221. 女体渦巻島
これは何と言ったらいいか・・・ 石井輝男ワールド全開というか、B級路線の極みというか、うぅむ。。 石井輝男好きとしては、ここで感想を終わらせたい作品なのだが、強いて感想を言えば、 「石井輝男を好きな人なら間違いなく楽しめる内容。そうでない人には無理な内容。」 って感じかなぁ。 それにしても、吉田輝雄に天知茂のご両人。 いずれもひけをとらずニヒル! 特に天知茂のニヒルぶりと成りきりぶりは凄い!の一言だ。 そして、三原葉子は相変わらず顔が下膨れである。 [CS・衛星(邦画)] 6点(2009-05-04 23:12:42) |
222. ふくろうの河
《ネタバレ》 DVDに収録されているオムニバス版を鑑賞した。 3話収録されている中では、3話目にあたる、「河における絞死刑の顛末」を描いた話がダントツで良かった。 これがアカデミー短編賞を勝ち取ったのもうなずける面白さ。 映像良し、音楽良し。 そして、河を逃げるあの躍動感が最高である。 逃げ切った後に、河岸の砂の上で無邪気にはしゃぐ、あの気持ちに感情移入しまくり! 観ているこちらも、生きている喜びを感じさせられる素晴らしいワンシーンだった。 ちなみに、最後の夢想オチは要らないのでは? 命からがら逃げ切って、愛しい女性に出迎えられて、はいオワリ。 それの方がスカッ!として、良かったのではないか、と。 でも、まぁ、3話を通して、戦争の持つ残酷さと哀しさが表現されている流れからすると、このオチも妥当とは思うが、、うーん。。 [DVD(字幕)] 8点(2009-05-03 21:02:47) |
223. 東京流れ者
何が良いのか分からない。 渡哲也も二谷英明もかっこいいとは思えない。 東京流れ者のしつこいテーマソングに飽き飽き。 流れ者だから女を捨てるってのも別にかっこいいとは思わない。 映像も普通。 話もつまらない。 アクションシーンが凄いとも思わない。 っていうか、鈴木清順が偉大だとは思わない。 [CS・衛星(邦画)] 1点(2009-04-26 01:16:58) |
224. 黒い画集 第二話 寒流
《ネタバレ》 これはこれは、胸がすくほどの傑作バッドエンド。 これでもし都合よくラストで池部良が救われたなら、凡作となっていたに違いない。 二転三転する出来すぎた展開に、途中、不安になったが、ラストのひねりなし、情け容赦なしのバッドエンドで不安解消! ストーリーを二転三転させて最後に悪者をやっつける、といった陳腐な娯楽サスペンスとなることなく、弱肉強食の世界を痛烈に表現したのは見事と言うほかない。 要するに池部良は新珠三千代に溺れさえしなければ何も起らなかった。 女に溺れたが為に、順調な出世街道から外れ“寒流”に流れされた。 家族にも逃げられた。 全ては女に溺れたのが原因だ。 男がその全人生をかけて築き上げてきた社会的地位が、たった一人の女性と懇意になったが為に、あっという間に崩壊してしまったのである。 なんという怖い話であろうか。 女というものの奪い合いから生じる人間関係の歪み。 そこから生まれる嫉妬や憎悪。 本当に怖い。 これはおそらく、守るべき物を沢山持っている人ほど怖い話なんじゃないだろうか。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2009-04-22 22:44:01)(良:1票) |
225. 黒い画集 ある遭難
《ネタバレ》 (全面ネタバレ)『黒い画集 あるサラリーマンの証言』にひき続いて鑑賞。 本作はこの作品と全く同じ展開だった。 物語の主軸となる、ある犯罪があって、それに関わるある登場人物は自分本位の考えに基づき、ある行動を実行する。 その行動は一時は成功するが、最後には鉄槌が下され、罰を受ける。 それで「終」という流れ。 松本清張の小説は読んだことがないので、このパターンが松本清張作品の王道なのか、それとも単なる「黒い画集」シリーズ特有のパターンなのかは分からない。 いずれにせよ、パターンが決まっているから、先は読める。 その点はつまらないのだが、作品全体に漲る緊張感や、人々の奥底に潜む「暗黒」の部分を描き出している点において、この「黒い画集」シリーズは非常に面白い。 殊に、本作に関しては、90分という尺の中で、最初の60分は何事もなく進行し、犯人を追い詰めだすのは残り15分をきってからという、意表をつく面白い時間配分が施されている。 そして最後の5分で急展開。 最初の60分のいたって平坦な展開が嘘の様に、急転直下するのだ。 最後の種明かしも面白いが、この緊迫感に満ちた何も起きない最初の60分はもっとゾクゾクする魅力がある。 この作り方が実に良い仕上がりを見せている作品である。 更に3本目『黒い画集 第二話 寒流』を観るのが更に楽しみになってきた。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2009-04-21 22:28:51) |
226. 黒い画集 あるサラリーマンの証言
《ネタバレ》 脚本が全て、原作が全てといった内容で、ひたすらストーリーで見せる。 1時間半飽きさせない内容だった。 結局、小林桂樹演じる男が最終的に不幸になった原因は、愛人をかこうという、世間におおっぴらにできない自分勝手なことをしていたからに他ならない。 つまり身から出た錆。 愛人なんかかこっていさえしなければ、証言を曲げる必要もなかったわけだし。 完全にこの男の自業自得で、感情移入はできなかった。 しかしながら、二転三転する展開と、小林桂樹の熱演、サラリーマン社会のリアルな描写など、しっかり楽しむことができた。 「黒い画集」シリーズ、もっと観てみたい。 [CS・衛星(邦画)] 7点(2009-04-21 00:26:59) |
227. 展覧会の絵
手塚治虫があらゆる技法を駆使して、撮りあげた30分ほどの短編アニメーション。 内容はかなり暗く、観た後に気分がダウンした。 [DVD(邦画)] 3点(2009-04-13 20:04:52) |
228. 椅子
《ネタバレ》 アニメーション全集に収載されていたので、てっきりアニメーションかと思いきや、そうではなかった。 椅子しかない部屋に人を閉じ込めたら、どんな動きをするか。 それをただフィルムに撮っただけの作品で、面白くも何ともない。 実験的精神は認めるが・・・ [DVD(邦画)] 3点(2009-04-13 20:02:54) |
229. アオス
グロテスク極まりない、しょーもないアニメ。 [DVD(邦画)] 0点(2009-04-13 20:01:55) |
230. LOVE
《ネタバレ》 女が男を「ラブ!ラブ!」言いながら、ひたすら追いかける。 これが、単純な絵柄なのに、えらく恐ろしく感じた。 [DVD(邦画)] 1点(2009-04-13 20:01:03) |
231. 人間動物園
相当に前衛的なアニメーションだが、はっきり言ってわけがわからない。 [DVD(邦画)] 1点(2009-04-13 20:00:03) |
232. ウイークエンド(1967)
自身のゴダール作品鑑賞数も本作で30本を数え、ついにゴダール30本を達成することができた。 その記念すべきゴダール30本目は、やっと観れましたの『ウイークエンド』だ。 60年代ゴダール作品としては、唯一未見として残っていたのが、大物の本作。 まあ、観られただけでも嬉しいかな。 ストーリーは当たり前の様に無視ということで。 印象的なシーンは、やはり中盤の長回しによる渋滞シーン。 耳をつんざく様なクラクションの雨あられ。 その渋滞の先にあったものは・・・ 何となくサスペンスな雰囲気に満ち溢れ、退屈なのに何故か目を離せない魅力に満ちている。 だけど、どこか退屈。 だけど刺激的でもある。 そんな不思議な魅力を持った作品だ。 しかしフランス映画は、やっぱり体を張った危険なシーンが無意味に出てくるなぁ。 本作でもその特徴は散見された。 一歩間違えたら撮影中に事故が起りそうなシーンの数々は、フランス映画のスパイスとしてどれだけの役割を果たしているのだろうか。 これだけのフランス映画、ゴダール映画を観てきた現在においても、それは判然としないのである。 さて、ゴダール30本達成に安堵の想いをはべらせつつ、本作のレビューを閉じたいと思う。 [映画館(字幕)] 5点(2009-04-04 20:54:20) |
233. 雁の寺
はっきり言って、一度観ただけではその魅力を理解することなんか到底できなかった。 そんだけワケが分からない。 ただ一つ言えることは、「閉鎖的な寺」「スケベじじぃ坊主」「若き女性」というキーワードが重なっただけで、まことに淫靡な世界が出来上がるということだ。 この設定だけで、はっきり言って十分面白い。 ラストの意味ありげなショット、恥ずかしながらよく理解できず。 つまりは、この作品の意味、凄さ、魅力も理解できなかったということだ。 これは惨敗だ。 この映画に私自身が負けたという感じ。 大映映画の重厚でいて荘厳な雰囲気がバリバリ発散され、そこに川島風味が重なり、ただごとではない雰囲気が出てるのに、その魅力がいまひとつ理解できない。 これは久しぶりに悔しい作品を観たものだ。 何度も観るにたえる作品と言えるだろう。 [DVD(邦画)] 6点(2009-03-28 23:00:22) |
234. 鳥(1963)
《ネタバレ》 鳥がただ襲ってくるという内容なんだけれど、その映像美とヒロインの美しさによって特別な雰囲気を醸しだしている。 ヒロインの着ている緑色のスーツがとにかく綺麗だし、ブロンドヘアーも鮮やか! これだけで十分に堪能できる。 内容としては、何故、鳥は襲ってくるのか?といったミステリーを投げかけるもの。 でも、理由は最後まで明かされない。 これは投げっぱなし以外の何物でもない。 収拾がつかず、そのままドボン。 評価は分かれそうだが、個人的にはマイナスかなぁ。 でも、鳥が襲ってくるのは、理由なき自然災害と同じと考えれば納得がいくか・・・ [DVD(字幕)] 7点(2009-03-23 19:40:14) |
235. パリところどころ
《ネタバレ》 まあ、かつてのヌーヴェルヴァーグ族が揃い踏みで作り上げたオムニバスだが、意外と物足りない印象。 「なんじゃ、こりゃ」的な作品もいくつかあったが、エリック・ロメールのと、クロード・シャブロルのは結構楽しめた。 このオムニバスには沢山の女性が出てくるが、魅力にイマイチ欠ける女性ばかりなのは何故だろう。 単なる、私の外見的な好みの問題かもしれないが、どうにも魅力を感じられる女性が出てこなかった。 ただし、シャブロルの作品で「ブロンドの家政婦」が出てきたが、これだけは例外! あんなエロチックな家政婦が欲しいな♪って気持ちに・・・ ゴダールのは、ゴダール的ではあったが、いつものゴダールよりも比較的分かりやすいゴダール作品だった。 だけどやっぱり話は複雑で、観た後にイチイチ考えさせられて頭が疲れる。 そんなところはやっぱりゴダールらしさが出ていた。 最後に全体的に見て印象的な部分を挙げると、ロメール作品の前半の部分。 パリの凱旋門の歴史を聞かされて「ふ~ん」と思わず唸ってしまった。 勉強になった。 あと、殺してからの(実際は殺してなかったわけだが)逃亡劇もなかなか痛快で良かった。 それと、シャブロル作品の、耳栓をして瞬間的に無言劇になるという演出。 これも意外なほどに楽しかった。 にしても、このオムニバスは「夫婦」というものを、ただやかましくて面倒でマイナス的なものとしてか表現していないのが、よろしくない。 もう少し前向きになるような表現をしてくれよ・・・ [CS・衛星(字幕)] 6点(2009-03-11 22:21:07) |
236. 輪舞(1964)
《ネタバレ》 ジェーン・フォンダ、アンナ・カリーナ、カトリーヌ・スパークと、相変わらず監督のロジェ・ヴァディムは女優選びのセンスが良い。 美女を作品にかき集めることにかけてはセンスと力があるが、それらの女優を魅力的に映すことができるかに関しては、疑問符が付く。 この作品に限らず、ロジェ・ヴァディム監督は、美しき女優を美しく撮ることが下手である。 美しい女優を自らの作品に出演させる手腕を持っていればこそ、余計に残念だ。 内容は、何ら脈絡がなく、男女の出会いと情事をひたすら綴っていく。 ただワンパターンに男が下心丸出しで女を口説き、女は嫌々言いながら最後は身を委ねる。 そしてことが終わった後には、女は逆に男に対して愛を求めるのだが、男の方はことが終わった途端、さめてしまう。 そんな幾つかのお話を、数珠つなぎにして一本の映画にしただけの内容で、はっきり言って物足りない。 でもまぁ、出てきた女優の中では、ジェーン・フォンダが一番綺麗だったけどね。 本作の後、ロジェ・ヴァディム監督は、ジェーン・フォンダと結婚したわけで、そういう意味では悔しいけどね! [CS・衛星(字幕)] 3点(2009-02-16 23:30:02)(良:1票) |
237. 世界大戦争
核戦争に対する反戦映画としては良くできている。 だが、どうも核戦争の脅威を煽ることに懸命になりすぎて、どこか地に足が着いてない内容になってしまっている気がする。 核戦争の脅威と悲惨さをうったえる為に、ここぞとばかりにベタな人間ドラマが展開される。 この部分に関して言えば、ベタながらも、さすがは東宝!という感じ。 実にソツがない。 これだけでも結構楽しめてしまった。 それに大して特撮の部分。 これはNG。 実際の部分と特撮の部分とが完全に分離していて、どのシーンが特撮か全て分かってしまうのがネック。 もちろん、時代を考えれば良くできているし、ヘタなCGより断然マシなのだが。 それと、出てくる人物達が、核戦争を目前にして、とにかく嘆くのが共感できない。 もちろん、明るい未来を核戦争によって突然奪われると知ったら、さぞかし悲しいだろうが、もう少しカラっとした人がいてもいい気がする。 ラストの船上のシーンでは、それが少し垣間見れたので良かったが。 [映画館(邦画)] 6点(2009-02-15 16:54:02) |
238. ダンケルク(1964)
《ネタバレ》 アンリ・ヴェルヌイユにジャン=ポール・ベルモンドの組み合わせということで、食い付いた私。 同じくヴェルヌイユ作品の『ヘッドライト』の様な作品を想像していたが、これがなんと単なる戦争映画だったので、テンションも落ち込んだが・・・ しかししかし、これがなかなか素晴らしい内容。 戦争映画っていうと、アメリカ映画や日本映画を観すぎているせいか、「撃ち合い」「仲間との死別」「残忍で生々しいレイプシーン」「上下関係」などばかりをイメージしてしまいがち。 そういった、日本人が戦争映画に対してイメージする様な内容とは全く違った渋みを持った作品だった。 主人公のベルモンドは、隊から離れて戦地をブラブラとしている。 そこで巻き起こる数奇な運命の数々。 とびっきり綺麗な女性との出会い。 粋な同盟軍兵士とのいっときの友情。 仲間との離別。 そして最後には自らの死。 そういった、まるでロード・ムービーを観ているかの面白味がつまった内容だった。 なんてことのない平坦な流れなのに、何故か心地良く見入ってしまった戦争映画だった。 戦争映画を観て、こんな気分になったことは、今まで一度もない。 それは、ドンパチや安っぽいヒューマニズムと反戦思想の渦巻いたアメリカ戦争映画や、敗戦国としての重荷を背景に背負った重苦しい日本戦争映画ばかりを観ていたからこその衝撃だった。 ベルモンドと束の間の愛を交わす少女にカトリーヌ・スパーク。 いやはや、息をのむほどに美しい。 顔がどうとかというより、全身から放たれる匂い立つような魅力。 抜群のプロポーションと美しいブロンドヘアー。 これにやられた! 運命の皮肉と戦場における美しき少女とのロマンス。 そしてロードムービー色の強い流れるようなストーリー。 個人的に、50年代、60年代のフランス・イタリア合作には良い作品が多いというイメージを持っていたが、そのイメージは本作でも見事に保たれたのである。 [CS・衛星(字幕)] 8点(2009-02-12 21:40:27) |
239. ウエスト・サイド物語(1961)
人間的に深みのない男たちと、繊細な魅力に欠けるグラマーなだけの女たちの物語。 浅薄なアメリカ文化が、最も端的に現れた作品。 アカデミー賞10部門に輝き、アメリカによる自作自演の自画自賛。 ただ一つ評価すべきは、後年にアメリカ映画が築き上げた方程式、“勧善懲悪”“ご都合主義”といった要素が見当たらないことだ。 いずれにしても、辛抱を要した2時間30分であった。 [CS・衛星(字幕)] 1点(2009-02-10 01:30:00)(笑:1票) |
240. 反撥
若き日のカトリーヌ・ドヌーヴが、その性的魅力をプンプンと匂わせ、狂気に満ちた女性を自然に演じたサイコ・スリラー。 終始、ネグリジェのようなキャミのような、露出度の高い服を身に纏い、観ている私を誘惑する。 途中、脚を露わにしたドヌーブに欲情し、衝動的にドヌーブにのしかかる管理人が出てくるが、その気持ちよく分かる! あのスタイルに、あのブロンドに、あの脚を二人きりの密室で見せられたら、あのスケベ管理人でなくとも、どうなるか分からないね。 後半はひたすら幻覚に襲われ、精神的に壊れたドヌーブを繰り返し見せる展開。 これは少々、くどい。 それより見所は前半部分か。 姉の連れこむ男や、自分のボーイフレンドを嫌悪の対象とみなしながら、妄想するのは知らない男に犯される状況ばかり。 性に対する好奇心と嫌悪感が織り交ざり、精神に不安定をきたしている思春期の少女を描いているかの様で面白い。 ドヌーブは本作の2年後にブニュエルの『昼顔』で、若干23歳にしてガイコツのような老け込んだ状態になってしまうが、本作ではまだかろうじて若い魅力が残っており、いやらしい意味で楽しめる。 それにしても本作では21歳だというのに、なんか目元が老けている。 ブロンドとあのスタイルがなかったら、単なる老けたおねえちゃんだ。 [ビデオ(字幕)] 7点(2009-01-11 16:58:34) |