2521. 十戒(1956)
映像の技術的には明らかに陳腐であるのに、その画面から今尚ものすごいパワーが溢れてくる。黄金時代と言われた当時の娯楽映画界のエネルギーがそのまま注ぎこまれているように感じる。もはや50年近くも前の映画である。スゴイ。アメリカの娯楽映画の歴史の大きさを感じる。 [地上波(吹替)] 8点(2003-10-07 00:52:47) |
2522. インデペンデンス・デイ
公開当時に劇場で購入したパンフレットには、「20世紀最後の幸福なアメリカ万歳映画」というような意味合いの評論が記載されていた。 劇場用パンフレットとしては珍しく、そこには若干の「揶揄」が含まれていたような気がする。 映画評論家が、本来絶賛のみすべきのパンフレット内の評論で、そういう類いの揶揄を含みたくなったことは理解できる。 なぜならば、多少なりとも映画通ぶっている人にとって、この映画が映し出す娯楽性は気恥ずかしいまでに王道中の王道であり、ベタの中のベタを貫き通した文字通りの「アメリカ万歳映画」だからだ。 ただし、この映画のつくり手たちにとって、映画通の講釈なんぞ端から眼中にない。 ただただひたすらに自分が憧れ、自分が観たい“アメリカ映画”を撮りきったこのドイツ人監督の功績には、賞賛を超えて、感謝すら覚える。 それくらい僕にとってこの映画は娯楽SF大作としてフェイバリットな唯一無二の映画である。 ランディ・クエイド扮する酔いどれパイロットのオヤジが青白い閃光を受けながら高らかに叫ぶ。 「Hello Boys, I’m Back !!」 最高。 [映画館(字幕)] 10点(2003-10-06 18:45:16)(良:1票) |
2523. フランケンシュタイン(1994)
とてつもなく怖く、とてつもなく切ない映画だった。フランケンシュタインというキャラクターそのものがとても悲しい。全身メイクで演じたロバート・デ・ニーロの存在感はさすがだった。映画全体に漂う不健康で焦燥的な空気感が秀逸。監督ケネス・ブラナーのセンスが光っていた。 8点(2003-10-06 18:33:35) |
2524. パーフェクト・ワールド
長年にわたり精力的に映画を撮ってきた映画人クリント・イーストウッドの力量を感じる作品。ケビン・コスナーのひねた暖かみを持った演技も良く、良い映画に仕上がっている。 7点(2003-10-06 18:29:05) |
2525. スーパーマン4/最強の敵
これまでのシリーズの持ち味だった要素の欠如も含めて、やはり今作は大きくトーンダウンしてしまった印象がある。安易にスーパーマンと似たようなキャラクターを登場させて「最強の敵」としてしまう段階で陳腐さが伺える。何年か前から話はあったけど、結局リメイクはされないのかな? 3点(2003-10-06 18:24:39) |
2526. スーパーマンIII/電子の要塞
スーパーマン自体の人間性の不安定さはある意味このシリーズの魅力であり、ストーリーの展開的にはなくてはならない要素なんだと思う。今作でもそれは顕著に現れており、クラーク・ケントのバカ男ぶり一喜一憂させられる。 [地上波(吹替)] 4点(2003-10-06 18:21:40) |
2527. スーパーマンII/冒険篇
宇宙で追放された極悪トリオが地球にやってきてしまうなどアメリカン・コミックらしい展開が楽しめた。そのほかにも娯楽的要素が高い展開が多く、エンターテイメントの名にふさわしい映画に仕上がっていた。 [地上波(吹替)] 6点(2003-10-06 18:18:46) |
2528. スーパーマン(1978)
アメコミ映画の金字塔的作品。最近のアメコミヒーローに比べるとスーパーマンは力持ちで空が飛べるだけという実にシンプルなキャラクターが逆に味わい深い。何年か前から新作が作られるとか言われてるけど、結局企画倒れで終わったのかな? 7点(2003-10-06 18:14:50) |
2529. リーサル・ウェポン3
もはやシリーズの惰性で作ったという感じでアクション映画としての魅力がなかった。2も含めて続編の出来が悪いため、パート1の評価も下がっているように思う。 4点(2003-10-06 18:10:04) |
2530. リーサル・ウェポン2/炎の約束
パート1のアクションの王道的作品に比べると極端にコメディ要素が入りすぎている気がする。ゆえに迫力は落ち、見応えもなくなっている。 [地上波(吹替)] 4点(2003-10-06 18:06:39) |
2531. リーサル・ウェポン
同シリーズの全体的なイメージはメル・ギブソン、ダニー・グローバーの掛け合いを軸にした奮闘振りを描いた明るいものなんだけど、パート1である今作はこれ以降のシリーズ作と比べると、実にシリアスでアクションの王道的迫力に満ちている。 [地上波(吹替)] 6点(2003-10-06 18:04:24) |
2532. パピヨン(1973)
脱出不可能と言われる刑務所から脱走しようって映画は多々あるけど、今作ほどの主人公が脱出(=生き抜くこと)に痛々しいまでの執念を見せる映画はなかったと思う。スティーブ・マックイーン、ダスティン・ホフマンそれぞれが演じる男の生き様が実に熱く切ない。 7点(2003-10-06 17:59:40) |
2533. サドン・デス(1995)
ヴァン・ダム映画らしい良い意味での彼のワンマンショーという感じの映画である。脚本が陳腐だろうが、演出にオリジナリティがなかろうが、ヴァン・ダムの存在のみで押し切って仕上げてしまうあたりは、やはり彼の腕っ節だけののし上がったスター性ゆえであろうと思った。 7点(2003-10-06 17:42:30) |
2534. ウォーターワールド
水浸しの世界の造型美は巨額を投じただけあって見事なものだった。しかし、それでは覆いきれないほどストーリーが陳腐すぎた感があった。あとほんの少し内容にインパクトがあればなかなかの娯楽大作になっていたと思うだけに残念。ゆえにUSJのショーの方が衝撃が大きかったのは確か。 5点(2003-10-06 17:34:29) |
2535. アポロ13
「月へ人類を送る」 あのJFKの号令から端を発した「アポロ計画」。NASAの大事業のハイライトはもちろん、 1969年のアポロ11号による「月面着陸」だろう。 しかし、今尚NASAの組織内において、最たる価値を持つ功績として掲げられているのが、この「アポロ13」の“事故”からの“生還”であるという。 宇宙開発という大事業において、重要視するべきものは、その価値観において多岐に渡ると思う。 「月面着陸」という大目的の達成は、もちろんその一つであると思うが、同時に、「事故死」という最悪の失敗を避けることも、「成功」と同等の価値を持つ成果だと思う。 そういう意味で、NASA史上最大の“危機”を最大の“栄誉”に転じさせてみせた、飛行士たちをはじめとするアポロ13のスタッフの功績は、偉大であり、その人間模様を緻密に描き出した今作の素晴らしさを唯一無二のものにしていると思う。 久しぶりに観たが、何度観ても、ラストの交信再開のシーンには、心がふるえる。 [映画館(字幕)] 10点(2003-10-06 14:01:09)(良:3票) |
2536. ジュマンジ
今となっては続編が出なかったのが不思議に思えるくらい良く出来た娯楽映画だった。ドラえもんの道具ばりの不思議スゴロクがパニックを起こす様がとても迫力があって小気味良く面白い。何十年もその不思議スゴロクの中のジャングルに閉じ込められていたという無茶苦茶な人生を送った主人公もロビン・ウイリアムスだからこそのハマり役だったと思う。なんとなく気持ち悪い全体的な雰囲気も良かった。公開時の評価はあまり良くなかったが、秀逸なエンターテイメント性に優れた傑作だと思う。 (追記) 名優ロビン・ウィリアムスが世を去ってはや一年。個人的には彼の主演映画の中で最も大好きな映画を何回目かの再鑑賞。 20年前に劇場鑑賞して以降、幾度となく観てきたが、変わらず安定した「娯楽」を観る者に与えてくれる愛すべき映画だと思う。 公開当時は、最新のVFXを最大の売りにした作品だったはずで、普通そういう映画は時間の経過とともに劣化していくものだが、この映画は違う。 当然、ビジュアル的には現在の最新技術による精巧なVFXと比較すれば大いに見劣る。 それでも今作が娯楽映画として劣化していない要因は、やはり一にも二にも主演俳優の存在感に尽きる。 ロビン・ウィリアムスによるロビン・ウィリアムスらしい“最適な”オーバーアクトこそが、この映画の最大の娯楽性だろう。 20年という月日が経ち、技術的には劣化したと言えるビジュアルももはや味わい深さを伴ってきてる。 今はなき名優の記憶は、今後さらにこの映画の中でも価値を深めていくことだろう。 僕はこの先も何度もこの娯楽映画を観て、変わらず「あー面白かった」とシンプルな感想を発し続けると思う。 [映画館(字幕)] 9点(2003-10-06 13:53:37) |
2537. クリムゾン・タイド
今作も原子力潜水艦映画を代表する作品で非常に良く出来ている。ストーリーや設定は娯楽性が強く強引な部分もあるが、それ抑えるデンゼル・ワシントン、ジーン・ハックマンの白熱の演技合戦がこの映画の最大の魅力であろう。 8点(2003-10-06 13:45:12) |
2538. シンドラーのリスト
「感動を押し付けている」というような批評がちらほらと見受けられるが、そんなことは決してない。むしろ、この題材をここまで真摯に捉え、変にドキュメンタリーっぽくならず観客のための映画として昇華させていることが驚きである。今作はエンターテイメントではないが、娯楽映画を信念をもって作り続けてきたスピルバーグだからこそ生み出すことができた映画だと思う。いろいろな意味をもってこの映画は完璧であり偉大である。 [ビデオ(字幕)] 10点(2003-10-06 13:36:57) |
2539. デイライト
人気スターのわりのコケてる作品が多いスタローンであるが、今作の出来栄えは良かった。「ポセイドン・アドベンチャー」を彷彿とさせるパニックアクションで、迫力あり感動ありと見応えががあった。この手の映画が好きな人には秀作とも言える作品に仕上がっていると思う。いまや「ロード・オブ・ザ・リング」で人気者のヴィゴ・モーテンセンが出ていて、最初の方であっさり死んでしまう。 8点(2003-10-06 13:28:34) |
2540. あぶない刑事
もはや家具屋の“閉店セール”的な風合いも感じなくもないが、いよいよ本当の“ラスト”らしい映画最新作の公開中、動画配信サービスの番組リストに今作を見つけて、久方ぶりに観てみた。 「懐かしい」という感覚を通り越して、むしろ色褪せていない娯楽性が素直に凄いと思った。 主人公たちの言動も服装も取り巻く風俗描写もすべてにおいて「時代」を感じるけれど、古臭いというのとは少し違っていて、「こういうものだ」と時代を越えて観る者に納得させる強さとある種の潔さが、「あぶない刑事」というエンターテイメントの世界観そのものに溢れている。 まあ何と言っても、舘ひろし&柴田恭兵の主演コンビが織りなす化学反応が、やはり幸福で奇跡的なことだったのだと思える。 当たり前のことだが、この二人がタカ&ユージを演じなければ、この刑事ドラマの成功はあり得なかっただろうし、いまや大御所となった二人の俳優にとっても今の成功はなかったことだろう。 そして、最も凄いことは、この作品が誕生して30年という月日が流れた今現在においても尚、舘ひろし&柴田恭兵が、港署のタカ&ユージという変わらぬキャラクターを演じることに「違和感」を感じないということだ。 最新作「さらばあぶない刑事」はまだ観ていないけれど、きっと彼らは、30年前と変わらぬ“ダンディー”と“セクシー”を見せてくれるに違いない。 [インターネット(字幕)] 7点(2003-10-06 12:55:39) |