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とらやさんの口コミ一覧[この方をお気に入り登録する

プロフィール
コメント数 2102
性別 男性
自己紹介 善人が苦労が報われて幸せになるハッピーエンドの映画、
悪人が出てこないゆる~い世界観の映画、
笑いあり、涙ありの人情喜劇が好きです。

2008年11月19日の初投稿から、早いもので10周年を迎えました。
この間、みんシネのおかげで出会ったいい映画もいっぱいありました。
管理人様、レビュワーの皆様、いつもお世話になっております。
これからもよろしくお願いいたします。
2018.11.19

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221.  アンノウン(2011) 《ネタバレ》 
冒頭から序盤は何かの陰謀に巻き込まれたかのようなドクターであるリーアム・ニーソンがミスキャストに思えました。 ドクターにしては結構強そうで…。しかし、このドクターの真の姿が垣間見えるにしたがって、やはりニーソンが演じて正解だと思えました。 まあ、彼がドクターではないことや、職業の大体の方向性は結構早い段階で分かっちゃうんですけどね。 それでも水面下で進行する陰謀劇は最後までなかなか読めずラストのホテルでは、 必要な人は生き残り、そうでない人は残念ながら。よく全てを丸く収めてくれました。この結末にも納得です。 作品のテンポも良くミステリ・サスペンスとしてもエンターテイメントとしても最後まで十分楽しめます。 出番は多くなかったですが、脇を固めるベテラン勢が渋い。威圧感のあるフランク・ランジェラに、 久々に見たドイツの名優、ブルーノ・ガンツの健在ぶりが見られたことも嬉しい作品でした。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2014-08-19 21:18:09)
222.  奇跡のリンゴ
それまでの常識では考えられないことを、 苦難の末に成し遂げる偉人を主人公にした映画って、苦難の時間帯はかなり作品が重たくなるものです。 本作もそうなのですが、主人公夫婦を演じる、 阿部サダヲと菅野美穂の程よい明るさ、朗らかさがいいし子ども達も可愛い。 感動的で心温まるエピソードが随所にちりばめられていて、それ程重さを感じさせません。 寡黙な父にしてよき理解者である、山崎努の存在も効いています。 この家族が津軽のリンゴの農村の中に自然に溶け込んでいます。 リンゴ農家の木村秋則さんの信念とリンゴへの愛情、そして家族愛に支えられて産まれた、まさに奇跡のリンゴのお話でした。
[DVD(字幕)] 7点(2014-05-31 23:46:24)
223.  ブルージャスミン 《ネタバレ》 
アレンのコミカルなヨーロッパ巡りは小休止。(あるいは終了?) アメリカに帰ってきた本作は久々に笑いの要素は控え目、 人生の分岐点を描いた少々シリアスな人間ドラマ。これもアレンお得意のパターン。 アレン映画独特の味わいのある色調に、相変わらず音楽がいい。 ケイト・ブランシェット演じるジャスミン。 “虚栄心”という言葉が真っ先に思い浮かぶ人物像。 かなりイタイお人柄ではあるのですが、 このジャスミンという女性を絶妙のバランスでどこか憎めないキャラクターに仕立て上げています。 また、ジンジャーとのあまりにも違う幸せへの価値観の違いや、 シリアスさのあるドラマの中に登場する男どもの、 少々なさけなくもコミカルなキャラクターもいいですね。 自身の監督作で何人もの俳優にアカデミー賞を獲らせてきたアレンですが、本作でケイトが主演女優賞を受賞。 相変わらず自ら脚本を手掛け、年1本ペースを貫く。 まだまだその手腕に衰え無し、その健在ぶりが嬉しい。
[映画館(字幕)] 7点(2014-05-27 22:50:19)
224.  クロワッサンで朝食を
大女優ジャンヌ・モロー。本当に久しぶりに彼女の新作映画を見ました。 もう80代も半ばに差し掛かる2012年の作品ですが、大女優の貫録と、その年齢を感じさせない力強い演技に圧倒されます。  序盤のエストニアの冬の寒々しい風景。パリに舞台が移ってからも晴天よりも曇天の空模様が印象的。 そして2人の寂しげなパリのエストニア人女性。しかしラストの偏屈な老婦人を演じるジャンヌの、微笑みを浮かべながらの一言「ここはあなたの家よ」に心が温まる。  さて、この邦題でどんな作品が思い浮かぶでしょうか?「ティファニーで朝食を」、あるいは「プルートで朝食を」という映画もありました。 この2作品が思い浮かんだ僕は軽妙なコメディを期待しての鑑賞でしたが、少し重さやホロ苦さのある、どこかすきま風を感じる人間模様が印象的。 確かに何度かクロワッサンは出てくるのですが、邦題としては微妙なところです。
[DVD(字幕)] 7点(2014-04-16 20:10:32)(良:1票)
225.  ミッドナイト・ガイズ
パチーノとウォーケン。既にもう70歳を超えている。さすがに年をとったと感じます。彼らが演じるのは、アメリカのどこかの小さな町の裏社会で、恐らくは下っ端として生きてきたような男たちです。  幾つもの彼らの全盛期の映画を見ているので、その老け具合が切なく感じます。また、演じる役も田舎町の裏社会で生き続けてきて年をとった男たちの悲哀を感じさせます。リアルな彼らの姿と、演じる役の姿が重なり、全編を通して切なさを感じる作品です。そこに少し遅れて登場するアラン・アーキン、彼もまた同じく。  久々に顔を合わせ、3人組になった彼ら。一気に若さをも取り戻したかのような一夜限りの大暴れ。時折挿入されるユーモアも、「娘」、「孫娘」の挿入もいい。一夜の出来事にしては相当盛り沢山になっていますが、全体的には悲哀を感じさせつつも、老いた男たちの友情が熱い人間ドラマです。
[DVD(字幕)] 7点(2014-03-16 18:20:35)
226.  ルビー・スパークス 《ネタバレ》 
架空の人物が現実の世界に飛び出してきて、恋に落ちるというファンタジー。例えばウディ・アレンの「カイロの紫のバラ」のような映画を思い出す作品です。あるいは最近見た映画では、「(500)日のサマー」にもどこか雰囲気が似て、男の独りよがりを軸にしたラブストーリーでもあります。恐らくは切ない結末が待っているのかな・・・。と思いながらの鑑賞で、実際にそんな感じでストーリーは進行していきますが、ラストがよかった。さて、このラストはどう解釈すべきかと思いますが、見る者それぞれに色んなハッピーエンドのその先を楽しく想像することができる、なかなか洒落たラストシーンだったと思います。
[DVD(字幕)] 7点(2014-03-10 21:06:54)(良:1票)
227.  崖っぷちの男 《ネタバレ》 
か弱き小さな個の正義が巨悪に立ち向かう。この構図の映画の場合、実話モノの場合は途中の展開も厳しく、鑑賞後も心にズシリと重いものが残る映画が多い。  一方、本作の場合にはそのような重さも無く、スリルや緊張感を持続させながらも基本的には非常にうまく話が運び、その展開もいいスピード感があります。なぜ主人公の男がこんな危険を冒しているのか真相を明らかにしていく過程も簡潔に分かりやすく挿入されています。  エド・ハリス演じる悪の親玉から証拠の品を入手し、無実が明らかになる瞬間の爽快感も格別。最後は必ず正義が勝つ!こういう分かりやすいエンターテイメントもいいものです。
[DVD(字幕)] 7点(2014-01-26 13:56:56)(良:1票)
228.  シェフ! ~三ツ星レストランの舞台裏へようこそ~
肩の力を抜いたジャン・レノ演じる三ツ星レストランのカリスマシェフと、彼の前に現れた天才肌の無名シェフ。この2人がとても楽しい掛け合いを見せてくれます。特にサムライとゲイシャ?に変装した2人には笑わせてもらいましたよ。  2人とも料理の腕前は確かだけど、どこか抜けていてひと癖ある人物設定が絶妙で、老人ホームの従業員3人組もいい味出しています。そんな彼らが三ツ星レストランの看板を守るべく奮闘する様を程よくドタバタ、程よくほのぼのとした笑いで見せる人情喜劇に仕上がっています。  それと並行して挿入される、2人それぞれの家庭や人生のドラマ。こちらもコメディタッチの中に家族の素晴らしさや日常の中にある幸せをうまく描き出しています。
[DVD(字幕)] 7点(2014-01-25 20:26:31)(良:1票)
229.  毎日かあさん 《ネタバレ》 
原作の知識は全く無い状態での鑑賞でした。小泉今日子と永瀬正敏という、実生活でも夫婦であった2人が主演。どんな思いでの共演だったのかは分らないけど、2人とも好演でした。  キョンキョンは「あまちゃん」でも感じたことですが、平成の今の時代の胆っ玉母さんとでもいうのかな。こんな母親役がすっかり板についてきました。  永瀬もアルコール依存症、戦場カメラマンの頃のトラウマを抱え、終盤は余命僅かというシリアスな設定の中でのコミカルな演技がいい。そこには子役の存在も大きいのですが、2人の子役が可愛らしくて和まされます。自分の余命を自覚した後の彼と家族の日々の姿と、特に今の毎日の幸せをカメラに収めていく彼の姿が印象に残ります。  「泣いてるヒマがあったら笑おう」というキャッチコピーがいいですね。本作の最後、子ども達が母親を励ますシーンは見事にこのキャッチコピーを表していました。
[地上波(邦画)] 7点(2014-01-06 17:22:32)
230.  テイク・ディス・ワルツ
しあわせに鈍感なんじゃない。さみしさに敏感なだけーこの本作のキャッチコピーがなかなかいい。  妻ミシェル・ウィリアムズと夫セス・ローゲン。どこにでもいそうな仲睦まじい夫婦を演じる、この2人が醸し出す空気もいい。でもこの2人、確かに仲がいいんだけど序盤からずっと、あまり話をしていないような気がしていた。それが如実に表れるのが結婚記念日に映画を見た後の食事のシーンです。  そんな日々に現れた1人の青年と夫の間で揺れる思いを演じるミシェルがあまりにも素晴らしい。そして本作のキャッチコピーを見事に体現してみせています。ミシェルの出演作「ブルーバレンタイン」をちょっと思い出したりもします。  挿入曲“video killed the radio star”が印象的であると共に、久々に聴いたこの曲を懐かしく感じた。ラスト、この曲が流れる中、1人で遊園地にやって来たマーゴもまた楽しかった時間を懐かしく思い出していたのでしょうか・・・。
[DVD(字幕)] 7点(2013-12-12 22:28:23)
231.  オン・ザ・ロード(2012) 《ネタバレ》 
ウォルター・サレスのロードムービーと言えば思い出されるのは、若き日のチェ・ゲバラの南米大陸放浪の旅を描いた青春ロードムービー、「モーターサイクル・ダイアリーズ」です。  そして本作は北米~メキシコに舞台を移した青春ロードムービー。静かなる青春ロードムービー「モーター~」とは趣が異なり、思い描いていた作品の雰囲気ではなかったですが、これはこれで楽しめた作品でした。  スクリーンを通してもむせかえりそうになるほどの酒の匂いや煙草の煙が作品に充満している。ドラッグにセックス。より刺激を求めて放浪の旅を繰り返す。まさに今さえ良ければいいという日々。色んな奴らが旅に加わり、旅から離脱していきましたが、そんな中で最後まで行動を共にするのが、その中心的存在であったディーンと、主人公のサル。  しかし、本作の旅の最後の地メキシコで病に倒れたサルを見捨て、ディーンはいなくなってしまう。しかしサルにとってはディーンと離れることになったここが人生の転機となったのか。その後2人がNYで再会するシーンが印象に残る。  いつまでも今さえ楽しければいいという日々が続く訳も無い。かつての輝きはすっかり色あせたディーンの姿が悲しく、その再会シーンを見ながら、途中旅から離脱し、故郷デンバーで水兵と結婚したというメリールウの恐らくは幸せであろう今の姿が思い浮かんだ。豪華キャストが顔をそろえた作品ですが、そのメリールウを演じたクリステン・スチュワートの体当たりの熱演が最も強く印象に残ります。
[映画館(字幕)] 7点(2013-09-13 22:20:58)
232.  終戦のエンペラー 《ネタバレ》 
作品の視点はアメリカ人の側から描かれており、終戦ものとしては日本人にとってはあっさりした作品になっています。東条英機、近衛文麿、木戸幸一といった実在の大物も「天皇に戦争責任はあるのか」というGHQの捜査に対する一証人として登場する程度ですが、これも映画の視点を考えると仕方がないところだと思います。  また、本作はアメリカ人にとっては理解が困難な日本の精神文化や、特に当時の天皇とはどういう存在だったのかという点にも焦点が当てられています。天皇の登場はラストのマッカーサー邸での会談のみですが、2人が並んで映った写真と共に有名なこの会談を見せてくれただけで十分だと思えました。  日本に思い入れがあり、日本というものを理解しようとし、終戦直後の日本であの立場で、当時の日米の置かれた状況と天皇をどう処遇すべきかを感情論ではなく冷静に分析できるアメリカ人がいた。本作のいい所はその名が広く知られたマッカーサーではなく、フェラーズ准将を主人公としたところだと思います。  もう1つ描かれているのがフェラーズと日本人女性アヤのロマンス。ここにはフィクションが含まれているようですが日本人女性との出会いが、フェラーズが日本について学び日本への思い入れが深まることになる重要なきっかけになっています。  マッカーサーは本作では脇に回っていますが、演じたトミー・リーは流石に貫録のある存在感がありました。
[映画館(字幕)] 7点(2013-07-31 18:20:06)(良:1票)
233.  ミケランジェロの暗号 《ネタバレ》 
友人、いやそれ以上の関係で子供のころから育ったユダヤ人の画廊の息子と、その使用人の息子のSS将校。その立場が2人の置かれた状況を変えながら度々入れ替わる。  そこに、この2人から愛された1人の女、母の命、ドイツとイタリアの2国間の関係、本物のミケランジェロの絵の行方を常に時間的制約をもたせながらスリリングに巧く絡めています。なかなか良く練られた人間ドラマでした。  一方、本物のミケランジェロの絵は一体何処へ?というミステリでもあるのですが、こちらの方はかなり分かりやすくなってしまっています。この邦題も良くない。本物の絵の行方は何か暗号化されていると言っているようなものであり、そうなるとかなり的は絞られてしまいます。  ナチスとユダヤの関係を描いたヨーロッパ映画は実話ものを中心に非常に重く辛い作品が多いのですが、近年ではユダヤ人教授とヒトラーをコミカルに描いた「わが教え子、ヒトラー」という作品もありますが、本作もその重さがかなり抑えられた作品となっています。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2013-07-28 00:43:04)
234.  砂漠でサーモン・フィッシング
原作未読なので何とも言えませんが、映画としては色んなことを詰め込みすぎている感はあります。「イエメンの砂漠の川に鮭を放流し、遡上させる」という壮大にして困難なプロジェクトに挑む人間ドラマとしては、かなりあっさりしている。  プロジェクト自体よりも、プロジェクトにかかわる2人のロマンスを中心にした登場人物の心の機微を描いた人間ドラマに軸足が置かれています。マクレガー演じる、善人だが人生のうまくいっていない一時期を生きる水産学者。彼はこういう役を演じると抜群にうまいし、お相手のエミリー・ブラントもやはり好演しています。心の機微を表現する2人の繊細な演技が素晴らしかったです。  後半は登場人物の様々な事情が交錯し少し重さもありますが、重さのあるドラマながらも作品はコメディタッチで、イエメンの大富豪の大らかさのある人物像がよく効いています。  最後はハルストレム監督独特の、重さの中にも爽やかさを感じさせてくれる佳作です。
[映画館(字幕)] 7点(2013-07-11 23:16:01)(良:1票)
235.  天使の分け前
暴力に明け暮れ荒んだ毎日を生きていた主人公の青年ロビー。恋人と生まれくる子どものために、今度こそはと更生を決意する。  裁判で社会奉仕活動を言い渡されたちょっとトホホな仲間たちと、旨いスコッチウイスキーには目がない愛すべき社会奉仕活動の指導者の姿をコメディタッチで描きますが、そんな中にいかに更生を決意しようともそれが容易ではない社会や雇用の厳しい情勢を挿入する。コメディとは言え、このあたりはいかにもケン・ローチらしいところです。  主人公ロビーに関しては必ずしも共感出来ることばかりではありませんが、この愛すべき社会奉仕活動の指導者が彼らを見守る視線こそケン・ローチの視線であり、そんな人間を見つめるローチの視線は本作でもやはり優しい。  スコッチウイスキーの香り漂うスコットランドの美しい風景描写も見どころです。ウィスキーの製造過程で生じる「天使の分け前」の意味の説明は作中でなされますが、ラストに登場する、もう1つの「天使の分け前」が何とも素敵。これが鑑賞後にとてもいい余韻を与えてくれます。
[映画館(字幕)] 7点(2013-04-15 22:25:10)(良:2票)
236.  ブルーバレンタイン 《ネタバレ》 
ある男と女が出会い愛が芽生え結婚に至る過去と、その結婚生活に行き詰る今を同時進行で描く。特に今のパートに関しては切ないというか、見ているのが辛い映画です。  2人それぞれに楽しかった日々を思い出すかのように、「今」の合間に挿入される幸せそうな過去の2人。揺れる手持ちカメラの映像の中の過去の2人は不安定でもありますが、若さや躍動感が伝わってきます。それだけに今の疲れたような2人との対比が痛々しく辛い。  結局は2人が別れるまでを見せる作品ですが、映画だからこそ、愛する娘と共にもう一度再生の過程を歩み始める2人の姿で終わってほしかった気もします。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2013-03-01 21:22:29)(良:1票)
237.  キラー・インサイド・ミー
本作のケイシー・アフレックは凄かった。彼が演じた男の行為の数々は勿論のこと、無表情、弱々しい声などの全てが見事なまでの抑揚のない演技で見る者に不快感や嫌悪感を与える。  周りはみんな自分のことを知っていて、(本作の場合表の顔と言うべきでしょうか)過去から今に至るまで誰かがどこかでつながっている。大都会の片隅で起こった事件ではなく、みんな顔馴染みという中西部の狭い田舎町という舞台設定も重要なポイントだったと思います。  序盤にケイシー自身が「この町には悪党なんていないんだよ」と語りますが、挿入されるカントリーミュージックに代表されるように、妙なのどかさの中にある陰惨さに非常な恐ろしさを感じます。  作品と全然関係ない話なんですけど僕はプロ野球は阪神ファンなのですが、ケイシーが演じた「ルー・フォード」と言う名前、何年か前に阪神にいたダメ外人と同姓同名。不快感だけでなくヘンなことまで思い出させていただきました。
[CS・衛星(字幕)] 7点(2013-02-02 16:04:55)
238.  人生の特等席 《ネタバレ》 
本当は上手くやっていきたい。しかし我が子との向き合い方に悩み続けてきた少々偏屈な頑固オヤジ。イーストウッドが俳優として一旦区切りを付けた傑作「グラン・トリノ」を思い出した。  俳優としての復帰作は、長年自身の元で働いてきてくれた愛弟子の監督デビュー作。ロバート・ロレンツにとっても師匠イーストウッドはやっぱり頑固オヤジだったのでしょうか。  ブレーブスの老スカウト、イーストウッド。一方敏腕弁護士の娘、エイミー・アダムス。共にそれぞれの職場で微妙なチームの一員に自身の居場所を脅かされている。父と娘のドラマと、それぞれの仕事が同時進行で進んでいき、最後はそれぞれの微妙なチームの一員がミスを犯し、父と娘の関係も修復への道を歩み出す。個人的には安心して見ていられる、こういうドラマは好きです。  最終盤で、序盤に登場したピーナッツ売りの若者や、スランプに陥った自身がスカウトした若手選手のその後を出すあたりは、忘れかけていた序盤のちょっとした登場人物を上手く活かしていたと思います。  引退を考え始めるイーストウッド演じる老スカウト。しかしラストでチームは契約延長を申し出る。これは「クリント、引退なんてまだまだ先だよ。」そんなロバート・ロレンツからのイーストウッドへのメッセージであるようにも思えました。
[映画館(字幕)] 7点(2012-11-30 23:12:29)(良:1票)
239.  裏切りのサーカス
東西冷戦下のスパイの哀しき人間模様を描いた重厚感のあるドラマ。  どちらかというと謎解きに軸足が置かれており、サーカスの上層部に紛れ込んだ“モグラ”の正体を捜査していく老スパイ、スマイリーを演じたゲイリー・オールドマンの渋くも威圧感のある演技を堪能しました。更に登場しない重要登場人物である、謎のソ連の大物スパイであるカーラ。姿は見せずに見事にその意志や作品の中での存在感を出させていたと思います。  鑑賞に集中力を求められる作品ですが、考えてみればモグラの容疑者はかなり絞られています。最後にモグラの正体を明かしますが、モグラを含めた容疑者の人物描写が終盤まではかなり少なく、ちょっと時間が足らなかったかという気がします。
[DVD(字幕)] 7点(2012-11-07 23:57:08)
240.  WIN WIN ダメ男とダメ少年の最高の日々 《ネタバレ》 
監督しての前作「扉をたたく人」に続き、自らが脚本も手がけいい映画を撮りますね。トム・マッカーシー。  「扉をたたく人」と本作、共通するのは人生や仕事に行き詰った老人や中年男が事情を抱えた若者との出会いをきっかけにもう一度人生の活力を取り戻していくというストーリー。前作は温かみの中にアメリカという国が抱える問題を挿入し、本作ではほのぼのとした笑いの中に現代社会が抱える問題を巧く挿入しています。  ジアマッティ演じる中年男と彼が出会う複雑な事情を抱えた少年の2人をつなぐ大きなものして作品の中心にあったレスリングのシーンがとても良かった。終盤はそのレスリングの存在感が薄くなってしまいましたが、少年の方は長らく会っていなかった母が突然現れた時には拒否したハグを、ラストでは自然に受け入れていた。ジアマッティの方も何とか日常に安定を取り戻した様子で作品は終わる。最後には2人それぞれのこれからにささやかな希望を感じさせてくれました。  監督トム・マッカーシー、今後僕の注目の監督さんになりそうです。
[DVD(字幕)] 7点(2012-10-27 22:26:25)
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