのオハナシ。99%がエロくてクスリまみれで気持ち悪い。だけど、1%ホロリとさせる姿を見せるのが、稀代の名優ロバート・デ・ニーロならではか。「マイ・インターン」の落ち着いた佇まいとは真逆な作品に出演するのは、この1%があるからなのか、通販のCMで見かける「男の活力・・・」「生涯現役を目指す男性に・・・・」という思いがあるからなのか聞いてみたいところです。 [インターネット(字幕)] 6点(2020-07-30 14:56:02) |